せつ菜の大ファンを名乗るイカルス星人サーティス(伊刈アツシ)と、彼の命を狙うギギ・アサシン。
2体の宇宙人を発端とする一連の騒動は、ウルトラマンフーマがギギ・アサシンを撃破した事で収束した。
せつ菜とアツシを送り届けた後、宏高も家に帰り着き、勢いよくソファーに腰掛けた。
宏高「あ〜……疲れた」
タイガ『あのギギとかいうやつ、マジで手強かったぜ…』
タイタス『一流の暗殺者だけあって、判断力も戦闘力も高い、なかなかの切れ者だった…』
フーマ『まぁ俺の相手じゃなかったけどな〜』
各々が先の戦いを振り返りながら呟いていく。
宏高「これからも、ああいう敵が出てくるのかな…」
タイガ『異次元同盟…宇宙にはまだまだあんな無法者達がいるのか……』
フーマ『ヒロユキの地球にいた、『ヴィラン・ギルド』みたいなもんか…』
ヴィラン・ギルドとは、宇宙人の中でも悪人に属する者が寄り集まった非合法組織だ。
怪獣兵器のオークション、地球における株価操作など、様々な悪事や犯罪行為に手を染めてきた。
かつてタイガ達トライスクワッドが滞在していた地球(パラレルアース)には多くの宇宙人が密かに暮らしており、そこで起こっていた事件のほとんどには、人間社会に紛れ込んでいたヴィラン・ギルドが関与していたほどである。
タイガ『異次元空間に閉じ込められたら最後、俺たちにはどうすることもできないからなぁ…』
宏高「亜空間の中ではウルトラマンの力が通用しないからな…抜け出すのも一苦労だし、あのイカルス星人が敵じゃなくて本当に良かったよ」
イカルス星人の名前が出ると、タイガが思い出したように宏高に訊ねた。
タイガ『そういえば宏高、お前あれで本当に良かったのかよ?』
宏高「何の事?」
タイガ『せつ菜の事だよ!もしアツシがせつ菜の正体を言いふらしたりなんかしたら…』
あの時、せつ菜はその場の勢いでアツシに正体を明かした。
スクールアイドル同好会の中だけの秘密が学園内はおろか学園の外に洩れれば、彼女のスクールアイドルとしてのこれからに大きく関わる。
それは部長である宏高にとっても由々しき事態のはず。しかし宏高は…
宏高「それは大丈夫だよ。あの人熱は強いけど、ファンとしての礼儀はあるから」
〜回想〜
宏高「おーい!せつ菜〜」
せつ菜「宏高さん!」
変身を解除した宏高は、せつ菜とアツシの元に合流した。
宏高「良かった…怪我とかなくて…アツシさんも」
アツシ「な、なんとか…」
せつ菜「聞いてください宏高さん!ウルトラマンタイガが助けてくれたんですよ‼︎しかも私たちの目の前に、等身大で現れて‼︎」
宏高「そ、それはすごいね…とりあえず落ち着こう?(アレは俺なんだけどなぁ…)」
興奮するせつ菜を、苦笑いしながらも落ち着かせる宏高。
せつ菜「でも…よく気付きましたよね。あのメッセージだけで」
宏高「まぁね。部長の勘、ってやつかな?」
せつ菜「カッコいいです!」
宏高「って冗談は置いといて……協力するって言ったでしょ?」
せつ菜「宏高さん……」
アツシ「あ、あの!」
先程から蚊帳の外だったアツシが、何か意を決してせつ菜に話しかけてきた。
せつ菜「アツシさん…」
アツシ「せつ菜ちゃんが生徒会長だったことには驚きました。でもこれには、並々ならぬ事情があるんですよね?」
せつ菜「…はい、家庭が厳しいこともあって…学校では、スクールアイドルをやってる事を秘密にしているのです」
アツシ「なるほど……分かりました、この事は決して口外しません。ただ……」
宏高「ただ?」
アツシ「こうして出会えたので……せめて一緒に写真撮らせてくれませんか?」
せつ菜「そういう事でしたら…お安い御用ですよ!」
アツシの願いに、せつ菜は笑顔で応じてくれた。
宏高がせつ菜とアツシを並ばせるとカメラを構え、
宏高「では行きますよー!1+1は〜?」
せつ菜・アツシ「2‼︎」
シャッターを切った。
《回想終了》
タイガ『ならいいけどさ…』
その翌日、菜々(せつ菜)は朝からずっとソワソワしながら学園での一日を過ごしていたが、幸いにもスクールアイドルの事はバレてなかったので安堵した。
アツシはちゃんと約束を守ったのだ。
しかし彼は何も言わずに姿を消した。それにはもうせつ菜を巻き込みたくないという、彼なりの配慮があったのだろう。
そしてせつ菜は誓う。
これからもスクールアイドルとして、さらなる高みを目指すと。
自分の『大好き』が、どこかで変わらずに応援してくれているアツシに届くように。
写真撮影の場面は、ティガ最終回のオマージュです。
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