報告書:数多の物質と大体何でもありな魔法の為の終焉世界 作:囚人番号虚数番
ーーー
O「(これはまずい事になりました)」
魔獣
戦争終了後に突如と来て現れ始めた謎多き生命体、いや詳しい事は博士に任せているので知りませんが生物ですらない可能性もあるらしい化け物です。
眼の前の狼さんはわたしとArさんを睨んでいます。博士は帰ってこい、と言っていましたがこれはまず間違いなく戦闘は避けられない。
Ar「魔獣!?RPGとかラノベとかだともっとこうまともな姿だったけどリアルだとこんなのなのー!?」
Arさんは魔獣の特性もといこれの恐ろしさを知らないらしいです。つまり
O「Arさん!ここはわたしが戦います。その間に逃げてください!」
わたしが戦うしかない。
そう伝えようとArさんの方を見ると
そこには既に誰もいなかった。
………えっと
O「(わたしは今Arさんを逃がそうとしましたよね?)」
O「(で、伝えようとしたらいない)」
…
………つまり
O「ッチ行動が早いですね!!」
まさかの指示する前から逃げていた。というかセリフ中からすでに逃げていた可能性もある。驚いた拍子に目線を反らした所に狼さんがこちらに飛びかかってきた。
思考を切り替え戦闘態勢に入る。
すぐさま後ろに飛んで回避、狼さんも初撃は当たらないだろうと見越してか2、3撃目を仕掛けてくる。
それらを見切って回避。僅かに間に合わず肌に鋭い爪がかすり、その軌道を示すかのように血が飛ぶ。痛覚を観じてる暇など無いがどうやら足に当たったようだ。膝の皿がフリスビーみたいに飛んでいった。
O「(スピードと耐久は自信が無いんですよね)」
攻撃スピードはわたしでは全く追いつかない、その上爪が少しかすっただけ…防御が低い事もあるがこれが例えばあと少し上だったら兵器と言えど即死、このままだとジリ貧は確実。機動は削られたが今度はこちらから仕掛けていかないと。遅れてきた痛覚をアドレナリンで誤魔化して能力の使用のために素早く距離をとる。
それとすれ違うように先程までいた場所に狼さんが突進していった。わたしがさっきまでいた所の後ろの木に激突してそのまま木が折れた。
命拾いした、と考えたのもつかの間、移動時の衝撃でギリギリで耐えていた足の耐久が切れ足がちぎれる。
O「がッッづ!」
勢いは止まらず傷口は地面をこすり彼女の足をすりおろす。
すぐに起き上がるも狼さんがそんなチャンスを見過ごす訳もなく隙だらけのわたしに向かって息の根を止めんとばかりに首元へ噛み付こうと距離を詰めてきた。
しかしピンチの時にチャンスとはやって来るものだ。
O「本当は森の中ではやりたくないけですど…」
わたしは動きを止め狼さんに手を向けて意識を集中させる。
O「朝だし運動もしたいですし…」
鼓動が少しづつ早くなっていく。それに合わせてその手には熱が宿る。
狼さんとの距離はまだ四捨五入すれば二桁、今ならまだ回避をしようと思えば上半身の3分の2が食べられる程度で済みそうな距離。しかしそれをするつもりはないし最もされる心配もない。
O「任務の達成のこともありますし…」
彼女の闘志のボルテージが上がる毎に火の粉がチラチラと吹きでる。その熱で段々と空気が揺れていく。
距離一桁、それが意味する事はこの戦いにおいて賽を投げるのと同義、狼さんは「このエロガキの足は駄目だ、まさかここから回避されることは無い」と確信していることだろう。しかしそれはわたしも同じ。
O「至近距離で散弾ぶちかますのもいいですよね!!」
弾けろ 炎の魂
O「【炎弾】イグニスソウル!!!!」
かけ声とともに溜めた力を一気に開放し高出力の青い炎が射出される。
ゼロ距離から放たれたそれはまともに喰らえば化け物の体ですら十分に葬れる一撃、狼さんはそれを本能的に察知して体を反らす。
しかし時既に遅し。回避など念頭も置かずに突っ込んでいったツケで回避できない分が炎に巻き込まれながら後ろの木に激突する。
狼型「キュオン!」
鳴き声こそ子犬の様で可愛いがボリューム自体が大きい為もはやそれはマイクのハウリングのような不快な悲鳴。炎は体の片側全面に命中、これからの延焼も考えると間違いなく目までは潰れる。
O「まだまだ!」
そしてわたしは元素体の中でもトップクラスの回復速度を誇る。たしか資料によればArさんも同じ位のはずですがそれでも通常骨折の治療に10分、筋肉の再生に5分程度はかかるはずです。ですが皮膚やと余計な肉と骨の再生を止めてワイヤ状の筋肉と筋で棒のような骨と接続、皮膚が無い未処理の切断面が見える剥き出しの足を作り出し最低限機動をこの攻防の合間、僅かな時間で確保した。
次の球を溜めながら炎の命中した側から回り込む。
狼さんはさすが野生動物といったところか、わたしが動いた足音に反応し直ぐにこちらを見つけ再び攻撃をしようと……
O「2発目ぇ!」
それも無駄です。2回目の炎は散弾の様に広範囲に火球を発射した。先程の物より炎単体のダメージは格段に下がる。しかし既に致命傷を受けた体には十分な火力。
狼型「グォあああああっ!!」
悲痛な叫びを上げながら全身が青く包まれて燃えていく。炭化した肉体が段々と崩れて小さくなっていく。
O「見た目に反してクソ雑魚さん、でしたね」
さて、討伐し終わりましたし消火を待ちながらArさんがどこにいるか調べましょう。狼さんは多分あの大きさなら数分もすれば燃え尽きるでしょう。透明になって隠れながら見てたなら多分そろそろ出てくる…
……数分?
その場を去ろうとしたがその違和感が拭えず振り向く。
あの大きさの死体が数分で燃え尽きる?自分より大きな死体が?なんでそう判断できた?
O「え」
その答えは実にシンプル
狼型「ガウウッ!!」
ライムグリーン色の液体に包まれた巨体が炭化していく体を突き破ってこちらに来る。
O「(何…?何ですかこれは!?)」
今度こそ殺す
そんな明確な殺気を完全に気が抜けかけこ状態からいきなり感じ取ってしまいまともに思考が動かない。
それでも警戒していた状態ではあったため混乱しながらでも次の攻撃の準備をする(この時点で回避を選んでいない時点で相当参っている)。
でももう遅い。既にわたしのスピードでは反撃も回避もできない所まで緑は近づき私の足を切ったその前足は手の届く範囲。
O「ゔぇぁぁぁぁあ"!?」
Ar「はいやー」
やる気のない声が上から聞こえた。位置エネルギーを運動エネルギーに変換しながら石斧を振り下ろす。
狼型「ぁ"」
ボロボロ斧のはずなのに恐ろしい切れ味がある様な、A5の国産和牛のステーキをナイフで切った時のようにスムーズに首を落とす。
制御の失われた狼さんの前足が頬をかすめる。
よく見るとわたしが燃やしていたものは…何かの膜?のような物。ハリボテのように狼さんの形になって辛うじて形を保っていたのがそう見えただけだった。そりゃ進行も早いわけだ。
……でも戦っていたのはそんなふざけた物じゃない。何かしらトリックがあるはず。
Ar「(上で見てたけどOは再生能力は同程度、防御とスピードを捨てた砲台スタイル…戦いでは気が合いそうに無いなー)」
O「あ"ぁぁ………っうぅぅっ!。ありがとうごさいます」
Ar「お礼はいいよー」
Arさんが手を差し伸べてきた。
O「?まだあれは生きていそうですよ?」
Ar「足」
O「……はっ!あ、そっか」
喜んで支えを手伝ってもらう。
Ar「炎を操る能力かー。万能そうでいいねー。」
O「そんなにすごい能力でもないですよ。魔法のほうが色々便利ですし」
Ar「魔法じゃあんな火力すぐ出ないよー……それよりー」
Arは先ほど首を切った狼の方を見る。
狼型「ヴゥゥゥ…」
狼は首を切られたことに怒りライムグリーンの体液で汚れた地面の上で低い声で唸っている。カンの良い読者なら少しおかしな事が発生していることがわかるだろう。切ったはずの首が再生している。現にArはそれを更におかしな形で実感してしている。
Ar「(どう考えてもあの太さの首をこのボロ斧じゃ切れないよね)魔獣って極端な再生能力とかそーゆーのは?」
O「個体によって色々ですが無いです。それなら自爆覚悟で突っ込む位はしますよ」
Ar「えぇ……(君が言うのかー)」
Ar「でもこれであれのトリックが分かるかも」
O「本当ですか?」
Ar「そうだよー取り敢えず」
狼が再びこちらに攻撃を仕掛けてくる。
狼型「ガアアアアアアッ!」
炎を使われると厄介だ、そう学習したのかOに飛びかかってきた。相手は巨体、体格差でゴリ押せることを見越した行動だろう。
Ar「私のこと気にせずよく狙ってバンバン撃っちゃっていいよー」
O「分かりまし…」
Arはここであえて狼の下に潜り込む形で前へ出る。
O「とぅあ"おぉぉぉお"!?」
攻撃しようとした矢先の予想外の行動にOは驚く。
しかしこう考えるとどうだろう、空中でxy平面上で等速直線運動を続ける狼、それにとっては防御も攻撃もできない位置に移動する事によりこちらにとって絶好の攻撃のチャンスとなった。
Ar「ふさふさなお腹だねー」
Ar「羊に代わって毛刈りの時間だよー」
腹めがけて斧を振るう。内臓を掻き回す感覚を極力感じないように素早く。
斧は体を切り裂いた。斧で切った所と周囲数cmを巻き込んで肉体が液状に崩れ血の代わりに飛び散り体中にかかる。
そして予想していた事態が起こる
Ar「……やっぱり」
切った感覚がー
ー軽い
O「言ったこと後悔しないでくださいね!」
O「【息吹】ドラコブレス!!」
一方予測していたが回避できない事象も起きる。
狼を回避しながらOはArの言葉を信じ狼に炎を放射する。Arを巻き込み狼を燃やす。
Ar「あっづ!」
それで済むのか。作者の本音は放置してArは急いで距離を取りながら横目で狼の方を確認する。
一見毛皮が燃えているように見える、が…
Ar「(これは当たりだなー)」
相手のトリックは分かった。
Ar「(思った以上に単純に解決できそうだけどー)」
Ar「(果たして間に合うかなこれー)」
視界の隅に映る残火を見ながら攻略を考える。
ーーー
製品スペック
[個体名]8-1599-O
[開発コード]phlogiston
[材料]O
ステータス
[攻撃力]II
[耐久力]I
[機動力]II
[回復速度]H
[脅威度]H
[忠誠度]H(「削除済」時のみ-L)
[魔法適正]L
[総合力]B
[能力]
炎を生成、使用する能力。自身から半系十数m以内の範囲内から炎を生成する。放射や炎球、溜めなどの原始的な操作はできるが複雑な動作と形状の維持はできない。なお一般的に技名と言われるとものを叫ぶ傾向が多いがこれは能力の使用とは関係ない。
[容姿]
年齢 17〜18
髪 水
瞳 黄
服 「収容規則に則って削除済み」
武装 無し
[行動]
非常に人当たりが良く周りとの関係を重視する優しく穏やかな性格である。本人は自身を周りをまとめるお姉さん的な立場だと思っているが実際は精神面の問題か年齢の割には子供扱いされる。その典型的な例が中二病である。過去に何回か重大な破壊活動を伴う収容違反を起こしておりその時は「削除済」
[備考]
服装に関しては収容規則に則り担当者のみに情報が開示されます。
[追記]
H「こいつの収容違反は二度と起こさないぞ…」
s博士「こいつの収容違反の方法をHに教えたのは誰ですか……え?私が酒によってうっかり?」
P博士「担当用の報告書を拝見しましたが……確かにこれは酷い」
ーーー
1-1007-H報告書-B
H「え?ここにあった文章がなくなっている?」
H「あー、そうだね。これ書きためだから手遅れだって作者言ってた」
この小説の面白さは
-
戦闘
-
会話
-
世界観
-
描写
-
キャラ
-
怪我
-
その他(コメントを貰えると助かります)
-
無い(コメントを貰えると助かります)