報告書:数多の物質と大体何でもありな魔法の為の終焉世界   作:囚人番号虚数番

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兵器と兵器

内臓に手を突っ込み無理矢理取り出す。返り血で汚れた手が更に汚くなる。

 

出てきたのは携帯電話ほどの大きさの黒い無線機だった。外観から劣化は少なくまだ帝国のマークが残っている。しかし裏側のバッテリーの辺りは少しだけ膨らんでいるので内部は不安だ。

 

一応使えないか確かめてみる。

 

適当に電源らしき所を探す。側面にそれらしき物があった。誰かのところへ繋がらないだろうか。

 

カチッ

 

しかし何も起きない。

 

もう一度スイッチを押してもただ虚しい音が鳴るだけ。電子機器は叩けば治るという言葉を信じ叩いてみると中からカラカラと音がした。

 

 

 

Ar「(使えないと。ま、当然かぁ)」

 

ゴミを投げ捨てる。地面の石に当たった音がした。しかし帝国製だ、あそこの製品は無駄に頑丈なのな事に定評がある壊れはしないだろう。

 

今日は散々だ。せっかく久々に湧いた食欲もなくなってしまった。その代わりにいつも通り睡眠欲が戻ってきた。帰って寝よう。

 

そして私は来た道を戻って行こうとした。

 

 

 

ザザッ……ザザザッ………

 

先程投げ捨てた無線からノイズが流れる。

 

Ar「嘘でしょ?」

 

ゴミを再び拾い上げ確認する。先程までは光の無かったランプが緑色に光っている。

 

よく見ると先程まで最小だった音量調整のボタンが最大値になっている。投げたときに動いたのか。そういえば無線の仕様はそうだった気がする、先程まで動かしていたものはプッシュボタンでこっちが音量と兼用になっている電源だった。

 

Ar「バッテリー死んでなかったんだねぇ」

 

適当に登録されている周波数に合わせノリで喋ってみた。

 

Ar「もしもーし誰かいますかーどうぞー」

 

喋った声に反応しランプが赤に変わる。

 

しかしそれに返事をもらうことはない

 

 

 

 

 

 

 

 

「はいはーいC博士?どうしました?」

 

と思っていた。

 

少女の声だ。

 

予想外の自体に絶句する。

 

「?どうしました。要件は何ですか?」

 

Ar「えーと、誰?」

 

「……えっ?ちょ、ちょっと待って下さい」

 

 

 

 

ーーー木の洞

 

帰った頃には太陽が丁度一番高くなったくらいに来た頃だった。

 

あれから無線を持っていてほしい、と言われた後そのまま繋がらなくなった。

 

一体彼女は何だったのか。偶然にも無線を拾った誰か、にしては偶然すぎる。彼女が落とした物だったというのが一番現実的な回答だろう。川の中にでも落としてそれを偶然魚が食べて、それを私が拾った。

 

Ar「(こんな辺鄙な場所に人が来るんだねぇ)」

 

そして何よりも気掛かりなことがある。あの後実は彼女が仲間と連絡したときの会話を偶然聞いたのだ、そしてその内容についてだ。

 

ーーー

 

「……えっ?ちょ、ちょっと待って下さい」

 

<10秒ほど機械のボタンを操作するような音がする>

 

「C博士、大変です」

 

「どうした?いきなり大声出して」

 

「あの森に誰かいました」

 

「またゴブリンを見間違えたとかだろ」

 

Ar「(お仲間への連絡ダダ漏れだ)こんにちわー」

 

「いえ、現在進行系で連絡が取れています。この前無くした無線からです」

 

<5秒ほど無音が続く>

 

Ar「あれ、聞こえてない?」

 

「嘘だろ?」

 

<10秒ほど無音が続く>

 

「あの森でまともに話せるような奴……もしかしたら彼女の可能性がある」

 

「彼女?」

 

「数年前の騒動の主犯だ」

 

「数年前って……まさか」

 

「ああ、暗殺用の元素体だ。あれから数年間目撃情報がなかっかたからてっきり王国に亡命したと思っていたが……だとするとこちら側の事情も知らない可能性がある。是非とも…」

 

「まさか仲間にする気ですか?」

 

「ああ、あれは元素体の中でも上位の問題児なのは分かってる。ただ文字通り人手が少ない今そんな事言ってられない」

 

<8秒ほど無音が続く>

 

「取り敢えず今そいつと話がしたい。できるか?」

 

「んー、ちょっと厳しいですね。無線の今充電が一桁なんですよ。また充電し忘れたみたいです」

 

「数日前に無くしたやつだったからな。電池切れよりはいい結果だ」

 

「………ごめんなさい。充電がないのは私の無線の方です」

 

<何かを激しく叩くような音の後20秒ほど罵声が続く>

 

 

 

<10秒ほど機械のボタンを操作するような音がする>

 

「お待たせしまs」

 

<通信が途切れる>

 

 

 

ーーー

 

彼女達は私の事を知っている。これはあんなことをやった後なので納得はできる。問題はその後だ。

 

あれから数年間目撃情報がなかっかたからてっきり王国に亡命したと思っていたが……だとするとこちら側の事情も知らない可能性がある

 

文字通り人手が少ない今そんな事言ってられない

 

それを承知した上で一度裏切った私を仲間に引き入れようとする理由がわからない。元素体なら新しく製造すればいいだけなのに。「こちら側の事情」が関係して何らかの理由でそれができない?輸送が潰れたのか?材料がなくなったのか?

 

それとも、そもそも元素体が作れなくなった?

 

Ar「何でかなぁ。ふぁぁ……」

 

早起きをしたからか睡魔が襲ってくる。分からないことは考えても無駄だ、今日はこのまま寝てしまおう。部屋の端に無線機を放置したまま床につく。

 

Ar「zzz……zzz……zzz……」

 

ーーー

 

それから数時間昼寝をしていた彼女だが何かがギシギシと鳴る音で目が覚める。

 

寝起きで起き上がる事すら面倒だったので顔だけ向けて音のする方を見る。

 

それは木の上の方から生えている蔦が揺れている音だった。風で揺れたのかと思い再び寝ようとした。しかし今は無風、それにここで数年住んでいたがこんな事は経験したことが無い。よく観察してみると蔦は重りでもつけたかのようにピンと張りながら揺れている。帰りに登ったときに引っかかった?なら帰ってきた時点で分かったはずだ。

 

 

普通ならこの奇妙な状況に恐怖を感じるだろう。しかし彼女の脳裏には確信に近いある仮説があった。

 

 

 

Ar「(誰かが来てる?)」

 

蔦の鳴る音に誰かが登っているような音が交じる。

 

それは誰だろうか、そもそもここに来るような奴は誰か。旅人が偶然訪れた、昼間のゴブリンの仲間が襲いに来た、帝国の兵士だとしたらまだ殺せるからいい。

 

しかしもし、昼間の彼女らならばどうだろうか。なぜここまで早く居場所を特定できたのかは置いておいて彼女は敵なのか味方なのかが問題だ。会話の文脈的には9…いや6割仲間だろう。しかし戦いだけは避けなければならない。元素体同士のタイマンは勝率が不明。圧勝できる可能性があれば即死の場合もある。結論は味方か確信がない以上どう対応すればいいのかが分からない。

 

数秒の間に思考を駆け巡らせ答えを見つける。そして

 

 

 

 

 

 

 

Ar「おやすみ……」

 

特に何もしなかった。透明化をしてただそのままの体勢でそれが来るのを無防備に待ち、運命を確率に賭ける。

 

音は彼女に少しづつ近づいていき木の洞に近づいてくる。

 

そして遂に訪れた人物が木の洞に入る。

 

???「おかしいですね。信号の反応が位置的にこの辺りのはずなのに誰もいません」

 

無線で聞いた声、優しい声だ

 

彼女があたりを見回す。

 

???「木の上は行ったのであとは『木の中』。でもそんな所から来る通信なんてここ以外条件は無いはず…あ、こんな所に通信機が落ちてる」

 

無線を見つけたようだ。

 

???「やっぱり捨てられたのでしょうか?」

 

「土に埋められたり鳥や小動物が運んだとも考えられる。そういう痕跡はあるか?」

 

「特に見当たりません。これホントに見つかるんですか、博士?」

 

ここまで登ってきた努力が無駄だったかもしれないと落胆する。

 

???「やっぱり彼女に警戒されたんでしょう。ちょっと休んでから帰りますね」

 

「分かった」プツッ

 

 

???「……ふー流石にここまで登るのは骨が折れました」

 

???「(アキレス腱のあたりがまだ少し治ってない感じですしこのまま寝ちゃいましょう)」

 

通信が終わり完全に一人になった、警戒を少し緩めると同時に溜まった疲れがどっとのしかかり崩れるように壁を背に座り込む。

 

Ar「(なんかいつもより周りが暗ぐふっ」

 

仰向けで寝ている最中に急に腹部に重いものが乗った衝撃。想定していなかったみぞおちに入った痛みで透明化を解除してしまい姿を表してしまう。

 

???「っえ!??敵!?」

 

無警戒の中完全に想定外の位置に現れたArに驚き???は突然現れた戦闘態勢に入る。バックステップで距離を開け能力を放つ準備をする。空中でArの方へ掌を向けて力を貯める。

 

???「【炎弾 イグニ…」

 

しかし彼女は事前に伝えられた事を思い出した。

 

???「(いや、この能力は伝えられた通りの能力。透明だったと考えれば突然現れたというのも納得です)」

 

???「すぅぅぅぅぅ……セーフ」

 

Ar「づぅ……今日はつくづく運がないなぁ」

 

お腹を擦りながらゆっくりと起き上がり侵入してきた彼女を見る。

 

現れたのは17、8彼女より少しだけ大人びた少女だった。白いブラウスと紐で絞める胴衣、ロングスカート、そして青いエプロンを巻いた各校。毛先が白いくなっている水色の髪、黄色い瞳、童顔ながらも優しそうな人だ。

 

???「さっきはごめんなさい。突然現れたのでちょっと慌てちゃって。大丈夫ですか?」

 

Ar「大丈夫だけど……君誰?なかなかイカした格好だけどもしかして同業者?」

 

???→O「あ、ごめんなさい。無線で伝えとけばよかったですね。」 

 

O「わたしは8-1599-O、貴方を仲間にするために探しに来ました」

 

Ar「そんなことも言ってたねぇ」

 

O「確認のためにあなたのお名前を教えて下さい」

 

Ar「私はぁ…Arだよー……ふぁあ……眠い」

 

ーーー

製品スペック

 

 

[個体名]18-3995-Ar

 

[開発コード]ALL BREAKER

 

[材料]Ar

 

ステータス

 

[攻撃力]II

[耐久力]IV

[機動力]III

[回復速度]H

[脅威度]M

[忠誠度]L

[魔法適正]L

[総合力]C

 

[能力]透明化

 

自身が外部から見えなくなるほか一部の計測機器を使用した際にその記録が残らなくなる。その特性上詳細は研究中。

 

[容姿]

 

年齢 15〜6

髪 薄紫

瞳 水色

服 3重の輪っか パーカー 下着上下 スニーカー(直履き)

武装 なし

 

[行動]

自堕落で大抵の時間寝ている。訓練や任務には非協力的で居眠りや頻繁に呼び出しに応じないことが多い。また気分屋でふらっとどこかへ行ってしまい自身の能力を使用し警備をすり抜け過去何度か収容違反を起こした。

 

[備考]

暗殺部隊へと採用→銀の聖女の暗殺任務中に失踪。

 

[追記]

s博士「昼寝にいい場所を見つけるとたまにこいつがいます」

 

H「同じサボりぐせのある奴らには結構人気な子だわ!」

 

P博士「しれっとHが収容違反してますね。機動部隊呼びます」

 

ーーー

数値の見方

 

-I 人間と同程度かそれよりも劣っている

-L I 平均よりとても低い

L II 平均よりも低い

M III 元素体の平均的な能力

H IV 平均よりも高い

H+ V 平均よりとても高い

V+ 制御不能により厳重な管理のもと運用、もしくは停止した上で収容に徹する

 




多分このあとからArの口調が安定し始めます。

この小説の面白さは

  • 戦闘
  • 会話
  • 世界観
  • 描写
  • キャラ
  • 怪我
  • その他(コメントを貰えると助かります)
  • 無い(コメントを貰えると助かります)
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