エミリーが作ってくれた結界のお陰で氷に呑まれずにすんだ。が、問題なのは。
「先輩......」
「さて、古城をどうやって起こすか」
「一番合理的なのは、暁古城に血を飲ませるのがいいですわよ」
俺としてはホムラとヒカリの血を飲ませたくない。姫柊の血を飲ませるのは一番だろうと言いたいところだが、姫柊の血でコイツの目が覚ませるのかわからない。アイツらの技術は未知の過ぎるの上に魔力なのか、エーテルなのか、はたまた未知の法則なのか俺の知識ではわからない。
「叶瀬夏音を倒すにはコイツの新たな眷獣を従える必要がある。俺が今から時間稼ぎをするから、コイツに血を飲ませてくれ」
言った直後に姫柊に止められた気がしたが、それでも無視した。ヒカリと一緒にヨミに着いていったホムラは赤い剣をヨミに渡して、結界の外へ出ていった。
「おー、生きてるとは。知ってたけどな」
「まずはデゴイじゃなく、本体で出てきたらどうだ?」
ヨミの言葉にフハハハと笑いだした北城はお腹を押さえた。
「テメエの考えはますます分からねぇな!天の聖杯さえあれば真祖と獅子王機関を潰せるというのになあ!」
「じゃあ、なんでお前が俺の前に現れたんだ?」
「何言ってるんだテメエ?」
「答えてやろうか?答えは簡単だ。お前が桜子にあのウイルスを注入して、俺を殺させるからだろうがっ!」
ヨミの髪が赤染まり、燃え上がった赤い剣が炎の柱を作り上がり、北城に目掛けて炎柱を伸ばした。北城のデゴイは炎柱によって消された。炎柱は急カーブして夏音が凍っている氷の柱を溶かした。
「ヒカリ!」
「ヨミ、受け取りなさい!」
ホムラの力を使い過ぎると氷の足場がなくなる。ヒカリの剣を受け取って、赤い剣の剣先から火の玉が出てきた。氷の足場を思いっきり蹴った、そしたら空中浮遊した。
「アレは......」
「ロシアで使った程のスピードじゃないけど、リューズの空中浮遊のアーツを見て、思いつきで編み出したって言ってたわよ?流石は私たちのヨミね」
空中浮遊しているヨミの背中を見ていたホムラとヒカリはロシアでの出来事を思い出した。結界の中で見ていたエミリーは空中浮遊しているヨミを見ていた。
「アレはホムラの力である炎の力。創造した炎を自由自在に作り出す。例え天使でも一溜りありませんわね」
ヨミの眼を見ると金糸雀の色になっている事を気付いたエミリーはフフフっと笑いだした。
「悪いが避けても無駄だぞ?」
白い剣で横切りすると夏音の身体にすり抜けてしまう。
(すり抜けた......?血塊とは違う法則があるのか?)
血塊とはまったく違う法則が働いているとしたら、科学ではあるがパラメータや能力が違うとか?
「
古城の背後に水銀の双龍が現れた。どうやら、古城が新たな眷獣を従えるようになったみたいだな。
「
「くそっ! あれでもダメなのかよ!」
「いいえ、私たちの勝ちです!」
雪菜がそう言うと、エミリーがフランス語で書いてある紙を投げた。
「
投げたフランス語で書いてある紙が翼が生えた球体となった妖精が夏音に襲った。
『gaaaaaaaaaっ!!』
妖精に左の翼が消し飛ばされる夏音の前に空中浮遊をしているヨミが白い剣を構えてた。
「ライトニングスラッシュ!」
白い剣が日光して6連続斬りで夏音の片方の翼が斬れてしまった。翼がなくなり落ちていく夏音に雪菜が雪狼霞で突き刺した。割れたガラスのように天使の身体が消滅していき、走って行く古城が落ちていく夏音をお姫様抱っこした。
夏音はこれと言った傷はないが、天使になった所とはいえ何週間の入院する事になった。救助の船がやって来た。コーヒーが入ったマグカップを取ったエミリーはコーヒーの風味の臭いを嗅いだ。
「これはインスタントコーヒーですね?」
「ああ、大体の船と飛行機のコーヒーはインスタントだ」
ヨミの言葉になるほどと頷いたエミリーはコーヒーを口にすすった。
「クルルが淹れてくださった紅茶が恋しいですわね。そう言えば、貴方方がどうやって攻魔師に入った理由を耳にしたいです」
「長くなるがいいか?」
過去に向き合う事は悪い事じゃないと昔ヴェッジにキツく言われた事があった。その言葉のお陰でニアたちに会えた。
4章移る前にifと外伝です。
外伝:異世界の続き書いてほしいですか?
-
書いてほしいです!
-
書かなくていいです!