空、風、星、そして光の種   作:ryanzi

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もう一つの拠点の存在?

とりあえず、気を取り直して情報を仕入れることにした。

まず、神浜の事情を知らないとどうにもならない。

 

「・・・あの光の種は魔法少女たちの間だとどういう認識なんだ?」

 

それによって、鉄雄たちの行動がどう制約されるか変わってくる。

もし、魔法少女全員が光の種を邪悪だと認識していたらこっそりと行動だ。

北養の山中で会った従者の様子からして、何人かは敵に違いない。

 

「・・・ワルプルギスの夜という魔女に対する最終兵器。

皆、そう思っています。私もまどかさんから教えてもらうまでそう思っていました」

事実、ワルプルギスの夜はあの光で大幅に弱体化しましたから・・・」

 

「いくら何でも、全世界巻き込むような兵器使うか、普通?」

 

そこで、ほむらはある二人の魔法少女の存在を思い出した。

 

「そう言ったのって・・・和泉十七夜か八雲みたまとかいう魔法少女かしら?」

 

「はい、そうです・・・」

 

とりあえず、従者の言うことは本当なのかもしれない。

二人の魔法少女は優心の本当の目的を隠したのだ。

治療ではなく、兵器という目的にすり替えてしまったのだ。

 

「・・・二人に何か変わったところはあるのか?」

 

「以前よりも魔力が強くなった感じはしましたが・・・」

 

鉄雄は拳を鳴らし始めた。

 

「ちょっと待っててくれ、ほむら」

 

ほむらは溜息をついて言った。

 

「待ちなさい、殴るなら正当な理由が必要よ。

というか、今は二十一世紀だから女性の顔を殴ること自体がNGなの。

あなたが凶行に走った途端に、あなたは女性の敵間違いなしね」

 

「・・・わかっちゃいるよ。

でも、私欲のために親友(チョルチン)の願いを打ち砕いたんだ。

・・・わかってる。殴るのは、二人が誰からも敵と認識された後だ」

 

「わかってくれたようで何よりだわ」

 

華宵も見るも無残な状態で帰ってきた。

 

「・・・痛いわ」

 

「そういや、アレはOKだったのか?」

 

「女性と一緒に殴るなら批判はそこまでされないわ、多分」

 

「それはそれでリンチとして炎上するわよ、アンタら」

 

かこはあまり事態を上手く飲み込めていないようだった。

当たり前だろう。鉄雄も本当なら彼女と同じことになっていたかもしれないから。

 

「あ、あの・・・私に何か手伝えることはありますか・・・!」

 

「ある・・・と言いたいところだが、かこさんはゆっくりしていてくれ。

これは俺たちのある意味俺たちの問題だからな。

もしかすると、俺たちのせいでかこさんも孤立してしまうかもしれないから。

まあ、たまにSNSで情報提供してくれたら嬉しいかな」

 

「あっ、ありがとうございます!」

 

「いやいや、お礼を言うのは俺たちだって・・・」

 

そこで、あることを思い出した。

 

「そういや・・・光の中心地って具体的にどこだったんだ?」

 

「あっ、中央区の方でした。あそこは今、壊滅していますが・・・。

さらに言えば、光の木が生えていた場所もわかっているんです」

 

かこはSNSを通して、地図を送ってくれた。

確かに中央区の方にある。駅からは少し遠い場所だ。

 

「ななかさんが行ってみたようですが、壁にこんなのが書かれていたんです」

 

今度はかこが彼女自身のスマホで見せてくれた。

完全に黒い紋様が記された真っ白な部屋の壁面に英語が書かれていた。

 

Face the Fear, Build the Future

 

恐怖に直面し、未来を創造せよ。いかにも優心の信念らしい言葉だ。

あと二つの文章に関しては意図が不明だった。

 

Here is at Star's End

 

これはいったいどういうことなのか数秒間は理解できなかった。

だが、優心はこれを通して何か伝えたかったに違いない。

必死に記憶を総動員して、ようやく一つの可能性に辿り着いた。

 

「・・・こんなこともあろうかと、っていうことか」

 

「ええ、神浜市の端っこのどこかにターミナスがあるわね」

 

「ええ、私もななかさんにその可能性は伝えました」

 

三人の会話に、ほむらは完全に置いてきぼりであった。

それもそのはず、彼女はSFを読んだことがなかったのだから。

鉄雄はSF全盛期、華宵は乙女の嗜み、かこは本好き。

あのロボット三原則を生み出した作家の小説を読んだことがあるのは当然だ。

 

「・・・わけがわからないわ」

 

少なくとも、この夏目書房以外に、もう一つの拠点候補が見つかったのだ。

そこで、優心の理想を復活させることができるかもしれないのだ。

問題は、それがどこにあるのかわからないということである。

ただ、それだけが強大な壁として立ちはだかっていた。

 

「ところで、なんだよターミナスって。テルミナスだろ?」

 

「私はハヤカワの方を読んでいるから・・・」

 

「私は両方とも読みましたよ」

 

「あなたたち、一般人を置いていかないで」




作者はにわかではあるものの、SFにハマっています。
許してください何でもしますんで!

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