「銀ちゃんが原作ローゼンの世界に迷い込むようです」をご覧になることをお勧めします。
すごく面白いやる夫スレ作品であることは胸を張って断言できます。
肆.(・・・第一声は別の奴に任せるか)
華宵がおもむろに立ち上がって、そして言った。
「そもそもの問題があるわ・・・それは、皆がキレやすいことよ」
全員、彼女が何を言いたいのかわからなかった。
「よく考えてみなさい。魔法少女同士で互いに争う理由を。
グリーフシード?確かにそれもあるわね。
でもね、いくら命がかかっているからって、喧嘩っ早いと思うのよ」
そこで彼女は懐から・・・ヤクルトを取り出した。
ヤクルトは、京都帝国大学医学部で微生物を研究していた医学博士代田稔が、1930年(昭和5年)に乳酸菌の一種であるラクトバチルス・カゼイ・シロタ株(L. カゼイ YIT9029)の強化・培養に成功し、1935年(昭和10年)に福岡県福岡市で代田保護菌研究所のもとに飲料として製造・販売を開始したことに始まる。
「ヤクルト」(Yakult)という商品名は、エスペラント語でヨーグルトを意味する「ヤフルト」(Jahurto)を元にした造語である。
日本国内でヤクルトの販売量が最多を記録したのは1972年(昭和47年)で、1日平均で1,600万本を売り上げた。これは約7人に1人が毎日ヤクルトを飲んでいた計算になる。2006年(平成18年)4月時点では、オリジナルのヤクルトだけで1日約300万本、ファミリー商品を含めると約900万本が販売されている
以上、Wikipediaからの引用である。
まあ、とにかくおいしい乳酸菌飲料ということだ。
「皆、乳酸菌が足りないからキレやすいのよ!」
その場にいた誰もが唖然とした。
鉄雄は後悔した。こんなのに第一声を任せてしまった。
よくよく思い出すと、これは確かに残念なことが多すぎた。
かこでさえも何もするなというくらいなのだから。
「・・・馬鹿馬鹿しいわ」
そう言ってリヴィアはコーヒーを飲んだ。
だが、彼女は違和感を感じた。熱くないし、なめらかな甘さ。
しかも、コップではなかった。プラスチックだった。
そう、空っぽになったヤクルトの容器だった。
「・・・ア、アンタ、やりやがったな」
リヴィアは机に倒れ伏すと、すぐに起き上がった。
彼女の瞳はとても澄んでいて、顔は晴れ晴れとしていた。
「・・・やったことは最悪やけど、いい気分や」
「そうでしょお!さあ、これからはヤクルトの時代よ!」
彼女の言いたいことはよくわかった。
確かにリヴィア・メディロスの精神は改善したのだろう。
ヤクルトは偉大かもしれないが、何か違う。
そういうわけで、その場にいた者たちは何がなんでも抵抗した。
驚くべきことに、リヴィアの次に餌食になったのはほむらだった。
華宵はどういう能力を使ったのかはわからないが、時を巻き戻したのだ。
そういうわけで時間停止で逃げたほむらにヤクルトをぶち込んだのだ。
恐ろしいのは、ヤクルトを飲んだ者は他の者にもヤクルトを飲ませようとすること。
リヴィア、ほむら、華宵の連携プレイによって篠目ヨヅルが人質に取られた。
九郎はそれに屈し、自らヤクルトを飲んだのだ。
そして、そんな九郎の後に続いてヨヅルも自らヤクルトを飲んだ。
佐和月出里は状況をよく呑み込めずに、無邪気にヤクルトを飲んでしまっていた。
残されたのは鉄雄、みたま、十七夜だった。
もはや、過去のことなどヤクルトに・・・いや、水に流さなくてはならなかった。
まずは目の前のヤクルハザードを防ぐため、三人は共同戦線を結成した。
だが、みたまからやられてしまった。
いくら光の木の力を吸収したとはいえ、ヤクルトを飲んだものたちには無力だった。
次にやられたのは十七夜だった。みたまにソウルジェムを調整され、ヤクルトを飲まされたのだ。
必死に抵抗したのが鉄雄だった。
長い長い戦いが続いた。ビルだって何軒か倒壊するくらいに。
だが、相手は
東をまとめてた魔法少女、そして・・・爪だ。
そういうわけで、彼は取り押さえられて、無理やり飲まされた。
そこからも長い抵抗が続いた。吐き出したり、根性で免疫をつけたり・・・。
だが、注射針で直接体内にヤクルトを注入されたことにより陥落した。
新しく始めよう。人も地球も健康も称えるためのヤクルトを
◆◆◆◆◆
「・・・ななかさん、美雨さん、あきらさん」
かこはあれから引きこもりがちになっていた。
そんな彼女のもとに鉄雄が訪れた。
「ほら、ヤクルトだぞ。これ飲んで元気出せよ」
「その手には乗りませんよ???
顔が晴れ晴れしていると思ったら、飲んだんですね???」
「すっげームカつくけど、心が意外と静かになるんだよな」
「ゲーテは言いましたよ。
傘を差さずに踊るものがいても許されるのが自由だって。
そういうわけで、私は飲みませんよ」
「ところがどっこい、俺たちはFREEDOM IS YAKULTがスローガンだ」
「ヤクルトを飲んだ前提の自由ってことですか???」
すると、鉄雄はかこの手をやさしく掴んだ。
そっと、ヤクルトも添えて。
「この前さ、こうやって俺を助けてくれたじゃん。
ほら、新西区に行ったときにさ。トラウマに震えてた俺を。
今度はさ、俺がかこの力になりたいんだよ」
屈託のない表情で、鉄雄はそう言った。
どこか幼さを感じさせる瞳に吸い込まれそうだった。
なぜか頬が赤くなってしまう。
「鉄雄さん・・・ええい!こうなったら私も覚悟を決めます!」
こうしてかこも(色々な意味で)陥落した。
◆◆◆◆◆
「ふゆぅ・・・」
「・・・飲まないわよ」
「ふゆぅ・・・」
「・・・どんなに見つめても、レナそんなの飲まないから!」
そこにももこが駆けつけてきた。
「レナ、これ飲んでくれたらさゆさゆのグッズあげるぞ!」
「そんな誘いにレナ絶対に騙されないんだから!」
「「飲め」」
「きゃああああ!」
◆◆◆◆◆
朗生は自らの人生に審判を下そうとしていた。
良い日だった。これ以上ないくらいに、穏やかな日だった。
「待ちなさーい!」
・・・幼馴染が止めさえしなかったら。
「なんだよ、レナ。俺は今からケリを・・・」
「そんなのもう必要ないわよ!」
彼女はヤクルトを取り出した。
「よくわからないけど、これで解決しそうな気がするの!」
「・・・正気か?」
「今のアンタに言われたくないわよ!」
こうしてヤクルトをかけた戦いが始まった。
一方はジャスティティア、一方は魔法少女の槍。
勝負は互角であった。E.G.Oはそれほど強いのだ。
だが、予想外の攻撃で朗生はヤクルトを飲まされてしまった。
そう、口移しだ。
「ぐむっ⁉」
レナの舌が朗生の舌を絡めながら、ヤクルトを運んできた。
だんだんと朗生は人間としての輪郭を取り戻しつつあった。
「・・・ぷはっ、これがレナの気持ちよ!」
「・・・本当によかったのか?」
「こんなこと、軽々しくやると思う?」
「・・・そうか、ありがとう。でも、俺はその気持ちには」
とりあえず、レナは彼をボコボコにして、自分の家の寝室に引きずっていった。
同じころ、村宮もちかに無理やり飲まされてしまった。
思春期の少年少女、暖かな心、そしてヤクルト。何も起こらないはずがなく・・・。
◆◆◆◆◆
この状況を鑑み、シレンは合体することにした。
もちろん、ブレスレットと化したシレンも合体に加わった。
そして、研究所をみかづき荘の地下に展開した。
灯台下暗し、ということわざを利用するのだ。
そういうわけで、新生優心はこの事態を解決しようとした。
・・・が、運命はそれを許さなかった。
ブレスレットは他のシレンに合流するために瞬間移動したのだ。
だが、それによる魔力の動きとやらをとっくに特定されてしまっていた。
天井が破壊された。攻め入ってきたのは、環いろはだった。
ご丁寧にヤクルトも持ってきていた。
「・・・僕は自由でありたいんです」
「そういって、またどこかに行く気なんですか」
いろはは今にも泣きだしそうな顔だった。
泣きたいのは優心も同じだった。ヤクルトなんて飲みたくないのに。
「放っておいてください、いろはさん」
「いやです」
じりじりといろはは距離を詰めて、じりじりと優心は後退する。
いろはが断固として意思を曲げないのは、優心はよく知っていた。
「・・・僕にとって、それは救いじゃない」
「優心さん、言っていましたよね。道はいくらあってもいいって」
「だからといって、それを押し付けるのはよくないですよ」
「優心さん???ライトも、今回のシレンも、全部優心さんの押し付けですよね???」
壁に追い詰められたので、今度は壁に沿って逃げた。
が、いろはは素早く先回りして、優心の隣にぴたっとくっついた。
そして、素早く抱きしめた。
「優心さんが昔から救われたいとか人になりたいとか思っているの、知ってます。
でも、もういいんです。優心さんはどこまでも人間なんです。
もし、優心さんを人間じゃないっていう人がいたら、私が許しません。
だから、もう休んでいいんです。ほら、これ飲んでください」
彼女はヤクルトの蓋を開けて、そっと優心の口につけた。
長い道の果てにたどり着いた安息であった。
「ほら、一緒に帰ろう?優心さん」
優心は差し伸べられた手を握った。
いろはは彼を暖かな太陽の世界に連れ戻してくれた。
二人は芝生に寝転んで、笑った。
その世界では、人も地球も健康も輝いていたのだ。
まったくもって、闇のない世界であった。
万事これでいいのだ。闘いは終わった。
彼は自分に対して勝利を収めたのだ。
彼は今、ヤクルトを愛していた。
我々が立ち返るべきは少年の笑顔だ。まっすぐで、輝いている。
その笑顔は、一日の終わりに世界は全としてあり、人間としての品格は、
親の愛情と同じで、当然のごとく消えることなく存在しうる、
というゆるぎない信頼から生まれている。
その信頼の麗しさゆえに、われわれはオーウェルが、
あるいは我々自身までもが少しの間だけでも、こう誓う姿を想像することができる──
その信頼が裏切られることのないように、やらなくてはならないことは何でもやるのだ、と。
あなたはどれを選択しますか(ストーリーには関係しません)
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壱
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弐
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参
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肆
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伍