どけ、ワタシはヤンウマだぞ。   作:2Nok_969633

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 ごぉぉぉめぇぇんなぁさぁいぃぃの愛馬がっ!と言ったところで全てのトレーナーに恵まれましたここ、ウマ娘ss競バ場。今宵も注目される全ての怪文書の頂点を決める場としては絶好の晴天日和となりました。バ場状態は良。多くのトレーナーに見守られ本日も実にうまぴょい、と言ったところでしょうか。各ウマ娘はこの表情。なんとも言えない表情ですがどういった心境なのでしょうか、果たしてどう進行していくのでしょうか、実に楽しみであります。

 あなたの夢は誰でしょうか。

 あなたの想いは届くのでしょうか。

 そんな心境を秘め、このレースを制するのは一体誰なのでしょうか。緊張の一瞬であります。あなたの文を、幾千ものssを、沢山の夢を乗せて今各文、ゲート入りが完了致しました。







お兄さマーーーーン!

 

 

 

 今日も今日とて河川敷へ。日々毎日の確認作業…体調は良好。気温は朝の3月にしては高め。トレーナーとしての調子も普通から好調の間、と言ったところか?とはいうものの、こうしてライスが来るまでの時間から少しだけ早めに来てはこうして1人でふける事が多くなった気がする。

 立ちっぱなしもアレだし座りながらではあるが…ここ最近の話題となると他のトレーナー達の間では、やれ天皇賞がどうのURAファイナルがどうたらこうたら、となってはいる…が、正直今はそれどころではない。日経賞で1位を獲得してはいるが今度の天皇賞春は3200m…。天皇賞春を二連覇獲得、徹底した長距離育成に食らいつき完璧に成し遂げた化け物…今季最大の強敵であるメジロマックイーン。確かにライスの調子はあの菊花賞からの中では、ここのところ好調を維持してはいるものの…どうしてもあと一歩が足りない。スタミナは申し分ないし寧ろマックイーンと並ぶものすらあるだろうが…徹底したマーク戦法やミホノブルボンにも通用した山籠りを使うにしても…今回はそれを使ってもどっこいどっこいが良いところ。くそっ、どうしたものか…。

 

 「おはよう、お兄さま!えへへ、ちょっとだけライスも早めに来たんだ。きょ、今日も早朝トレーニングよろしくお願いします!」

 

 無茶をさせるには身体がまだ追いつかない。限界ギリギリまで追い込むことはリスクが大きすぎる。そもそも新人である俺自身がそんな無茶をして、ライスの競技人生を崩しかねないものを俺が背負えるのか?背に腹はかえられぬ、とは言うが何を犠牲にしろと言えば良いのか。さらに厄介なのはあの坂だ。あそこで抑えたりしたものならまず最後の末脚でも追いつけない。

 

 「お、お兄さま?…うぅぁ…む、無視されるとライス、傷ついちゃうぞ〜?」

 

 その他マチカネタンホイザ、イクノディクタス、メジロパーマーetc…特にマチカネタンホイザとメジロパーマーは仕上がり具合も格段に上げてくるはずだ。メジロパーマーの逃げは注視すればするほどペースが乱れ、マチカネタンホイザの差しとしての能力は一品。…有馬での結果を、ライスは俺のせいでは無い、とは言ってはいたものの…やはりトレーナーとしては悔しいに尽きる。願わくばURAにも出場させたい気持ちは俺にもある。さて、どうするべきか…。このトレーニング方法で仕上げて良いものなのだろうか…あまり良い予感がしない。

 

 「う、うぉぉ〜〜い!お・に・い・さ・ま‼︎…これでもダメなの?…うぅ…エットタシカ…ハァァ……スゥゥゥゥゥ…ヨシッ………オニイサマ?」

 

 「へ?どぅぉああおあああああああああ‼︎」

 

 気が付けば左耳の近くから囁き声。振り返ればライスが俺の肩に手をつきながら…少しばかり大胆とも言える行為だぞ。心臓に悪い。

 

 「えへへ、おはよう!お兄さま。ひょっとして次のレースのことについて考えてたの?」

 

 「あ、ああ。ごめんな?ちょっと考え事をして…やりすぎた。」

 

 「ううん。ライスは大丈夫だよ?お兄さま、ライスのためにいっぱい悩んでくれたから。でもびっくりしちゃった。大きな声を出しても聞こえていなかったんだもん。お兄さま、考え事をするのは良いけど考えすぎるのは悪手だって前にも教えてくれたよ?」

 

 将棋とかの例えなんて話したっけ?まあいいか。

 

 「そ、そうだったか?ンンッよし、ではぼちぼち始めますか!」

 

 「うん!…それとね?お兄さま、後でお話したいことがあるの。トレーニングが終わった後に良い…かな?」

 

 「いいけど…何か体調が悪いとか?」

 

 「体調面でも精神面でも無いから大丈夫だよ。それより、今日は何をするのお兄さま?」

 

 「慌てない慌てない。まずは身体をいつも通りほぐしてから…」

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 「お兄さま、今日の夕方からなんだけど…また誰もいないところで特訓したいんだ。ダメ…かな。」

 

 早朝トレーニングとはいっても本当に軽めに動かす程度のものだ。レース本番も朝っぱらからやるときはあるけれど、実際に走る時間は午後3時半過ぎ。本番を想定して考えなければ調子も狂う。実のところこれは建前で、人間である俺とウマ娘である彼女の軽めの運動というのは天と地の差があるだけなのだが。

 で、なんだって?特訓?

 

 「はぁ…ぜぇ…ちょっと待って。…すうぅ…特訓場所を変えたいって…はぁ…授業とかは…ふぅ、どうするんだ?…前は、偶々休みが、重なっていたが。」

 

 「それについては大丈夫…だよ?成績はこの前テストで1番を取っているし、高等部でこの先出る授業内容も…もう勉強し尽くしちゃった。って、わわ。」

 

 ええ…。何この子。頭良くて強くてさらに要領が良いとは。思わず頭を撫でてしま…はっ、いけないいけない。

 

 「す、すまんつい。確かにそれならば問題はないかもしれないが…俺自身も悩んでいてな?」

 

 「あぅ…。…そ、それってやっぱり天皇賞に向けて…だよね。ごめんね?ライス、強いウマ娘じゃなくて。」

 

 やばい、垂れてる。耳が垂れている。危険信号だ。

 こうも頭が良すぎるというのも問題なのだろうか?やはり敏感に物事を適切に処理しやすいのか?いや、違うな。寧ろこれは確実に勝つ自信がない…ってところか。メンタル面がやはり大きいな。

 ライス自身、勝てるとは思っているが相手がメジロマックイーンっていう事が恐らく引き金だろう。ならば、

 

 「いやポテンシャルや能力面では勝っている部分はある。スタミナは恐らく今回出るウマ娘の中では1番は間違いない。ただ問題なのが…。」

 

 「坂で力まないように耐える精神力と、最後の抜いてからの粘りの走り…そうだよね?」

 

 「…現状はそうなる。足がいくら速くてもそれを支えるための筋力、最後の粘りにはどうしても精神力が肝となるからな。確かに山籠りは…筋力も上がるし俺も考えてはいたんだが…。」

 

 「…お兄さま?」

 

 正直俺の方がメンタル面がやばい。垂れ耳を超えた絶不調。正直こればっかりはどうしようも無い事…トレーナーとして覚悟しなければならない。こんな事を言ってしまえれば、自ずと俺の下から離れてしまう可能性は高いが…承知の上で話すしか無い!

 

 「実は迷っているんだ。トレーナーとして危険なことはさせたく無いし怪我のリスクも考えればトレセン学園から離れた場所で何があった場合、対応が遅れてしまう。それに…俺がその訓練内容をだな?正しく扱えるかどうかも分からない。正直、勝たせるための最善を尽くせるかが…不安でな。」

 

 不甲斐ない姿を見せてしまう…やはりトレーナーとして俺はどこか舐めていた部分があったのかもしれない。もしくは絶対的な自信が何処かに潜んでいて慢心していたかもしれない。ライスに見せたくない自分の弱さが、脆さが、絶望感が一気に襲って来る。くっ、やはり新人な俺では立派に育て上げる事ができないのか?

 

 

 

 ここまでなのか…?

 彼女の夢を支えるんだ、と誓った俺の夢は…ここで終わるのか?

 ここで…

 

 

 

 

 

 

 俺が終わらせて良いのか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そんな事ないよ、お兄さま。」

 

 「え?」

 

 

 

 

 

 

 有馬記念で8位を取ると見る事ができるお兄さまのイベント。

 ごめんね、ライスの方こそ嘘ついてて。本心から出てる悩みなんだって、ライス…知ってるよ?でも、もうその話は何度も聞いているんだ。

 

 「大丈夫だよ、お兄さま。」

 

 ライス…知ってるよ?初めてお兄さまと出会って一緒に特訓しあって…そんな中で初めて打ち明けた弱音だったよね?毎日毎日夜遅くまで念入りに予定を組んで、不器用なりにお互い探りながらも頑張って成し遂げてきた。だから菊花賞で一位も取れたし天皇賞でも、有馬記念でも、URAでも最後まで勝ってきたんだよ?そんな中でライスが見せてた涙を何度も…何度も、何度も何度も何度も何度も。その度にお兄さまも涙を流して喜んでいたけど…

 

 

 

 お兄さまに泣いてる姿を見せてきたライスに…初めて見せてくれたお兄さまの涙は格別なんだ。

 

 

 

 目の前でライス以上にネガティブな姿は…いつ見ても美しい…!これ以上の芸術品は存在し得ないよお兄さま…ハァハァ…あああぁぁ、お兄さまが泣いている!お兄さまお兄さまお兄さまお兄さま!その涙を本当は一滴一滴集めたい!けれど、そんなことをしたらお兄さまが困惑しちゃう…でもでもそんなお兄さまを見てるとライス…いけない気持ちになっちゃうよぉ…(愉悦)

 

 初めてライスの事で悩んで泣いてくれたお兄さま。レースの時に故障して、もう一生走れなくなった時とか…絵本が初めて売れた時とか、塩と砂糖を間違えて料理した時とか…家族になった時とか…涙を見せることはあったけど、そんな涙なんかよりもよっぽど価値がある涙をライスに見せてくれるのはこの場面だけなの。

 

 だからごめんね、お兄さま。お兄さまには今、この場で泣いてもらわないとライスが困るの。

 

 「今までお兄さまとライス、2人でやってきた。確かに色々な事があったし嬉しくないこともあったけれど…ライスはそれでも、お兄さまと出会ってからずっと幸せなんだよ?」

 

 本心で話しているのに、何故かドキドキが止まらない。

 ライス、やっぱりおかしいのかな?何度も見ているのに…でも、でもでも…そんなライスについてきたお兄さまも…おかしいと思うよ?

 お兄さまがおかしい?…そっか。

 

 

 

 なら、良いよね。おかしいもの同士お揃いになっちゃえばいいんだよ。

 

 

 

 お兄さまもおかしいんだもん。

 

 

 

 お兄さまがライスについて来たんだから。

 

 

 

 ついてけって言ったのはお兄さまなんだから。

 

 

 

 この一時だけは、絶対に逃がさないようにって言ってるようなものだから。

 

 

 

 教えてくれたのはお兄さまだから。

 

 

 

 ライスについてきたお兄さまが悪い。(賢さSS+)

 

 

 

 お兄さまだって咲けるんだってところを見たい。

 お兄さまがライスの1番なんだってところを見せたい。

 お兄さまが逃げずにライスを咲かすために力を出すところを間近で見たい。

 お兄さまと一緒に2人っきりで過ごしたい。(願望)

 

 「お兄さまだからライス、頑張って来れたんだよ?ライス、どんな事でも頑張る…から。死んでも良いとか思わないけれど、死ぬ気で勝つために…ライスに、トレーニングを付けてください!お兄さま‼︎」

 

 

 

 「…そうだな。トレーナーの俺が勝手に諦めてどうするんだよ…覚悟を決めろ俺…よしっわかった。何かあったら…責任は俺が全部背負う。ライス…準備が出来たらすぐ向かおう。ビシバシ特訓していくからな!」

 

 

 

 はぁぁああああああああああああ!!!!!!!!!!

 お兄さま!お兄さまお兄さまお兄さま!かっこいいよお…お兄さまあああああああああああああああああああああ♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡♡

 

 

 

 脳内メモリにスクショしなきゃ…ああぁあ⁉︎メモリがお兄さまの記憶で一杯だなんて…バカ‼︎バカバカ‼︎ライスのバカァ‼︎この前も記憶増量キャンペーンに全額振り込んだのに…。本当…また8位を取らなきゃいけないのかなぁ…。そうだよ、こんな表情をするお兄さまがいけないんだよ。ねえ、お兄さま?

 

 

 

 あ、ちょっと待って、本当に、そこから好きなシーンがっっ

 

 

 

 「ごめんっ。…ありがとな、ライス。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 ………

 

 

 

 ……………………

 

 

 

 はぁぁああああんっっっっっっ‼︎(未獲得)

 

 

 

 (追い上げ)(集中力)(勝利の鼓動)(汝、トレーナーの涙を見よ)(ウマ娘ためらい)(差し切り耐性)(独占力)(束縛)……

 

 

 

 いい、それで良い。それで良いんだよお兄さま。そうやってライスにだけ頑張っている姿を見せれば良いんだよ?(鼻血ドバーっ

 

 

 

 いけない、いけない。お兄さま愛好会No.0のライスに抜かりはないよ!(ティッシュ&止血(0.01秒))

 

 

 

 

 

 

 

 …正直もうトレーニングなんてしなくても、悪役をも超えて完璧に仕上げたライスに敵は居ないんだけど。他のみんなはお兄さまと契約をしなければ今のライスみたいなステータスは得られないもんね。お兄さまがライスを選択している間、ずぅぅぅぅぅっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっ……とライスのターン…だからね(ニッコリ)

 

 ブルボンさん達もそれを知っているからヤケになっているんだろうけど…ごめんなさい。ライス、お兄さまルートを辞める気はありません。ライス、悪い子なんです。ライス、悪い子になっちゃったんです。

 

 

 

 お兄さまも、ごめんね。でもね、お兄さま。ライス、本当に幸せだよ‼︎

 

 

 

 「「「……チッ」」」

 

 

 

 …橋の下付近にテイオーさん。木の向こう側にマックイーンさん。近くのダンボールの中にブルボンさん。学園の屋上からカイチョーさん。小型ドローンからタキオンさん。変装姿で歩いているネイチャさん…と張り込みながら食べているのはオグリキャップさんとタマモクロスさんも…かな?クリークさんは…人形相手に色々としてるっぽい…。他にもゾロゾロと…。

 

 「クゥ…マダトレセンガクエンニニュウガクシテナイカラゴウダツシヨウニモデキナイィ…」「フフ…オトウサマモオカアサマモネラウナラコレダッテトキマデマチナサイッテ、イッテイタケド…モウマテナイヨオトウサマ、オカアサマ」「エイエイムンッエイエイ…ムン!」

 

 

 

 

 

 

 お兄さま、これからも一緒に成長していこうね!

 

 

 

 

 

 

 育成トレーナーイベント

 

 新人トレーナーの苦悩

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 スピード これ以上上がりません

 スタミナ これ以上上がりません

 パワー  これ以上上がりません

 根性   これ以上上がりません

 賢さ   これ以上上がりません

 

 絶好調を維持している。

 

 トレ…お兄さまは絶好調になった。

 

 お兄さまの『愛の鞭』のスキルヒントが3上がった。

 

 お兄さまと『秘密の特訓』が出来るようになった。

 

 ライスシャワーの体力が無限に回復した。

 

 他のウマ娘達は…もう言葉は要らないのか⁉︎

 

 おっと、トレーナーにピッタリと不気味についている…これと決めた時のライスシャワーは強いぞ。さあ、最終コーナーを抜けて差しに来たのはライスシャワーです!ペースをさらに上げている、ゆっくり行こうよ、とは決して言わせないぞライスシャワー!いつだってトレーナーとはスタミナ勝負!トレーナーを、お兄さまを逃さないと言わんばかりであります。もう一度だけトレーナー!もう一度だけ頑張ってほしいトレーナー!しかし差したのはライスシャワー!襲いかかってきたライスシャワーにお兄さまの心が開いていく!数多のウマ娘を阻んで前へ出たライスシャワーが先頭!ライスだ!ライスだライスだ!やっぱり怖かったライスシャワー!やはりこのウマ娘は強いのか!圧倒的!圧倒的な強さを見せつけ今、ゴールインっ!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 トレーナーと他のウマ娘達との絆はこれ以上上がらない!

 

 お兄さまとライスシャワーの絆ゲージはこれ以上上がらない!

 

 ウマ娘達との卑が上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 




 


 原作勢(両方)怒りそう…にわかがバレるぅ…ゆ、許してくださいお願いしますなんでもしまs

 (違う、違うんだサ○ゲ!俺はただ、ただただ可愛いウマ娘達を書こうとして、指を動かしただけなのに。俺は、いつの間にかトレーナーを曇らせてやろうとして…作戦を続行させたんだ…。それはただの快楽に身を任せた結果ではあるが…俺はうまぴょいをさせたかった!ライスをこれでもか、と可愛く見せようとしたかった。ウマ娘のみんなの魅力を表現したかった…。

 この怪文書が出来たのは…時代や環境のせいじゃなくて…

 俺が悪いんだよ…。

 可愛いウマ娘達がじゃじゃウマ娘、ガビガビライスなんて呼ばれる理由は俺のせいだ!

 もう嫌なんだ、自分が…もう…ガビ山ライスなんて呼ばせたくない…俺を止めてくれ…。)




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