ISーインフィニット・ストラトスー White of black (凍結) 作:蒼京 龍騎
今回でやっと原作開始前が終わる、、、、、
次回から本編へ突撃ィ!!!!
それでは、(⊃σ▂σ)⊃ドウゾドウゾ
ISーインフィニット・ストラトスー
White of brack
第三話 日常の終わり、願いの始まり
「、、、ラウラ?」
俺は、俺と同じような年の少女に向かって手を差し伸べながら、思わずそう呟いてしまう。
だって、目の前にいる土まみれのワンピースを着た少女の顔が、IS原作のヒロインの一人であるラウラ・ボーデヴィッヒにそっくりだったからだ。
いや、いくつか相違点はある。髪はショートヘアーだし、目に眼帯もしてない。
「、、、、?ラウラじゃない、私、ライラ」
少女は不思議そうに顔をきょとんとさせて否定する。
「、、、、ライラっていうのか。わりぃ、知り合いに顔が似てたんでな。俺は黒騎だ。とりあえず立てるか?」
俺はライラという少女に向かって自分の名前を名乗り、聞く。
そう、先程ライラはクソガキ共にいじめを受けていて、さんざん体を踏みつけられていた。そのため、体のあちこちにいくつか出血している箇所も見られた。
ライラは立ち上がろうと俺の手を取り、起き上がろうとしたがすぐに顔を歪めた。
「、、、、っ」
「、、、立てないのか?」
ライラはこくこくと首を振って頷く。
足を見てみると、ところどころ赤くなっており、より強く踏みつけられたのだろうと察せた。
「、、、、おぶってやる。捕まれ」
俺は背をライラに向け、ライラに背中に乗るよう催促する。
「、、、あり、がと」
遠慮しがちに、ライラがゆっくりと俺の背中に乗る。
「そんじゃ、一旦病院に向かうぞ。親への連絡はそれからでも間に合う」
「、、、、うん」
俺はライラを背に乗せ、落ちないようにゆっくりと立ち上がる。
そのまま、俺は最寄りの病院まで歩を進める。
「、、、、助けてくれて、ありがとう」
しばらく歩いたところで、ライラが話しかけてきた。
「、、、、別に。ただあのまま見捨てたら、一生後悔しそうだったからな」
「それが理由?」
「そうだが」
「変わってるね、黒騎は」
「ああ。ガチな意味で人間やめてるからな。変わっててもおかしくねぇだろ」
「、、、、、私は、黒騎は立派な人だと思うけどな」
「そうか」
そうこう話している内に、最寄りの病院まで早めに着いた。
「お前、ケータイ持ってるか?」
「持ってる。あとお前じゃくて、ライラ」
「、、、、ライラ。お前の母ちゃんに連絡しねぇといけねぇから、ちょっと連絡してくれねぇか?」
「、、、、無理。お母さんいつも忙しい。お父さんも」
そう言われて、俺は大きくため息をつく。
いつまでこいつに付き合えばいいんだ、と。
俺は頭をガリガリとかく。
「、、、、しゃあねぇ、とりま俺がついてってやる。そこで湿布なりなんなり貰ったら、ライラは親のどっちかが来るまでしばらく病院に居ろ。わかったか?」
ライラは少し間を開けた後こくりと頷き、それを確認した俺は病院に入る。
「、、、、あーしまった、無断で学校休んじまった。あとで千冬さんに謝っとこう」
病院でのライラの診察結果は、複数の擦り傷と少し強めの打撲だった。
足は折れているんじゃないかと思っていたので、俺は内心ホッとする。
いや待て、なんで俺ホッとしてる?
俺にとっちゃこいつは赤の他人だぞ?安心する要素はどこにある。
第一、まずなんであの時助けた?俺は正義のヒーローでも演じたかったのか?
「、、、、騎。ねぇ黒騎」
いや違う。あれは衝動的なものだった。だったら俺を動かした感情はなんだ?
「ねぇ黒騎。ねぇってば」
、、、哀れみ?俺の過去と似たような状況に遭ってたから助けたかったのか?
「おーい、聞いてるー?」
「ああもううるせぇな!!!今大事なこと考えてんだよ!!」
先程からしつこく呼ばれてカチンときたので、俺は席でふんぞり返りながら大声でライラに叫ぶ。
「説明、終わった」
、、、は?終わったんならどこかで待ってろよ。なんで俺のところ来た?
「、、、、で?なんで俺のところに来た?待つんじゃねぇのか?」
「黒騎の隣で待ちたい」
、、、、は?こいつ今なんて言った?
「黒騎の隣がいい」
俺の思考を読み取ったかのように、ライラが言葉を変えて同じことを言う。
「、、、、理由は?」
「安心する」
「、、、、、はぁーっ、もう勝手にしろ」
「うん」
と、ライラが俺の隣へちょこんと座る。
「、、、、、」
「、、、、、」
無言のまま、時間が過ぎる。
俺は、改めてライラを見てみる。
ラウラにそっくりな顔立ち、ラウラと同じ目の色。ラウラと同じ髪の色。
やはり、どこからどう見てもラウラだった。
だが、肝心な本人は自身のことをライラと言っている。
、、、、訳が分からん。クローンとしか言いようがないほど似ているのに、本人は違うという。表情からしても、嘘はついていない。
────試験管ガール。
不意に、原作で千冬がラウラに言っていた言葉が頭に浮かぶ。
ラウラはIS関連の実験のため、生み出された人間の内の一人のはず。
つまり、他にそのような人物がいてもおかしくない。
、、、、ライラが、その内の一人なのか?
「、、、、?黒騎、さっきから私をじっと見てるけど、どうしたの?」
「なんでもねーよ」
俺は適当に言葉を返す。
「、、、、あ、あの、黒騎?」
さっきとは違い、たじたじとした様子で俺の名前を呼ぶ。
「なんだよ?要件は手早く頼む」
「、、、特に必要とかそういうわけじゃないけど、、、、フルネーム教えてくれる?」
「、、、、三七城、三七城黒騎だ」
「三七城、、、、三七城ね、ふふっ」
と、俺の苗字を聞いた瞬間、ライラが少し笑った。
「なんだよ、そんなにおかしい苗字か?」
「いや、違う。かっこいい苗字だな、って」
「、、、、、そうか」
と言ったところで。
バシーン!!!と俺の頭に衝撃が走る。
「いっでぇ!?」
多分今ので俺の脳細胞が何千個か死んだ。
あ。俺は知ってるぞ、この感覚。
「、、、、、学校を無断で休んでおいて、病院で女子と喋っているとは、随分と偉くなったようだな黒騎」
出たァ(ネコ型ロボットボイス)。一夏の脳細胞破壊兵器、千冬さん。
「、、、、、すいません千冬さん。話せば長くなりますが、とりあえずこの女の子助けてました。無断で休んだことについては申し訳ないです」
「ライラです。先程黒騎に助けてもらったものです」
俺が頭を下げると、ライラも自分の名前を言いながら頭を下げる。
「、、、、、はぁ。まぁそういうことにしておいてやる。とっとと帰るぞ黒騎」
ため息をついてから、ぐいっと、千冬が俺の腕を引っ張る。
「、、、、あーまぁこうなりますよねー、、、、ってな訳で悪ぃライラ、俺もう帰んねぇと」
「、、、、、わかった。
────黒騎。助けてくれて、ありがとね。
それじゃ、また会えたら、その時はまたお礼言わせてもらうね」
ライラが少し名残惜しそうな表情を浮かべる。
「おう、また会えることを期待して待ってるわ。そんじゃあな」
そうして、俺は帰路へつく。
色々と衝撃的だったその出会いから五年。
ライラと会うことは無く、至って普通の日々が続き、俺は小学六年生の卒業間際になっていた。
だが、世間ではその五年間でISが本格的に兵器へと変わりだし、モンド・グロッソと呼ばれるIS同士の戦闘による大会が行われることが二年前決定し、一年前に千冬がその大会へ出場し優勝をもぎ取った。そこへ、再び千冬が出場することになった。
────モンド・グロッソ、か。こりゃ警戒しないとな、、、、
俺はまだ暗い外を眺めながら自室であぐらをかき、黙想しながらそう思った。
既に俺は周囲の大人より強くなっていた。(千冬という最強は例外)
剣道の世界大会優勝。古武術もマスター。千冬の近接格闘技術を完全会得。
といった、かなーり苦難で地道な道を進んで、ようやくこの域まで達した。
だが、俺にはまだ悩むことがある。
、、、、、一夏の誘拐事件。
千冬が今日、モンド・グロッソで決勝戦を行う日に一夏が攫われるという、千冬にとって最悪の日。
俺は、それに対して介入すべきか否かを考えていた。
まず介入する場合。やろうと思えば俺一人で追っ払えるが、その後のラウラや千冬の行動に原作との相違点が出る。そのせいで俺の前世の記憶が役に立たなくなる。まぁ元々五巻から先は俺にとって未知の領域だから役に立つもクソもないんだが。
介入しない場合。あえて一夏を攫わせることで、俺の良心を犠牲に、千冬とラウラに原作通り動いてもらうことになる。
今のところ、介入しない方針で動こうかと考えているが、介入した場合には話がどのように進むのかも見てみたい。
、、、、、よし、リスクは最小限にしたいから介入しない方針でいこう。
冷血な奴だと思われるかもしれないが、この状況なら恐らく七十パーセントの人は俺と同じ答えを選ぶと思う。
────俺も攫われれば良くね?
唐突に、そんな考えが浮かんだ。
そうすれば攫われたとしてもその場で一夏を救うことができるし、攫われて千冬が駆けつけてくれればある程度原作通りに進む。
、、、、まぁ、本音を言えば暴れたい。ここ数年、待機形態での刀の状態として使う以外にラインバレルを使っていないからだ。これなら正当防衛で千冬も許してくれる。最近待機形態の状態なら『俺の中にしまえるようになった』し、まずバレんだろ。
「、、、、よーし、こんなプランでいいか。そんじゃ寝るか」
そう思いながら、俺は眠りにつく。
「、、、、、、きろ。おい、とっとと起きろ」
「、、、、あ?」
目覚めると、俺は真っ暗な空間にいた。
体を動かそうとしても、腕と足がきつい紐で縛られているのか動かない。
冷たいコンクリートのような床が、不気味なほど冷たい。
、、、、どうやら、目論見は成功したようだ。
「これからお前にはいくつか質問に答えてもらう。答えない場合は体を刃物で切り裂く」
冷たく、殺意が篭った恐ろしい男の声が、真っ暗な空間に響く。
「、、、、、けっ、いきなり人を攫っといて言う言葉がそれかよ。礼儀知らずなクソ野郎だな。赤ん坊からやり直してこいバーカ」
だが、俺は怯まず挑発する。
「、、、、まず一つ目。織斑千冬とはどういう関係だ?数年前から居候していたようだが」
男は俺の挑発を無視し、聞く。
「、、、、あー無視ですかーはいはい。────俺と千冬さんは師弟関係。血縁関係はない。これで満足か?」
俺は適当に返す。
「、、、、まぁいい。二つ目、お前の体の一部は機械に置き換わっているか?」
「んなわけねぇだろアホ。こちとら純度100パーの人間だ。つーか一夏どこに行った」
そう返すと、先程とは違い男がため息を漏らしていた。
「、、、、三つ目、【Dーゾイル】というナノマシンを知っているか?」
──────は?【Dーゾイル】、、、、!?
「、、、、ッ!?」
そこで、俺は初めてたじろぐ。
、、、、【Dーゾイル】。俺に打ち込まれたナノマシン。
親父が作った、コアなしISをナノレベルまで縮小し、それを人に投与することで人体を強化し、男でもISに乗れるようになるというナノマシン。
このことについて知っているのは、俺、親父、束、千冬の四人だけのはずだ。
「、、、、なんで、テメェがそれのことを知ってる」
怒気を含ませた俺の声が響く。
「ある情報屋からな。さて、その様子だとどうやら何か知ってるようだな。吐け」
と、首元に新しく冷たい感触が生まれる。
目を凝らして見ると、細い、メスのような刃物を喉に突きつけられていることが理解出来た。
「、、、、、テメェらに教えるわけねぇだろボケェ!!!」
俺は腕に力を入れて、無理矢理紐を引きちぎる。
そのまま、うっすらと見えている男の顔面を右手で殴る。
そのまま、足の紐も引きちぎって立つ。
「、、、、そうか。なら『その力』、実証してもらおう」
と、男が少しだけ笑みを浮かべると。
ドスッ。
背に、少し衝撃が走った。
「、、、、、あ?」
俺はその部分に触れてみる。
そして、背中に冷たい異物があることに気付く。
その異物が、背に刺さっていることも。
「、、、、、が、、、あ、、、、ッ!?」
自覚した瞬間、背に激しい痛みがやってくる。
俺は背の異物を引っこ抜いて、ナイフのような形状をした刃物を自身の右へ放り投げる。
「そうだ。お前の持つその力を見せろ。三七城天児が開発した、『IS殺し』の力の一端を」
男がククッと乾いたような声で笑った直後。
違和感に気づく。
先程まで痛んだ背中の痛みが消えている。
傷がある部分に触れてみるが、傷は無い。
投げ捨てたナイフには、きっちりと血の跡が付いている。
、、、、、ああ。これ束さんが言ってたISの能力か。
以前束が言っていた、『黒騎がISになっている』という言葉。
その実感が、ようやく湧いた。
俺が、人ではなくなっている実感が。
「、、、、、俺らと共に来い、三七城黒騎。お前の復讐を手伝ってやる。そして、それが終わった暁には、お前の体をある程度元に戻してやる」
男が俺に向かって言う。
────ふぅむ。復讐を手伝ってやる、俺の体を元に戻してやる、ね。
────随分と勝手言ってくれるじゃねぇか。
「、、、、お前らさ、なにか勘違いしてない?」
「、、、、は?」
男が不思議そうに俺を見る。
「いつ、俺がお前らに手伝って欲しいって言った?悪いがこれは俺の復讐だ。
俺の、
俺による、
俺の手でのみ行う、
、、、、
、、、、だからテメェらの手は借りねぇよ。残念だったな」
俺は右手に力を込めて、『俺にしまってあった』刀を右手に出現させる。
最近知ったのだが、俺の体に待機形態のラインバレルを、ISが
故に、俺の体にしまっておけば緊急時でもISが展開できる。
そして、そのまま刀を鞘から抜いてラインバレルを身に纏う。
その際、ISのハイパーセンサーにより男の全貌がはっきりと見える。
褐色の肌に、テカっているスキンヘッド。やけにごつい体。
まず日本人でないことは理解出来た。
「とりま一夏は返してもらうぜ。あいつに対しての恨みはねぇからな。つーわけで一夏の場所吐け」
ラインバレルの左腕の刀を抜き、男の喉元に突きつけながら脅す。
だが、男は。
恐怖もせず。
泣き顔を見せず。
俺のラインバレルを、神聖な物でも見るような、キラキラとした瞳を向けていた。
「、、、、おお、これが、、、、『黒騎士』。IS殺しの力。世界を覆す究極の力。天児博士の技術の結晶。────ああ。美しい」
恍惚とした表情で、男はラインバレルをじっと見る。
おい待て。
、、、、、なんで黒騎士って名称まで知ってる?
それになんだよ、さっきも言ってたIS殺しの力に、世界を覆す究極の力って、、、、
「、、、、知らないのだったら教えよう。
────これはISを殺すための力だ、三七城黒騎。
君の父がISに憎悪を滾らせ、その憎悪によって創り出された『IS殺し』。その力はISを滅ぼすためにあり、狂ってしまった世界の歯車を戻す役目を持っている。
篠ノ之束が開発したISのせいで男女平等になりかけていた世界のバランスが崩れ去り、一気に女尊男卑の世界が到来した。
────そんな狂った世界、憎いとは思わないか?壊したいとは思わないか?
せっかく平和になりかけていた世界が、ISという兵器一つで様変わり。憤りを覚えるよ、俺は」
憐れむような口調で、俺に語る。
「そんな時に、三七城天児という人物についての情報が入った。なんでも、男でもISに乗るためのナノマシンを作っていたとか。それを聞いた瞬間、心が踊ったよ」
男が、今度は楽しそうな口調になる。
「ああ、この人なら世界を戻してくれる、と思った。だが、駄目だった。
天児博士は、せっかく世界を戻す【Dーゾイル】を完成させたというのに、設計図ごと自らの命を絶った。
、、、、三七城黒騎。君に完成品を投与してな」
男の口調がまた変わる。
今度は怒りを込めた声だった。
「、、、、俺は頭から血が出るまで掻き毟った、怒りのあまりな。喉から手が出るほど欲しかったものがあと少しで手に入るというのに、また遠ざかった。
────だが、黒騎士が白騎士と戦っていると聞いて、歓喜したよ。俺らと同じだ、って。
でも、違った。なら、もういいか」
何か納得したように、男は首を縦に振る。
直後、男は腰から拳銃を取り出して自身の頭に銃口を向ける。
「、、、、、相容れないなら、こんな世界とは別れよう」
ググッ、とトリガーにかけている指の力が強まる。
「おいテメェ何してやがる!?とっとと銃を捨てろ!!!」
俺は男に刀を向け、自殺を止めさせようとするが男は止まらない。
「、、、、そうだ。最後に一つだけ言っておこう。
────君が自分のことを、ナノマシンで強化されただけの『ただの人間』と思っているなら、それは大きな間違いだ。そもそも君は、、、、『本来なら存在しない命』であると共に、『人としての大切な要素が欠落している』のだから」
瞬間。パァンと乾いた銃声と共に、男の頭から血とヌメヌメした何かが飛び散る。
男は倒れ、辺りに静寂が訪れる。
「、、、、、最後のあれは、、、、どういう意味だ、、、、?」
血溜まりに浸かっている男を見下ろしながら、俺は呟く。
────本来なら存在しない命。人としての要素の欠落。
意味がわからない。俺は自分の何かが欠落している感覚はないし、存在しないのならここには居ない。
、、、、わからない。
と、俺が悩んだ瞬間に。
ドゴォォォォォォン!!!!
という、一際大きな音が聞こえた。
「一夏!!どこだ!!!!」
その叫び声は、間違いなく千冬の声だった。
、、、、ああ、助けに来たのか。
「千冬さん!?助けに来てくれたんですか!?」
俺はそう叫びながら千冬の声がした方向へ向けて、コンクリートの壁を突き破りながら進む。
「黒騎!?無事か!?」
千冬が自身のIS、暮桜の腕をラインバレルの肩に置く。
「俺は無事です!!それより一夏は!?」
「今から探す!!黒騎も手伝ってくれ!!」
必死な様子で、俺に頼んでくる。
「了解!!」
俺はそう返して、一夏を探すためコンクリートの壁をラインバレルの刀、
「一夏ァ!!!どこだ!!!」
叫ぶと、なんと言っているのかは聞こえないがボソボソとしたか細い声が聞こえてきた。
だが、その声は間違いなく一夏のものだった。
「、、、、、そこかッ!!!」
俺は声がした方向に向けて、<エグゼキューター>を取り出し射撃モードに変更して引き金を引く。
緑色のビームが<エグゼキューター>から発射され、ドゴォ、とコンクリートが崩れる音と共に、縛られている上に目隠しされた一夏の姿が現れた。
「一夏!?無事か!?」
「、、、、っ!?黒騎!?」
一夏に向かって駆け出し、<不知火>で慎重に縄を切ってから目隠しを取る。
「、、、な、、、!?」
目隠しを取り、俺を見た一夏が信じられないといった表情を浮かべた。
「黒騎、、、、なのか!?お前、なんでISに、、、、、」
と、狼狽え一夏がその場に立ち尽くす。
「説明は後だ!!とっとと帰るぞ!!」
そう返し、俺は千冬に通信用のチャンネルを繋げる。
「千冬さん!!一夏を見つけました!!」
『、、、、、、そうか。、、、、、よかった』
大きな、安堵のため息が聞こえた。
「じゃあ、一夏は俺が連れて帰ります!!千冬さんは早くモンド・グロッゾに!!」
と叫ぶが、千冬は「いい」と言った後に言葉を続ける。
「、、、、恐らく、今から戻ったとしても間に合わない。恐らく私は不戦敗になるだろう。だが、一夏とお前が無事ならそれでいい。だから、気にするな」
千冬が悟ったように言う。
、、、、、ああ、駄目だ。
揺らいでしまう。復讐を果たすことを決意した心が。
優しすぎた。自身にとって大切な大会をほっぽり出しても助けに来た。
俺の事も気にしてくれた。
駄目だ。優しさを向けられると、俺は、、、、、
「、、、、、すいません千冬さん。俺がもっと警戒していれば、、、、」
本心から、言葉が出た。
「いいと言っているだろう。これは私の責任だ。お前らを置いて大会へ出場した、私のな」
「、、、、、すいません」
俺は千冬に対して、そう返すことしか、出来なかった。
「、、、、、、」
「、、、、、、」
家のリビングで、剣呑な雰囲気が漂う。
千冬が俺らを救うために、大切な大会を棄権してまで助けに来た。
さらに、俺らの場所を知り、教えたドイツ軍に対価としてそのドイツ軍のIS部隊に一年間教官として移住する条件も呑んだ。
俺と一夏は、千冬に対し申し訳ないと思い俯いていた。
「、、、、、おい、お前らさっさと飯を食え」
空気の重さに嫌気がさしたのか、千冬がそう勧める。
「、、、、すいません」
「、、、、ごめん」
俺らは謝ってから箸を手に取る。
「、、、、はぁ、お前らがそんな状態だと私も安心してドイツへ行けん。もっと心を強く持て」
「「、、、、、、」」
「ああ、そうだ。黒騎、お前に言いたいことがある。後で部屋に来い」
「、、、、わかりました」
そうして俺らは、無言で飯を食った。
だが、申し訳なさのせいか味はほとんどしなかった。
そして飯を食い終わり、俺はすぐさま千冬の部屋に向かった。
「、、、、来たか」
千冬が椅子に座りながら俺を見据える。
「、、、、、黒騎。次にこんなことがあった場合には、一夏を守って欲しい。今のお前なら
ば、そこら辺のISには負けることはないだろう。だから一夏を」
「わかってますよ。俺がきっちりと一夏を見ておきますので、千冬さんは安心してドイツへ行ってください。万が一危険と判断した場合は連絡しますが、そうでない場合は俺がカタをつけておきます。もう、、、、心配させませんから」
千冬の言葉を遮って、俺は言う。
「、、、、、どんどん成長しているな、お前は。私も負ける日が近いかもしれない」
どこか悲しげな表情をし、自嘲気味に微笑みながら千冬が呟く。
「いや、さすがにまだ千冬さんには敵いませんよ。
────でも、いつか追いついてやりますから。その時は手合わせをお願いしますね。『千冬先生』」
俺も微笑み返すと、千冬の部屋から去る。
そして、千冬がドイツへ行った頃、俺らは中学生になっていた。
俺と一夏は生活費の足しにするためとバイトを始め、学業も一生懸命にやった。
それも全て、俺と一夏が藍越学園へ入るため。
────というのは表面上で、本当は一夏と共に偶然IS学園の受験場所に迷い込んで偶然ISを起動できたというシナリオを組み立てるため。
抜かりはない。あとは待つのみ。
そうして平穏な日々を一年間過ごし、千冬がドイツから帰ってくると俺は再び稽古をつけてもらった。
そして、稽古をしながら二年が過ぎて、遂にその日がやってきた。
──藍越学園への入試日。俺の本当の意味でのスタート地点。
「いやー、まさか黒騎も藍越学園受けるとは、、、お前は剣道が強いところ行くかと思ってた」
受験会場の少し前の地点で一夏が俺に話しかけてくる。
いやまぁ、確かに剣道強いところ行こうかなーとは思ったんだが俺IS学園行きたいし。お前に便乗しないと行けねぇから。
「んなわけあるか。とりまこのままの貧乏生活はヤバいから安定した生活を手に入れるために行くんだよ。お前だって安定した生活を送りてぇだろ?」
「まぁそりゃもちろんだけど、、、、」
と返し、目的地の多目的ホールに着くと、やはり原作通り迷路のような作りで二階への道が一切見当たらなかった。
「、、、、えーこれ二階へどう行けばいいんだ?」
一夏がうーむと唸る。
「、、、、知らねぇよ、、、とりあえずあそこの扉でも開けて、そこに人いたら聞くって感じでいいんじゃないか?」
「、、、、そうだな」
よっしゃ誘導成功。
一夏がその扉のドアノブに手を添えて、扉を開く。
「あー君たち、受験生だよね?はい、向こうで着替えて。時間押してるから急いでね。ここ、四時までしか借りれないからやりにくいったらないわ。まったく、何考えて、、、」
と、原作通り三十代後半の女教師に言われる。
そのまま女教師は部屋から出ていき、部屋には俺と一夏しか居なかった。
「、、、、着替えて、ってなんだ?最新のカンニング対策か??」
「、、、、まぁとりまこのカーテンでも開いてみよーっと」
俺は一夏の言葉を聞かないフリをして無視し、カーテンを開く。
そこには、ISがあった。しかも二つ。
「これって、、、IS、だよな?なんでこんなところに、、、、」
「知らねぇよ。まぁどうせ反応しねぇし触っても大丈夫じゃね?」
と、俺はそのIS、、、、恐らく打鉄だろう、、、に手を向ける。
「おいおい、触っても大丈夫なのか?」
「どうせうんともすんとも言わねぇんだ。お前も触ればどうだ?なかなかない機会だぞ?」
そう言って、一夏にISに触れるよう催促する。うん、我ながら完璧な誘導。
「、、、、じゃあ、そうするか」
一夏が打鉄に触れる。
瞬間、一夏が一瞬だけ頭を抑えて、その直後一夏が触れていた打鉄が一夏に纏われ、起動した。
それを見た俺も打鉄に触れた。
瞬時に脳に情報が送られ、ISの最適化が始まる。
そして俺も一夏と同じように打鉄を纏った。
「、、、、まじ、かよ」
絶句していた一夏を後目に、俺は心の中で狂喜乱舞していた。
────さぁて。これで俺が原作開始前に干渉可能な重大なメインイベントはほぼ終わる。
────次は、IS学園だ。
────待ってろよ、
はい、いかがだったでしょうか。
ものすんごく適当になってると思いますが、まぁ早く本編行きたかったし、、、、しょうがないね♂
はい、じゃあ前言ってた設定です。
細かい設定は別で出すので、かなーり雑ですが、許して。
<不知火>
ラインバレルの腕に付いている太刀。
切断力は極めて高く、ISのシールドエネルギーをかなり削ることが出来、当たり所によってはシールドを無視して直接IS本体を切る事ができる。
<エグゼキューター>
ラインバレルの腰部に接続されている瞬時加速用テールスラスターに収納されているレーザーブレードカノン。
射撃モードと斬撃モードが存在し、射撃モード時には高威力の緑色のビームを対象に向かって放つが、放つ度エネルギーが消費される。斬撃モードでは零落白夜並の威力を持った巨大なビームの柱を形成し、それを敵に振り下ろす。