旧・兎は星乙女と共に   作:二ベル

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書くの楽しい


ようこそ兎さん

迷宮都市オラリオ、世界の中心と称され、数多の種族、数多の神々がいると言う。

だから輝夜さんには『神々が多くいるからその分ファミリア・・・派閥とも言うがそれも多くある。故に、その神によってはくそったれなことをする者たちもいる。決して安心安全な都市とは言えん。用心はしろ、お前のような女子に間違われやすい容姿のガキなどパクっと食べられて終わりだ』と僕がオラリオに行くことを知った時にそう注意された。

 

何でも都市の中に『入ってしまえば迷子になってしまう区画』だとか『酒を飲むためならどんな汚いことでもする者達』だとか、『カエルみたいなモンスターみたいな・・・いやモンスターだアレは』もいるのだとか。

一気に不安にさせる言葉に怯える僕にアリーゼさんもリューさんも「基本的にそういう所に行かなければ問題ないわ」「生活に慣れるまでは決して1人で行動するのは避けてください。」と付け加えてくれていた。

 

うん、僕は1人で行動しない。心に誓う・・・。

 

 

お爺ちゃんは一緒に来ないのかと聞くも

「いやワシ昔ちょっとヤンチャしちゃってな。あそこ入れないんじゃよ。ちゅーかあれよ、ワシちょっと旅に出るわ。なういやんぐなチャンネーを求めて浪漫を求めて旅に出るからワシのことは気にするな」

とか言っていた。

お爺ちゃんの言葉は時々よくわからない・・・。

 

 

そんなこんなで村を旅立って数日、僕は慣れない馬車に揺れに揺られて気分を悪くしアリーゼさんの膝を枕に眠らされていた。

仰向けに寝かされているのでアリーゼさんのその立派な双丘は馬車の振動で微かに揺れているしアリーゼさんも眠っているのか顔がちょうど真下にいる僕を見るように下を向いていた。

リューさんの方を見てみれば目を瞑ってはいるけど、僕の視線を感じては「どうしました?」「大丈夫ですか?」と気を使ってくれている。

そしてまた眠気が訪れては意識を落とすのを繰り返していた。

 

((アストレア様もすごかったけど・・・アリーゼさんも輝夜さんも綺麗だったなぁ・・・アレがお爺ちゃんの言う『男の浪漫』なのかな。))

 

 

 

空は青い。

馬車はゴトゴトと揺れる。

お胸も、揺れる。

 

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

「やっほーアリーゼ、リオーン!!おっかえりーー!!!」

 

すごく明るい少女みたいな声でアリーゼさんとリューさんに手を振る鈍色の髪の女性が門にいた。うん、やっぱりオラリオは美人な人が多いみたいだ。

 

「アーディ?今日はこっちで検問をしていたのですか?」

 

「あ~なんか毎回思うけど、帰ってくると"久しぶり"って感じがするわね~。」

 

「うん、今日は私検問なんだー。っていってももうすぐ交代だからアリーゼ達と一緒に行こうと思ってさ、待ってた」

 

 

女性同士賑やかに会話に花を咲かせる。

こ、これが女子会・・・・?いや、伝説の子供達を苦しめるという『井戸端会議』なるものなのかな・・・?

僕は会話を切り替えたほうがいいような、そうしないといつまでも続きそうな気がしてアリーゼさんの袖をクイクイっと引っ張る。

そこで漸く「あっ、ごめんベル。つい」と頬をかきながら僕に気づいてくれた。

僕、影薄かったりするのかな。いや、まあお義母さんから貰ったローブを着てるし仕方ないと思うけど、そんな不思議な効果はないと思うけど。

 

「んっんっ、ごめんねー。やっぱ都市を離れてた友達に会うと嬉しくてね。君が、ベル・クラネル君・・?ちゃん?でいいのかな?」

 

ベル・クラネルちゃん・・・?

どうしたんだろうこの人は。どうして僕を『ちゃん』付けするんだろう。

 

「あ、あの」

 

僕は人見知りをしつつアリーゼさんの後ろからアーディさんを見て声を出す。

「僕、男ですけど・・・」と。

するとアーディさんはキョトンとしてアリーゼさんに向かってやり取りをはじめた。

「男の子?ホント?」

 

「ほんとよ?」

 

「髪が長いから女の子にしか見えなかった・・・」

 

「だって会った時はすごい痛んでたしそれが直って切るのがもったいないなって思ったのよ」

 

「――――つまり?」

 

「私の趣味!!!」

 

とアリーゼさんが胸を張って『どう?すごいでしょ!?』と言いたげな顔をしていた。

僕は意味がわからずリューさんを見つめるも「ベルは髪を切りたいですか?」と聞いてきたので「えっと、長いのは大変だし・・・」とアリーゼさんに聞こえないようにやり取りをしていた。

だがその後のアリーゼさんの言葉にアーディさんは眉をピクつかせた。

 

「安心してアーディ!!ちゃんと付いてるから!!」

 

ついてる?ああ、僕が1人にならないようにってことかな。

 

「付いてるって何が?」

 

「ナニが」

 

ん?アリーゼさんとアーディさんは何の話をしているんだろう。

何故かリューさんは若干頬を赤くして俯いて僕の耳を塞いで「ベルは聞いてはいけません」なんて言い出すし

 

 

「どこに?」

 

「何処にって決まってるじゃない。」

 

そしてアリーゼさんは自分の下半身。足と足の間・・・そこに指を這わせて

「ここよ?」と言った。

 

 

空気が凍った。

すごい、寒い。魔法って詠唱しなくても発動するんだ。だれが魔法を使ったんだろう。アーディさんかな?すごい顔が固まってるし。

あっ、待っ、リューさん!?痛い痛い痛い痛い!!耳を塞いだまま力を入れないで!!つ、つぶれる!?

 

「りゅ、りゅーさ・・・」

 

「はっ!?わ、私は何を!?す、すみませんベル、つい力が!!?」

 

「アリーゼ・・・」

 

「な、何かしら・・・・」

 

さすがにやばいことを言ってしまったと感づいたのだろうか、アリーゼさんは若干後ろに仰け反りながらアーディさんから逃げようとしている。

 

「有罪(ギルティ)♡」

 

「嫌アアアアアアアアアアアアアア!!!!?」

 

 

「ごめんね!ちょっと待っててね!!この悪いお姉さんとオ・ハ・ナ・シ!!してくるから!!」と言ってアリーゼさんを引きずって門の横の部屋に連れて行った。

あ、アリーゼさぁん・・・・。

 

 

「ベ、ベル、大丈夫です。仮にも私達の団長・・・・最近頭がおかしくなって来てますけど大丈夫です。きっと帰ってきます。だから先に手続きをしておきましょう」

 

 

「最近頭がおかしくなってるぅ!!?」

 

僕はリューさんの言葉に驚愕を隠せない。

だ、だってアリーゼさんは泣いてた僕を抱きしめて手を握って頭を撫でてくれて一緒に過ごしてるときはとにかく一緒にいたし・・・モンスターが村の近くに出たときはかっこよく倒してたし・・・そ、そんなぁ・・・。

 

 

「あっ、あー・・・・えっと、坊主?でいいんだよな?」

 

「はぇ?」

 

「俺はハシャーナ。ハシャーナ・ドルリアだ。ガネーシャ・ファミリアの冒険者だ。さっきいたアーディの仲間って言えばわかるか?」

 

 

別の憲兵さん・・・ハシャーナさんが僕だけ列から外れて手続きをしているのに一行に中に入らないどころかアリーゼさんが連行されたのを見て様子を見に来てくれたらしい。リューさんがまだ手続きをしていないので済ませて欲しいと頼んでハシャーナさんは承諾した。

 

「じゃあ坊主、とりあえず背中をこっちに向けてくれ」

 

「えっ?」

 

「あぁ脱がなくていいからな。一応ルールでな。恩恵があるかどうかの確認をしなきゃならないんだ」

 

そして背中を向けた僕に証明のような道具を押し付けると『神の血』に反応して『神の恩恵』があるかどうかをチェックしている。

曰く、他国・・・オラリオの外からの密偵だとかを防止するためにやっているのだとか。

僕はそれがよくわからなくておどおどしているとリューさんが「大丈夫ですよ」と頭を撫でてくれた。

それを見たハシャーナさんが若干驚いていたけど・・・なんでだろう?

 

「よし、いいぞ。ところで坊主、なんでオラリオに来たんだ?金とか名声とか、それこそ女・・・いや、女には困ってなさそうだな。すまん。むしろ俺が困ってるわ」

 

「えっ、えっと・・・・家族を求めて?」

 

「ほーぅ??"疾風"と"紅の正花"と一緒にいるってことは・・・入るとこは決まってるわけだ。よかったな坊主」

 

「え?」

 

「そこのファミリア、男子禁制じゃないが女しかいないからな。がんばれよ」

 

「何をですか?」

 

「そりゃぁ・・・・夜n・・・」

 

「それ以上余計なことをこの子に喋らないでもらえますか?でないと・・・私はいつもやりすぎてしまう・・・」

 

リューさん!?ナンデ!?ナンデ怒ってるの!?

目が怖い!!

 

「わ、わりぃわりぃ。もう行っていいぞ。あっちも出てきたしな。じゃあなー坊主」

 

そういってハシャーナさんはまた検問の方に戻っていった。

それと入れ替わるように笑顔を纏ったアーディさんとどんよりとしたアリーゼさんが帰ってきた。

どうしたんだろうアリーゼさん。「そ、そんな・・・私はただ可愛い弟を可愛がっていただけで・・・い、いや、将来的には同じ派閥内なら問題もないはずだし・・・うぅぅ」なんて言って暗くなってるけど・・・。

僕は心配になって声をかけた。

 

「アリーゼさん?大丈夫?」

 

「えっ、ええ大丈夫よ!!大丈夫!!あなたのお姉ちゃんは一緒にお風呂に入って不埒なことを考えてなんていないわ!!!」

 

駄目かもしれなかった・・・・。

アーディさんもリューさんに「気をつけなよーホント。純粋な子だからって変なことしないようにさー」と忠告して僕に向き直って

 

「ごめんねベル君!!えっと、派閥は違うけど会うことはあるだろうかこれからよろしく!!」

 

「あっ、はい。よろしくおねがいしますアーディさん」

 

アーディさんと握手をしてリューさんと手をつないで門をくぐり見たこともないオラリオの光景に驚かされながら歩いていく。

途中何処かのファミリアが遠征から帰還したとかで人だかりができて少しだけ眺めたけど。

少ししてからアリーゼさんも切り替えたのか僕の手を握って歩く。

向かうのは今日から僕が暮らす家。アストレア様も待っている家。

『星屑の庭』というらしい。

ファミリアのホームの前についてアリーゼさんは立止まり僕に笑いながらこう言った。

 

 

 

「ベル、ようこそ。オラリオへ」




ベル君はアリーゼ、輝夜、アストレアとは入ってます。特にその辺はベル自身が落ち込んでいたのもあって気にしていなかったのが理由。お爺ちゃんとアストレア様大好き眷属たちは血の涙を流しました。


アーディは正史で15歳で死亡なので15歳から+6年(暗黒期時ベル7歳+6年=13歳)で21歳として考えています。

他のキャラもそんな感じで計算してはいますが苦手なので若干おかしいこともあるかもしれないです。
(まぁ一々誰が何歳かなんて書かないケドネ!!)
レベルに関しては1か2上がってる感じで。6年なら2つくらい上がるんだろうか・・・うーん
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