報告書:数多の物質と大体何でもありな魔法の為の終焉世界   作:囚人番号虚数番

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自由を全力で享受して余す

ドッカアアアアン………

 

 

………

 

………………

 

 

 

ーーー森、巨木の洞内部

 

Ar「……あーくっそ……」

 

私は最悪な夢から覚める。久々の夢がこんな物なのは少しだけ不幸に感じる。

 

まだ開ききっていない目を擦りながら外を確認する。うっとおしい程眩しい朝焼けが見える。一瞬また午後かと思ったが夕焼けをここから拝むことはないのですぐに可能性を捨てた。

 

Ar「こんな時間に起きるのも久しぶり……ふぁあ……」

 

珍しいことではあるがそれとこれとは別の話、二度寝してしまおうともう一度目を閉じる。

 

Ar「(それにしてもここへ逃げて来てからはや数年、ずっと寝てばっかで過ごしてるやぁ)」

 

思えばもう何度ここから見える木の葉が茂り、枯れるのを見たのかさっぱりわからない。多分数えていないだけで多くて十数、少なくとも2、3回と行ったところだろうか。それなのに未だにそこに咲いた花や木の実をこの目で確かめたことも無い。勿論湿度が高く薄暗い拠点でもきのこくらいなら見たが何度かお腹を壊したので見たくも無いしその上地味か不気味かであり印象に残らない。

 

Ar「(お腹すいたなー)」

 

……嫌な思い出ではあるが確かまともに物を食べたのはあれが最後だった。久々に食べ物の事を考えたからか無いはずの空腹感を感じる。

 

寝ようにも寝られなくなり、たまには早起きしてしまう事もいいと割り切る事にして体を起こし簡単に服装を整える。

 

再び風景を眺める。流石は巨木だ、眼下には樹海が一面に広がっている。

 

今日は案外良いことがあるかもしれない。

 

Ar「いってきまぁーす」

 

外へ向けて飛び出す。

 

 

 

 

 

 

Ar「よっtぬわあああああ!!」

 

そのまま外へ出ようとしたら出口の段差に足をひっかけて数十m下の地面へと落下する。

 

ーーー

 

 

 

彼女が輸送機を墜落させて何年か経った。

 

 

 

盗んだ資料は墜落の時に燃えてしまいもう無い。しかし盗みをやってしまった事実は無くならない。このまま帰ったらどうなるだろうか。彼女が人でない以上何をされるか分からない、下手をすると死ぬより酷い事すら考えられる。

 

そう思いあの後森を離れてどこか遠くへ行こうと彷徨っていた。が、思ったよりも森が広く仕方なくそこで定住し始めた。今は木の洞を拠点とし生活している。

 

生活に関しては彼女は元素体、前回の通り人ではないと言えばたいてい片付く。摂食をする必要がなく雨風さえしのげればどんな環境でも生活ができる。それにもとから人では無いような者との戦闘を想定して作られている為頑丈で命の危険も無い。数年間の絶食もあまり苦しくなかった……はずである。

 

ーーー

 

 

 

現在地ー森の中 帝国と王国の境界に位置する森。極端に広いためどちらも迂闊に手を出せず長年放置されていて開拓されていない原生林となっている。それを知らず彼女はここに味方が来ないか警戒をしているのでそれが無駄であった事は後に彼女を落胆させる事になる。

 

 

 

 

 

 

……ヌワアアアアアアアアアア

 

 

 

 

ドスッ

 

Ar「ん"痛っっううううううう!」

 

かなりの高さから落ちた。空中で体勢を整えようとした所高さが足りず受け身に失敗した。

 

Ar「あ"っづ……首はなんとかなっ……足がやばっ!」

 

暫く呻いた後恐る恐る怪我がないか確認する

 

 

 

Ar「……うわぁ」

 

怪我以前に私の体の周りがトマト祭りの後になっていた。全身がケチャップを振りかけた食べかけのフライドチキンになっていている。分かりやすく言い換えれば奇跡の様な全身複雑骨折。脱走のとき以来だよこんな重症。

 

 

 

しかしこの体は非常に便利な体だ。すでに止血は終わっている。

 

ーーー

 

元素体の特徴その1

 

身体能力と再生能力

 

元素体は十分な魔力が周りにあれば自身のどんな怪我でも治すことができる。

 

ーーー

 

とくに彼女はとても強力な個体で骨折程度なら10分ほどで治ってしまう。

 

ついでに汚れてしまった服も取り替えてしまおう。

 

治りかけの腕は動かす度に痛みが伴うが服を脱ぐことくらいの事は簡単にできる。

 

見た感じだとパーカーが破けているのと……頭の輪っかの破片が落ちているのでそこを新しく作り直す。

 

ーーー

 

元素体の特徴その2

 

物質生成

 

元素体は自身が使う衣服や武器に関して自動で生成される。個体ごとに異なっていて一つの個体につき1セット1種類のみが生成可能である。

 

ーーー

 

前の服は脱いで放置するといつの間にか消失しそれと同時に自分に新しい服が着させられる。つくづく便利な体だ。

 

完全復活した後そして本題に入る。

 

Ar「(とは言ってもどうするかなー)」

 

食事をするという目的を決めたので洞を出てその辺を散策してくる事にした。めんどくさがりな私普段なら絶対にとらないであろう選択に私も少し驚いている。食欲とは惰性をもってしてでも抗えない物だと私の中でのランクが上がる。

 

 

しかし木の洞から余りにも出てこないでいた為僅か半径100mの地理すら知らない。取り敢えず拠点の木が見える範囲でのみ活動することにした。

 

 

 

Ar「おー。やっぱりこう改めて見ると大自然って感じだねぇ」

 

周りには写真でしか見たことがないような手の加えられていない原始の自然。私には植物に関しての知識なんてないので憶測だが。しかしその繊細で壮大な魅力を素人ながら肌で感じ理解できた……のかも知れない。帝国兵のサバイバル演習用の資料で食べられる植物や危険な生物とかを見せられたことはあるが全て睡眠時間にしていた。当時は何に使うのか分からなかったがこういう時に使うものだったのか、後悔先に立たずを身を持って知る。

 

そう無駄な事を考えながら木々の間を抜けて前へ進む。舗装されていない地面に足を取られそうになりながら、だた、気ままに。そうしてこんな物を見つける。

 

Ar「……広場?」

 

突然開けた場所に出る。円状になっていて中心に黒焦げた炭の山、その近くに何かが立て掛けられた長めの丸太が横倒しになっている。

 

誰かが来たのだろうか、近付いて確かめてみる。

 

Ar「石斧…ぼろぼろだー」

 

立て掛けられていたのは磨いた石を紐で固定してあるだけの簡素な石斧、それが数本。

 

なにかに使えるかもと一本手に持ち振ってみると紐が切れ石の部分が外れて何処かへ飛んでいった、たぶん劣化が原因であろう。気を取り直して丸太に座り二本目を調べる。軽い上使うには少しだけ短く使い物にならなそうだった。

 

Ar「結局はゴミかー」

 

取り敢えず一本を残して解体しておき炭の山の中に作った残骸を隠す。これで証拠隠滅が完了した。

 

隠している過程で木の実や動物の皮の焦げた物が出てきた。どうやら薪を燃やした残骸のようだ。ここまでくると誰かが来たというより原始的な技術しか持たない誰かが元から住んでいた、という方が正解かもしれない。

 

 

 

目的も果たしたのでさっさと食料を見つけてくるか、彼女がそう思ったその時

 

???「ギェアッギャギャッギャ!!」

 

Ar「っ!(おっとお、これはー?)」

 

彼女の疑問に答えるかのように答えがやって来た。

 

すぐさま彼女はその場を離れ近くの木の陰に隠れる。

 

 

 

現れたのは数体のゴブリンだった。彼女の予想通りに血のついた石斧を腰に着けている。よく見ると一匹だけ頭に石斧の先が刺さっていた。

 

彼らは狩りの帰りだったのか様々な草木や魚等を担いでいでいた。木を炭の山の上へ置き、そこて全員が炎を着けようと必至になっている。きっと調理を始めるのだろう。これは鴨が葱を背負って来た、という奴だろうか。

 

 

 

Ar「(魚の大きさは30〜50cm、一食分には十分)」

 

Ar「久々にあれやるかなぁ」

 

そう言うと彼女は隠れるのを止め堂々とゴブリンたちの元へ近づいて行った。

 

 

 

 

 

一体が物音に反応して振り向く。そこには誰もいない。聞き間違いかと思い再び着火に戻る。

 

ザッ

 

今のははっきりと聞こえた。やはり聞き間違いなどでは無い、もう一度素早く振り返る。

 

しかし何度見返してもそこには誰もいないのだ。

 

そこにはたしかにいたはずだ。冷や汗が流れてきた。種火ができた事で喜ぶ仲間に仲間にそれを伝え武器を取ろうとする。

 

ゴブリン「ギャッギ!!??」

 

しかし手が動かない。動かないのだ。その斧を掴もうとした途端、まるで何かに掴まれているかのように。全力で抗ってもコンクリートに埋まったポールを抜くように無謀な行為にすら感じる程に強く。おかしい。絶対に近くに、距離にして20cm位、いくら知能が低いといえど本能が彼を覚醒させる。近くにいるはずだ。このままでは全員殺される、恐怖に抗い彼は叫んだ。

 

ゴブリン「ギャーッヅァ!!」

 

全員が石斧の取りに行く為に一斉に視線を逸らす。

 

その刹那、火が消える。

 

彼の手が動くようになる。

 

束が解かれた彼は瞬間それがいるであろう方へと斧を振り下ろした振った。しかし斧を振ったその重さなど無い。代わりに見えたのは千切れた自分の腕が滑稽に上へと飛んでいく光景と彼の斧がまるで意思を持っているかのように宙を舞い自分の首を切る光景。

 

そして意識が薄れていく中その斧が同じ様に仲間の首を飛ばしている様な夢へと落ちていった。

 

惨劇が終わり静まり返る。

 

 

 

 

 

Ar「ふー」

 

気が抜けた声を出しながら何もなかった場所から彼女が現れる

 

Ar「久々に透明化なんてしたけど案外うまく行ったみたいだねぇ」

 

ーーー

元素体の特徴その3

 

元素体には能力というものが個体によっては存在する。魔法とは別のものであるがために原理は不明だが一般的には超能力の様なもので通っている。

 

ーーー

 

私の能力はArのその何者にも反応しない、という性質から透明化を持っている。文字通り姿が見えなくなる(実はフッ化物水素と化合する、ということは何も言わないでほしい、作者は分かってる)。名前は特に決めてはいない。

 

さっきのはそれと身体能力でのゴリ押しによる茶番だ。透明化をして武器を奪い倒しただけ。突然斧を向けられかけた時は焦ったが咄嗟に手を握りつぶして軌道をずらしその後皆殺しにできたので結果的に成功した。

 

暗殺に使用された理由もこの能力を買われたからの事だ。こんな性格で能力が無かったら産業廃棄物だっただろうからかなり救われた。

 

Ar「(脱走もできるし)」

 

それをした結果が今の私だが。

 

 

 

さて、念願の飯だ。戦闘中に炎が消えてしまって殆どが生のままだった。別に食べられない事はないが川魚を生は覚悟がいる。なので1番よく焼けている魚を選んで齧り付く。生焼けだが新鮮で多分美味し……

 

Ar「まっず……」

 

まず泥臭い、そして内臓も処理されていない。さらに味付けが全くされていないので木くずを食べているような感覚である。極めつけに単純に不味い。

 

あまりの不味さに食べた物を吐き出す。

 

Ar「ごぼ"ぇ"っ!ゔぁっ……っあーまっず」

 

そしてやはりというかなんというか、吐瀉物に固形物がないと思ったらこの魚は見た目だけでわかるくらいのハリボテ状態で、中身は骨と皮だけ、小骨も多い。

 

そんな暴言しか浮かばないような魚だが中に不思議な物を見つけた。

 

間違えて食べたにしては無理があるが…何これ

 

Ar「無線機?」

 

 

ーーー

 

元素体の能力

 

肉体は一般的な人間とほぼ同じ構成をしていますが以下の点について異なる特性を保持します。

 

・異常な身体能力

 

身体に一切の異常が無いにもかかわらず成人の1.x〜xx*10^x倍の身体能力を有します。また一切の食事や睡眠を必要としません(呼吸に関しては不明です)。

 

・物体の生成能力および能力の使用

 

自身の服や武器などを作り出します。個体によっては一般に超能力と表される能力を使用します。これらの事象は現在の科学および魔法では説明する事ができず研究が進められています。

 

・再生能力

 

損傷した肉体を再生します。現在、全身の9x.x%が損傷した状態から復帰した事例があります。

 

 

これらの性質がどの様に決められているかについても現在研究中です。

 

追記

 

s博士「なんでこんな都合の良い生物ができたのか自分でも不思議です」

 

P博士「えぇ……」

 

ーーー

この小説の面白さは

  • 戦闘
  • 会話
  • 世界観
  • 描写
  • キャラ
  • 怪我
  • その他(コメントを貰えると助かります)
  • 無い(コメントを貰えると助かります)
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