空、風、星、そして光の種   作:ryanzi

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復活の混沌

ずいぶんと面白いことになっていた。

世界レベルで物事が変わりつつあるのだ。

あやふやになっていた更紗帆奈という意識も復活した。

存在感のあふれる幽霊といった感じだ。

まあ、姿を隠すのも思いのままなのはありがたいが。

とりあえず、高みの見物と参ろうか。

 

「あっは!本当にぐちゃぐちゃ!」

 

環いろははかつての友人の残滓と戦うことになった。

 

「・・・どうしてウワサを倒したら優心さんが」

 

「僕自身は優心ではありません。

光の種とイブの感情が融合して生まれた存在なんです。

僕はあなたたちに試練を与える存在・・・。

ベースとなる感情は恍惚、どうか僕を倒してください」

 

「・・・どうして?」

 

「道を作るためです。道は何通りあってもいい。

親友(チョルチン)も道を歩んでいますが、

他にも道を用意しておかないと、また失敗してしまうから」

 

それでも、環いろはが彼に武器を向けることなどできなかった。

彼女はへたり込んだが、彼は手を差し伸べた。

 

真っ直ぐ立てる意志を持ってください、いろはさん。

あなただったら戦えます。それに・・・」

 

彼はいろはの仲間たちを指さした。

 

「あなたにはういさんを守り抜く勇気があるし、

快く信じ任せられる相手だっているじゃないですか。

だから、この試練だって乗り越えられるはずです」

 

帆奈は視点を移す。

 

「・・・そういや、あのらんかって子は?」

 

「・・・ちょっとした都合でいないわ」

 

「そうか・・・」

 

「アンタ、前より薄くなったわね・・・」

 

「まだ禿げてないぞ」

 

「そりゃそうでしょうが!私たちまだ中学生よ!

私が言っているのは・・・その・・・輪郭というか」

 

「どんどん境が薄くなってるって言ったろ?

こうして人語で喋れるのも、もしかすると奇跡かもな」

 

「・・・」

 

「そんな表情するなって。ほら、さゆさゆのグッズだぞ」

 

「わあい!」

 

視点を移す。今度は少し遠い風景。

 

「・・・みたま、破ったのは中立だけやないかもしれん」

 

「そうですか。それは対処が必要ですね」

 

「ふんふんふん」

 

そんな三人の傍には異質な男がいた。

その男は深い爪を武器にしていた。

 

「・・・だから信頼するなと忠告したのに。

あんな憎悪に囚われた女をシナリオの協力者にするなんて。

やはり、あの男は人を信じすぎるきらいがあった。

おかげで、調整屋も危機に立たされてる。

グリーフシードの供給は不安定だし、強くなるのに調整屋も必要なくなった」

 

「九郎、優心の非難をしてもしょうがないで」

 

「わかってますよっと。あと、朗生の復讐相手は消えました。

死体も見つかりませんでした。おそらく、あの光で消滅したんでしょう」

 

「相変わらずの調査能力ですね」

 

「これくらい何ということはありませんよ。

ただ・・・アイツは殺しすぎた。もう何もわからなくなってるでしょう。

そうじゃなくても、二年もあんなものを装備していたら、どうかなってしまう。

ただでさえも、幼い不安定な光の種を浴びたというのに・・・」

 

「私もちゃーんと忠告したんやけどなあ。殺しすぎやって。

まあ、ヤクザも光で解散状態やし、問題ないやろ。

・・・魔法少女に喧嘩を売りさえしなければの話やけどな」

 

別の場所に視点を移そうとすると・・・

 

「ありゃ、幽霊か?ずいぶんと存在感があるな」

 

一番注目しているのが背後に立っていた。

本当は高みの見物が好みなのだが。

 

「いらっしゃい、ネジレ探偵さん。

このビルの屋上、気に入ってるんだ」

 

もはやネジレ探偵だと指摘されても鉄雄は動じなかった。

 

「ここで自殺したのか?ご愁傷さまで」

 

「自殺したのは別の場所だよ。

それで、ななかってやつを探してるんでしょ?」

 

鉄雄は彼女の隣に腰かけた。

 

「いい景色だな」

 

「いい景色でしょ?」

 

彼は深く息を吐いて、言った。

 

「それで、幽霊のお嬢さん。

どこまで知ってるのかは知らんが、ななかさんの居場所は知らないかい?

数日前から行方不明なんだよな。結菜さんたちもやってないっていうし」

 

「・・・あの光が蒔かれてから、千里眼っぽいのを使えるようになったんだ」

 

「それで?」

 

「見えたんだけど、薄暗いというか、真っ暗というか・・・。

ありゃ、どう見ても土の中に埋まってるね」

 

「具体的にはどこの土の中だ?」

 

「新西区の土手だね。三人とも、そこに埋まってるよ。

雑に埋葬されてるけど、まだ腐敗はしてないね」

 

「そうか・・・それをかこさんにどう伝えればいい?」

 

「私が間接的に知ってる男は数百万年もかけて、自分で考えてたよ。

そして、その考えを種として世界中に蒔いた。ドМだね。

アンタもそんな奴の後継者なら、自分で考えるようにしな」

 

彼女はふっと消えた。

 

「・・・いや、マジでどう伝えろってんだ?」

 

「あら、どうした?」

 

ほむらもビルの屋上にやってきた。

 

「実は・・・」

 

彼女に今起こったことを伝えた。

 

「確かに伝えるのは大変そうね・・・」

 

二人は地上を見下ろした。

ななかたちを探しているのは、ネジレ探偵とかこだけではない。

静海このは、遊佐葉月、三栗あやめ、竜城明日香、美凪ささらといった魔法少女も加わっている。

さらには、参京院教育学園の魔法少女や木崎衣美里を中心とした魔法少女も参加していた。

彼女たちにどうやって幽霊から情報を得たと伝えるべきだろうか。

さらに問題がもう一つある。

 

「なんだろう。生存本能が幽霊のことを言っちゃダメだって警報を鳴らしてるんだが?」

 

「奇遇ね、私も似たような感じよ」

 

ずいぶんと面白いことになっていた。

世界レベルで物事が変わりつつあるのだ。

そして、また物事は変わるだろう。この神浜市で。

更紗帆奈はそれをせせら笑いながら見物するだけだ。

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