旧・兎は星乙女と共に   作:二ベル

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プレビューやらで自分が書いたものを見返しているというのに、誤字を起こしてしまっていて、心の中でオッタルさんが『何たる脆弱、何たる惰弱・・・』と嘆いてます。

お気に入り300ありがとうございます!
こんなにお気に入りされるとは思ってませんでした。


兎×大猿×花二輪

「状況は!?」

「捕らえていたモンスターが脱走!!地下室にいた見張りは何者かによって再起不能にされてる!!外部犯がこの騒動を招いたんじゃないかって言われてる!!」

「脱走した数は!?」

「9匹!!その中に腕利きの冒険者でも手に負えないのもいるって【ガネーシャ・ファミリア】の人たちが!!」

「わかっているモンスターの種類は!?」

「ソードスタッグ、トロール、えっと後はシルバーバック!!少なくとも20階層より下層のモンスターがいるって考えたほうがいい!!」

 

異常事態に気づき、アリーゼは近くにいた同じファミリアのメンバーと近くにいたアーディに声をかけて状況を整理する。

――少なくとも、5階層で死にかけるような冒険者では、太刀打ちできない・・・お願いだから、無事でいてよぉ・・・!!

 

「ていうかなんでアリーゼは1人でいるの!?ベルは!?」

「は、逸れたぁ・・・!!」

「「「はぁ!?」」」

「い、いや、人が多くて……いつのまにか……」

「それまずいでしょ!?あの子1人にしたら、それこそまずいって!!」

「は、逸れたらコロシアムを目指しなさいって……でもいなくて探していたらこんな状況に……」

 

――――お前が戦犯だぁ!!!

とでも言われそうな仲間達からの非難に背中に影を落として小さくなるアリーゼ

そう、ファミリアの皆は知っている、ベルを1人にするとまずいということを。きっとどこかで泣いてる。絶対泣いてる。戦える精神状態じゃないことくらいは当たり前のようにわかる!!

 

「あー・・・とりあえず落ち着けお前ら。アリーゼ、ベルはどの当たりで逸れたんだ?」

「え、えっと、東のメインストリートを歩いていたから、たぶんその当たりじゃないかしら・・・」

「ちなみに、今上がってるモンスター・・・まぁ【剣姫】がものすごい速さで動いてるから数は勝手に減るとして、ベルで対処できるか?」

ライラに一度冷静になれと話を止められ、アリーゼは目を瞑り、思考する。

あの子なら・・・あの子なら・・・・と。

そして

 

「ええ、問題ないわ。幸いにも人は減ってる。なら・・・・」

「おい聞いたか!?白い髪の女が女神抱えてシルバーバックに追いかけられてるってよ!?」「はぁぁ!?」

 

話が途切れ、恐らく、恐らく、自分達の知っているであろう人物と神物の情報が避難していた一般人が言い合っていた。

泣きそうな顔をしながら、自分より少し背の高い女神を抱えて、大猿に追いかけられていた。と。

 

――何処に行ったんだよそいつはよ

――わからねぇ!足がめちゃくちゃ速くてよ、あっちこっち走り回ってったから・・・

――しかもなんか、気色悪い花みたいな蛇みたいなモンスターもシルバーバックの後を追っていってたぞ!?

 

「あの子がアストレア様と・・・??それに聞いてないモンスター?」

「どうする、東のメインストリートだろ?大型なら3体対処できるか?少なくともアタシは、あいつに大型モンスターのいる階層にはつれていってねぇぞ」

「・・・・・・・すぅ、はぁー。いえ、アストレア様がいるならきっと大丈夫!!私達はやることをやるわ!!Lv2,3は避難誘導!!それ以上は、モンスターを発見次第、討伐して!!ただ報告のないモンスターがいるから油断しないで!!」

「「「了解!!」」」

 

正義の眷属たちは各々動き出す。

大丈夫、きっとあの子なら大丈夫。

どんなモンスターにも急所がある場所はだいたい同じだと伝えてある。

アストレア様がいるなら大丈夫なはずだ。と祈りながら。

そんな時だろうか、よく知る鐘の音が鳴ったのは。

 

■ ■ ■

 

「すぅー・・・・・・はぁ・・・・」

深呼吸をし、頭の中をクリアにしていく。

―――大丈夫、やれる。女神様がついてる。見てくれてる。怖くない、怖くない。怖くない。

 

少年は束ねられた白髪をたなびかせながら、物陰から、シルバーバックの正面へと歩み出る。

「一応、確認をしておいたほうがいいよね・・・・。"お姉さん"の話だと同胞のヒトたちは武装しているってことらしいけど・・・」

様子を見ても、絶対違う。あれは人の手で付けられた物のはずだ。

「・・・・・・僕の言葉、わかる?」

 

「ガルァアアアアアアアアアアア!!!!」

 

「意思の疎通は・・・できてない。なら、やろう。すぅー・・・はぁー・・・・」

大好きな姉の言葉を思い出そう・・・あの人ならこんな時・・・

『良い?ベル、怖いときとか力を湧かせたい!!ってときはね、これでもかってくらい格好いい言葉を言えばいいのよ!!バーニング!!!みたいな!!』

 

―――確か、【燃え盛れ(アルガ)】って言ってたっけ。

 

燃え盛れ(アルガ)燃え盛れ(アルガ)!燃え盛れ(アルガ)!!燃え盛れ(アルガ)ァァ!!!

 

さあ、祭壇()に火は灯された。やってやろう。やってやる!!

 

少年は眦を決し、大猿へと走り出す。

大猿の咆哮をかき消すように、少年も咆哮を上げ走る。

「―――ぁあああああああああああああああああ!!!!」

シルバーバックは腕についている鎖を鞭のように振り回す、でも、あたらない

「―――福音(ゴスペル)!!」

 

ゴォーン!!!と鐘の音が鳴り、鎖の鞭を弾き返す。

今まで少年を中心として発生していた音の攻撃は、星の刃(アストラル・ナイフ)を手にして初めて少年の思うように発動した。

その衝撃で自身をさらに加速させる。

 

「大型との戦いはまだやったことがないから、迂闊に近づけない。だから、まずは身動きを封じる・・・っ!!」

 

―――ライラさんが、『お前は探知ができるスキルを持ってる。でもそれは視覚の情報は一切入ってねぇ。もっと周りを良く見ろ。ゴミだろうが何だろうが、投げつけてやりゃぁ一瞬でも時間が稼げる。せこい?何言ってんだ。こういうのを"生き汚い(賢い)"って言うんだぜ』って言ってたっけ。

周囲に何がある、何が・・・と視覚の情報を取り入れながら大猿に対処する、魔法を使ったことで付与魔法(エンチャント)を纏ったように振動する2つの刃を持ったロングナイフで足を、腕を切りつけていく。

そうして周囲にあるもの・・・自分がどこにいるのかを理解。

女神と再会して食べ歩きをした売店のある広場の近く。

瓦礫の中から屋台の骨組みだったであろう鉄棒を取り、シルバーバックの身動きを封じ込めるように囲うように地面に差し込んでいく。

 

「狭いところと、響きやすいところだと魔法の影響が大きくなるってリューさんが言ってた。金属ならなおさら響く、はず!!」

シルバーバックが【鉄の檻】を破壊して逃れようと暴れるなら即座に

 

福音(ゴスペル)!!」

 

さらに音の暴風で襲う。

ナイフもさらに振動していく。

シルバーバックは咆哮し近づいてきた少年を投げ飛ばそうと腕を上空に振るい、巻き込む。

少年は上空に浮き上がり、とっさに建物と建物の間を繋げるようにつけられていたロープをつかみ、さらに唱える。

福音(ゴスペル)!!」

 

これで3回、鐘がなった。

ナイフは3度放たれた魔法により振動が増し、熱を放つ。

大猿を囲う鉄の檻もビリビリと振動する。

ロープから勢いよく弾丸のようにシルバーバックへ上空から一閃すれば、顔に取り付けられていた防具は熱をもって焼き切れた。

距離を取り、これならば、と突貫する。

 

「―――ぁあああああああああああああ!!!!福音(ゴスペル)ッ!!!!」

 

ナイフで檻を叩きつけ鐘を響かせる。

鉄棒が魔法の影響をうけ、まるでオルガンのように巨大な音を生み、シルバーバックの動きを完全に停止させ、断末魔さえかき消して灰へと変えた。

 

「―――はっはっはっはっ。」

まだだ、まだ終わってない。

僕が女神様から大猿(あいつ)の意識を向けさせるために『誘引』をしたけど、その後に"2つ"反応があった。

だから、スペルキーは使ってない。

「―――反応は・・・真正面からっ!!」

 

地面を割り、2体の【花のような蛇のような怪物】が花開き、襲いかかろうとしてくる。

 

―――大丈夫、大丈夫。

そこで、怪物たちと少年の間を横切るように白銀の光が走る。

 

「―――――ウィン・フィンブルヴェトル!!!」

 

「――――反応が少し離れたところに1、3、4人・・・かな。」

なら、これで終わりだ。

 

そう言って少年は凍りついた怪物へと近づき、熱を放つナイフを逆手持ちのまま、「コツン」と軽く当てて、最後に唱える。

 

「――――鳴響け(エコー)。」

 

4回分の音の魔法の残響(余波)が増幅され、キィィィィン。と耳鳴り音を鳴らし、怪物を砕き、すぐ近くにあった建物はヒビが入り、ガラスは砕け散った。

その粉々になった、怪物だったモノと破片が光に当たり、雪のように降り注ぐ。

少年はすぐに踵を返し女神の元に足を進める。

 

【挿絵表示】

 

■ ■ ■

 

素直に、すごい。と思った。

あの子がここまで戦えるとは思ってなかった。

大型とは戦ったことがないから、弱点はわかっていてもどうやってそこに届かせればいいのかわからなかったのだろう。

まさか、檻を作り、叩きつけ、魔法の威力を増加させる。だなんて考えもしなかった。

 

「―――あんな顔をするのね。あの子は」

トクン。と胸が跳ねた気がした。今まではあどけない幼い顔だったし、少なくとも格好いい男の子の顔は私は見たことがない。

一緒にダンジョンに行ける眷属たちが羨ましいと思うほどに。

瞼には怖いのか涙が溜まっていたけれど、それでも、それでもだ。

格好いいと思わないわけがなかった。

「ギャップというのかしら。これは。」

再会したときには胸に飛びつき、泣いていたというのに、

「こ、これが、タケミカヅチが言っていた『男子3日会わざれば刮目して見よ』ということ・・・!?」

 

確かに、3日ほど会っていなかったけど・・・!!?

ここまで変わるものなの!?

タケミカヅチ!!3日の間に何が起こったの!!?

女神の胸は高鳴り続ける。

少年は少しずつ歩み寄ってくる。刃は魔法の効果が切れ、少しずつ冷まされていく。

 

「・・・アストレア様?」

「・・・な、なあに?ベル」

「顔、赤いです」

「そ、そうかしら。ベルも目が真っ赤よ?涙を流しすぎたのね」

「・・・アストレア様」

「なあに?」

「僕、勝てました」

「ええ、見ていたわ。かっこよかっ・・・・た・・・・わ・・・」

              「アストレア様!」

あ、あれ、ベルが私を見上げて・・・泣いてる?どうして?

                                     「アストレア様!」

―――嗚呼、やってしまった。これでは駄目ね。ヘファイストスの注意を聞いとくんだった。働きすぎたわ

「アストレア様ァ!!」

■ ■ ■

 

「アストレア様の様子は?」

「過労だそうです。眠っています」

「・・・そう、よかったわ。それで、ベルは?」

「アストレア様から離れようとせず、泣き疲れて眠ってしまったから同じベッドに入れてやった。その方がいいだろう?」

「そうね・・・・ありがとう、リオン、輝夜。とりあえずアストレア様もベルも無事だったことを喜びましょ。ベルも活躍してくれたみたいだし、アストレア様が起きたら褒めてあげないと」

 

あの後、私達は大きな音がした場所へと急行した。

そこには、大型モンスターだったものの灰と魔石、そして焼き切れたような魔物の防具が。

少し離れたところには、【ロキ・ファミリア】の4人の女の子と、見たことのない極彩色の魔石が2つ、灰の中に落ちていた。

ベルが泣き叫ぶ声が聞こえて、その場所に向かうと、気を失ったアストレア様を抱きしめながら何度も何度も、痛々しく名前を泣き叫びながら体を揺すってる姿があった。

あの子が戦っている姿を見ていたであろう人たちも、歓声を送れる状況じゃないと察したのだろう。その、あまりにも痛々しいベルの姿を見て。

 

「はぁー・・・・やっちゃったなぁ」

「大丈夫ですか、アリーゼ」

「うーん・・・あの子を1人にしちゃったのはさすがに私の責任だわ」

「・・・・あれだけの人がいたんです、逸れるなという方が無理がありますよ」

 

輝夜は疲れたと言って浴場に向かい、今リビングに残っているのは私とリオンだけだ。

他の皆は【ガネーシャ・ファミリア】と情報整理や被害の確認をするため現場に残っている。

 

「アストレア様も少しすれば目を覚ますでしょう。先にお風呂に入ってサッパリしてきたほうがいいのでは?」

「リオン一緒に入ってくれる?」

「・・・・嫌です」

「じゃあベルとアストレア様が起きたら一緒に入るわ」

「はぁ・・・。何か食べますか?買ってきますよ」

「うーん・・・じゃあ、じゃが丸くん。小豆クリーム味で」

「ベルの分はいりますか?」

「あの子は甘いのが苦手みたいだから、プレーンでお願い」

「わかりました」

 

リオンの気を使ってくれてかそんな会話をして、リビングに1人になる。

1人になって、両足を抱え膝に顎を置いてあの子を1人にしてしまったこと、泣かせてしまったこと、そして戦っていたということを思い返す。

 

「住民に被害はない・・・あえていうならベルくらい。他に被害があるとしたら・・・ベルが戦っていた場所。所々焼き切ったような後、これは恐らくナイフによるもの。近くにあった建物はガラスが砕け散っていたんだっけ。まあ弁償をこちらがすることはないでしょうけど。」

今回の1件は恐らく【ガネーシャ・ファミリア】の不祥事ということで負担はあっちになるだろう。

でも、気がかりがあるとすれば・・・

「あの極彩色の魔石・・・2つのうち1つは持ち帰らせてもらったけど、何なのかしら、これ。」

「それに、ベルはシルバーバックと戦う前に会話をしていたみたいなことを言ってたっけ。たぶん、これは確認しただけでしょうね。初めてダンジョンに連れて行ったときにゴブリンに挨拶をしていたくらいだし。・・・・本当にいるのかしら。喋るモンスターなんて」

 

あの子が嘘を言うとは思えない。むしろ下手だ。だから2つ目のスキルはあの子には教えていない。

でも、もし本当にいるのだとしたら・・・・

「今までの常識が覆る・・・そうなれば戦えなくなる人たちが増えて不慮の死が増える。いや、それ以前に・・・」

私は思考する。ベルが言っていたことを思い返す。

 

『叔父さんたちが言うには、オラリオから来た以外ありえない。どういう方法かはわからないが密売だろう。って』

 

「――――まさか、ダンジョンにオラリオの外につながるルートが存在する?」

海は確か、リヴァイアサンを倒した際にそれを加工して塞いだって話だからまずないでしょうし・・・・。

なら、どこ?

「―――ベルなら、ベルなら見つけられる?そんな気がする」

でも、絡んでるのは恐らく、闇派閥。そんなのにあの子を巻き込みたくはない。あの子が対人戦を行うことだとまず無理だ、だって訓練のときでさえ私達に攻撃するのを嫌がるのだから。

いざという時は動くかもしれない。でも、あの子に・・・そんなことはさせたくない・・・。

 

「あぁぁーーやだぁー・・・」

とそんなことを1人でやっていると、ベルのすすり泣く声が聞こえて

「起きた・・・かな?」と私も様子を見に行くことにする。

「ちゃんと謝らなきゃ」

謝って、うんと褒めてあげよう。

 

■ ■ ■

「アストレア様・・・アストレア様ぁ・・・!!ひっく」

 

目が覚めて私の横にベルが目を腫らして眠っているのがわかって、私はそっとベルに向き頭を撫でる。するとピクリっと揺れて薄っすらと目が開いて私と目が合って涙がこぼれ出して私の胸に飛びついてきた。

胸の谷間に顔を埋めるようにして何度も私の名を呼ぶベルを、私は咎める事はしない。きっと私が倒れてしまって不安だったのだろう。

『神が死ぬとどうなるか』を知らないこの子のことだから、動揺もするはず。

私はベルを抱き寄せ、私の膝の上に跨らせるように座らせる。それでもベルは胸に顔を埋めて肩を揺らしている。

 

「ベルー?私の胸はそんなにいいのかしら?」

「ひっく、ひっぅっ」

「大丈夫、大丈夫よ。働きすぎちゃっただけだから」

「・・・置いていかないで」

「ええ、置いていかないわ。だから顔を上げて?貴方の綺麗な瞳を見せて頂戴?」

「・・・うん」

 

ベルは胸に顔をつけたまま私を見上げるように上目遣いになりながら目と目を合わせる。

瞳は潤んで輝いていて、またしても私はドキッとしてしまった。

「アストレア様?」

「な、なあに。ベル」

「・・・ドキドキしてます」

「え、えぇ。ベル格好良かったもの」

ベルは私の胸に手を当てて、耳を当てて鼓動を聞いている。ドキドキしている。と。

胸を触っているのに、いやらしさなどなくて、何か感想を言ってほしいと思ってしまった。

 

「べ、ベル?」

「?」

「む、胸を触っているみたいだけれど・・・いえ、いいのよ。あなたがそうしたいなら。私はあなたに求められるのなら嫌ではないのよ?ただ、その、感想くらいは聞かせて欲しいのだけれど?」

「感想?」

「そ、そう。」

「良い匂いがします・・・」

「え、ええ。ありがとう」

「柔らかいです。アリーゼさんと輝夜さんより」

「あ、あの子達はまだこれから成長するはずよ」

―――というかあの2人のを触ったことがあるの!?

「・・・安心します」

「・・・そう。それは良かった」

もう一度ベルの頭を撫でて、涙を拭いてあげて、そして、そして・・・・

 

「そうだ、ベル。ご褒美を上げましょう」

貞潔だとかこの際、目を瞑って、いえ、いいの、いいのよ。

だってここ下界だもの。

処女神が処女じゃなくなったら送還されるとかさすがにないでしょ?うん、きっとないわ。

『おい!僕のことを言ってるんじゃないだろうな!!』なんて聞こえた気がするけど、無視無視。

 

 

「アストレア様?どうかしたんですか?」

「な、なんでもないわ」

私はベルの頬に両手をやり、口付けをした。

「むぅ!?」

 

何が起きているのかわからないベルと、そしてやってしまった。アリーゼに見られたら何を言われるか・・・と一瞬考えるも

『好感度は私が上っ!!』と謎の自信が私を後押しした。

そして

 

ガシャアアアアン!!

と何かが割れる音がして、2人そろってビクっと肩を揺らして、壊れた人形のようにギギギギ・・・とゆっくりと音が鳴った方へと向くと

「わ、わわわ、わわわわわ!?し、心配、してた・・のにぃ!?」

開いた扉から、アリーゼが尻餅をついて目じりに涙を溜めて私達を指差して震えていた。

その音が周りにも伝わっていたのだろう、帰還していた眷属たちが「何々!?」「どうしたの!?」「アリーゼ、何事だ!?」とバタバタと駆けつける。

待って、待ちなさい輝夜、何でバスタオル姿なの。ちゃんと服を着なさい。よくないわ、そういうの。

そして、眷属たちは指を刺してぷるぷるしているアリーゼを見て、指のほうを見る。

そこには、ベルの頬に両手をやって固まっている私と、私の膝の上に対面する形で座って胸に手を当てているベルがいた。

 

「何事でございますかぁ!?これはぁあ!?」

「ち、違うの、違うのよこれは!?」

「へ・・・ぅぁ・・・」

「わ、わわわ、私だってまだなのにぃ・・・・」

「ベ、ベル、あ、あとで感想聞かせてね・・・」バタリ

「ネーゼ!!しっかり!!致命傷よ!!」

「・・・きゅぅ」

「べ、ベル!?しっかり!!起きて!?」

 




今回のベルの服装:リューのお下がり。よくリューが着ているシャツとホットパンツにアリーゼが「似合うと思うの」と言って用意したタイツとブーツ、肩ほどまであるグローブ


戦闘描写は初めてなので、おかしいって思うかもしれないですがお許しください・・・
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