アサルトリリィ Reconquista   作:シン・ナス

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お久しぶりです!まったり描いてたら完成したので載っけます!


昔話 隠された来春

 ──三年前 奥羽解放戦

 

「背中は預けたよ、鳳蝶(あげは)!」

 

「こちらこそッ!」

 

 蝶の髪飾りを身につけた金髪の少女、百合ヶ丘中等部三年の吉田鳳蝶と背中合わせになっているのは同じく中等部三年木津来春である。

 

 二人の息のあった連携攻撃は次々にヒュージを粉砕していく。二人ともまだレアスキルに覚醒していないながらにも、強烈な戦いっぷりである。

 

「コイツでフィニッシュだぁッ!」

 

 来春がアパラージタを超力で切り抜くと、ラージ級ヒュージはたちまち機能を停止した。

 

「流石ね、来春」

 

「鳳蝶もね」

 

 二人はハイタッチを交わす。

 

「来春〜、鳳蝶〜」

 

 大声で二人を呼ぶ声がした。

 

「どうしたの史房?」

 

 後方予備隊に配置されていた同級生の出江史房だ。

 

「この区域のヒュージは殲滅したそうよ」

 

 二人は安堵のため息を漏らす。

 

「一仕事終わったね」

 

「ええ。後は最前線がヒュージ群を突破するだけ──」

 

「……はい。えっ!?」

 

 史房の驚くような声に反応して二人は彼女の方を振り向く。

 

「はい分かりました……」

 

 通信機を切った史房に来春は恐る恐る尋ねる。

 

「どうしたの?」

 

 史房は深刻そうな表情で言う。

 

「最前線で思わぬ挟撃にあい、全滅寸前との事……」

 

「っ! そうか、そういうことだったのか!」

 

「やけに数が少ないと思っていたけどそういう……」

 

 来春は歯を噛み締める。

 

「ら、来春……」

 

 史房は来春の表情を覗く。

 

「やむを得ないね。撤退戦をしよう。高校生はいらっしゃる?」

 

 史房は急いでタブレットを操作し確認する。

 

「全員前線の方に行ってるわ」

 

 鳳蝶は立ち上がる。

 

「なら、この場の指揮は……」

 

「鳳蝶に任せよう」

 

「ッ!? どうして?」

 

 鳳蝶は驚いて来春に目を向ける。

 

「私は前線に出る。()()ならまだ生き残りはいるだろうし、そちら側の撤退を支援するよ」

 

 鳳蝶は不満そうに来春を見つめる。

 

「なんで一人で行こうとするの!?」

 

「……ねぇ、鳳蝶。私たち親友だよね?」

 

 突然そんなことを尋ねてくるものだから、鳳蝶は若干驚いた。

 

「今更何を言うのよ」

 

 鳳蝶の返事に来春は薄らと笑みを漏らした。

 

「えへへ。そっか、そうだよね!」

 

 すると、爆速で飛び去ってしまった。

 

「来春ッ!」

 

 飛び去った方を見て、歯をかみ締めて思わず呟いた。

 

「親友だから相談するのでしょう?」

 

「……私がこの場を持つわ。鳳蝶は行ってきて」

 

 史房の申し出に目を見開いた。

 

「頼むわ」

 

「うん。来春をよろしく頼むわね」

 

「任せて」

 

 史房に場を任せると、鳳蝶も来春ほどの速度ではないものの後を追い始めた。

 

(一体何を隠してるって言うの、来春……)

 

 胸の奥の不安は、鳳蝶の限界寸前の足を半ば強引に動かしていた。

 

 五分ほど経ったその時だった。

 

 ドゴォン……

 

 遠くでとんでもない爆音が鳴り響いたのだ。無意識のうちに鳳蝶の足はさらに早まっていた。

 

「何よこれ……」

 

 道中だった。あまりにも悲惨な光景を発見し、恐怖と困惑でようやく振り絞った声がこれだった。

 

 リリィの死体が無数に転がっていたのだ。その中にはCHARMで斬られた跡もあった。

 

 最早、鳳蝶の脚は動かなくなっていた。なんとなくこの光景の犯人がわかったような気がしたのだ。

 

 思考が止まった状態で轟音源へと走り近づくと、近くにはおそらく上級生たちを壊滅に追いやったであろう数々のギガント級ヒュージの残骸と建物の破片が飛び散って落下していた。そして、眼前に広がる光景を見て、唖然とする他無かった。

 

()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 その中央には()()が力なく立ち尽くしている。

 

「来春……」

 

 親友の名を、()()()()()()()()を薄い声で囁いた。

 

 

 ──事件から一ヶ月後

 

 

 来春は裁判にかけられることとなり、百合ヶ丘女学院の立場が非常に危うくなることになる。しかし、政治的な取引があり、来春はお咎め無しとなる。

 

「来春」

 

「……なに?」

 

 事件以降、もっぱら元気のない来春を気にかけて鳳蝶は来春を呼び止めた。

 

「他のリリィと接触禁止されてたでしょう? 何があったのよ」

 

「上からの命令。それ以外の理由なんて……」

 

 目も合わせようとしないし、声もくぐもっていて、あまりに無愛想に返してくるものだから、ついカッとなって来春の胸ぐらを両手で掴んで問い詰めた。

 

「関係ないッ! 私たち親友でしょう⁈なんで隠すの⁈」

 

「っ! 触らないで! 鳳蝶が傷ついてしまう……」

 

 触らないで、という言葉は鳳蝶の胸を突き刺した。掴んだ手を離して下ろした。

 

「……いいわよ。私は私で事件を探るわ。たとえそれが()()()()()()()()()()()()()()()

 

「──そう。やめといた方がいいと思うけど」

 

 来春は一言忠告してから鳳蝶の隣を通って離れた。

 

「来春の真相に絶対に辿り着いてみせる。どんな手を使ってでもッ──」

 

 それは鳳蝶の優しさだった。真に親友を想う心は自分の信条すら曲げていたのだ。

 

 鳳蝶は他の人の目を盗み調べ始める。

 

 しかし、来春を隠すモノはそう簡単に解体出来なかった。

 




ちょっとグダるかもデス……
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