「いやぁ・・・すまない、ベル君。」
「いえ・・・あんなに人が多かったら仕方ないですよ。」
「まさか2人とも人の波に押し流されてしまうとはね・・・・やはり『サービスタイム』の魔力は恐ろしい」
「何か言いました?」
「い、いいや?なにも!?」
「はぁ・・・・」
「そ、そう落ち込まないでくれよ、ベル君!」
僕は春姫さんに見送られ、
「・・・・」
「何か、あったのかい?」
「えっと・・・その色々あったというか・・・全部を諦めたような、悲しそうな顔をする
「ははは、君も男だねぇ~。やっぱアレかい?英雄に憧れちゃったり?」
「・・・そうですね、でも、僕は英雄になりたいというよりかは『英雄と並び立ちたい』って気持ちが強いのかな。でも結局それって『僕も英雄になりたい』って感じもして・・・うまく言えないです」
「君にとってアストレアやアリーゼちゃんたちはそれほど大きな存在ということかい?」
「・・・はい」
「いいじゃないか、それで。」
「え?」
「英雄が孤独である必要は無いだろう?物語では語られない人物たちもいるが、きっと舞台裏の彼らだって英雄を支えた英雄なんだ。だから、君の思う英雄になればいいのさ!応援するぜ?」
「・・・・ヘルメス様って真面目な神様だったんですね」
「おや!?君はいったい俺の事をなんだと思ってたんだい?」
「アスフィさんにいつも怒られてる・・・」
「ぐっ・・・い、言わないでくれ、頼む。この後帰った後も何言われるかを想像するとヒヤヒヤする」
「ぼ、僕も・・・・アリーゼさん達に怒られちゃうのかなぁ・・・やだなぁ」
子供みたいに落ち込んで足元を見てトボトボと歩く僕に、苦笑しながらヘルメス様は僕の頭を乱暴に撫でて「怒られたらまた飲みに行こうぜ。なに、男同士の付き合いってやつさ」なんて言ってくる。不思議と嫌な気はしなかった。
「あ、そういえば」
「ん?どうかしたのかい?」
「えっと、アイシャさん・・・だったかな」
「おや、彼女に会ったのかい?」
「はい。妙なことを言ってたのと、その、手が震えてました。どうかしたんでしょうか?普通の震えじゃないっていうか」
「・・・彼女はね、以前イシュタルに逆らって『魅了』を受けてしまっているんだよ。震えはきっとそれだろうねぇ」
「『魅了』?」
「君が言うところの『黒い神様』・・・とは違うんだけど、まぁ、毒みたいなものだよ。逆らえなくなってしまうんだ。」
「『私達の派閥を潰しに来てくれたのかい?』って言われました」
「君はどうしたいんだい?」
「・・・・勝手なこと、できませんよ。」
「そうさ、勝手なことはできない」
「でも、調べないといけないとは思って、だから、アストレア様に相談しようと思います」
僕のちょっとした決意の篭った声を聞いてヘルメス様は一瞬立止まり、また歩き出す。
調べようと思っていることといえば、もちろん、『イシュタル様が最近つるんでいる怪しい連中』のこと『殺生石』のこと、そして僕と同じなのかはわからないけれど『他者の力を上げる魔法』のことについて。アイシャさんが言うにはアストレア様なら何かしら情報を拾っているだろうってことみたいだけど。それでも、『宝物庫に行ってみろ』というのが気になる。その話を、僕はヘルメス様に話すとヘルメス様はダラダラと汗を流し始める。
「・・・ヘルメス様?」
「ベ、ベル君?せ、せせ殺生石について調べたのかい?」
「・・・まだですけど」
「そ、そそそ、そうか、よ、よかった。あ、いや、なんでもない!」
確かヘルメス様って運び屋とかもやってるんだっけ?
「ヘルメス様」
「な、なんだいベル君!?」
「『殺生石』を最近取引したりしました?」
「ギクッ」
あっ、この
「はぁ・・・もういいですよヘルメス様。僕もうそれどころじゃないですし。はぁ」
「ア、アハハハ・・・はぁ。そ、そうだベル君!君にこれをやろう!」
そういってヘルメス様は懐から『ピンク色の液体』が入った小瓶を手渡してくる。それを僕はわけもわからず受け取ってしまう。
「何ですか、これ?」
「それを怒っているアリーゼちゃんたちに渡せばきっと笑顔になって許してくれるはずだぜ?じゃ、俺はここで帰るから、また何かあったら言ってくれ!」
良いことしたみたいな顔をして、親指を立ててヘルメス様はそそくさと帰っていってしまった。ああ、このあとヘルメス様もお説教なのかーなんて考えて、上着のポケットに仕舞い込んで、まだ寝静まっているであろう皆を起こさないようにそっと扉を開ける。
「起こさないようにそっと・・・アストレア様達のところに言って謝らなきゃ」
キィ・・・と小さく音を鳴らして扉が開き、抜き足、差し足とまるで盗人のように入り込む僕。そしてそっと扉を音が鳴らないように閉めて、目的地へと向かおうと体を回転しようとドアノブから手を離そうとしたところで僕の頭が警鐘が鳴り響く。
やばい、明らかに後ろに何かいる!こ、怖い!怖くて振り返れない!!それでも、ギギギ・・・っと壊れた人形のように振り替えると、いたのだ。黒い炎でも纏っているかのように腕を組んで笑顔を見せる紅髪の姉に、背後に般若が浮かんでいるかのように笑みを浮かべる極東美人の姉。そして、全てを凍らせるかのような冷たい瞳をした金髪エルフの姉が。
「ご・・・ごめ・・・ぎゃふっ!」
謝罪の言葉を出す前に襟首を捕まれてリビングのカウチに投げ込まれ、3人に囲まれる。距離は近く、僕はもう既に震え上がってすらいて、涙が浮かんでいた。そんな震える兎に紅髪の姉のアリーゼさんが言う。
「ベル、正座」
「・・・ひゃぃ」
そうして始まるのはお説教。ヘルメス様と食事に行くという話しはアストレア様から聞いていて、「まぁ、男同士の付き合いもたまには・・」と思っていた矢先に朝帰り。何より僕から甘ったるい香りがプンプンとしていたらしく歓楽街に行ったのだろうとすぐに察したのだろう。その目つきはとても鋭い。
「歓楽街に行って朝帰りだなんて、ベルってば歯止めが利かなくなっちゃったのかしら?私たちじゃ満足できない?ねぇ?」
「甘い匂いを漂わせて帰ってくるとは、昨夜はお楽しみだったようでございますねぇ?」
「ち、ちがっ・・・」
「もうしてあげないわよ?」
「い、いやぁ・・・」
「うぐ・・・その目はずるいわ・・・ずるいわベル・・・」
「・・・節操なしのおちんちんには教育が必要でございますかねぇ?」
「ひっ・・・ぐりぐり・・・やめぇ・・・」
「ベル、南に行ってはいけないと言われているはずです。なのに何故・・・」
「ご、ごめ、ごめんなさああああいっ!」
「「「うるさい」」」
「ひぐっ!?」
「まだみんな寝てるの。だから大声出さないの」
「ご、ごめんなさい・・・」
つい大声を出してしまいそうになる僕の口を塞ぎほっぺを引っ張るアリーゼさん。変わらず膝で僕の股間をぐりぐりとする輝夜さん。そして大きく溜息をつくリューさん。僕は3人の剣幕に完全に気おされて事情を話すこともままならず涙を浮かべて震えるばかり。
「ひっく・・・」
「というか、歓楽街に行ったことが許せないわ!私やアストレア様がいながら!この、このぉー!」
「ぐすっ・・・ひっく・・・うっく・・・ちが・・・のに・・・っ」
「ア、アリーゼ、ベルの話を聞かずに一方的というのは流石にまずいのでは・・・!?」
「どれだけ心配したと・・・思っているのよ!」
「お、おい団長様・・・・一度離してやれ様子が・・・」
「アストレア様だって、夜遅くまでずっと待ってたのよ・・!?」
「ひっく・・ひっぅ・・ごめ、ごめんなさっ・・・ひっく・・・」
普段見ない姉達の怒気に完全にやられて泣き出してしまう僕に、それでも怒りをぶつけるアリーゼさん。僕の様子がおかしいことに気づいて止めようとする輝夜さんとリューさん。そして、アリーゼさんの瞳には心なしか涙が浮かんでいた。僕の頬をひっぱる指に力は入っておらず震えていた。
「ひっ・・・ひぅっ・・・ごめ、ごめんなさっ、ごめんなさい・・・!」
「馬鹿ベル!『1人にしないで』って言ったのはあなだでしょう!?あなたがいなくなってどうするのよ!」
僕はもう『ごめんなさい』しか言えなくて、アリーゼさんに抱きついてアリーゼさんは痛いくらい抱きしめては小言を漏らす。そしてようやくアリーゼさんが静かになって、僕に事情を話すように促してくる。僕は涙を拭って、なんとか事の経緯を説明する。
「ヘルメス様たちと繁華街でご飯を食べて・・・その後、命さんが路地裏に入ってくのが見えて、様子がおかしかったからヘルメス様と後をつけてて・・・。そしたら、命さんが歓楽街に入っていって、命さんがどこかに逃げていって、気が付いたらヘルメス様ともはぐれちゃって」
「気が付いたら迷子になってた?」
「はぃ・・・。それで、えっと髪の長いアマゾネスのアイシャさんとぶつかりそうになって、【イシュタル・ファミリア】のホームに連れて行かれて」
「抱かれたのか?」
「ち、違います!」
「・・・抱いたのですか?」
「抱いてないし抱かれてないですぅ!」
「それで?」
それで、イシュタル様が妙な連中とつるんでいることとか、モンスターに追いかけられたこと、狐人の春姫さんに匿ってもらってたけど朝方になるまでは危険だと言われて動けなかったこと。すべてを話した。そこで漸く僕の拘束が解けて、デコピンをされた。
「ひぎっ!?」
「はぁ・・・・『サンジョウノ・春姫』ねぇ・・・輝夜の名前?家名?に似てるわね」
「狐人と言ったか・・・・そういえば以前【ロキ・ファミリア】がメレンに行った時に『妙な術師がいた』という話を聞いたな」
「それに女神イシュタルですか・・・・ふむ」
「な、何か知ってるの?」
「「「うーん」」」
3人とも顎に指を当てて、僕に話していいのかとでもいうように悩みだしていた。何か、やっぱり僕に隠しているような・・・関わってほしくないかのような、そんな気がした。結局、答えは出せなかったのかアリーゼさんが手を叩いて
「うん!ベル、臭いわ!」
「へっ」
「顔も涙でぐちゃぐちゃよ?」
「そ、それは・・・3人共怖かったから・・・・あんな顔見たことない・・・」
「でも悪いのはベルよ」
「うぐっ・・・ごめんなさい」
「そのままアストレア様の所になんて行かせられないわ。だから、綺麗にしてあげる」
「う、うん・・・ごめんなさい」
「もういい、謝るな。」
そうして手を引かれてお風呂へ向かおうとするときに、ふと、帰って来る前にヘルメス様に渡されていたものを思い出して声をかける。
「ア、アリーゼさん」
「ん?」
「こ、これっ」
僕はポケットからヘルメス様に渡された中身が何かは知らないけれど、アリーゼさんが喜ぶという小瓶を取り出した。
「何これ?」
「ヘ、ヘルメス様が・・・『アリーゼちゃんたちに渡せばきっと笑顔になって許してくれる』って」
「なんでしょうかこれは」
「・・・・『媚薬』だな」
「「は??」」「え??媚薬??」
目を丸くして固まるアリーゼさんとリューさん。そして、意味が分からずにぽかんとする僕。輝夜さんは小瓶を手に取り、見つめて言う。
「・・・・確か以前、女を襲おうとしていた暴漢から押収した物の中にあったのに似ている。『最高級』のやつだ。男が飲んでも女が飲んでも四六時中盛りっぱなし・・・・というやつだったはずだ。」
「「・・・ごくり」」
「ア、アリーゼさん?リューさん?」
「リ、リオン、どうして貴女まで反応しているのかしら?」
「き、気のせいですアリーゼ」
どうしよう・・・という顔というか、もうお説教してましたムードなど吹き飛び僕たち4人は小瓶を囲んで妙な空気が漂い始める。僕は意味などわかっておらず、3人は目だけで何かを語っているようですらあった。
「ア、アリーゼさん・・・もしかして嫌な物だった?」
「ち、違うわ!嫌じゃないわ!ベ、ベル、これ、何かわかってて受け取ったわけじゃないの?」
「違うけど・・・ヘルメス様も何も言わなかったし・・・」
「あとでアンドロメダに報告しておきましょうか・・・」
「いや、やめろ。リオン。黙っていろ。それより団長・・・どうする?」
「さすがに今、皆寝ているのにするのは・・・」
「だがしかし、今、ベルには他の女の匂いもついているんだぞ?上書きするチャンスでは?」
「なっ!?か、輝夜!?」
まるで悪魔の囁きのようなことをいう輝夜さんに耳まで真っ赤にするリューさん。どうやら、天使・・・否、妖精さんは悪魔には叶わないらいし。口でもう言いくるめられかけている。目を閉じ、少し考えて咳払いをしてアリーゼさんはリューさんをチラっと見て、答えを出した。
「・・・4人でお風呂に行きましょ」
「「え?」」「わかった」
ぽかん・・とする僕とリューさん。了承する輝夜さん。「あっ、でもあんまり大声出さないようにネ!」と注意するアリーゼさん。どうやら、悪魔が2人いて妖精さんは完全に負けてしまったみたいだ。リューさんは固まってしまっているし。
「それともリオン、ベルじゃいや?」
「そ、そういうわけでは・・・」
「大丈夫よ、コレを使えば痛みなんてきっとないわ!」
「な、なっ・・・!?」
そうして強制連行され、みんなが起きる頃にリビングのカウチで座っていたのはやけにツヤツヤしていて、でも、どこかまだ火照ってるようなアリーゼさんと輝夜さん。そして、燃え尽きたように真っ白になる僕に同じように真っ白になっているのに火照っている・・・時々寄り添って座っている僕に触れるとビクンっと体を跳ねさせるリューさんがいた。
■ ■ ■
「ア、アストレア様・・・・」
「んぅ・・・ベルゥ?帰ってきたの?」
朝食の後もアストレア様は降りてこず、アリーゼさんが夜遅くまで待っていたと言っていたのを思い出して、自室同然とも言えるアストレア様の部屋に入るとやっぱりまだ眠っているアストレア様がいて、僕は傍に椅子を持ってきて手を握ってアストレア様が起きるのを待っていた。すると、手の温もりに気が付いたのか、薄っすらと瞼を明けて僕のことを見つめているのに気が付いて、思わず声をかけた。
「そ、その、えと・・・心配かけて、ごめんなさい・・・」
「何もなくてよかったわ・・・心配したのよ?」
「ごめんなさい・・・・」
「ちゃんと、寝たの?」
「・・・ううん」
「なら、こっちにいらっしゃい。今日はダンジョンはお休みよ主神命令」
「・・・はい」
アストレア様が掛け布団を上げて僕に入ってくるように言い、大人しくアストレア様に向き合うようにベッドに潜り込んで横になる。アストレア様は僕の顔を見て安心したのか、頭を撫でながらどうして遅くなったのかと説明を求めてきて、アリーゼさん達にしたように全てを話した。アストレア様は僕を怒るでもなく、「無事に帰ってきてくれてよかった」と微笑んでくれている。それに対して僕は罪悪感で胸が痛くなった。
「怒らないんですか?」
「怒らないわ。だって、もうアリーゼ達が怒ったでしょうから・・・私までベルを怒鳴りつけてしまったら貴方は拠り所を失ってしまうもの。・・・まぁ、歓楽街に行ったというのは少し、気に入らないけれど・・・。それで、ベルはその狐人さんをどうしたいの?」
「・・・助けたいです。」
「そう・・・」
「アストレア様、イシュタル様が怪しいことをしているって聞きました。何か、知っているんですか?」
「・・・・」
「アストレア様?」
「・・・・そうね、怪しいことをしているのは確かよ。」
「『殺生石』って知ってますか?」
「・・・いえ、それは知らないわ。名称からするに、輝夜の方が知っているんじゃないかしら?」
「アイシャさんが・・・えっと、そこのアマゾネスの人が『派閥を潰してくれる』ことに期待してたんです」
「ベルは戦争がしたいわけではないのでしょう?」
「はい・・・。だから、その、どうしたらいいのかと思って」
アストレア様は僕の頭を撫でる手を止めて、目を瞑って考え込む。考え込んで、僕に指令を出す。
「ベル・・・イシュタルが怪しいことをしているのは確か。でも、証拠がないの。」
「証拠?」
「ええ。だから、そのアマゾネスの子が言う『宝物庫』にあるっていう証拠になりえるものを探してきてくれないかしら?もしくは、主神室・・・これは危険すぎるわね・・・資料室があればそこもお願いできる?ベルのスキルなら、人が近づいてきたらわかるでしょう?」
「は、はい・・・。でも、いいんですか?その、僕が動いて」
「『ヘラ』に頼ったりするのはナシよ。じゃないと貴方自身のためにもならないし・・・それに、貴方が正しいと思ったことをしなさい」
「・・・・はい。やってみます。」
「それと・・・」
「それと?」
「フリュネ・ジャミールには気をつけなさい。彼女は輝夜と同じLv5よ。Lv3になったばかりのベルでは厳しいと思うわ。最悪、【ディア・エレボス】を使うつもりでいなさい。」
「・・・・・」
「あら、どうして震えているの?」
「し、しし、死ぬかと思いました」
「ま、まさか・・・」
「追いかけられたんですぅぅ!!」
あの地獄の逃走劇を思い出し震え上がり、引っ込んだはずの涙が出てきて、思わず僕はアストレア様の胸に顔を埋めるように抱きついてしまう。アストレア様は当然の様に受け止め背中を摩ってくる。
「あ、あれって本当に人間なんですか!?ダンジョンで産まれたとかじゃなく!?」
「ひ、人よ・・・人なのよあれでも!」
「イシュタル様より美しいとか言ってましたよ!?イシュタル様ってあの人?よりも・・・」
「や、やめなさいベル!その考えは駄目よ!」
「ア、アストレア様の方が美の女神様ですぅ」
「う、嬉しいけどぉー・・・・。というかその、ベ、ベル?なんだか、硬いのが当たっているのだけれど?どうしたの、これ」
「ひぅっ・・・ご、ごめんなさい・・・。え、えと・・・アリーゼさんが飲ませた薬のせいでまだ・・・で、でも大丈夫です」
「薬?体は平気なの?」
「は、はい、平気です。もう僕も眠たいので・・・」
「そ、そう・・・顔が赤いわよ?」
「・・・・・ぐぅ」
「こ、こら、寝たふり!?も、もぅ!」
未だ少し火照る体を誤魔化すようにアストレア様に抱きついて少しばかりの仮眠、夢の中に落ちる僕と、寝たふりに頬を膨らませてやがて寝不足なのか欠伸をかいて僕を抱き枕のようにして、アストレア様は眠りに落ちた。