「ん・・・・・っふわぁ。」
目を覚まし、欠伸と共に、体を起こして伸びをする。
ぼんやりとする寝起きの頭で、私は私のお腹に腕を回して眠っている温もりを確認して、くすりと笑みを浮かべて頭を撫でてやる。
「地下だから、朝日なんて入ってこないけれど・・・朝よね。」
耳を済ませれば、微かに聞こえるのは鳥の囀り。
私は自分の格好を見て裸であるのを確認して、少年を起こさないようにそっとベッドから起き上がり、干してあったバスタオルで体を包み、再びベッドに腰掛ける。
「もしアリーゼがここにいたら、『昨晩はお楽しみでしたネ!』なんて言われていたかもしれないわね・・・」
まぁ、お楽しみでしたけど。
主に少年の悲鳴というか、嬌声というか。
眷属達は縋りついてくるあの目がイイ!と言っていたが、なるほど理解できた気がする。
「さて・・・今日は夕方までのんびりすると約束したし、改めてステイタスの確認をしましょうか。」
眠っている少年から、掛け布団を腰の辺りまでずらして『
「うー・・・んぅ・・・」
「ごめんなさい、ちょっと寒いけれど我慢してね。すぐ、終わるから」
もしここに、別の男神がいたならば、裸の2人を見て、そして裸で少年に跨って背中をなぞる光景を見て血の涙を流すことだろう。無論、現在の光景など、絶対に見せないし見たとしても記憶を消す所存であるが。
「フレイヤだって、きっとやっているはずよ」
そうだ、フレイヤや今はなきイシュタルだって、これくらいのことはする。なら、別に私がしたっていいじゃない。というか、エレボスがこの子に呪いの様な重荷を背負わせているのだ、ならば私はこの子のために天秤を傾けてあげなくてはならない。バランスを取ってあげなくてはならない。記憶の上書き―――いや、混入という言い方が正しいのか、例の魔道書の概要が少しだけ読み取れたが、それによって少年が少年でなくなる可能性も少なからずあるわけだ。ならば、今という思い出や光景をしっかりと焼き付けてやる必要性が大いにある。
「あなたが助けた人たちが・・・きっとあなたを助けてくれると、私は信じているわ」
どこかの少女が、『正義は巡る!』と言っていたのだし、是非、巡り巡ってこの子の助けになってやってほしい。
この子はきっと自分から助けを求められない。目の前で見てしまった絶望のせいで、助けを求めても意味がないと結論を出している可能性もあるのだから。
「さて・・・うん、やっぱり精神状態は昨日より落ち着いているみたいね。」
ベル・クラネル
Lv.3
力:S 910
耐久:S 900
器用:S 990
敏捷:SS 1190
魔力:SS 1100
幸運:H
魔防:H
<<スキル>>
□
パッシブ:自身に害ある存在からの遭遇率を減らす(認識されにくくなる)
アクティブ:自身でトリガーを設定し、害あるモノを誘引する
□
・早熟する
・懸想が続く限り効果持続
・懸想の丈により効果向上
魔道書【
□
・
・人型の敵に対し攻撃力、高域強化。
・人型の敵に対し敏捷、超域強化。
・追撃時、攻撃力、敏捷、超域強化。
・怒りの丈により効果向上。
・カウントダウン(Lvに依存)
カウントごとに威力、敏捷上昇。
カウントに応じ精神力、体力を大幅消費。
・精神疲弊
<<魔法>>
□【サタナス・ヴェーリオン】
詠唱式【■■】
自身を中心に不可視の音による攻撃魔法を発生。
※星ノ刃アストラルナイフを持っている事で調整され自由に魔法を制御できる。
擬似的な付与魔法の効果を与える空間を作成。
魔法の影響を受けた物質は振動する。
■スペルキー【■■■】
周囲に残っている残響を増幅させて起爆。
唱えた分だけ威力が増加する。
【
□詠唱式【天秤よ――】
対象との武器もしくは、詠唱済み魔法を入れ替える。
魔法のみ登録可能。
登録可能数×残り1
■登録済み魔法:ライトバースト
詠唱式【閃光ヨ駆ケ抜ケヨ闇ヲ切リ裂ケ代行者タル我ガ名ハ
※登録する場合、詠唱式、効果を把握している必要がある。使用後、登録は消える。
威力は本物よりも劣化する。
□【天秤よ傾け、我等を赦し全てを与えよ】
一定範囲内における自身を含む味方の全能力を上昇させる。
□【天秤よ傾け、罪人は現れた。汝等の全てを奪え】
一定範囲内における自身の敵対者の全能力を低下させる。
■追加詠唱
【天秤は振り切れ、断罪の刃は振り下ろされた。さあ、汝等に問おう。暗黒より至れ、ディア・エレボス】
範囲内における敵対者の戦意を大幅低下(リストレイトに近い状態にする)。
効果時間中、一切の経験値が入らない。
※効果時間5分。
羊皮紙に写し取り、寒がって震えている少年に掛け布団をかけてやり、頭を撫でて私は少年のステイタスを確認する。
「昨日は解読が完全じゃなかった
モンスターでも、人間でも、それこそ神でもいいわけじゃないか。
もっとも、眷属達から聞く限りでは、少年は『対人戦が苦手』らしく訓練ですら、防戦の方が多いらしい。
「
もし仮に、
アリーゼやリューから訓練をすると言って庭に出たときは、反撃は少なく、嫌になったら攻撃をそらして主神室に逃げてくるということをしていたわけで、それなりに動けるわけだから、全く対人戦ができないわけではないのだろう。むしろ各上相手に『適当なところで逃げる』ができるほうがおかしい。
「でも、このスキルは危険よねぇ・・・」
輝夜が言うには、件の事件の際に、暴走して闇派閥の人間たちの手足を焼き切って身動きを封じていったらしく、大切にしてきた眷族からしてみれば、その行為は胸を痛めたほどだ。
『私達はこの子の綺麗な手を血で汚したいわけじゃありません。だから対人戦に関して言うなら、むしろ身を守れさえすれば、できなくていいと思っております』
大抗争の時のような、血で血を洗うようなことはさせたくはない。それが眷属達の言い分だ。
だというのに、現れてしまったスキル。
「追撃時とはどういうことかしら・・・敵を徹底的に殺すまで『追い回す』ということかしら?というか、そういうことよね。」
仕留めるまで、力を増し、スピードを上げて追い回してくる
どちらかと言えば、少年が眷属達に女装させようと追い掛け回されているあの光景のほうがいいに決まっている。
『待ちなさーい、ベルぅ!!』
『いーやーでーすーぅ!!』
『お姉ちゃんたちのお下がりくらい、着慣れているでしょう!?』
『それはシャツとズボンの話で、スカートなんて論外ですぅ!!』
・・・最終的に捕まって、しくしくと涙ながらに私の元に来たときは、何とも言えなかった。似合っていたし、何より思わず抱きしめながら眷族立ちに親指を立てて『よくやったわ!』などとサインを出してしまったのだから。
「ええっと・・・・カウントダウンというのは何かしら?このスキルを発動ことでカウントが開始するのか、自分で意識的に起こせるのかしら?」
・カウントダウン(Lvに依存)
カウントごとに威力、敏捷上昇。
カウントに応じ精神力、体力を大幅消費。
ただでさえ、補正が入っていくのに、カウントごとに上昇していく。そして、代償として精神力と体力を消費する。
つまりは、Lv3の現在は、3分間のカウントがはいり、1分ごとに飛躍していくということになる。3分経過すれば、精神枯渇のように倒れるのかしら?
「たぶん、消えてしまった【英雄羨望】のチャージみたいなものよね?チャージが勝手にされる・・・そんな気がする。」
そして、このスキルの最後の項目だ。
「―――・精神疲弊」
恐らく、きっと、このスキルを使っている際は、視野が狭まり暴走状態になりかねないということだろう。
そして、その際にはまた、【
「輝夜が止めたとは言え、その後も疲れ果てて上手く動けなかったって言っていたし・・・デメリットよねぇ」
いやまぁ、スキルそのものがデメリットな気がするけれど。
「うぅ・・・ん・・・」
「あら?起きたのかしら?」
「アストレア様は・・・マシュマロおっ・・・ぱい・・・アリーゼさんの言うとおり・・・」
「いったい、どんな夢を見ているのかしら」
そしてアリーゼ、貴方はこの子に何を教えているの?変な教育をしていないでしょうね?
『アストレア様、知ってますか?元気がない子には【大丈夫?おっぱいいる?】っていうのが有効らしいですよ!!』
たわわな胸を張ってそんなことをドヤ顔で言うアリーゼに対して、私は溜息しか返せなかった。男の子は大概好きなのではないかしら。いやまぁ、いいんだけれど。
「魔法に関しては・・・あれね、ベルが喜んだアルフィアの魔法が使用不能になっている。完全に消えていないのだから、恐らく何かきっかけがあれば復活するとは思うけれど。」
聞けば暴走した時に魔法が使えなくなってしまって、その後何度唱えても、何も起こらなかったらしい。
『僕が良い子じゃないから・・・お義母さんに見放されちゃったのかなぁ』
とは言っていたが、恐らくは違うだろう。
私はこの魔法を『アルフィアからの借り物』という捉え方をしている。ならば、『ベルのもの』として改めて形になるはずなのだ。第一アルフィアが、怒って魔法を乱発したからと言って見放すはずがない。だって、アルフィアだもの。
「どこの家庭に、『お風呂を覗かれた』から家を魔法で吹き飛ばす母親がいるのかしらね、アルフィア?」
すでにこの世にはいない、少年の義母に疑問をぶつけてしまう。
実際問題、少年――ベルの音の魔法は、ナイフがなければ、ベルを守るようにしか発生しない。
その理由はアルフィア自身が魔法を使っている際、ベルを
ならば、もう母親の守りは必要ないと別の形になる可能性はあるはずだ。
「そもそも、発現したものが変わるのがおかしいのよね。だいたいエレボスのせいでしょうけど・・・」
まったくもって、余計なことをしてくれたものだ!
「ええっと、それから【
どういうことだこれは。
登録された魔法は使える。ならば、魔法の登録そのものは今まで通り可能なはずだ。
使用不可能となっている項目も、元に戻るか形を変えるだけですむはず。
けれど、追加詠唱であるはずの【ディア・エレボス】が使えるのは何故なのかしら。
「自己主張のつもりかしら、エレボス?」
まるであのエレボスが『クソイケメンお兄さんの凄さを見せてやろう!』などと言っているようで、腹が立ってくる。だいたいその魔法使うとベルにも負担がかかるのよ?
「一度、ロキに相談してみようかしら?眷族多いし、何かわかるかもしれないし」
何がわかるわけでもないだろうが、私1人で考察したところで限界がある。眷属の多いあの神であれば、別の見解もあるかもしれないと思ったのだ。
私は羊皮紙を破いて塵箱へと捨てて、バスタオルを脱ぎ去り、ベッドに横になってベルの寝顔を堪能する。
「うぅぅん・・・?」
「起こしちゃったかしら?」
自分を包み込むような温もりを感じ取ったのか、ベルはぼんやりとしながら、声のする方に顔を向ける。少し寒かったのか、密着するように抱きついてきて、顔を埋めてくる。
「寒かった?」
「少し・・・だけぇ・・・」
「もう朝だと思うのだけれど・・・まだ、寝る?」
「うー・・・ん・・・」
「ふふふ、もう少しだけ、横になってましょうか。」
「いいんですか?」
「ええ、いいのよ。今日は夕方には帰るけれど、ゆっくりしましょう?」
「じゃぁ・・・もう少しだけ・・・その後、お風呂、入りたいです」
「ええ、そうしましょう」
少しくらい、足を止める時間も必要だろう。なら、今日くらいは一歩も外に出ずにゴロゴロとしていたって誰も文句は言うまい。ベルはぼんやりとしたまま私を見つめながら、やがて再び眠りに落ちた。
私はいつものように背中をポンポンとしてやりながら、胸に顔を埋めるベルに微笑を浮かべて聞こえていないだろうが、言葉を贈った。
「悩みなさい。今はそれでいい。」
「後悔も悲しみも、全て手放さず、旅を続けなさい。そしていつか、貴方の答えを聞かせてほしい。」
それが言葉にできなくても良い。
そのときにはきっと、顔付きが変わっていることだろうから。
眠っている少年にはきっと聞こえていないけれど、でも、薄ぼんやりと、口が動くのを感じ取って
『うん』
と言ったような、そんな気がした。
■ ■ ■
「ほらベル、髪を梳いてあげるから座って頂戴」
「はーい」
「寝癖、凄かったわね」
「そ、そんなにですか?」
「えぇ。爆発していたわ」
「うぅぅぅ」
「お風呂で直したのだし、もう大丈夫よ?」
「それでも、恥ずかしいんです!」
ベルの二度寝から一時間ほどして、私達は漸くベッドから離れた。
寝起きでぼけぇっとしているベルの頭はそれはもう、大変なことになっており、手を取って朝風呂に誘ったのだ。その後、バスタオルでお互いの体と髪を拭いて、乾かし、私は今、ベルの髪を梳いている。
「着替えてからのがよかったんじゃ?」
「別に裸を見るのも、着替えを見るのも今更でしょう?いいのよ、別に」
「・・・そういうもの?」
「ええ、そういうものよ。だから、気にしなくてもよろしい」
「はぁい」
頭を触られて気持ちいいのか、体をもたれさせて目を細めてくるベルを、たまらず抱きしめて時間を浪費してしまう。
「良い・・・匂い・・・」
「ベルも良い匂いよ?それより・・・」
「??」
「仮にも処女神を抱いたのだから、感想を聞かせてもらえるかしら?」
「抱いてないです、抱かれたんです」
「同じよ」
そうだ、私はあれでも勇気を出して兎を美味しく戴いたのだ。感想くらいは聞かせて欲しい。
「ええっと・・・」
「ま、まさか、アリーゼ達よりもよくなかった?」
「ち、違います!?」
「ジー・・・・」
ベルは焦り、耳まで赤くなり、私から逃げようとするが、私は後ろから抱き着いて逃がさない。
「ふっ」
「うひゃぁっ!?」
「ベル、貴方、生娘みたいな声を出すのね?」
「うぅぅぅ!み、みみ、耳ぃ!?」
ふふふ、たまらないわね。
女神と2人で小さいながらも暮らす。そんな生活も、あったかもしれない可能性としては考えられるけれども・・・たまには、いいわね。
「ほら、ベル?」
「うぐぅ・・・僕の周りのお姉さん達は皆意地悪だ・・・【抱いてやろうか?ベッドの上で泣かすぞ?】。」
「えいっ!」
ペシッ
「あぅっ!?」
「えいっ、えいっ、えいっ!」
ペシッ、ペシッ、ペシッ!
「あぅっ、あぅっ、あぅっ!?」
私は必殺の【
何故ですって?お姉さん扱いしてくれるのは嬉しいけれど、
「引っ込みなさい引っ込みなさぁい!」
「い、痛くない・・・けど、や、やめてくださぁい!?」
「ベル、そういう誰の言葉かもわからないことを言ってはいけないわ?・・・・えいっ!」
ペシッ。
止めの
「はぅっ!」
「参った?」
「―――参りましたぁ。」
「よろしい。」
頭を抑えて、涙目になって再び私の横に座りなおすベルに、悪戯とばかりに抱きついて密着してやる。
「あ、当たってます・・・よ?」
「当ててるのよ?」
「あ、ありがとう・・・ございます?」
「ど、どう・・・いたしまして・・・」
「顔、真っ赤ですよ?」
「き、気のせいよ。ほ、ほら、着替えるのだから、手伝って頂戴」
「はぁい」
きっと眷属達がこの光景を見れば、
『ヘイ、マスター!!コーヒー砂糖抜きで頂戴!!なんなら、豆ごとでも構わないわ!!』などと言うことだろう。・・・知ったことではないけれど。
どうアリーゼ?これが、神と子の絶対的な格差というものよ。
私はここにはいない眷属に対して、何故かドヤ顔になっていた。
「アストレア様、どうして胸を張ってドヤ顔してるんですか?」
「き、気のせいよ」
「あ、あの・・・足上げてください」
「下着くらい自分ではけるわよ!?」
「えと、じゃぁ、どうぞ」
「あ、ありがとう・・・」
「それとその・・・」
「ん?」
「また・・・してほしい・・・です」
「え・・・え、えぇ、そ、そうね?」
2人とも着替えを終わらせ、昼食にする。
春姫に詰めてもらったもののあまり物でしかないが、暖めて、2人でくっ付いて食べる。どこか恥ずかしさが生まれてきて会話は少ないが、とても・・・そう、とても楽しいのだ。
「ア、アストレア・・・様」
「ん?どうしたの?」
「あ、あーん」
「ふぇ?」
この子はどうしたのだろう・・・と思わず思ってしまったが、あれだ。今は2人しかいない。この子もきっと、2人きりになりたかったのだろう。なら、その娯楽に受けて立とう。
「―――あーん」
髪がつかないように手で押さえて、ベルが差し出してくる食べ物を頬張る。
そしてそのまま上目遣いで、ベルの顔を見つめて、ニッコリとしてやる。
・・・とても恥ずかしい。死にそうだ。
「――――アストレア様は・・・ずるい」
「や、やっぱり、無理してたんじゃない?」
「し、してない、です」
「私は神だけど、その・・・いいの?」
「アストレア様は・・・その、特別だから・・・」
「なら、良かったわ。ほら、ベル、お返し」
「え?」
神を嫌うこの子が、私を特別と言うのだから、甘えてくれるのだから、それに応えてあげよう。
私はベルがしてくれたように、食べ物にフォークを刺して、同じようにしてやる。
「あーん。よ?」
「――――あ、あーん」
「ふふっ・・・また、たまにでいいから、ここに泊まりに来ましょうね」
「う、うん。でも、アリーゼさんたちに怒られるんじゃ?」
「やきもちはやかれるかもだけれど・・・大丈夫よ、私はダンジョンに行けないから必然的に2人きりになれる時って少ないわけだし。」
「じゃぁ、またここに・・・」
「ええ、そうね。アルフィアのお墓の掃除もできるし」
そんなことを言うとふと、ベルが固まって私のことを、ギギギギ・・・と見てくる。どうしたのかしら?
「どうしたの?」
「あ、あんなこと・・・し、したから・・・お義母さん、怒って、僕の魔法使えなくしたんじゃ・・・!?」
「――――い、いやいやいや!?さすがに、さすがにないわ!?だ、だって、その、ベルには悪いけれど、魂なんて天に還ってるんだから・・・!?」
「で、でもでも!?」
「こ、心当たりがあるの!?」
「む、昔、僕のお嫁さんはどういう人だったらお義母さんは嬉しい?って聞いたら、『とりあえず、私の元につれて来い。そうだな・・・【嫁の作法】を教えてやろう』とか言ってたんですよ!?」
そ、そんな!?
つまり、死してなお見ているの!?怖すぎるわ!?【才禍の怪物】ってそんなこともできるの!?
廃教会の地下の隠し部屋。
そこには、慌てふためく1匹の白兎と1柱の女神が・・・・いた。