こんなことを頼んでもわからないんだ・・・
こにゃにゃちは、な・ぜ・か救護班のお手伝いをやらされている、剣崎の小刀祢ですよー。
あのお目付け役の教導官め、空きがあるからって私を推薦するなァ! この悪がァ!
「すっごい殴りたい顔」
「殴ってみろよ、今度出るパーフェクトパズルの新作買えなくなると思え」
「残念だね〜、僕が直近で一番欲しいのは週末に出るナイトオブサファリの最新作ですよ〜! パーフェクトパズルの新作は再来週です〜!」
「来月までhospitalに釘付けにしてやるよ」
「ごめんなさい」
「保身に走るのが早えーよ」
「茶番をするより命をね」
「……はァ」
私はな、そこまで野蛮じゃあないんだよ! 脳筋性能してるように見えるけど汎用性の塊だからな! なんも野蛮じゃないことの証明になってないつうね。
「すっごく暇なのと、あの教導官殿にずっとニヤニヤしながら見てくる二つでストレスシューマッハ」
「草生える」
「おいこういう時はLOLって言いなさい、いや言え」
「なんでぇ」
「人様の前で日本のミームを使うな、少しでも頭良く見えるように海外のを使いなさい」
「そんなことだけで頭いいように見える?」
「見えるわけないだろ」
「やる意味ないじゃん」
「あたり前田のクラッカー」
「五〇年前のだ」
「……あ」
ここ二〇五一年だったわ、完全に忘れてた。というかもしかして私が知ってるミームほぼ全て生まれてない説あるぞ、泣いていいか世界。
「はァ……何を考えるにしても暇って言葉が頭に付くんだよな」
「そうなんだよね、基本的にみんな怪我とかしないからやることないんだよね」
「そうなんだ、じゃあなんで私ここにいるの」
「あの教導官が詰め込んだ」
「ふざけてらァ。ところでよ一柳結梨をどう思う」
「どう思うっていい子だと思うよ」
「そういうことじャあねェよ、もっと黒色にだよ」
「んー、多分普通の子」
「そうか? 考えてみろよ行方不明者でもなんでもないんだぜ」
「体裁のために二日三日経ったら死亡とみなすガーデンもあるにはある、だからそんな感じだと」
「私が調べた限り防衛省の官報に死亡者載ってるだろ、それにもなかったぞ」
「名前だけじゃわからないでしょ」
「名前がわかれば顔写真探せるんだよ」
まァ、ちょっと犯罪臭いことはしたけどな、百合ヶ丘の結構上の方のパソコンをちょちょいのちょいと触って防衛省の一般ピーポーじゃ見れないデータベースを見ただけだし許されるだろ、生徒だから。
「じゃあタイムトラベラーなんじゃないの?」
「未来から来るなんて、一寸先すら見えない今からすると相当無理な話だな」
「今の時代で急に存在が確認された……と」
「そうだ、ここまで聞いてどう思う」
「人間じゃないみたい」
「だろうな。私も最初はそう疑った、ケイブを通った人間に擬態できるHUGEの可能性とかを」
「HUGEね、確かにそう考えたら体があそこまで成長していても言語を覚えてないことの理由付けができる。けど──」
「──ありえない。正解だ一柳結梨は人間だ」
「確証があるの?」
「私の勘だ」
「勘を信じたとして一柳結梨はなんだと考えているの」
「人造リリィ、もしくは兵器」
「クローンは」
「ないない、今でも全世界でクローンは禁忌だ、G.E.H.E.N.A.ほどの力があっても全世界から責められたらアウトだろ」
「確かに。でもどうやって」
「待て隠れてるやつらこっち見てるな」
「……本当だね」
さすがに盗聴はできてねぇだろうが私に目をつけるのはやめてもらいたい。
「投げていいもんある?」
「お菓子の空き袋なら」
「勤務中に食うなよ」
「言わないでね、クビになるから」
「おっけおっけ、じゃあくれ」
「はいよ!」
「ほいよ!」
楽しい楽しいやきうのお時間だァァ! フゥゥゥゥ!!! 狙いを定めて……ドーーーン!!!!
「ストラァァァィイク!」
「バッターアウト!」
「ハイタッチ」
「イェー!」
「これさ、アニメとかでは背景で行われてることだよな」
「そうそう、主人公達が話してる後ろでね」
絵面が面白いせいで話が頭に入ってないアレな。
「話を戻すがHUGEを使えば人造リリィを作れるんじゃあないか?」
「確かにHUGEの幹細胞からだったらリリィを作ることだって可能かもしれない……けど、なんで百合ヶ丘に」
「そうなんだよ、なんでここにいるかが一番の謎なんだよ、HUGEの残骸はあったが戦闘の跡はなかったんだろ?」
「らしいね」
戦闘を行わせたわけではない、まさかあそこで生まれたのか。んなことあるわけ……いやありえるな、九人もリリィがいたんだマギの干渉があってもおかしくはないな。だかラーズグリーズが行った時に生まれたとは限らないか。
あ"ー"ラーズグリーズに入っとくべきだったか? いや入ってたとしても入院してたから無理か。
「私たちが考えてもどうにもならねー、やめだやめ。観戦しよーぜ的棒倒しの観戦」
「うん、僕たちがどうこう考えても意味ないよね、だって──」
「関係ない話だからね」
「関係ねェ話だもんな」
◇
「おーい百由様ーこの檻戻んないのー?」
「戦いが終わるまではねー!」
「うっそだーい、さすがに吊らされた状態のまんまって」
「マジよ」
……やー辞世の句を読まなくちゃいけないのか、私関係ないですけどね! 一点着地でもいける。
というかなんでメカなんだかと戦う結梨に声をかけた帰りに檻出てくるなんてありえねぇだろ、安全性を確保しろォ真島百由ゥ! ちょっとでもタイミングがずれてたら服じゃなくて体が串刺しよ。
始まった始まった。ありゃ白井様の受けて流してみたいなのか、おーすげーいい感じにパリィして、って危な、避けたか、みんなからのアドバイスきてんじゃーん、私もなんか言おうかな、「殴れー!」とか「ヘイセイを感じろー!」とかか、うんまともではないな。
あえて受けて流して斬る……いいねェカッコイイ、ちょーイイネ。
あれガシャガシャってこれ落ち──
「ぷろの人差し指着地」
あーこれ石刺さってる。
「おーやーま? 別に痛かしないけど驚きで倒れる。百由様叩くか」
「ああ……私のメカ・ルンペルシュティルツヒェンくんが」
「もうええじゃろ」
「痛!?」
「あのさーよくないと思いまーす、後輩をさ、こうね、よくないと思う」
「語彙力ないー!」
「馬鹿になるレベルで殴りますよ」
「遠慮せず殴ってやれ」
「味方はどこ!?」
「いるわけねーだろ」
「いるわけなかろう」
「ひっどーい」
◇
『連中……彼らが言うには彼女はHUGEから作り出した幹細胞をもとに生み出された人造リリィだそうだ』
「やっぱり」
理事長代行達の会話を盗み聞きしている宝条エムの後ろから人が近づいてくる。
「エム先生」
「っ、なんだ教導官さんか」
近づいてきたいたのは私を監視している教導官である。
「やめとくんだな、エム先生の力じゃ何もできない」
「こうなったら無力なのは知ってますよ、けど何かは」
「剣崎が言っていたぞ、HUGEと断定されたらできることは一つだと」
「一つ?」
「待つことだ」
「……そうですよね、僕たちは協力を求められるまでは何もできない」
「納得したなら帰った方がいい」
「あ、じゃあさようなら〜」
「ああ」
宝条エムがいなくなったのを見てこっちに目を留める。
さすがにバレたか。
「いるんだろう、剣崎」
「気付きますよね〜」
「お前が寮を抜け出すにはいかないからと言ったから注意しにきてやったのにな」
「そんなに親切とは思わんでしょう」
「そうか、寮長には連絡をしといたぞ、よかったな」
「ふざけんじゃねーぞ、おまえ馬鹿が!」
「教導官に対しての発言か?」
「スゥー、おやすみなさい」
「悪夢を見ろよ」
はァほんとにこいつクソだな、悪口言い合える関係がちょうどいいんだよ、ただこいつはクソだ。
「あーそうそう電話したのは嘘だ」
こういうとこがクソ!
もうね無理よ、できうるかぎりの二次創作要素は出してやった、いい意味でも悪い意味でも。
一柳結梨に触れないのはなんか違いとは思ったが、この触れ方違うくない?