杏子「きちんとアタシも農場で働いてるぞ。
ちなみに親父は
いつの間にかお気に入り沢山でウレシイ……ウレシイ……
三滝原と見滝原を間違えてました(真顔)。
あと主人公は潜在的なマゾだからほむほむにどれだけ悪口言われても挫けません。心の底では、ほむらが元気になって嬉しがってて、悪口言われても気付いてないだけでちょっとだけ喜んでます。
………ただのドMじゃねぇか!
「あ"ークソがよ…………
お前ら軽い荷物ばっか持ちやがって……」
「んー?女に重いもん持たせんのかよ?」
「最低ね」
「お前の荷物だからね!?
病院からわざわざ荷物持ってくんのに
自転車壊しやがって杏子ォ!」
「あーはいはい、明日直す」
「明日っていつの明日だよ………!」
「明日って今さ。
んじゃ直してくる、じゃな!」
「逃げんなおらァ!」
なんとか家へと帰りつく。背負って抱えての大量の荷物を俺だけ持たされ、ほむらは多少の買い物と杏子は壊した自転車のみ。いつか見た漫画のやり取りを思わずしてしまったせいで杏子に逃げられた。飯抜きにしてやろうかなあいつ。
すると、それを見送ったほむらが頭を抱えて溜め息をつく。こっちも溜め息つきたいわ。
「はぁ………本当、なんの因果かしら」
「こっちのセリフだっつの………
魔法で拡張空間作って家にするとか魔法少女か?
魔法少女だったよちくしょう」
「1人芝居が好きなのね」
「悲しくなるからそのツッコミはマジでやめろ」
そう、ほむほむ、家がない。家族は知らん。病院に入院してたワケだから出稼ぎとかじゃない?しかも話を聞いてみればその辺に魔法で空間を拡張、家としていたらしく。しかも今は魔法を使えないらしい。
だからってさぁ…………
「俺ん家って………マミの方が金持ちだぞ?
毎日紅茶飲んでるぞ、1人で」
「そう、巴マミが可哀想ね」
「まどかの所に泊まりにでも行けよ。
鹿目さんLOVE!じゃないの?」
「蜂の巣にするわよ。違わないけど」
「ガチかぁ………ガチだよ色々と………」
「貴方の家も両親はいないんでしょう?
なら好都合だわ、佐倉さんもいるし」
「生活費用管理、俺だからな。
節電節水は絶対に心掛けろ?
杏子に殴られたくなきゃあな」
「気をつけるわ。さて、新しい家ね」
「居候だからなお前」
二階建ての我が家は結構広め。寝室とかは二階で、一回はリビングとか風呂とかキッチンとか。
家の横には広大な〝三滝原農場〟があり、ウチの管理下。農薬未使用です(自慢)。親父とお袋の長期旅行こと両親赴任はネグレクトじゃない?まぁいいんだけど。そろそろイモとかレンコン辺りは収穫時期だし………あっそうだ、ほむらにやらせようかな?
杏子は普段は2階の元俺の部屋でゲーム三昧。
俺は基本的に親父の書斎が私室。
さて、お袋のベッドも使えなくなるなぁ………
「2階奥の部屋で寝てくれ、ベッドあるから。
まずは飯、と……杏子を呼ぶか、風呂沸かさせる」
「ん、分かったわ。久しぶりのまともな食事ね」
「マジか………ってそうか。
ソウルジェムはどうなったんだよ?」
「なくなってるわ」
「あるフリしてたのかよ」
話する時の構えは嘘だったんかい。ていうか無いってことは…………確か、ソウルジェムは肉体と魂を分離させた後の魂の入れ物になる、って設定だったか。ということはゾンビ化も解けたわけか。厳密には魂のない身体が動いてるってことでゾンビではないのだろうが。
いや、良かった良かった。まともな飯くらい食え。お米食べろ。野菜食べろ。肉食べろ。杏子さん即席ラーメンは栄養が……っつーか塩分の偏り凄いから勝手に作ろうとしてんじゃねぇ。菓子ばっか食うな。金が無くなる。
と、そんな居候への無くならない要望を考えながらキッチンに立つ。さて、何を作ろうか。ほむらへと声をかける。
「っし、晩飯は何がいい?」
「なんでも構わないわ。美味しければの話だけど」
「不味くはないと思うがね。
期待しないで待って……遠慮を知らんのかお前は」
ソファにどっかりと座ってリモコンを手に取り、テレビの電源を入れるほむらに軽く驚く。居候の初日だからね?もはや清々しいほどの遠慮の無さに一周回って呆れてしまう。
「悪いかしら」
「悪いとは言わねぇけども………」
「ならいいわね」
「やっぱ悪いと思う。
まぁいいや、カレーでいいよな?
そろそろ賞味期限が切れそうなのがあるし」
「貴方はそんなものを身内に出すの?」
「なんでも構わないって言ったよね!?
つーか切れてないからいいだろ!?」
「冗談よ」
「冗談大好きだな………」
溜め息をつきながら、食事の準備を始める。時計へと目をやると、もう6時半を回っている。7時には飯にしたい。
料理も手慣れたものだ。放任主義の両親にも困ったものだが、そのお陰で家事スキルはかなり上達した気がする。家事全般が特技みたいなところもある。掃除、洗濯、炊事、買い物と………我ながら『主婦かよ』とツッコミたくなる。
数時間後。
食事と風呂を終わらせ、ほむらに家を案内。それからそれぞれ自室に戻ることになる。親父の書斎で課題をしながら、液晶端末でテレビ電話をする。その相手は、というと。
「ということで、ほむらのことも
先輩の耳にも入れておこうと思いましてね」
『転校生ね……聞いてはいたけど、
まさか礼司くんの知り合いだったのね。
今は礼司くんの家にいるの?』
「えぇ、見事に部屋が1つ無くなりましたよ」
『ふふっ、仕方ないわ。
それにしても随分と女の子から人気ね』
「いや……そりゃ俺も男ですし、
悪い気はしないですけど………なんつーかなぁ。
それよりもそっちはどうですか、
金髪に同色の眼そして目を引く巨乳。俺たちの1つ上の先輩である、巴マミ。
どうにもやりにくい話題なので無理矢理そらすが、すると彼女の方もどうやら芳しくないようで苦い顔をする。
『最近、試験の調子もよくなくて………
気分が乗らないって言うか……』
「あー………それじゃ近いうちにカフェで
ほむらの歓迎会でもどうですか?
顔合わせにもなりますし」
『そ、そうね!楽しみにしてるわ!』
突然元気を出し始める彼女に少し引く。この人、勉強も運動もできる完璧な人なのだが………それが反って人を寄せ付け難いらしく、言いにくいが…友達がいないんじゃないか?と思われる。
この人の大抵の悩みの本音は『寂しいから構って』みたいなもので、少し話したりするとすぐに解決したりする。後輩たちの前ではカッコつけたいようで、まどかたちの前では憧れの先輩をやっている。こうして悩みを聞いたりしているが、本人が楽しそうなのは良いのだが、この人大丈夫だろうか。色々と。
人格的には全然問題はない気がするのだが…ちょっとネーミングが痛いくらいか。そこは中学生だから仕方ない。
「それじゃそろそろ寝ますか。
お疲れ様でした、先輩」
『えぇ、お疲れ様。おやすみなさい』
電話を切る。
そして、これからのことに頭を悩ませ少し背伸びをしていたところ、部屋のノック音が聞こえてくる。
「ん?開いてるぞー」
そう返すと、入ってきたのは寝間着姿のほむらだった。眠そうな真顔をこちらに向けてくる。どうしたのだろうか。
「……………………………………」
「えっなに?その沈黙怖いんだけど」
そう返すと、ほむらは何か言おうと口を開いて、苦い顔をして閉じる。そして、こちらに背を向けて。
「色々と、助かったわ。
───────ありがとう」
そう言って、そそくさと部屋を出ていく。
文句でも言われるかと思ったが………………あまりにも意外だったので、呆然として彼女を見送る。それに少女らしい可愛らしさを感じて、思わず頬が緩んだ。
「…………これからもよろしく、だな」
聞こえたのかは、分からない。
だが、それだけ返して電気を消した。
ほむほむに養豚場の豚を見る眼でガハラさんばりの暴言吐かれて貶められたい(台無し)