ISーインフィニット・ストラトスー White of black (凍結)   作:蒼京 龍騎

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どうも、蒼京龍騎です。
先に書いている小説の方のネタがあまりにも思いつかなかったんで、ISの作品を描きたかったという衝動に駆られて書きました。なので内容は若干酷いかもしれません。許して。


原作開始前
第一話 黒騎士


ISーインフィニット・ストラトスー

White of black

第一話 黒騎士

 

これは、『白騎士事件』と呼ばれる事件の影に隠れたもう一つの事件、『黒騎士事件』を引き起こした家族の一人に転生した男の物語。

 

 

 

「、、、、っ、な、なんだお前は、、、、?」

空。翼がないと存在できない場所に、『それ』はいた。

一つは、巨大な人型が純白の装甲を纏い、手に一本の刀を携えたもの。

一つは、白の装甲を全身に纏った鎧武者のような巨人が、手に二本の刀を携えたもの。

それは、ISと呼ばれた装備だった。

だが、ありえない。

今、白の装甲を纏い空に浮かぶ女性はそう考えた。

現存するISは、今自身が持っているものしか無いはず。

では、この目の前にあるものは?

考えるも、答えは浮かばない。

「おい!!貴様何者だ!!!」

叫ぶと、その物体は、静かに呟いた。

「、、、、、『黒騎士』。それが俺の名だ」

『黒騎士』と呼ばれる存在が、緑に光る双眼で女性を睨みつけるようにしながら呟き終えると刀を構える。

「、、、、、白騎士。お前はやっちゃいけないことをした。その罪を贖え」

直後、黒騎士という名のISは、世界で最初のIS操縦者であるはずだった女性、織斑千冬に向けて空を蹴った。

 

 

 

「、、、、、ん?ここは?」

真っ白な空間。そこで俺は目覚めた。

辺りを見渡してみるが、何も無い。

「、、、、えーと俺、何してたんだっけか」

いや、そんなことよりまず記憶がきっちりあるかだ。

まず、名前は榊原 玄輝(さかきばら くろき)。これはいいな。

年齢、、、、???

まぁ高校クラスの知識はだいたいあるから18ぐらいか?

好きな物、ロボ。嫌いなもの、人間のクズ。

親が嫌いなものに該当。育児放棄&虐待祭りでアパート借りて逃げても合鍵作って入り込んで暴力ふるって、、、、これ以上思い出したくねぇな。

ここに来る前は、、、、確か親に破られたIS2巻と買ってなかった6~11巻を買おうとしてチャーコンフォーに行って、その道中で車に轢かれ、、、、、ゑ?

「、、、、これって、あれか?」

、、、、転生?いや、その前段階的なやつか?

そう考えていると、いきなり目の前にデカい画面が出現した。

「、、、、えーなになに?あーやっぱ転生、転生後の情報、、、?」

転生先→ISーインフィニット・ストラトスー

使用IS→ラインバレル(漫画版)

肉体→ナノマシンによる身体能力の向上と再生能力付与、あらゆる病気に対する耐性

親→父、篠ノ之束の助手 母、試験型IS<無銘>、並びにラインバレル試験操縦者

「────情報過多すぎて訳分からんわ!!!ってか待って俺のISラインバレルなのは良いけど俺IS五巻までの知識しか」

俺はそう叫ぶが、神は文句を聞き入れないらしい。

俺の体は宙に浮き、そのままなにかに引っ張り上げられるような感覚がすると同時に、意識が途切れる。

 

 

 

「、、、、ねぇ、この子の名前何にする?」

「──いいのがあるぞ。俺が今博士に秘密で、極秘で開発しているやつのアダ名」

────目が覚める。眩しい光が目に入る。

────目の前に二人の男女が居た。

女の方は、病人服を纏い、髪は黒に茶色のメッシュがかかったショートヘアー、涙を浮かべながらこちらを見ている大きな黒の瞳。

男の方は、白衣を纏い、派手な長い金髪に、俺の事を優しく見る紅の瞳。

誰だ、この人らと思った。

次に体を見てみるが、見た瞬間。

俺は、一瞬で俺の現状を理解した。

「、、、オギャァァァァァッ!?(俺赤ん坊じゃねぇかァァァァッ!?)

「、、、あっ!?泣き出しちゃった!?こういう時どうすればいいんだっけ!?」

そう、目の前にいるのは、この世界での俺の父母らしい。

あたふたと、母が慌てふためく。

「おっと、名付けが遅れて怒っちゃったか?ほれーよしよーし」

そう言いながら、親父が俺を抱っこして頭をさすさすと撫でる。

────親父よ。悪いけど問題はそこじゃない。無理な話だけど気づいてくれ。俺見た目こうでも精神年齢18ぐらいだから。

、、、、、でもやべぇ、めっちゃ心地いい、、、、、、( ˘ω˘ ) スヤァ…

、、、、って寝るな俺ェ!!!!まだ俺の名前聞いてねぇぞ!!!

「、、、それで、この子の名前、どうするんだっけ?」

「、、、、、現在開発段階の俺のIS、ナンバー000。識別名(コードネーム)

『黒騎士』。そこから始めの二文字を取って、黒騎(くろき)三七城 黒騎(みなしろ くろき)ってのはどうだ?」

「、、、、かっこいい」

「だろ?」

、、、、すげぇ、偶然か必然かは知らんけど前世と名前が同じだ。オマケに名前クソかっこいい、、、

と、そこで母が俺を再び見て大きな笑みを浮かべた。

「、、、、きっと有名になるね、この子は」

「、、、ああ。俺の黒騎士さえあれば、世界は平和になる。そうすりゃ一生家族全員幸せに暮らせるぞ」

、、、、、ん?あれちょっと待て。スルーしてたけど確かISって篠ノ之束が一人で開発したはずだよな?まさかとは思うけど、、、、

と考えていると、急に眠気がやってきた。

、、、、あー、そういや俺今赤ん坊だから、泣いたら眠くなるか、、、、

「、、、、楽しみだね」

「、、、、ああ」

嬉しそうに微笑んでいる両親の顔を見ながら、俺は夢の世界へ入った。

 

 

 

────1年後。

「おとーたん、おかーたん」

「「、、、、、喋ったァァァァァァッ!?」」

俺は一歳ぐらいで喋れるようになっていた。四足歩行はどうにもならなかったが。

まだ言葉は拙いが、ギリギリ伝わるレベルだった。

、、、、まぁここまで来るのに、母乳飲んだりアレを漏らしたりと、精神年齢18ぐらいの俺には恥ずい事象が山ほどあったが、それを何とか乗り越えここまで来た。

そしてついに、俺の周囲について重要な情報を幾つか掴むことに成功した。

まず父親。名前は三七城 天児(あまがつ)

────ゑ?天児?、、、、、( ˙꒳˙ )ohやばい嫌な予感しかしねぇ、、、、、、

ま、まぁそれは置いといてだ、経緯は不明だがどうやら篠ノ之束のところでISを作るために協力しているらしい。

、、、、、え、ドユコト?記憶が正しければ束博士って確か織斑家と自分の妹以外眼中に全く無い人だよな?なんでIS制作に協力させるほど仲良しなの?、、、、まぁ考えても仕方ないか。

だが、問題は次だ。どうやら親父は博士に秘密でISを一機作っているらしい。

親父が発していた言葉からの憶測だが、どうやら完全戦闘用のISらしい。

「平和のため」とか「これなら戦争を終わらせられる」といった言葉でこの考えに行き着いた。

、、、、どうにも嫌な予感しかしないが、今の俺にはどうすることもできねぇからこっちも考えても仕方ない。

ちなみに親父は俺にデレデレで、毎回頭を撫でてくる。その都度( ˘ω˘ ) スヤァ…となるのが俺の常になったという。最高な父です。

次に母。名前は三七城 藍子(あいこ)。束と親父が開発途中のISの起動実験を織斑千冬と共にやっているらしい。

どうやら俺の母と千冬先生、、いや今は先生じゃなかった、、、は仲がいいらしく、ちょくちょく家にも来るしその度俺のことを撫でに来る。、、、、デカいです(何がとは言わん)。

母は、、、優しい。とにかく甘えさせてくる。抱っこなんて日常茶飯事だし、ご飯が手製の離乳食だが死ぬほど美味いし、、、、最高な母です。

、、、、、話が脱線したが、とりあえず、だ。これでIS学園に入るためのコネができた。

多分俺は確定でISが使えるから、入学した際はちょっとばかり贔屓してくれるはずだ(下衆な笑み)。

 

 

 

そんな情報を地道に集めて数ヶ月経ったある日。

────母に変化が起こった。

嬉しそうにルンルンと口ずさみながら料理をしていた母が、いきなり倒れた。

病院で診てもらったが原因は不明。だがそんな身体では実験はできないと、ISの起動役から外された。母が自分の意思で、しかも喜んで実験に参加していたので、皆が申し訳なさそうな顔を向けていた。

だが、母は笑顔でいた。

「ぜんっぜん大丈夫!!!こうなっちゃった以上、黒騎の世話に全力を注いじゃうもんねー!!!」

そう母は宣言した。

宣言通り、母は今まで以上に俺に愛情を注いでくれるようになった。

以前でさえ、ISの実験に結果を纏めるレポートなど、やることが沢山あったのにほぼ毎日俺の世話を欠かさずやっていた。

「どうして、そうなってまでも俺の事を構ってくれるのか」

と聞いたことがある。

「何言ってるの黒騎。私はあなたのことが大好きだから、構うに決まってるでしょ?」

────そう言われた瞬間泣いた。

前世がクソすぎたことも相まって、号泣した。

いやだって、前の親平気で俺の事殺しにくるしアパートに押し入って暴力ふるうし、金奪ってく強盗まがいだぞ?いや優しすぎない俺の今の親、、、、、

 

 

そんな優しい母が倒れた原因を、理由を、俺は知っている。

────親父が作っているISのせいだ。

あの機体は、束博士が作っているISよりパイロットにかかる負担が大きいらしい。

それの起動実験に何度も付き合っていた故、今の状態になった。

「、、、、、藍子、済まない。俺がもっと早めに止めていれば、、、、」

「、、、気にしないで。私はそれを承知で乗っていたんだから」

親が俺を寝かしつける時に、俺は寝たフリをして親の目を騙し、耳をすますと会話が聞こえてきた。

「、、、、俺もISに乗れればいいんだが、、、、クソっ」

「こーら、そんな言葉使わない。黒騎に移ったらどうするの」

「、、、、すまない」

「もう、天児さんがそんなんじゃあ黒騎も心配しちゃうよ。もっとしゃきっと」

「、、、、すまない」

「、、、、とりあえず、表面上は試験役から降りたけど、まだ『あれ』には乗るからね?」

「駄目だッ!!!」

そこで、始めて父が声を荒らげた。

それはそうだ。現状、ただでさえ元気が無くなってきている母を再びあのISに乗せれば、何が起こるか、知りたくもない。

「、、、でも、あれが完成すれば世界が平和になるんでしょ?」

「そうだが、、、、ッ!!!俺はお前の方が大切なんだッ!!!あんなものより!!!」

「、、、、知ってるよ。束さんがISを世界に知らしめるために、どこかのミサイル基地をハッキングして自作自演な計画を考えていること。それを止めるためにも、あれが必要不可欠なんでしょ?だから、私は乗るよ」

、、、、ああ。なるほど。親父があのISを作っていたのは、これが理由か。

白騎士事件。それを止めるために作ってたのか。

「、、、、、ッ!!、、、、、やめてくれ。頼む。もう家族を失いたくない、、、、」

鼻水をすする音。嗚咽の音。

「、、、、これは私の選択。だから、天児さんが気にする必要はないよ」

「、、、、嫌だ、、、、嫌だ、、、、、ッ!!!!」

「、、、、、あと一回。それが私が乗れる回数で、私が終わる数。だから、もう私自身、寿命があまりないんだ」

「ま、待ってくれ。あと少しであのISからの負担を軽減するナノマシンが完成するんだ。

だからそれまで待ってくれ頼む、お願いだ、、、、ッ!!!」

「、、、、でもその頃にはもう既に計画は実行されちゃってる。でも私が一回乗れば、そのナノマシンを完成させるためのデータも集まるし、、、、黒騎に、『これ』を渡せる」

「、、、、ッ」

「、、、、ねぇお願い。私は無意味に死にたくないの」

「、、、無意味じゃない。俺らが幸せになれる。だから、、、無意味じゃない」

「、、、それが、世界を不幸にしてまで得た幸せなら、私はいらない。だから、、、、ゴホッゲホッ」

「ッ!!藍子!!」

「、、、、これが私の最後のお願い。こんなワガママな嫁でごめんね。でも、これだけは忘れないで」

「、、、、言うな、、、、言うな、、、、ッ!!!」

「、、、、大好きだよ。天児さん。黒騎」

その一言で、俺は寝床から起き上がり、母の元へ行こうとした。

────しかし。

砂糖のような甘い匂いが、部屋に漂ってきた。

その匂いを嗅ぐと、猛烈な眠気がやってきた。

────まさか、睡眠薬、、、、?

「、、、、いや、だ、、、、」

そこで、始めて俺は自分の心情を口に出した。

先程の言葉で、母が死のうとしているのが分かったからだ。

前の世界とは違い、俺に愛情を注いでくれる母を、失いたくなかった。

「やだ、、、、やだ、、、、」

そう呟きながら、どうにか眠気に抵抗し起き上がろうとするも、上手く体が動かない。

「、、、、、ふざ、、、、けんな、、、」

そう吐き捨てると、俺の意識はそこで途切れた。

 

そして、次の日、目を覚ますと。

────母は、居なくなっていた。

どうしようもない虚無感が、俺を襲う。

泣きたい。でも何故か泣けない。

悔しい。あの時動けなかったのが。

怒りたい。不甲斐ない俺に。

見てもらいたかった。成長した俺を。

そのような感情がごちゃ混ぜになったような感情が、俺を襲う。

 

 

以来、親父は人が変わったかのように研究へ没頭するようになってしまった。

何度か千冬が俺の家に来たが、その度親父は千冬に「妻は出ていった」と嘘を吐いていた。千冬は疑惑の目を向けながらもその言葉を信じていたようだった。

俺はどうしようもない感情を伴いながら5才になっていた。

保育園にも入っていたが、卒園までの記憶が無い。

家でも、味がしないコンビニ弁当を食うことと寝ること以外はひたすら自分の部屋の天井を見上げる日々が続いた。

だが、一度鏡を見て自分の姿を確認したことがある。

どうしてかは分からないが、おそらく、少しでも孤独感を紛らわしたかったんだろう。

ピンとはねた特徴的なくせっ毛が目立つ金色のメッシュがかかった黒い髪。

今の年齢には合っていないであろう死んだように暗い黒の瞳。

顔立ちは母の方に似ていた。

少しだけ嬉しさを感じた。

 

そして、俺が6才になった頃、『それ』は唐突に、起こった。

その日は、外に出たい気分だったので俺は昼飯を食った後すぐに家から出て、晩飯の時間まで外をほっつき歩いていた。

外の空気に満足して、家に戻ると。

────家が、燃えている。

ごうごうと、音をたてながら燃えている。

「、、、、、ッ!!親父!!!」

俺はそう叫びながら裏口に回ってから家に入る。

「親父ッ!!!どこだっ!!!!」

叫ぶと、親父が階段からゆっくりと現れた。

「、、、、黒騎、話がある。ついてこい」

いきなり、親父が呟くように言う。

「何言ってんだよ!!!逃げるんだよ!!!」

「安心しろ。ここには頑丈な地下設備がある」

親父がそう言うと、まだ燃えていない冷蔵庫を退けてその裏に手を触れると、エレベーターのような扉が現れた。

「、、、、、は?」

「、、、、ついてこい」

親父は俺の腕を強引に掴んでそのエレベーターの中へ自身と共に入る。

「、、、、なんの用だよ親父」

そう冷たく言い放つが、親父は全く気にしていない様子だった。

「、、、、黒騎、お前だけだ。今の俺の家族は。だけど、俺もすぐに藍子の元へ逝こうと思う。だから、お前に、最後に『これ』を託しに来た」

そう親父が無感情な声で言うと、エレベーターの扉が開き。

その向こう側の、無機質な白の空間に。

────白い武者(ラインバレル)が、佇んでいた。

「、、、、IS殲滅用IS。識別名、『黒騎士』。向こうがISの始祖となる白騎士なら、こちらはISを滅ぼすための熾天使となる黒騎士。お前の名前の元であり、いがみ合いを続ける世界を正すための力になる『はずだった』機体だ」

親父は、そう言い終えると冷たい、無感情な目を俺に向ける。

「、、、、今日、あと少ししたら計画は実行される。だから、お前は逃げろ。これは、お前を守るための鎧であり、お前に害を成すものを滅ぼすための機体だ」

親父は俺にそう言ってくる。

「おい待てよ親父!!!いきなりこんな状況になってて、訳が分からねぇよ!!!」

そう叫ぶが、親父はこちらを見ない。

「、、、、ってかそもそも親父、俺は知ってるぞ!!母さんはこれに乗って死んだんだろ!?そんなのに乗れって言われてもお断りだ!!!第一、アンタは母さんが死ぬと知っててこの機体に乗せたんだ。そんな奴の言う事なんて聞くかよッ!!!」

そう、親父は母さんを止めなかった。止められるはずだったのに。

そう考えると、どす黒い感情が溢れ出てくる。

「、、、、そうか」

言って、親父が目を細めると。

 

パシュッ。

 

「、、、、、え」

親父の手に、細長い銃が握られていた。

その銃口は俺に向いていて、俺は自分の体を見る。

────細長い、注射器のような棒が、俺の胸に突き刺さっていた。

「、、、、、ッ!?、、ッ!?」

それを自覚すると同時に、全身に激しい痛みと息苦しさが俺を襲ってくる。

床に伏せて胸の棒を引っこ抜く。

だが、痛みは収まらない。

顔を苦痛に歪めながら、ひゅーっ、ひゅーっ、と風切り音のような呼吸をする。

「黒騎士操縦者身体強化兼保護用ナノマシン、【Dーゾイル】。始めは死ぬほど痛いが、

すぐに良くなる」

親父が、床に伏せた俺を優しく持ち上げ、黒騎士に向かって歩く。

「、、、、確かに俺は藍子を止めなかった。止められなかった。彼女が望んでいることだから、望みを叶えるためだから。と、藍子のことしか考えてなかった。

お前から母を奪うという考えが浮かばなかった。

────すまない、黒騎。こんなことしかできない父親で」

そう言いながら、親父は黒騎士に触れる。

すると、黒騎士の胴体部分が上下に開き、『ちょうど俺1人』をしまえそうなスペースが出現する。

親父は、そのスペースに俺を入れる。

「、、、、、この後、織斑家がお前を引き取ってくれる。そこでお前は生きろ。こんなクソみたいな俺のことは忘れてくれ。ああ、でも母さんのことは忘れるなよ。お前の母さんは何時でもお前のことを思っていたからな、良い母親だ」

そこで、俺は気がついた。

親父の目に、光が灯っていることに。

最後の最後に、優しい父親の目をしていることに。

「あと一つ、言っておきたいことがある。

、、、、、俺らは、いつまでも。

────お前の傍に居るぞ。俺らの愛しの黒騎」

「、、、ま、待っ」

待ってくれ、親父。と言おうとしたが、言い切る前に黒騎士の胴体部が閉じ、視界が真っ暗

になる。

「、、、、、おい、、、まだ、、、ありがとうの一言すら言えてねぇぞ、、、、クソっ、、、!!!!」

真っ暗な空間で、朦朧としながらそう吐き捨てた後、俺の意識は闇へと誘われた。

 

 

 

いつからだろう。この子が普通じゃないと気付いたのは。

齢一才で言葉を喋り、教えてもいないのに自分たちのことを「お父さん」と、「お母さん」と呼んだ。

天才だ。俺たちは抱き合って泣いた。

成長すれば、俺らを超えると、思った。

精一杯、愛情を注ごう。そう思った。

だが、ある日。

千冬と束博士が、地下のISラボである会話をしているのを、聞いてしまった。

「あーもう!!!どいつもこいつも私たちのISを馬鹿にして!!今こそ思い知らせてやる!!!」

「、、、、思い知らせてやる、とは具体的にどうするんだ?」

「よくぞ聞いてくれました!!!まず!!もう少ししたら、世界中のミサイル基地を私がハッキングする!!そして、そこにあるミサイルを日本に向けて発射する!!それで、、、、」

「、、、、なるほど。そのミサイルを、私がISを使い切り落とす。

、、、、酷い自作自演だが、乗った」

「そうこなくっちゃ!!!」

、、、、馬鹿か?とその時思った。

大規模な自作自演。その結末は俺には見えていた。

────ISの『武力』としての価値が認められる。

本来ISは宇宙で活動するためのパワードスーツだ。束博士はそれを目的としてISを作っている。俺もそれに賛同し研究を手伝っていたがそれを行えば結果が目的と大きく違うことになってしまう。

だが、そう言っている俺は。

束博士より早くISの武力としての有用性に気付き、戦闘用という、宇宙で活動するためという目的から大きく外れたものを作ってしまっている。

しかし、今思えばなぜ俺は戦闘用のISを作っていたのかという重要なことをいまいちよく覚えていない。

いや、それよりも。

止めなければ。

そうして俺は、二人に向かってそんなことはやめろ、と説得を試したが無駄だった。

予想される結末を話しても「そんな馬鹿な」と言った。

もう既に、二人はISをどんな形でも認めて欲しい、という顕示欲の傀儡と化していた。

説得という手段が潰された俺は、次の手段を考えた。

、、、、、『白騎士』の破壊。

だが、ISは並の兵器では傷つけられない。

故に、『黒騎士』の開発を急がなければならなかった。

、、、、だが。

あと一回、試験的に起動すれば完成まで間近という場面で。

藍子に、限界が訪れた。

いきなり吐血して倒れたと聞いた時は、全身の血の気が引く感覚がした。

俺が開発している黒騎士は、戦闘用にしたせいかパイロットへの負担が尋常でないほど大きい。

だから、藍子への負担を軽減するためにパイロットスーツを開発してみたが、どれもいまいち効き目がない。

────そこで、ふとある考えが浮かんだ。

もし、ISの技術をナノマシンレベルにまで詰め込み、それを人体に入れたら、負担を気にせずに済む、パイロットスーツなんて必要のない肉体が手に入るのでは、と。

結果、目論見はある程度上手くいった。

どうにか大体の構造は考えれた。だが、データが少し足りず、完成まであと少しという所で行き詰まった。

、、、、あと一回、藍子が乗ればわかるのに。

その考えが浮かんだ瞬間、俺は俺の右頬を殴った。

「、、、、俺は嫁を犠牲にする気か!?ふざけるなッ!!!」

そう吐き捨てて、脳を全力で稼働させて残りの部分を考える。

、、、、しかし。

「私、もう一度乗る」

ある日、藍子がそう提案してきた。

理解できなかった。

君をそんな体にしたモノだぞ!!と言ったが、妻は。

「、、、、知ってるよ。束さんがISを世界に知らしめるために、どこかのミサイル基地をハッキングして自作自演な計画を考えていること。それを止めるためにも、あれが必要不可欠なんでしょ?だから、私は乗るよ」

優しい、優しい目を向けながら俺を見つめてくる。

────頼む、そんな目で俺を見ないでくれ。

あの目は、謝罪の、罪悪感を孕んでいる目。

その目で見られたら、俺はお前の提案を呑んでしまいそうになる。

そう言いそうになった。

だが、俺はぐっと口を閉じて耐え、駄目だ、と言おうとした。

けど。

「お願い。無意味に死にたくないの」

その一言で、俺は藍子を、妻を、あのIS(死神)に再び乗せてしまった。

そして、最後の起動を行ってしまった。

藍子は、起動中は全く無口だった。

そして、全ての起動実験が終わり、ISの動力を切ると。

「、、、ありがとね。私の愛しのダーリン♪」

そう笑顔で言って、藍子は死んだ。

直後。俺を言いようのない思いが襲ってくる。

────なぜ藍子をISに乗せた?

────なぜ止めなかった?

────なぜ幸せな暮らしより、茨の道を選んだ?

結論は、すぐに出た。

、、、、俺も、束らと何も変わらなかったのだ。

、、、、、家族より、ISを選んだ。

世界を救うため、藍子のためと宣っておきながら、結局は自分のためだけになっている。

喉から何かがせりあがってきて、胃の内容物を床に吐き散らす。

、、、、何が世界のためだ。何が家族が幸せになるためだ。

ふざけるな。俺にそんな資格、そもそもなかったんだ。

嗚呼、憎い。

篠ノ之束が。

嗚呼、屠りたい。

織斑千冬を。

嗚呼、呪いたい。

、、、俺自身を。

そこから、俺はナノマシンの完成を目指すことに没頭すると共に、ある実験も始めた。

────意識の複製。並びにそれの電子化。ISへのインプット。

それらを完成させるために、黒騎と触れる時間を無くした。寝る時間を無くした。飯を摂る時間を可能な限り減らした。ISを完成させること以外に使う時間を減らした。

その甲斐あってか、ナノマシンの完成と同時に、先程の実験も成功した。

さらに、ナノマシンには思わぬ機能が付いていることが分かった。

────これで、黒騎を一人にしないで済む。黒騎が死ぬ心配が無くなる。

そう思いながら、俺はナノマシンを注射器に詰め、専用の銃へセットし懐にしまう。

そして、家にガソリンを撒いてから、火をつけた。

────思い出と共に、死にたかった。

すぐさま、ガソリンを撒いていなかった裏玄関から、自身を呼ぶ黒騎の叫び声が聞こえてきた。

俺は、階段の影から現れ、黒騎を地下に連れていく。

そして、そこで始めて黒騎にISを見せた。

だが、黒騎は夜中にひっそりと起きていた事があり、話を聞いていたようなのでこれの存在を知っていた。

────母親を殺したモノとして。

この場所で、黒騎士を託すために連れて来たが、当然黒騎は黒騎士を拒絶した。

だから、俺は人生で初めて、自分の意思で息子を苦しめるに対して腹を括った。

懐から銃を引き抜き、黒騎に向けて注射器を放つ。

俺が開発した、『男でもISが操縦できる』ようになり、死ににくい体にするナノマシン、【Dーゾイル】を。

すぐさま、黒騎は床に伏せて苦しそうにもがく。

俺は、胸を締め付けるような罪悪感に耐えながら黒騎を自身の腕で抱く。

そのまま黒騎士の方まで足を運び、黒騎士のコックピットに当たる部分を展開する。

そして、空いたスペースに黒騎を置くと、俺は黒騎に向かって、重く閉ざしていた口を開く。

「、、、、確かに俺は藍子を止めなかった。止められなかった。彼女が望んでいることだから、望みを叶えるためだから。と、藍子のことしか考えてなかった。

お前から母を奪うという考えが浮かばなかった。

────すまない、黒騎。こんなことしかできない父親で」

黒騎の、俺を見る目が変わる。

「、、、、、この後、織斑家がお前を引き取ってくれる。そこでお前は生きろ。こんなクソみたいな俺のことは忘れてくれ。ああ、でも母さんのことは忘れるなよ。お前の母さんは何時でもお前のことを思っていたからな、これに乗っている時でさえ。良い母親だ」

まるで、俺に対して罪悪感を感じている目を。

だが、俺は言葉を止めずに言う。

「あと一つ、言っておきたいことがある。

、、、、、俺らは、いつまでも」

ああ、そうだ。いつまでも。

「────お前の傍に居るぞ。俺らの愛しの黒騎」

やっと、言えた。

ああ、やっと言えた。

1行にも満たない言葉だが、やっと言えた。

────こんな、お前に愛を伝えられない親父で、ごめんな。

「ま、‪待っ」

黒騎の言葉を待たず、俺は黒騎士のコックピットを操作して閉じ、横にある緊急射出ボタンを押す。

黒騎士が地上に向けて、猛スピードで運ばれていくのを見送る。

「、、、、ごめんな。黒騎」

お前にこんな経験をさせる親父で。

そう思った直後、上の方から爆発音のような振動が響き、ラボの天井の一部が崩落する。

「、、、、ああ、やりきった。これで、お前の所に行ってもいいよな?

────藍子」

俺は、俺に向かって落ちてくる天井を見ながら、呟いた。

 

 

 

 

「、、、、ッ」

目が覚める。

だが、真っ暗で何も見えない。

、、、いや、正確にはほんのりと、視界の端の方に淡く光っている何かがあった。

だが、それに触る気力が起きてこない。

母さん。それに続いて、親父も死んだ。

しかも、この機体に母さんを乗せていたのは、本当は俺のためだった。

勝手に勘違いして、親父を憎んでいた俺が憎い。

「、、、、前世よりひでぇ仕打ちじゃねぇか、、、、クソッ、、、!!!」

『、、、、、搭乗者に【Dーゾイル】が投与されていることを確認。ISナンバー000。識別名黒騎士起動。搭乗者と機体との接続テストを開始します』

真っ暗な空間に、いきなり謎の声が響いた。

と、次の瞬間。

「ガ、、、、ッ!?」

体に電流が流されたかのように、俺の体がビクッと後ろに逸れる。

目に、手に、足に、全身に。

体が別の何かに変わるような感覚が襲ってくる。

「、、、、、ッ?」

その感覚に慣れ、気持ち悪さから少しでも逃れるために閉じていた目を開く。

「へ?」

目の前には、いつもの街の光景が広がっていた。

だが、違う。

視点の高さが、俺の身長と合っていない。

俺は頭を下に向けて、自分の体を見てみる。

「、、、、マジ、かよ」

俺の体は、変わっていた。

全身が、鉄のようなもので出来たものへと。

「、、、、って待てよ?、、、、これ」

冷静になってから再び体を見てみる。

、、、、どうやら、あそこで見たことは本当らしい。

親父が作ったIS、黒騎士。その見た目は、この世界に来る前に見た情報と同じだった。

「、、、、ラインバレルじゃねぇか」

胸にある目玉のようなものが付いた装甲。

爪のように鋭い指先。

腕に装着されている二本の刀。

尻尾のような腰に付いている長い長方形の箱。

誰がどう見ても(あっちの世界では)ラインバレルだった。

「、、、つまり」

俺は左腕に装着されている刀を引き抜く。

重さは、一切感じない。

それを両手で持ち、縦に一閃すると、ビュオンという風切り音が鳴った。

「、、、、やっぱIS。いきなりでも馴染む」

一度も使ったことが無いのに、何年も使っていたかのように使える。

と、ビーッビーッと煩い電子音と共に、視界にデカデカと『警告』の文字が表示される。

「、、、、んだよ?、、、、あ」

後ろを振り返り、真っ暗な空を見て。

俺は今日がどんな日か思い出した。

────『白騎士事件』。白騎士と呼ばれる白いISが空中に浮き、日本へ発射されたミサイルを全て切り落とし、その後に来た外国諸国の軍の最新鋭戦闘機すら容易く落とし、ISの力を見せつけた事件。その白騎士が、俺の視界にある。

もう既にミサイルは撃ち落とした後であるらしく、そこら中に兵器の残骸が広がっていた。

「、、、、、」

そこで、俺はどうするか迷った。

原作では、このまま白騎士は無双っぷりを見せつけるだけで終わるのだが。

──もし、そこに俺が介入すれば?

と、そこで親父の言葉が急にフラッシュバックする。

 

これは、お前を守るための鎧であり、お前に『害を成すもの』を滅ぼすための機体だ。

 

、、、、そうだ。元はと言えばISが出来たこと自体、駄目だったんだ。

束と千冬が、こんな馬鹿げたことをしなければ、親父も、母さんも死なずに済んだ。

ああ、そうだ。今の俺は『転生者』じゃない。

ISという世界の傍観者じゃない。

この世界に生きる、一人の人間。

三七城 黒騎として。

「、、、、正当な、報復をしよう」

ふつふつと怒りが滾ってくる。

だが、頭は冷静だ。

ゆっくりと、足が地面から離れ俺は宙に浮く。

巨大な右手で、巨大な刀を握りしめる。

「、、、、待ってろよ。始まりの白騎士。俺が、『終わりの黒騎士』が、そいつをぶっ壊してやるよ」

 

 

そして、今に至る。

「、、、やってはいけないこと、だと?」

白騎士が、いや、バイザーで顔を隠した千冬が俺に聞いてくる。

「、、、、お前らの自作自演。それのせいで俺の家族は死んだ。

────親父は、お前らを説得しようとした。

──でも、お前らはそれを聞き入れなかった。

そのせいで、俺の親父と母さんが死んだ。だから、俺はお前の白騎士を、、、、」

俺は言葉を切って、一度刀を構え直すと、言葉を続ける。

「、、、、ブチ壊す。できる限り壊す」

俺は腰に付いている箱を翼のように展開し、俺は白騎士に向かって加速する。

そのまま、構えていた右手の刀を振り下ろす。だが、白騎士が持っていた刀に防がれてしまう。

ガキィン!!と激しい音が鳴る。

「、、、、お前、まさか、、、、素人か?」

そう千冬の声が聞こえる。

「、、、、素人だと思いたければ思っておけばいい」

俺はそう返し、まだ攻撃に使っていない左手の刀を思い切り突き出す。

「、、、、ちっ」

あと少しで刺さる、といったところで、いきなり白騎士の姿が消えた。

いや、正確には『加速して離れた』と言った方がいいか。

瞬時加速(イグニッションブースト)。いわゆる溜めダッシュ。

「、、、、ひとつ聞く。なぜ、お前はISを持っている?今は私のこれしか無いはずだが?」

俺から距離を取った白騎士が聞く。

「、、、、じゃあ、言おう。これを作ったのは、篠ノ之束の助手だ」

「、、、、!?」

と、そこで始めて、白騎士が驚愕したように機体を揺らした。

「、、、ま、まさか、、、、いや、ありえない、、、、まさか、、三七城、、、?」

そう困惑する白騎士に向かって、俺は冷たい目を向けながら腰にある長い箱を横に展開して、中にあるサブアームによって運ばれた銃のような武器を刀を鞘に納めてから手に取る。

<エグゼキューター>。ラインバレルの切り札であり今は俺の黒騎士の切り札。

「、、、、木っ端微塵にしてやるよ、白騎士」

その銃口を天に向けて、<エグゼキューター>を展開する。

緑の光の剣が、<エグゼキューター>から発生し、周囲を緑の光で照らす。

そのまま、俺は白騎士を睨む。

「、、、、ッ」

白騎士は、その攻撃を避けるように右へ向き瞬時加速を発動しようとする。

だが、俺はあえてそれを見逃す。

ぶっ壊すとか木っ端微塵にするとか言っておいて、今更ながらこいつを壊せば一夏がISに乗れないことに気がついた。故に見逃す。

どうやらあれだけ決意を固めておいても、俺はまだできる限り原作通りに話を進めようとしているらしい。意外と俺の方が人間的にクズかもしれねぇな。

そう心の中でボヤきながら、俺は<エグゼキューター>を振り下ろす。

緑の刃は真っ直ぐに千冬に向かい、切ろうとするが、千冬が瞬時加速をする方が早かった。

斬撃が、空を切る。

<エグゼキューター>から発生していた緑の剣が霧散し、辺りに静寂が訪れる。

「、、、、なんだと?、、、、わかった。そうする」

と、俺の攻撃を回避した千冬から、誰かと会話しているような声が聞こえた。

「、、、、黒騎士。この勝負はお預けだ。私は撤退させてもらう」

千冬は再び瞬時加速を行う予備動作に入った。

────逃がすと思ってんのか?

「おい、待ちやがれ、、、、!?」

そう叫び、俺も瞬時加速を行い追撃に入ろうとした所で。

視界が、ぐらついた。

空中でバランスを崩しそうになったが、体勢を立て直し目を手で覆い隠すが、次第にぐらつきが悪化していった。

目だけではなく、感覚がぐらつく。

意識が、ぐらつく。

気づけば俺は全身の力を抜いて、地に向かって落下を始めていた。

体に浮遊感を感じながら、俺の意識は闇へと堕ちる。

 




はい、いかがでしたでしょうか。
俺にとって鉄のラインバレルは人生最初の方で出会ったロボット作品なので、好きなISとコラボさせました。悔いはない。
まぁこれ自体衝動書きみたいなものなので、完全に不定期投稿になります。許して。(3度目)
あと自分デート・ア・ライブの二次創作も書いてるんで、そちらの方も良ければ見てやってください。気力向上に繋がるので、、、、
それでは、多分次はデアラの方でお会いすることになるので、それまでしばしさらばじゃー!!(・ω・)ノシ(そういや(・ω・)ノシ←今更思ったんだがこれってどうゆー意味なんだろ)
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