兎は星乙女と共に   作:二ベル

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際どいのを書いたりすると、『もういっそ書けよ』と自分でも思ってしまいます。R18を書ける方はすごいです。
こちらでは、「あれ、こいつら・・・やった??」と思わせる書き方をしたいです。いや、それが目的の物語ではないですよ??


極東美人はただ動く

 「「――――はぁ~~」」

湯船に浸かり、息を吐く。

ダンジョンから帰宅し、女神様から貰ったナイフを無くしてしまって大号泣で女神様の膝に飛びついて鳴いていると、極東美人の姉が何処からか回収してきてくれて、僕はもう、頭が大混乱を起こして「輝夜お姉ちゃんだいすきぃ!!」と抱きついてしまっていた。

 

女神様は何があったのか察していて、輝夜さんに何か言いたげだけど僕がいる手前それが言えずなんとも言えない顔で微笑みを浮かべていた。

 

「・・・・すまない、ベル」

「・・・ううん。いいよ」

 

僕達はダンジョンに出る前に約束していた通り、2人でお風呂に入っている。

なんと言うか、輝夜さんは落ち込んでいて、僕も離れるのが嫌だったのだ。

輝夜さんの股の間に収まるように座り、お互いに足を伸ばし、胸元にちょうど頭がくるように体を預けて息を吐いて天井を見上げて寛いでいた。言わば、寝転んでいるわけじゃないけど、それに近い体勢とでも言えばいいのか。そんな感じで寛いでいる。

輝夜さんは罪悪感からか、両手を僕の胸辺りに伸ばして交差させ、抱きしめるようにしている。

黒い髪と白い髪が湯船に浮かんでは交差する。

最近、輝夜さんと一緒に街を歩いていると「あの白い子にも着物を着せれば・・・」「極東の雪女みたいにならないかしら?」「いや、いける!オレにはわかる!」とかそんな会話が聞こえることがある。いや、他の人のときもそうだけど。

 

「僕はもう気にしてないから・・・・元気出して?」

「あぁ・・・そうだな。」

「そ、それに、その、さっき凄いのしてもらったし・・・・」

「あぁ・・・・良かったか?痛くは無かったか?私も初めてだったからな・・・所詮は書物の知識程度だ」

「えっ」

「何だ、その『えっ』は。経験者だと思ったか?」

「だ、だっていつも僕の耳元でそういうこと言うから・・・。てっきり・・・」

「・・・・未経験だ」

「そ、そっか・・・」

「なんだ、嬉しいのか?」

「べ、別に」

「嬉しいならそう言え。」

「・・・・嬉しいです。

「付き合いのある男なぞいない。安心しろ。それに、団長とお前がした後だからな、私は。それ以外なら別に構わないと言われている。・・・ああ、後でお前が"達した"と報告しないとなぁ」

「ナンデ!?恥ずかしいからヤメテクダサイ!!!」

 

 

いつの間にやら、僕の知らないところでそんなやり取りがされていたらしい。

もしかして、最近夜な夜な僕とアストレア様が寝静まってから開催されている会議でそういう話をしているのかな?知らなかった。アリーゼさん達がやたら僕に抱きついたりしてくるけど、キス以上に凄いものがあるなんて・・・お爺ちゃん、これが『冒険をする』ってことなの?

朝、アストレア様とリビングに下りるとリューさんが顔を赤くしてもじもじしている時があるし・・・。オラリオの女の人は、そういうのに興味あるってことなのかな?

 

「言っておくが・・・オラリオの女は男に飢えているとか、アマゾネスのように強い雄を求めている。というわけではないからな。」

「か、輝夜さんって心読めるの?」

「お前がわかりやすいだけだ・・・・。だがそうだな、お前が私の名前を連呼し、ビクビクしているのは良かった。」

・・・・ブクブクブク

「お前はそのあたりの知識というか・・・・無知すぎる。そして、嬉しくはあるが、無警戒、無防備なところを見せられて皆そういう気分になってしまっている。それだけだ。それに・・・」

「それに?」

「お前はどこか、【失うこと】もそうだが・・・【関係が終わってしまうこと】に怯えている節がある。どうだ、私とお前の関係は壊れてしまったか?」

「・・・・ううん。輝夜さんは、意地悪だけど優しいお姉さんだよ。」

「だろう?だからもっと甘えてくれ。遠慮されるとかえって疲れるんだ」

「・・・・うん」

 

僕は輝夜さんとお風呂に入っていつものように、洗いっこをしていると、輝夜さんが僕の股にある物を刺激してきて、思わず目を瞑ってしまうと今度は生暖かい何かに包まれていて目を開けると輝夜さんの顔が股にあって・・・というわけだ。

 

―――凄かった・・・あんな・・・あんな・・・っ!?大人の女の人って・・・凄い!?これがダンジョン都市オラリオ!?

 

最終的に僕は、思わずして輝夜さんの頭に手をやって足をガクガクとさせてしまい、立てなくなってしまって輝夜さんに介抱されるように湯船に浸かっていた。

僕は芽生え始めた羞恥心を何とかしようと顔を輝夜さんのほうに向こうと頭を上に向けて、話題を変えようとする。

「そ・・・・それにしても・・・・」

「・・・ん?」

「ア、アリーゼさんがあんなに怒ってるのはじめて見た・・・怖かった・・・・」

 

そう、僕が輝夜さんに抱きついて泣いていると、丁度アリーゼさんが帰宅して、

『なに、なにがあったの?』『なんでベルは泣いているの?そしてなんで輝夜はそんなに申し訳なさそうにしているの?』と輝夜さんの後ろから話しかけてきたのだ。

アストレア様もさすがに、これはまずい。絶対よくないことになる!と思って「ア、アリーゼ?お風呂に入ってきたら?」と話題を変えようとするが、「あ、いえ、先に目の前のことを聞かせてください」と全く聞く耳を持たなかったのだ。

そして輝夜さんは、僕にアストレア様の所に行くように促し、正座して事情を説明した。

 

曰く

【ソーマ・ファミリアが何かと起こす騒動が大きくなり始めて来ている。】

【どう調査しようか考えていると、サポーターの売り込みをしてきたパルゥムがいて、ベルの判断で今日1日取り合えず雇ったので後ろから様子を見ていた。】

【やたらとベルのナイフを見ていたので、言い逃れができないようにして強制的にでも協力させようと思った】

【帰り道、私が距離を置いて様子を見ていると緩めておいたホルスターからナイフを抜き取っていた。】

【それを盗品倉・・・ノームの万屋という骨董品店で売ろうとしたができずに出てきたところでナイフを回収した】

 

一通りの事情を説明したあと、まるで下の階層から火炎で攻撃してくるヴァルガングドラゴンよろしく、烈火のごとく怒りを爆発させた。背後には見えないはずの真っ赤な炎が、青・・・いや、黒く見えるほどだった。

「はぁ~~~~!?何してるの!?」

「さすがにこれはないわよ!!確かにあの派閥のことは依頼というか、ギルドと【ガネーシャ・ファミリア】からも相談があって私も調べていたのに!?」

「・・・ベルが自分で雇ったっていうなら別にいいわよ?でも、ベルがアストレア様から貰った大切なナイフを餌にするのは駄目よ!!さすがに!!!」

「ベルはまだ13歳で、恩恵はあっても子供なのよ!?」

「「「歳の差無視して求婚しておいて子ども扱いとは・・・」」」

「何!?何か言った!?」

「「「な、なにも!?」」」

「ベルにはさすがに申し訳ないと思っている。反省もしている・・・。」

一通り怒鳴ったアリーゼさんは少し頭を冷やすために「ふぅーーーー」と長く息を吐いて

「今回のソーマの件は、輝夜!!あなたが始末をつけなさい!!そのパルゥムを協力させるっていうならそうして!ちゃんと解決できたなら放免にするわ!!あとベルにはちゃんと謝罪すること!!ベルに何されても文句言わないように!!!」

と言って部屋に行ってしまったのだ。

僕ははじめて見る怒ったアリーゼさんにビックリして、後を追おうとするも皆に「今はそっとしておいてあげて・・・多分ベルに見られたくなかっただろうから」と言われてしまった。

 

 

「・・・・私もあそこまで怒っているのは・・・はじめて見た・・・お前が絡むと本当に・・・」

「ご、ごめんなさい?」

「いや、責めている訳じゃない。私達のファミリアはお前に出会ってからだいぶ変わった。1個人の戦力としてもそうだが・・・。心情的なものもな。とくに団長はスキルまで発現するほどだ」

「・・・・スキル?」

「あ~・・・・何だったかは忘れたが、効果としては、お前と似たようなものだ。」

「か、輝夜さんもランクアップしたって聞いたよ?」

「ん?私は・・・そういうのは発現していない。ランクアップは人それぞれで早いものもいれば遅いものもいるからな。一概には言えん。」

 

そして会話が途切れ再び「「はぁ~~~」」と息を吐く。

「お前は・・・嫌じゃなかったか?いや、つい夢中になってしまった後に言うのもおかしな話だが」

「び、ビックリしたけど・・・あんなの知らなかったけど・・・輝夜さん達なら・・・」

「そうか・・・。そろそろ出るか。もう立てるか?」

「う、うん。大丈夫」

「なら出るか・・・・はぁ。」

「・・・・大丈夫?」

 

アリーゼさんに怒られてか、罪悪感にかられてか、輝夜さんもすごく落ち込んでいて、僕は心配してしまう。いつも見る顔じゃなくて本当に心配になって僕は輝夜さんに向き直って抱きしめた。

そしたら輝夜さんは僕を抱きしめ返して、

「・・・・・ベル」

「・・・ん?」

「悪いが今日は一緒に寝てくれ」

「うん、アストレア様に伝えとく」

「ああ。ありがとう」

 

と言ってお風呂を上がって、アストレア様に事情を説明して輝夜さんの部屋で寝ることにしたのだった。

その後、お風呂上りでネグリジェ姿のアリーゼさんに出くわして、ガバッと抱きしめられて「さ、さっきはごめんね・・・?私のこと、怖がってない?今夜は輝夜と一緒にいてあげてね?その、輝夜のこと協力してあげてね?」と言われてアリーゼさんに了解を伝えて、その日は別れた。

 

■ ■ ■

「・・・・・ぐぬぬ」

僕たちの目の前に一匹の栗鼠・・・いや、パルゥムの少女がいた。

今日も今日とて僕は、ギルドで情報収集をしている輝夜さんを待っている間、ベンチに腰掛けてゴーグルを磨いていた。

すると、なにやら不機嫌なパルゥムのサポーターさんがやってきたのだ。

 

「えっと・・・・」

僕は言葉に詰まって、昨日、リリがやったように微笑を浮かべ首を傾げてどこかで聞いた台詞を言ってみることにした。

「・・・良い天気ですね?」

「やかましいわ!!」

「ビクッ!?」

「キー!!本当に本当に!!なんでわかったんですか!?」

「ナ、ナニガデスカ!?」

「しらばっくれないでください!!!もーなんなんですか、あのナイフゥ!!!」

 

すごい、口から煙が出てるように見える・・・。こんなことあるんだ。僕もやればできるかな?あれ、心の中のアストレア様が『ベル、ベルは普段通りがいいと思うの・・・』と呟いている?

「うー・・・・これが【アストレア・ファミリア】・・・6年の間に急成長した"化け物の派閥"・・・ただの【兎に絆された色ボケ派閥】ではなかったんですね・・・」

「えっ、ちょっと待って何ですかそれ!?」

ぼ、僕の知らないところで何、そんなことになっているの!?

紅の正花(スカーレットハーネル)が恋する乙女の如く、バカみたいなスピードでダンジョン間を走り回ったり1人で小遠征したり、『私にも春がきたわ!!』って5年ほど前に街中で叫んでいましたよ」

「アリーゼさぁん!!!」

 

多分、僕と出会った2,3年後の話なのだろうけれど・・・・これは、これは恥ずかしい!!

えっ、なに、じゃあ僕とアリーゼさんが街中を歩いていると僕に対して向けられていた視線の意味ってそういうこと!?

そういえばアストレア様も『無理して冒険者にならなくても、ここにいていいし、アリーゼも一生養うなんて言っていたからいいのよ?』なんて言っていたけどそういう意味だったの!?

僕は今、とんでもないことを知ってしまった気がする。

いや、6歳のときから一緒にいるから僕もアリーゼさんは好きだけど・・・。

 

目の前のリリにジト目でそんな説明をされて絶叫していると、輝夜さんが帰ってきた。どうやらめぼしい情報があったらしい。

「おはようございます、パルゥムさん?」

「・・・・・・おはようございます」

「ナイフのお値段・・・いくらでございましたか?クスクス」

「なっ!?」

「さて、それでは最近盗みを働いておられますパルゥムさん。取引といきましょうか?ああ、拒否できるのならしていただいて結構。【ガネーシャ・ファミリア】も呼んであなたが贔屓にしている店を徹底的に調べ上げても構いませんので」

「なっなっ・・・・!?」

 

――――輝夜さんには逆らわないようにしよう。

ベル・クラネルは1つ、お利口になった瞬間である。

この人に逆らおうものなら、逃げ道を徹底的に潰しに来る。そうに違いない!!

 

「単刀直入に言いますと・・・・『ファミリアからの脱退を手伝ってやる』から『そちらの全ての情報をよこせ』ということです。お分かりいただけますか?」

「・・・・・情報。といいましても」

「構成員から、組織としての活動方針。そして、【酒を造る以外に興味をしめさない神】だというのにこうも不正行為に動き回る理由。その全て。ありとあらゆる。全てでございます」

「・・・・・」

「もちろん、この仕事が終わるまでの間の貴女の身の安全は保証してあげましょう。もっとも場合によっては身の危険は覚悟していただきます。」

「それは身の保証ではないのでは?」

「地上での安全。という意味では保証されます。ダンジョン内では別。【貯め込んだ金を奪うために同派閥の者が襲ってくる】可能性もあるのでその際は囮役になっていただこうかなと」

「・・・・はぁ!?」

「輝夜さん・・・それってまずいんじゃ」

「まさか本当に大金を出せば脱退させてもらえるとでも思っていると・・・?あの陰険眼鏡の酒守(ガンダルヴァ)が?」

 

それはない。賭けてもいい。と輝夜さんは冷たく笑いながらリリに詰め寄る。僕はその笑みが怖くて震えてしまって、思わず輝夜さんの背後に回って顔を見ないようにした。

「輝夜さんは優しいお姉さん輝夜さんは優しいお姉さん輝夜さんは決して黒い神様(エレボス様)と同じじゃない・・・っ!!」

「・・・・落ち着け、大丈夫だ」

 

「・・・こほん。第一、あの男は闇派閥・・・かそれに近しい組織とつながっている節がある。都合のいい金づるなど捨てるわけがない」

「・・・・・・」

黙りこくってしまったリリに輝夜さんはさらに一言。

「ファミリアの脱退に協力する。これは同じ神であるアストレア様からも協力してもらう許可を得ている。神ソーマに直接、【組織の運営方針を変えなければギルドからペナルティを受けることになる】とな」

「っ!?」

「その後に貴様が、一般人になろうがどこぞの派閥に入ろうが知ったことではない。無論、犯罪を犯せばその限りではないが」

「・・・・・わ、わわ、わかり・・・ました。きょ、協力・・・します・・・」

「違う」

「「へ??」」

 

輝夜さんはリリの『協力します』を確かに聞いたのに『違う』と言う。

いったい何が違うんだろう?あれ、リリの顔が怯えている・・・??

僕は輝夜さんの背後にいるから顔は見えないし・・・・

 

「『協力させてください。囮でも何でもします。どうかよろしくお願いします』だ。クスクス」

 

場を静寂が支配した。

僕も、リリも恐らくは同じことを思っただろう。

 

<<この人は鬼だ!!>>

 

と。

 

■ ■ ■

 

その後、僕達は昨日と同じく10階層に来ている。

僕は輝夜さんに言われたとおりいつも通り戦闘をしていて、それを見守りながら輝夜さんはリリから情報を集めていた。

ちなみに、協力期間は僕との正式雇用ということで報酬も出すと言っていた。

 

輝夜さんが言うには、

酒守(ガンダルヴァ)は、なにやら怪しい取引をしているという情報が流れていてな。同じく【ソーマ・ファミリア】のチャンドラという男から聞いてみれば、どうやら『上納金の上位者だけが神酒の完成品が飲める』というシステムを作ったのはやつらしい。」

そして、主神自らが作った酒さえも私物のように扱っている。と輝夜さんは続けていた。

 

「・・・・あの、そんな情報どうやって集めたんですか?リリ、いりますか?」

「・・・正直なところ、貴様に声をかけたのは偶然だ。ベルのやつが気にかかっているようだったからな」

「ベル様が?」

「まぁ・・・あいつにも色々ある。だから、通ずるものでもあるのだろう。情報とは言うが、全てが正しいとは限らん。そのチャンドラという男は『いい酒が飲めると聞いてきたのに』と愚痴っていたぞ?よほど劣悪な環境なのだろうな」

 

そもそも良く組織として成り立っていられるな。一枚岩どころの話ではない。とリリと話していた。

距離もあるから、時々聞こえない会話もあるけど・・・・。

でも、休憩(レスト)を取るときに見たリリの顔はどこか、無駄な力というか、緊張状態がほどけたような顔をしていた。何か、あったのかな?

 

「・・・あの、ベル様?」

「・・・ん?何、リリ??」

「ベル様は、サポーターを何だと思っています?」

「・・・さぁ。」

「へ?」

「僕はまだオラリオに来たばかりで、知識もろくにないし・・・輝夜さん達に教えてもらってばかりだから【サポーターはただの荷物持ち】と言われても僕には理解できないよ」

「・・・そうですか」

「でも」

「でも?」

 

僕は、わからない事の方が多い。

夕飯の後とか、空いてる時間でファミリアの人たちに教えてもらったりしているし、知識面ではライラさんが一番だと僕は思っている。

だから、わからないなりに、思ったことを言おうと思った。

 

「少なくとも・・・・僕が自由に戦いだけに専念できるのは、代わりに魔石を回収してくれるリリがいるからだと・・・そう思うよ。」

「・・・・!」

「えっと・・・たしかアストレア様が『縁の下の力持ち』とか言ってたかな。まあそういうことなんだと思う」

「で、では・・・その・・・私が、私がもし、囮をして命が危なくなったとき・・・ちゃんと見捨てずに助けてくれますか?」

「・・・・助けない方がおかしいと思うよ。僕は『救われた』側だから、そんな僕が誰かを見捨てるのは違うと思う。それは、きっと正しくない

「・・・・・。それを聞けて、決心できました」

 

と言って、リリは輝夜さんに顔を向けて、囮をやることを宣言した。

 

■ ■ ■

「ベル、お前・・・」

「・・・ん?何、輝夜さん?」

「男みたいなことを言うようになったな・・・アリーゼが聞いたら感動して泣いているぞ」

「僕、男だよ!?」

「クスクス・・・・。そうですねぇ、そんな格好いいことを言ってしまう殿方は悪くありませんので、私のこともいずれは、守ってくださいね??」

「もー!!」

「クスクス」

 

とまた輝夜さんにからかわれながら、僕たちはホームへと帰還して、アリーゼさん達に報告を済ませた。

アリーゼさんは、輝夜さんに昨日は勢いに任せて言い過ぎてごめんなさい。と謝っていて、輝夜さんも謝って仲直りをしていた。大好きな姉が仲直りができてよかったとアストレア様の横に座って眺めていると、輝夜さんはアリーゼさんに詰め寄って耳元で何かを伝えていた。

するとアリーゼさんは目を見開いて顔を赤くして、輝夜さんと小声で話し合いを始めた。

 

「ベルのやつ・・・・・ぞ・・・」

「えっ・・・ほんと・・・!?」

「少しやりすぎた・・・だが嫌がっ・・・・は・・・たぞ」

「さ、最・・で・・・し・・・た・・・?」

「最初は・・・団長という・・・だろう?安・・ろ・・」

 

2人とも顔を赤くして何を話しているんだろうか・・・。

「アストレアさまぁ、あの2人は何を話しているんでしょうか?」

「さ、さぁ・・・何かしらね・・・?ベルは・・・女の子の体に興味あるのかしら・・・?」

「・・・・??」

「ほ、ほら・・・お胸を触りたいとか、唇が気になるとか・・・」

「えっと・・・その・・・ないわけじゃないです・・・最近その・・・えっと」

「そ、そうよね。ベルも男の子だものね。」

「は、はぃ・・・?」

 

アストレア様と話をしていると、2人も話が終わったのか僕に向き直ってアリーゼさんが笑顔で言った。

「ベルも大人の階段を上っていて安心したわ!!お姉ちゃん、今日はベルと寝るわ!!」

「・・・・えっと、今日はアストレア様と寝たいです」

「ガーーーン!!!」




この作品のベル君は、エレボスに対するトラウマで『1人だと十全に戦えない』というデメリットを持っているのでそのうちそのあたりの幕間も考えてます。

ランクアップしたあたりでいいかな??

ベルに対する女性人の認識
アストレア:甘えてくれるようになって嬉しい。良い子だしかわいい。求められるなら拒むつもりはない。

アリーゼ:結婚したい。毎日一緒に寝たい。冒険者になる道を選ばなくても養うつもりでさえいた。

輝夜:弄るのが楽しい。かわいい弟分。アリーゼの次を狙ってる。無防備なところが良い。

リュー:唯一触れられる異性。かわいい。トラウマは大丈夫かと心配。覚えていないとは言え、胸を吸われたのは驚いたが満更でもない。

その他姉達:据え膳

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