Complement Rainbow!   作:門矢零

5 / 9
トライスクワッドがようやく揃ったと言う事で、このスピンオフ小説もいよいよ本格始動って感じです。

今回の時系列はあいりな加入、そしてフーマ合流後になります。

それでは、どうぞ!


第5回 笑いのツボ

ある日の放課後。

 

宏高達スクールアイドル同好会の面々は、いつも通り部室に集まっていた。

そこへ……

 

愛「やっほ〜♪みんなお疲れ〜」

璃奈「お疲れ様」

 

愛と璃奈が入ってきた。

 

歩夢「愛ちゃん!璃奈ちゃん!」

せつ菜「お疲れ様です!」

宏高「お、これで全員お揃いかな?」

 

部室に入って早々、愛は鞄から弁当箱を取り出して大机に置き、蓋を開ける。

 

愛「はいこれ!愛さんからの差し入れだよ!」

 

中にはキュウリや大根などの漬物が入っていた。

 

かすみ「相変わらず凄い匂いですね……」

愛「そう言わないでよかすかす!おばあちゃんのぬか漬けは天下一品なんだから〜」

かすみ「“かすかす”じゃないです、かすみんです!」

エマ「いただきまーす!」

彼方「彼方ちゃんも貰おっかな〜」

 

愛の差し入れに集まってくる同好会メンバー。

その光景をトライスクワッドの3人が眺めていた。

 

フーマ『愛のやつまたかよ……なんだか見てるこっちも飽きてきちまうぜ』

タイタス『まぁそう言うなフーマ。ぬか漬けは栄養価が高く、体にも良いからな』

タイガ『……』

タイタス『どうした?タイガ?』

タイガ『えっ?ああ…漬物で、ちょっと思い出した事があってな』

フーマ『なんだよ?』

タイガ『昔…俺が光の国で聞いた、父さんが地球で活躍してた頃の話なんだけど……』

 

タイガは故郷の光の国で宇宙警備隊の訓練生としてトレーニングに励んでいた頃、筆頭教官を務めている父・ウルトラマンタロウから、よく地球での出来事を聞かされていた。

 

人間・東光太郎として、光の使者として地球とそこに生きる生命を守るために、数多くの怪獣や侵略者と戦ってきたタロウ。

その中にはあまりにも鳴き声がうるさい蝉怪獣や、人間をキノコ人間に変えてしまう恐ろしいきのこ怪獣、地球の餅を食い荒らした木臼のような怪獣、歌や踊りが大好きな宇宙人が飼っている酒好きな酔っ払い怪獣など、独特で奇抜な怪獣も多くいたと言う。

 

タイタス『ほう、つまりその中に漬物……正確にはその材料となる野菜に因んだ敵がいたのだな』

タイガ『ああ。そいつの名は、食いしん坊怪獣・モットクレロン』

フーマ『いかにも欲しがりな感じの名前だな』

 

全ては正体不明の宇宙人が、地球上のビタミンCを狙ってやってきた事から始まった。

宇宙船は防衛チーム『ZAT』によって撃墜されたが、その宇宙人は置き土産として怪獣の卵を遺していった。

その卵は実家が八百屋を営んでいる武志少年に拾われ、やがて卵から孵った生物は、「モットー、モットー」とねだるように鳴く事からモットクレロンと名付けられ、育てられていくことになる。

 

フーマ『それでそいつが段々デカくなっていって、街で大暴れしちまうってわけか』

 

武志少年は餌として家にある野菜を与えていくが、どれほど食べてもその食欲は止まることを知らず、あまりの急成長ぶりに危機感を抱いた武志少年はモットクレロンを洞窟に移した。

しかし武志少年が持ってくる野菜の量では満足できないモットクレロンは、食欲の赴くままに洞窟から街に飛び出し暴れ始めてしまう。

これを止めるべくモットクレロンに立ち向かうタロウだが、口から吐き出す緑色の青臭い液体に苦戦を強いられる。

 

タイタス『なかなか厄介だな……それで、いかにしてタロウはこの窮地を脱したのだ?』

タイガ『…塩漬け』

タイタス『……ん?』

フーマ『(わり)ぃ、もう一回言ってくれねぇか?』

 

初めは聞き間違いかと思ったのか、確認の意味も込めて訊ねるフーマ。

 

タイガ『だから、父さんはモットクレロンを塩漬けにしたんだよ。戦いの最中に塩を発見した父さんは、モットクレロンにそれを浴びせると、タンクの中に放り込んでひたすら踏みつけたんだ。するとモットクレロンはみるみる小さくなって、最後は父さんに宇宙に向かってポイっと放り投げられたんだとさ』

 

数秒間の沈黙。タイガの説明に対しフーマはジッと動かず、何も反応しない。

すると……

 

フーマ『クッ……ククッ……』

タイタス『どうしたんだ?』

 

タイタスが訊ねた次の瞬間、

 

フーマ『ハハハハハハハハ‼︎』

 

フーマが突然笑い出した。

 

タイガ『えっ?』

フーマ『何だよそれ⁉︎塩かけて踏ん付けたらチビになるってさ、可笑しすぎだろ!アッハハハ‼︎』

 

今まで見た事のない、大爆笑するフーマの姿に狼狽するタイガ。

 

タイガ『俺、何かおかしな事言ったか?』

タイタス『まさかフーマがここまで笑い上戸なやつだったとは……』

タイガ『いやいや、感心してる場合かよ⁉︎』

 

 

 

 

フーマの大きな笑い声が、宏高の頭の中に響き渡るのだった。

 

(なんだかうるさいな……)




タイガ『俺はビタミンよりかすみんだけどな!』


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