世の中には、様々な個性を持った人達が存在する。
例えば天然な人。
一般とはちょっと違った行動や受け答えをする人の事を言う。
例えば短気な人。
すぐにイライラしたり、不安になったりする人の事を言う。
性格であったり、行動であったり・・・その人独自の人間性、性格などは全て個性なのだ。
かという俺も生粋のアニメオタクであり、推しのフィギュアは全て買い、ゲームが始まればすぐに課金、その他諸々全てアニメのために費やしている。
だが、これも俺───
そうつまりは───「なぁーに辛気臭い顔してんのさ!」
「いてっ!?」
パシッという軽い音とともに、俺の頭がはたかれる。
くそっ、俺が折角個性とは何かという深い考えに浸っていたというのに・・・。
「・・・くっ、恐ろしく早い手刀。俺ですら見逃してしまった・・・犯人はお前だな!」
「いやまず手刀じゃねーよ!」
そういいつつも、嬉しそうに俺の頭をパンパンと叩いてくる、一見男にしか見えない女───
まぁとはいっても、アニメの鑑賞会をする程度なんだが。
「・・・ってか、イタイイタイ!叩く力が強すぎんだよ!」
「ふっ、貧弱貧弱ゥ!・・・そ、そんなに痛かったかな?」
自信満々にボケつつも、こっそりと心配してくる成瀬・・・マジで男───それも普通のイケメンにしか見えない。
本来なら心配されたとて、何も感じはしないのだが・・・俺は知っている。
コイツがかなりの寂しがり屋で、俺の事を目茶苦茶大事にしてくれている事を・・・って、なに言ってだ俺。
「冗談だ。そもそも、女のお前がいくら叩こうと俺には全く通用しねぇ」
「・・・お、おおお女ッ?」
「ふふはっ、動揺し過ぎだバカめ・・・」
「ぐっ、おまえぇ!!」
普段はこんな感じでじゃれついてる俺らだが、一つ、俺は成瀬に対して確信を得た事がある。
───成瀬は女扱いされると弱い、という事だ。
何を言っているかわからねぇと思うが、俺も何を言っているかわからねぇ・・・。
だが実際問題、女という単語に目茶苦茶反応してるし、目茶苦茶動揺するし、そんな成瀬ってなんか目茶苦茶可愛くね?って話なのだ。
胸もない(恐らく)、髪もショートヘアー、一人称が私のくせに、口調が完全に男、女子のことをさん呼び・・・ここまで来ても、コイツがち〇ち〇付いてないとか信じられるか?
いや、ない(自己完結)
「こぉーら、二人とも何やってんの?」
「「げっ・・・」」
暫くお互いの頬をこねくり回して(意外とコイツの頬柔らかいとか何かいい匂いするとかそんな事は思ってない)いると、我らがクラスの委員長が、拳を振り上げ睨みを効かせてきた。
・・・あれ?なんか動く度に胸が揺れて・・・。
「うわっ・・・そこの委員長の胸ばかり見つめる変態君さぁ・・・キモいよ?」
「なっ!?しょ、しょうがねぇだろ!?だいたい、胸に視線が寄ってしまうのは男なら誰しもがあることで、そもそも胸に視線が寄ってしまうこと自体が自然の摂理というか・・・」
「言い訳してんのさらにキモい・・・」
「グフッ・・・クリティカルヒットだぁ・・・」
口から血を吐く演技をして、そのまま机の上に倒れこむ俺・・・キモいは酷いぞキモいは・・・。
いっそこのまま永眠してやろうかと思ってしまう程に効いたぞぉ・・・。
「・・・はぁー、相変わらず仲が良すぎてこっちが砂糖吐きそうだわ」
「「む、うっさい!」」
「ほら、息ぴったりじゃない」
ふざけ倒している俺達に呆れを色を滲ませる委員長。
周りはまるで微笑ましいものを見るかのような眼差しで俺達を見つめてくる。
「くっ、止めろ!そんな視線を俺達に向けるなぁっ!」
これはいけない・・・と俺が再び何処かで聞いたアニメの台詞を口走る───が。
「わ、わわ・・・私達って、息ピッタリ・・・な、なんだな・・・」
俺と同等()のイケメンフェイスを朱く染め、ラノベで良くいるチョロいんのように、俺をチラチラと伺う。
「・・・くっ、穴があったら入りたい・・・」
そんな言葉も、誰にも聞こえることなく消えていった。