今回は、トレギアとダークキラーの視点で描いた内容となっております。
ウルトラ兄弟に倒された怪獣や宇宙人の怨念が生み出した闇の超人『暗黒超邪・ウルトラダークキラー』。
彼は宇宙を暗黒に閉ざし、ウルトラ一族を根絶やしにしようとしたが、ウルトラ6兄弟との死闘の末に敗れ去った。
はずだった──────
それから時は過ぎ……
タロウとウルトラダークキラーが死闘を繰り広げた、怪獣墓場。
そこに降り立つ青い影があった。
胸を覆うX字のプロテクターと、仮面を着けたような顔、そこから覗く赤い目が特徴の青い巨人。
彼の名は『ウルトラマントレギア』。
トレギアは地面に向かって手から紫色の波動を放つ。すると徐々に闇のエネルギーが収束していき、そこから一体の魔人が現れた。
それは、タロウによって消滅させられたはずのウルトラダークキラーだった。
ダークキラー「……⁉︎これは……?」
ダークキラーは驚いていた。なぜ自分は復活できたのか。
その答えは、自分に語りかけて来た声を聞いた時に分かった。
トレギア「お目覚めかな?闇の殺し屋さん」
ダークキラー「貴様が
トレギア「まあね、そこは否定しないけど。だがそれも昔の話だ。私の名はトレギア。今は宇宙を放浪するしがない悪魔さ」
トレギアが名乗ると、ダークキラーは彼を怪しみながら問う。
ダークキラー「貴様の目的は何だ?」
トレギア「私と組まないか?ウルトラダークキラー」
ダークキラー「ほう……」
ダークキラーの興味を引いたところでトレギアは淡々と語り出す。
トレギア「君の持つキラープラズマと、ウルトラマンの光エネルギーを合わせて、闇のウルトラ戦士を造り出す。その名も『ダークネス』。」
ダークキラー「その為に我の力が必要という訳か……」
トレギア「そのダークネスを使ってウルトラマン達を倒し、やがてダークネスがオリジナルに取って代わる。そしてこの宇宙を支配するのさ」
ダークキラーは少し黙って考え込んだ後、答えた。
ダークキラー「……面白い。その策、乗ってやろう」
こうしてウルトラダークキラーはトレギアと手を組み、再び「全ウルトラマンの抹殺」に向けて動き出した。
まずその第一歩として、ダークキラーは夕陽の惑星サンダウィンにてウルトラマンエックス、ウルトラマンジードと交戦。隙を突いて2人のエネルギーを吸収し、自身の力の源であるキラープラズマと融合させた。
そうして生まれたのが『ウルトラマンエックスダークネス』と『ウルトラマンジードダークネス』だ。
2体のダークネスはエネルギーを吸われて弱っていたとは言え、エックスとジードを圧倒する力を見せつけた。
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マイナスエネルギーが渦巻き、誰も近寄れない暗黒の星、惑星テンネブリス。そこにあるダーク宮殿に陣取ったダークキラーは、最初に造り出した2体のダークネスをトレギアに披露した。
トレギア「まずはエックスとジードか……光の力を闇のエネルギーで増幅し、オリジナル以上の力を発揮する……予想以上だな」
ダークキラー「この勢いで戦力を増やしていくぞ」
トレギア「ああ。では次のターゲットは……オーブだ。だがそれともう一つやっておく事がある」
ダークキラー「何だ?」
トレギア「君の計画において最大の障害となりうる存在、ウルトラウーマングリージョを攫う。そいつには大いなる光が宿っていて、それが兄弟と融合すると神秘のパワーにより、『ウルトラマングルーブ』となる。それさえ封じておけば、スムーズに事を運べるはずだ」
ダークキラー「ほう……では我はそのグリージョとやらを捕らえてくるとしよう」
ダークキラーはウルトラマンオーブから光エネルギーを奪い取るのをエックスダークネスとジードダークネスに任せ、自身はグリージョ誘拐に動き出した。
その一方で、宇宙警備隊もウルトラダークキラーの復活と暗躍を察知しており、それに対応すべくウルトラマンタロウを中心に動き出していた。
タロウはダークキラーがグリージョを狙っていると知ると、護衛の為にウルトラマンゼロを派遣したが、結果的にグリージョはゼロ共々、ダークキラーが作り出した『ダークキラーゾーン』に幽閉されてしまった。
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目的を果たしたダークキラーはダーク宮殿に戻り、そこで新たなダークネスを造り出していた。
エックスダークネスとジードダークネスが吸収してきたオーブの光エネルギーとキラープラズマが融合して誕生したのは、『ウルトラマンオーブダークネス』。
しかしこのダークネスは不完全だった。その理由は、エネルギーを吸い取っている途中でオーブの救援に現れたウルトラマンビクトリーの妨害を受け、十分なエネルギーを奪えなかった為である。
だがダークキラーはダークネスを造り出せただけでも十分とし、特に気にしてはいなかった。
ダークキラー「着々と軍勢が整いつつある。こいつらを使い、全てのウルトラマンを抹殺する」
ウルトラダークキラーを中心とする軍団の中には、ウルトラマンギンガとビクトリーの宿敵である『ダークルギエル』と『超時空魔神・エタルガー』の姿もあった。彼らもまた復活し、ダークキラーと組んでいたのだ。
ルギエル「好きにすればいい。ただし、ギンガは私がやる」
エタルガー「なら私は、ビクトリーをもらおうか」
彼らは対ウルトラマンの協力関係を結んではいるものの、個人の目的を持って動いていた。
すると突然、オーブダークネスに稲妻状の光線が直撃した。
「「「……⁉︎」」」
驚いた一同が正面に振り向くと、そこにはトレギアが居た。
トレギア「本来の目的を忘れてもらっては困るな。まだギンガ、ビクトリー、そしてロッソとブルのダークネスを造り上げていないだろう?」
トレギアの目的は、ウルトラマンギンガをはじめとする『ニュージェネレーションヒーローズ』のダークネス軍団を作ることにある。
それに対してダークキラーは、かねてより思っていた疑問をトレギアに投げかけた。
ダークキラー「分かっている。だが解せんな。何故そこまでダークネスに拘る?」
トレギア「別に。私はただ、光も闇も、正義も悪も、等しく同じ価値しかない事を証明したいだけさ。……ウルトラマン達にな」
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トレギアの催促を受けたダークキラーは一気に残りのダークネスを完成させるべく、ダークキラーゾーンに幽閉され、エネルギーを消耗し苦しむゼロとグリージョの姿を見せつけながら、光の国に宣戦布告。
これにより、惑星テンネブリスにてニュージェネレーションヒーローズとダークキラー軍団の決戦の火蓋が切って落とされた。
一方トレギアは、その様子を魔法空間という特殊な空間の中で見物していた。しかしそこに招かれざる客が現れる。
???「こんな所に隠れていたとは」
トレギア「へぇ……ここを見つけるとはなぁ」
???「ギャラクシーレスキューフォースの情報網を、甘く見るなよ。ウルトラマントレギア!」
魔法空間に入り込んだのは、ウルトラマンタロウの命を受けて、ウルトラダークキラーが引き起こした今回の事件の裏に潜む黒幕を探っていたウルトラマンリブットだった。
トレギア「……ハハハハハッ。私の素性をご存知とはねぇ……」
リブット「ウルトラマンタロウからの言伝だ。バカなことはやめろと」
トレギア「タロウ……相変わらず光の使者を気取って……」
リブット「お前を捕まえ、この宇宙を救済する!」
おそらくタロウは気付いていたのだ。
今回の事件で、かつての友であるトレギアが裏で糸を引いている事に。
トレギアはリブットと交戦状態に入り、それと同時に戦況が大きく変わり始めた。
始めは優位を保っていたダークキラー軍団だったが、ウルトラ戦士達が奮起した事で3体のダークネスやルギエル、エタルガーは撃破され、ダークキラーと戦闘の最中に生み出された『ウルトラマンゼロダークネス』もロッソ・ブル兄弟が合体変身したウルトラマンルーブに敗れ去った。
しかし、これで終わりではなかった。
リブットと戦いながらダークキラーの敗北を悟ったトレギアは、自身の体から闇のエネルギーを放出し、ダークキラーとゼロダークネスを復活させた。それによってダークキラーは闇の力が暴走し、超巨大な姿になっていた。
リブット「貴様、何をした⁉︎」
トレギア「もっとお前達を苦しめたくなった……それだけさ。バイバイ」
リブット「待て‼︎」
トレギアは足止めとして魔法陣から2体のレッドキングを召喚し、それと入れ替わるように魔法陣の中に消えた。
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そしてニュージェネレーションヒーローズと超巨大ウルトラダークキラーの最終決戦が始まった。
超形態となったウルトラ戦士達にダークキラーは次第に追い詰められていき、悪あがきとばかりに4体のダークネスを生成、自らに取り込んで更なる巨大化を行うも、最後にはニュージェネレーションの力を結集したギンガストリウムの『ニュージェネレーションダイナマイト』によりダーク宮殿を巻き込んで爆散。
ウルトラダークキラーは、ついに完全に滅び去ったのである。
トレギア「ウルトラダークキラー……君には本当に楽しませてもらった。おかげでもっと面白い事を思いついたよ……」
トレギアはダークキラーを利用していたに過ぎなかった。グリージョを救出され、ダークネス軍団も未完成のままダークキラーは倒されるという本末転倒な結果に終わったが、彼にとってさしたる問題ではなかった。
ウルトラダークキラー亡き後、トレギアが思いついた「面白い事」とは果たして……
続く。
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