旧・兎は星乙女と共に   作:二ベル

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時系列:怪物祭前のガネーシャ・ファミリアでのパーティーらへん。
正史でのベル君、夜通し大暴走がないので普通にダンジョンに連れて行かれてる。


星乙女は留守にする

「ベルぅ、何拗ねてるのよ?」

「……拗ねてないです」

「いや、滅茶苦茶、拗ねてるじゃない。そんなにアストレア様が留守にするのが不満なの?」

「……だって3,4日は留守にするって」

「私達がいるじゃない」

「それは……そうだけど……」

「ふふふ、ベル、別にもう会えないわけじゃないのだから、そんなに落ち込まないで?」

 

 豊穣の女主人を後にして帰宅してすぐ僕達はまとめてお風呂に直行した。

「もう遅い時間だしちゃちゃっと入っちゃいましょ。その後ベルはステイタスを更新しておきましょ」ということで、すぐにお風呂を済ませて、輝夜さんたちは自室に戻りアリーゼさんと一緒に今、僕はアストレア様の部屋のベッドの上でうつ伏せになっている。

そこで、アストレア様に言われた言葉で僕は悶々としてしまっている。

 

「明日、ガネーシャのところのパーティーに行ってくるわ。それで、ヘファイストスに相談事をしてくるから、場合によっては3,4日は留守にすることになるわ」

 

そう、3,4日もいない……

気が付けば顔を枕に埋もれさせて「うぅぅぅ」と声を出してしまっていたのだろう。

アリーゼさんは僕をさっきから宥めてくれている。

 

「ベル、言っておくけど、怪物祭(モンスターフィリア)までの4日間はダンジョンにだって行くのよ?アストレア様とのんびりしている時間なんてそんなにないわ」

「……ぁぃ」

「よろしい!明日からは魔法もポンポン使って自分の力を把握していきましょ!大丈夫、私やリオンだって同行するわけだし!!」

「……ふわぁ。。」

「あれ、聞いてる?」

「―――はい、ベル、アリーゼ。ステイタスの更新、終わったわよ」

 

そうしてアリーゼさんは、アストレア様から羊皮紙を受け取る。

 

「えっとーどれどれーふむふむ。やっぱり、バグってません?ベル」

「情報が漏れないように気をつけてね?変な神に手をつけられたら困るわ」

「わかってます!ベルをあげる気はありませんよ!」

「……でしょうね」

 

 

 

ベル・クラネル

所属派閥:アストレア・ファミリア

Lv.1

力:I 82→H 120

耐久:I 20→I 50

器用:I 96→H 150

敏捷:H 172→G 230

魔力:I 0→H 60

 

<<魔法>>

 

【サタナス・ヴェーリオン】

詠唱式 【 福音(ゴスペル)

不可視の音による攻撃魔法。

スペルキー【鳴響け(エコー)

周囲に残っている残響を増幅させて起爆。

 

<<スキル>>

 

◻️人魔の饗宴(モンストレル・シュンポシオン)

 パッシブ:自身に害ある存在からの遭遇率を減らす(認識されにくくなる)

 アクティブ:自身でトリガーを設定し、害あるモノを誘引する

 反響帝位(エコロケーション):自身を中心に音波を聞き取り人・魔物との距離・大きさを特定。

 対象によって音色変質。

 

◻️追憶一途(ノスタルジア・フレーゼ)

・早熟する

・懸想が続く限り効果持続

・懸想の丈により効果向上

 

 

「すぅすぅ……」

「あれ、寝ちゃいました?」

「みたいね。アリーゼも今日はこっちで寝たら?」

「えっ、いいんですか!?枕持ってきます!!」

 

翌朝、目が覚めると僕はアリーゼさんとアストレア様に挟まれていた。

アリーゼさんのレベル差もあって身動きができないし、

アストレア様もアリーゼさんもネグリジェを着ていたけど2人とも少し素材のせいなのか中身が少し透けて見えて、裸を見るよりなんだかいけない気分になったのでもう一度眠りに落ちることにした。

お爺ちゃん、女の人ってすごいです。

 

■ ■ ■

 

「―――はぁっ!!」

「ベル!足を止めちゃ駄目よ!!あなたのスキルを考えたら単体との戦いより乱戦を視野に入れなさい!一撃入れたら離脱、もしくはすれ違い様にでも複数体に攻撃して距離をとること!」

「―――はいっ!!」

「敵が固まってるなら容赦なく魔法をぶち込んじゃいなさい!!」

「――――福音(ゴスペル)ッ!!!」

「ひぇーやっぱすごいなー新人とは思えないよ。」

 

朝食を取ってダンジョンへと向かう途中に休暇中のアーディさんに出会い

「え、ダンジョン行くの?一緒に行っていい?」とアーディさんがパーティに加わりやってきたのは6階層。

道中僕のスキルの効果でモンスターが無反応だったのを倒しながら進んできたので、アーディさんは「モンスターに無視されるって不思議な感覚だね」とか「……暗殺兎(アサシンラビット)」なんて言っていたけど、今日は初めての6階層で魔法を使っての戦闘を行っている。

 それで、6階層から出現する全身が影でできているウォーシャドウをスキルを使って『誘引』して複数を相手に戦っては処理しきれない数が集まっては魔法を使って処理している。

アリーゼさんは

「6階層で漸く10体いたら3体は反応するって感じかしら?となると7階層で……でもまたステイタスを更新したらわからないわねきっと。遠征に連れて行けるようになれば無駄な戦闘を省ける……フフフ」なんて僕の戦闘を見ながら言っているけど……

一通り倒しきり僕はアリーゼさんとアーディさんのいるルームに戻る。

 

「ふへぇ―――ベル君、強いね。っていうかおかしくない?」

「でっしょーすごいでしょー私のベル!」

「……なんで"私の"なのかな?また変なことしてたりしないよね?」

「し、してないわ!ほんとに!!」

「……まぁいいけど。おつかれ、ベル君。はいタオル」

「あっふ、ありがとうございます。アーディさん。アリーゼさん、今日はどれくらいするの?」

「うーん、そうねぇ……持ってきた武器が5本あってそのうち2本がお釈迦になっちゃったから残り1本になったら帰りましょっか」

「はいっ」

「あぁ、でも次沸いたら一度"スペルキー"使ってみましょ。たぶん今もさっきの魔法の余波?が残ってるんだろうし」

 

今後の方針を確認して、また沸いてきたウォーシャドウを複数『誘引』して僕は

鳴響け(エコー)!!」と唱えた。

すると、壁から音が反響してまるで見えない衝撃波にでも襲われたかのようにウォーシャドウが潰れて灰へと変わり僕が持っているショートソードが砕けた。…あれ、ちょっと振動してる?

「キャッ!!」「えぇっ!?」

とアーディさんとアリーゼさんの声が聞こえて振り向くと、持ってきていた僕用の予備の武器が全て砕けていた。

 

「だ、大丈夫ですか!?」

「だ、大丈夫。びっくりしただけだから。あははは」

「私達には何も起きてないから安心してベル。……って武器が駄目になっちゃったし今日は切り上げましょっか。」

「うん……」

「どうしたの?もっと戦いたかった?」

「そうじゃなくって、毎回武器が壊れてたらお金が勿体無いなぁって」

「まあ安いのを使わせてるのもあるけど、確かに毎回お金がかかっちゃうわね。」

 

僕、【破産兎(ブロークラビット)】なんて呼ばれたら嫌だなぁ……

ダンジョン探索を切り上げて地上へ上がって換金を済ませてお昼をどうするか話していると昨日の酒場にいたロキ・ファミリアの緑髪のエルフさんとばったり出くわし声をかけられた。

横にはクリーム色の髪のエルフさんがいる。

 

「ベル、ちょっとエルフだったら誰でもいいの?まさかエルフ好きだったの?」

むにゅり。とアリーゼさんにほっぺを引っ張られムニムニされる。

「い、痛っ、くすぐったい、や、やめぇ・・・」

「アリーゼぇ・・・」

 

「……昨日はうちの者がすまなかった。」と謝罪され、困惑している僕にアーディさんが紹介を入れる。

「あぁ、そっか。ベル君はオラリオに来たばかりだから知らないんだっけ。この人はロキ・ファミリアの副団長。リヴェリア・リヨス・アールブさん。二つ名は【九魔姫(ナインヘル)】レベルは…たしか6でしたっけ」

「あぁ。それであっている。そして私の後ろにいるのが……」

「アリシア・フォレストライト、Lv4です。よろしくお願いします」

 

その後、お互いに自己紹介をして一緒にお昼を食べることになりリヴェリアさんはアリーゼさんに「あの子がアルフィアの子ということか?」と聞いては「……まさか奴に子供がいたとは」と少しショックを受けていた。

そしてアリーゼさんがリヴェリアさんなら僕の魔法を分析してくれるんじゃないかと話していて、リヴェリアさんが言うには

「実際にこの子の魔法を見ていないからわからないが……詠唱が同じでも完全にアルフィアと同じということではないのだろう。まして奴が魔法を使って武器が破損したなど聞いた覚えがない。

ベル…君が武器が砕ける前に振動していたということだが…もしかしたら、擬似的な【付与魔法(エンチャント)】としての効果もあるのではないか?刃が振動していれば切れ味も上がるはずだ」

ということらしかった。

 

■ ■ ■

『神の宴』、つまるところ下界にそれぞれ降り立った神達が顔を合わせるために設けられた会合だ。

どの神が主催するのか日程はいつなのか、そのような決まりごとは全くもってない。ただ宴をしたい神が行って、ただ宴に行きたい神が足を運ぶ。

神達の気まぐれと奔放さの一面がここに示されていた。

 

「本日はよく集まってくれたみなの者!俺が!ガネーシャである!!今回の宴も・・・・・」

 

と今回の宴の主催者ことガネーシャが挨拶をしている。

場所はガネーシャ・ファミリアの本拠、【アイアム・ガネーシャ】だ。

構成員達の間でも不評らしく、彼等彼女等は泣く泣くこの建物を出入りしているらしい。まぁ、入り口が胡坐をかいた股間の中心なのだから無理もないのだけれど。

宴の目的は【怪物祭(モンスターフィリア)】の開催にたいしての協力を求めてのもの。

 

『おお、アストレアだ』『膝枕してもらいたい女神No1のアストレア様だ』『アストレアたまー!膝枕してくれー!!』

『最近、ショタ?少女?を迎え入れたって聞いたぞ』『まじか』『一緒に寝てるとか』『よし、男だったらぶっころ☆』

『やめろやめろ、眷属たちに殺されるぞ』

 

……聞こえない。何も聞こえない。なぜ同衾しているのが噂になっているのか、私は知らない。

私は今、この宴で探し人ならぬ探し神を探しているのだけれど、見たくないものを見てしまっている。

―――う、うわぁ

私の視界に入ったのは【ツインテール】で【胸の大きい】【幼女】のような女神ことヘスティアがタッパに料理を詰めている姿だった。

―――ベルがこの間『アストレア様!じゃがまる君の神様っていたんですね!!』『じゃがまる君を食べると眷族にされるって本当ですか!?』なんて言ってたけど、まさかそれがヘスティアだったなんて。

というか、ヘファイストスの所で居候?してるんじゃなかったかしら。

 

「あら、アストレアじゃない」

「ヘファイストス、久しぶりね」

「久しぶりってほどでもないでしょうけど……そうね、久しぶり。どうしたの?何か浮かない顔してるけど」

「い、いえ、アレを見ちゃったものだから」

私はヘスティアのことを指差しヘファイストスに答える。

ヘファイストスは頭痛が痛いとでも言いたげに頭を抑えて「あの子は・・・」とつぶやいた。

 

「ねぇ、ヘファイストス?」

「……どうしたのよ」

「ちょっと相談事があるのだけれど……時間あるかしら?」

「それは最近入った子のこと?」

「えぇ。ちょっと武器を見繕ってほしくって」

「……まぁ、あんたの頼みを断れるわけでもないし聞くだけ聞いてみるわ。それで?」

 

私はヘファイストスに事情を話す。

魔法を使用すると武器が壊れてしまうこと。

成長が早すぎるのでそれに見合う武器を作れないか。と。

ヘファイストスは少し訝しげに私を見つめて、溜息を吐いて

「………私が作ってあげるかわりにその間、仕事を手伝ってくれるならいいわよ」と答えてくれた。

 

「ありがとう。助かるわ」

「貸し1つだからちゃんと覚えておいてよね」

と一通りの話が終わり私達はヘファイストス・ファミリアの工房へと向かう。

 

「だぁーヘファイストス!!まだ料理がッ!!」

「みっともない!!やめなさい!!意地汚いのよ!!」

「な、なにをぉぉ!?」

 

 

―――ず、頭痛が痛いわ。早く癒し(ベル)に再会したいわ




書いてるとつい長くなっちゃう
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