傷口出来すぎた少年
グロリスクな友人の顔と廃人になった赤の他人を思い出して、口から唾液を吐き出した。
「オエ......、なんで俺は生きてる......?」
ドロドロとした黒い何かが俺の胸に刻まれて、
縛れていくような感じ。意識が持ってかれそうになった。
「誰かに助かれるようなことしたか......?」
頭には何も浮かばなかった。だって知ってる人が全員死んでしまったのだから。言っているうちにゴスロリを着ていた少女と金髪の女性が入ってきた。
「大丈夫か?と言えなさそうだな」
「君たちはなんなんですか?なんで俺を助けたんですか?」
ヨミの悲しい言葉を聞いた金髪の女性が悲しい表情でこちらに向けてきた。ゴスロリを着ていた少女が考え事をして問いかけてきた。
「お前は襲われたんだ、それ以外に助ける他にはあるのか?それと私の名前は南宮那月、攻魔師で現場の中に入る指揮官だ」
「攻魔師......」
「お前以外の生存者を探したが、全員が廃人になって死亡した。現場に駆けつけが遅れた私たちの責任だ」
那月が俺に頭を下げてきた。那月さんも分かっている筈だ。例え、頭を下げたとしてもすべてが元に戻る訳じゃない。とぶつぶつと言っているうちに脳にノイズが走った。
「っ!!」
脳に浮かんだのは血の湖と狂気の感情に浮かべている人間が写っていた。あまりの頭痛で頭を抱えるヨミを見ていた那月が目が見開けた。
「まずい!ナースコール!ナースコール!!」
「あっ、ああっ!!あああああああああっ!!」
「っ!ヨミっ!!」
涙を流して発狂するヨミに抱き付いたのは金髪の女性だった。
「貴方はもうひとりじゃないわ!」
「あっ......、あっ......」
金髪の女性の抱きついた温もりによって、ヨミが少しずつ目蓋を閉じた。ヨミが寝たことを確認した那月は冷静になり、椅子に座った。
「分かっていたが、此処まで酷いとは......」
ヨミという少年はあの災厄の街の生き残りだった。ヨミ以外の生き残りを探してみたが死体だらけで人が隠れるところがひとつもなかった。
つまり生存者はいなかった。だが、ひとつ問題がある。
「どうやって、コイツは生き残ったんだ?」
あの災厄の街はウイルスや空爆とかあった筈だ。なのにこの少年は生き残ってる。ってことはこの少年は特別な何かを持ってる。
「この子は
「あの巫女.......?まさか!?」
金髪の女性の言葉に目が見開けた那月は表情には怒りに満ちていて、手のひらから血が出る勢いで握りしめた。
「この少年が死ぬことすら許さないって言うのか......!」
絶望に落ちているこの少年に楽にしてあげたいと思っていたが、あの巫女がつけた呪いが許さないだろう。この中で辛いのは私でもないこの少年だ。
「呪いを払う方法を考えないとな。木更先輩に相談してみるか」
すべての魔道書を読みきった木更先輩なら何か知っている筈だ。
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