報告書:数多の物質と大体何でもありな魔法の為の終焉世界   作:囚人番号虚数番

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その出会いはまるで空気のように軽い

O「Arさんですね。うー……やっと見つけましたー!!」

 

Ar「よく分からないけど見つけられたんだねぇ。おめでとー」

 

O「帰還したと思ったら夕方なのに出撃命令が出されたので辛かったですが頑張ったかいがあったー!!」

 

拳を高く掲げ達成感に満ちた彼女を適当に祝った。見た目に反して子供っぽい動きをする光景は少し面白い。

 

O「で!Arさん」

 

そのままのテンションで急にこちらを振り向いた。勢いで暴力的に揺れる胸に目が向く。

 

Ar「(おーおっぱいでっけ)」

 

O「帝国に戻ってくれませんか?」

 

Oは期待の眼差しでこちらを見てくる。

 

Ar「んー(年上っぽいけどなんかかわいいなーこの人)」

 

その曇りなき目は常に思考を止めているArの脳内に一石を投じ、感情を司る前頭葉のシナプスの池に波を作り惰性を洗い流した。普段脊椎で喋る彼女の脳内を経由した情報はまさに運命の分かれ目。時間にして僅か0.25秒、こんな事をされてはこちらも答えは一つしかない。そう覚悟し彼女にとっての長考を終えArは口を開く。

 

Ar「やーだね」

 

O「えっ?」

 

Ar「命の保証があればいいんだけど戻るにしても昔あんなことしちゃったから帝国から信用されてないだろうしキツイなぁ。あと私、ずっとここにいて向こうの状況わかんないから帝国に戻ってもどうなるか分からないし戻りたくないんだよー」

 

こんな事を言っているがArは仲間になるならないは全くと言っていいほどどうでも良かった。ただあんなに牢獄のような環境で規律の中に身を置く事はもう二度と経験したくない、それさえ避けれればどこで住もうが関係ない。

 

O「一人で盛り上がっちゃってごめんなさい。つい嬉しくて……」

 

Ar「そーだねー」

 

O「すみませんでした……この森をずっと北に行くと帝国の施設があるので私はそこにいます。では……」

 

少し涙目のOに声をかけて出口近くの蔦を手に取った彼女を引き止める。

 

Ar「いやいや、帰れとは一言も行ってないよー。流石にここまでわざわざ来てもらってなんの成果もなく帰らせるほど鬼畜じゃないし」

 

 

 

Ar「(それとは別にちょっとあの事を聞かないとねー)だからさ、少しだけ最近の帝国のこと教えて」

 

O「それでいいんですか?」

 

Ar「ちょっと考えてみるからさー、教えてよ」

 

O「最近……別にいいですが情報量が多くて何を伝えていいのか……」

 

Ar「じゃあさー、戦争はどうなったのー?前線とか動いてんのー?」

 

O「帝国の発表では王国の戦力は既に壊滅状態らしいです」

 

Ar「随分胡散臭いソースからの情報だなー」

 

O「わたしが前線で戦ってたんでこれだけは断定できます」

 

Ar「君強いんだねー。で、帝国の状況はー?」

 

 

O「一時期国の大半まで侵攻されましたがどうにか持ちこたえました。王国があれなのであとは殲滅の指示だけです」

 

Ar「!……それは凄いなー。もうそこまで進んでるのー?」

 

O「ええ」

 

停滞か良くて侵攻中くらいの物だと想像していたがまさかあの泥沼の戦争に終止符が打てそうな所までとは思わなかった。

 

O「やっぱり元素体が凄かったらしいです。」

 

Ar「君みたいなのが活躍したんだねー」

 

O「食料と医療と一部輸送の分の開発資金が兵器開発に回った事が決定打らしいです」

 

Ar「意外と俗っぽい理由だったー」

 

それでも元素体が戦況を変えて勝利に繋げたことは変わりない。そう思うと達成感の様なものを感じる

 

 

 

Ar「(戦争も終わったー……つまり今は戦後かぁ)」

 

Ar「やったんだねー。私達」

 

O「そうですね」

 

Ar「(あれ、でも私って…)」

 

Ar「………そーだねー!」

 

O「?」

 

私は働くどころか問題行動ばかり起こしていたのでむしろマイナスの存在だった事を思い出した。もう一つ聞きたいことがあった。

 

Ar「今って元素体は何してるのー?」

 

もう一つ重要なことを聞いた。どちらかといえばこちらの方が本当に知りたい。

 

Oは一瞬だけ目線を反らした後

 

O「……軍から独立して民兵みたくなっています」

 

………慎重に言葉を選んだかのように説明した。

 

Ar「戦うんだねー」

 

O「………」

 

Ar「危ない上堅苦しいのはちょっとやだー」

 

O「えぇっと……堅苦しくはないですね。元素体が運営してるのでお互いよく分かってますしかなり自由ですよ。いや危ないといえばまあ業務的にはアレですが」

 

Ar「ブラック企業かな?」

 

O「ブラック……あー」

 

ーーー

 

このあと情報量がnull nullした会話をはさみつつ色々と聞いた。

 

要点を纏めると

 

戦争はほぼ終了。どちらも壊滅的な被害を負いながらもあとは元素体の物量で押せば完全に蹴りがつく状態。

 

そして彼女はどうやら元素体のみで結成された集団の一員だそうだ。普段は復興のために色々な所で調査やらなんやらをやっている。私はの事はその調査の過程で見つけて勧誘に来たとのこと。

 

結果としてはあまり情報は増えなかった。

 

Ar「なかなか大変な事をやってるんだねー」

 

O「最近は特に野生の動物とかが多いので森に入っての調査も一苦労です」

 

Ar「あうとどあーな業務はやだなー。ずっと寝てたい」

 

O「あはは…」

 

乾いた笑いをされた。

 

そして最後にこれを聞かなければいけない。

 

Ar「ねぇ」

 

O「何でしょうか?」

 

Ar「元脱走兵だけど周りは信用してくれるのー?」

 

O「………」

 

Ar「………やっぱりそうゆう事なんだねー」

 

Arは無言から彼女が考えたその先を察し暫く黙っていようと考えた。

 

少しの空白の後、Oが

 

O「………いや、恐らくそれはないと思います」

 

Arからしたらかなり予想外の答えが返ってきた。

 

Ar「へぇー、意外だねー」

 

O「ええ、戦争中だったらまず間違いなくそうですよね」

 

彼女の言葉に少し違和感を感じる

 

Ar「なんでそれが関係するの?」

 

O「……恩赦?」

 

Ar「戦争勝利って恩赦あるんだー」

 

O「そもそも元素体しかいないので無くてももう軍関係で人に殺されるような事は無いと思います」

 

Ar「帰ったら奴隷扱い……とかにはならないよね」

 

O「………」

 

Ar「ちょっとぉー!?」

 

O「あ、ごめんなさい。考え事をしてました。それは……無いですよ!」

 

Ar「(うーんこの感じは何か裏がありそうだな)取り敢えず死ぬことはないのかー」

 

O「はい」

 

Ar「………よかった」

 

よし、決まった。

 

Ar「戻るよー。帝国ー」

 

O「えっ!」

 

Ar「んでー仲間になるよー。もう悪い所じゃなさそうだからねー。それに嫌だったらまた逃げればいいだけだしー」

 

O「ありがとうございます!!」

 

Oは無線を手にとり連絡をしようと通信機を手に取る。

 

Ar「んー?休憩するんじゃなかったのー?」

 

そう聞かれて電源を入れようとした手をとめた。

 

O「え?見つけたからには報告をしないと怒られちゃいますよ」

 

Ar「見つからなければどうという事はないー、て事にすればー?それにもう夜も遅い時間だし寝てると思うよー?」

 

少し悪い笑顔だった。

 

O「こうゆう事は早めにしておいたほうがいいことが多いんで…」

 

Ar「いいから休みなよー。おやすみー」

 

ArはOにそう告げると再び睡眠に戻る(随分と長い昼寝だ、と思うがすでに夜なのと自身が寝たいので寝た)。

 

思えば無線の電源が切れるまでに探す必要があっったので暗い森を夜通し歩いてきてた。疲れはないと思っていたがどうやら精神的な疲弊にに時間差で追いついてきた。

 

O「(強がったところで無駄ですね。意識したら眠くなってきました)」

 

O「……分かりました。お言葉に甘えて」

 

O「(博士は後で言いくるめましょう)」

 

体を横にしてゆっくりと目を閉じる。次第に意識が遠退き眠りに落ちる。

 

 

 

 

ちなみにこのときの時刻は午前5、6時程。寝落ちした直後に日が昇り初め、起きた頃にはまた夜だった。

 

「クソッ!何で無線繋がんねえんだよ!」

 

 

ーーー

翌日 夜 森の中

 

 

〈通信開始〉

 

O「もしもし、わたしです。Oです」

 

C「……んあ?……何だO………っおい!何で昨日無線寄越さなかった。急に10時間以上連絡が途絶えたから誰か派遣仕掛けたところでだったんだぞ!!」

 

O「あのまま寝ちゃって。でも目的の人物は見つけられましたよ。ほい」

 

Ar「やほーArでーす」

 

C「よ」プチッ

 

〈通信終了〉

 

Ar「通信それで大丈夫なの?」

 

O「ええ」

 

これでいいのか帝国兵器…いやむしろこれくらいのテンションは嫌いではない。

 

Ar「それじゃあ案内を頼むねー」

 

O「分かりました」

 

連絡を済ませて彼女達は夜の森への中から帝国の元素体の集団の拠点へとへ向かう。

 

Ar「着くまでどれくらいかかりそー?」

 

O「結構近いですよ。といっても今からだと日が昇った後になるでしょう」

 

最寄りの施設だと臨時の研究所がこの近くにあるらしい。

 

Ar「じゃあそこから運んでもらうのかー」

 

O「そこが拠点です」

 

Ar「え?」

 

O「……管理者が施設の都合でそこから離れなれなくてそこが拠点です」

 

Ar「檻に入れられないだけまだマシでしょー」

 

O「そうですか」

 

木から飛び降り赤黒い地面へと着地。今度はちゃんと受け身をとって怪我せずに着地できた。

 

 

ーーー

 

 

 

O「あんな大きな木の中の中がお家なんてお伽話みたいですね」

 

 

Ar「一時期洞窟にも住んでたんだけど熊とかいるから面倒くさくて逃げたんだよねー」

 

月明かりがかすかに地面を照らす夜の森。昼間とは打って変わって誰もいないかのように静まり返っている。しかし気を抜くと何かからの視線を感じ落ち着けるような所ではない。

 

O「ここって熊さんでるんですね」

 

Ar「いやーあそこにこもってたからずっと見てないけどねー」

 

静かな森の中を白い服の少女と天使のような輪を浮かべた少女が彷徨う。字面だけ見たらファンシーな光景。季節的にそうではないが光るキノコでも生えていたら更にすごいことになっていたと思う。しかしここはそこまで甘くない

 

Ar「……あっ!武器ない」

 

彼女の生成物の中には武器はない。ステルスの暗殺時に武器の痕跡を残さない為に予め現地調達しかできないように武器がないのだ。

 

彼女がいくら人外といえど素手で生ものと戦うのは少し苦労する。早くなにか武器を回収したいところだ。

 

そういえば昨日殺したゴブリンが斧を持っていた筈だ。使い物にはならないが無いよりはマシだろう。

 

Ar「案内中悪いんだけど武器拾ってきていいー?」

 

O「武装出せばいいんじゃないですか?」

 

Ar「そういう君も武装ないじゃん。一緒に取ってくる?」

 

O「能力が武器なので私はいりません。あと武器はどこから…」

 

Ar「昨日作った死体から漁ってくる」

 

O「あの樹の下にあった斧ですか?」

 

Ar「そうだよー。確かここからだと…」

 

O「右の方ですね。行きましょう」

 

路線変更、一旦Arの武器を取りに向かうことにした。彼女の能力は後で聞くことにする。

 

また森の中をかき分けながら進んでいく。前回立ち寄っていた為少しだけどこをどう進めばいいのか分かることがありがたい。

 

しかしそれは同時にある違和感をArに感じさせる。それの始まりはゴブリンのいた広場まで残り僅かな距離となった時

 

Ar「(?なんか臭いなー。昨日放置した死体が腐った…にしては……生臭い?)」

 

Ar「昨日ここ通った?」

 

O「この近くは通りましたよ」

 

Ar「そこにゴブリンはいた?」

 

O「いませんよ。それがどうしました?」

 

Ar「んーちょっとうおっとっどぅあ"っ!」

 

現状を説明しようとした彼女は足元の木の根に引っかかり躓く。片足でどうにか耐えようとするもののバランスを崩し眼の前の木に突っ込む。

 

Ar「ゔぅ〜」

 

O「Arさん!?」

 

Ar「大丈夫…大丈夫だよー」

 

怪我の程度を確認するために頭を擦る。触った感じだと目立った怪我はなさそうだ。

 

Ar「怪我はないみたいだし平気平気、いくよー」

 

O「本当に平気ですか?」

 

Ar「まー最悪骨くらいならどうにか…」

 

O「でも服に血がついています…よ?」

 

と、自分のパーカーを確認してみると木に触れた所の全面が赤く汚れていた。

 

Ar「え?出血て…」

 

ここでAr、気づく。パーカーを脱ぐ。見える範囲には怪我がない。嫌な予感がしてきた。パーカーの内側を見てみる。パーカーの下は下着、それ以外には何も着ていないので怪我でもしたら内側も汚れるはずだ。しかしそれは無い。パーカー既に回復したということもあり得るが…

 

もう一度パーカーの汚れを見てみる。擦れたそれをよく見ると木の表面の模様の形をしている。

 

O「この木…血で汚れています」

 

Ar「……そうみたいだね」

 

O「なにか不味い予感がします。早めに回収しましょう」

 

Ar「そうだね」

 

服を作り直してから残りをそこそこ急いで進むと開けた場所に出る。

 

Ar「え?」

 

O「これは……」

 

彼女達は目的の広場についた。しかしこれは本当に同じ場所なのだろうか。周りを囲むように生えていた木は血に濡れて根本から折られ、そこら中にゴブリンの腕や足が散乱し、薪のあった所には虫のたかった肉の塊が放置されている。

 

しかし何よりも目を引くのは

 

Ar「(ライムグリーンの…液体?)」

 

血だらけの地面に混ざり飛散して「落ちている」液体。スライムだろうか。適当な葉っぱを拾って間接的に触れてみる。泥のような感触だが触っても動く事もない、なにかの体液の様だ。夜の冷たさで葉っぱ越しからでもわかる程に冷たい、しかしこう見ていると逃げ出したくなるような衝動に駆られる。当然だがArはこんな物見たことがない。

 

 

Ar「ねえ君、これ何かわかるー?」

 

O「C博士、まずいです」

 

一方Oはいつの間にか無線を取り出しCに連絡していた

 

C「どうした?なにかトラブルでもあったか?」

 

O「魔獣です」

 

Ar「魔獣って何ー?」

 

C「魔獣か…Arは戦えそうなのか?」

 

O「見た目的にはわたしより小柄で少し心配です。書類的にもこの人数だと厳しそうです」

 

Ar「おーいきーてるー?」

 

 

 

C「OKだ。気をつけて帰ってこい」

 

O「了解です」

 

〈通話終了〉

 

通話が終了し、この液体の正体と彼女の言う魔獣というものがどのような物なのか聞く。

 

Ar「その魔獣ってこれー?」

 

あの気味の悪い液体をOに見せる。手が死ぬほど臭い事には後で気づくのだろうか。

 

O「魔獣は戦争が終わってから自然発生し始めた何かです」

 

Ar「何かって…すごい適当だー」

 

O「説明している暇はありません。早くここを離れたほうがいいです」

 

そうOが言ったその時。後ろから足音がした。

 

???「グルルゥ……」

 

Ar「うぇっ!?何だこの狼!」

 

O「っ!いいタイミングですねほんと。出てきたのは熊さんじゃなくて狼さんでしたか」

 

その血の気の引くような唸り声を引き連れてそれは来た。

 

それは明らかに自然の物とは思えないどぎついカラーリングの緑の狼。

 

体長はAr達の2、3倍、野生動物にしてはかなり大きい。

 

O「Arさん、こいつが魔獣です!」

 

ーーー

 

1-1007-H報告書-A

 

H「この話糞みてえな進行してると思うそこの読者!」

 

H「誠にその通りでーす!!作者も考えながら書いてるらしいけど最終的に『これもう分かんねえな』って見て見ぬ振りしたらしいゾ」

 

H「流石に中盤の雑談だけで一月(書き溜め)は無いよね!」

 

H「にしても…おい作者ァ!!やってくれたな!!どうしてくれんだよ4話目にしてあたいが登場とか初期プロットに無かったでしょ!!」

 

追記 許してくれ。ネタが無かった。

 

 

この小説の面白さは

  • 戦闘
  • 会話
  • 世界観
  • 描写
  • キャラ
  • 怪我
  • その他(コメントを貰えると助かります)
  • 無い(コメントを貰えると助かります)
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