【デート・ア・ライブ】 デート・ア・ガンダム -武×士道×グラハム- 【機動戦士ガンダム00】 作:LN58
――――――天宮市の神社(町田天満宮がモデル)
ザー、ザー、ザー
士道「最近 天気予報が当てにならないなぁ………………降水確率10%って話だったのに」
グラハム『それだけではない。『例年よりも気温が低い』という観測結果が出ているぞ』
士道「たしかに、そんな感じはしているな」
士道「となると、『店に並ぶ野菜が値上がりする』ってことだよなぁ。嫌だなぁ」
グラハム『少年、これからは折りたたみ傘を常備することをおすすめする』
士道「そうだな。これから梅雨の季節も控えていることだし、買ったものが雨でズブ濡れになるのも嫌だからな。そうする」
グラハム『!!』
グラハム『――――――後ろだ、少年!』
士道「なに!?」クルッ
ハーミット「あ――――――」バチャン!
士道「あ、おい!」
士道「あ、よかった。怪我はないか? ――――――あ、しまった。俺もズブ濡れだし、気が利いたものがないな」
ハーミット「ハッ」
ハーミット「――――――!」ズサササ!
士道「あ」
ハーミット「こ、来ないで、ください……」
士道「え」
ハーミット「いたく、しないで、ください……」
グラハム『少年、この子は――――――』
士道「ま、まさか!?」
ハーミット「――――――」
士道「あ、まってくれ!」
士道「俺は五河 士道! 俺は敵じゃない! 俺と話を――――――」
士道「………………」
グラハム『……行ってしまったな』
士道「なあ、グラハム。『精霊は十香だけじゃない』って言ってたよな」
士道「それに、精霊と空間震には因果関係があって、5年前の天宮市を襲った空間震 以来、天宮市には空間震が頻発するようになった――――――」
士道「ということは、『天宮市には十香以外にも精霊が何体も現界している』ってことだよな?」
グラハム『そのとおりだ』
グラハム『そして、5年前のあの日、私は
士道「――――――『天宮市には何か精霊を惹き付けるようなものがある』っていうのか?」
グラハム『それは私にはわからない』
グラハム『だが、5年前のあの日に精霊が4体も現れたとするなら――――――』
士道「俺と精霊の戦争〈デート・ア・ライブ〉の日々は5年前から決まっていたようなものなのか」
グラハム『――――――運命だな』
士道「ああ。運命なんだろうな」
士道「けど、これだけははっきりさせたいんだ、グラハム……」
グラハム『何かね?』
士道「お、俺は十香を救うためにキスをした。それで精霊の霊力を封印することに成功した。十香は
グラハム『そのとおりだ。今更 そのことに躊躇いなどあるまい。それで大勢の人を守れたのだからな』
士道「あ、ああ。もう十香との関係は一言では言い表せないような深い関係になったな……」ドキドキ
士道「そして、あらかじめ わかっていたことなんだ、これは」ドキドキ
士道「でもさ!」クワッ
――――――今度の精霊は明らかに犯罪じゃないか!? あんな子と白昼堂々とデートに行けるものか!
――――――それから数日後、
キンコンカンコーン!
十香「シドー! 昼餉だ!」
折紙「士道、一緒に食べよう」
十香「何だ、貴様は? 邪魔だぞ?」
折紙「それはこっちのセリフ」
士道「3人で食えばいいだろう?」
グラハム『あれから 精霊〈プリンセス〉が“夜刀神 十香”として 五河家にホームステイとなり 来禅高校に通うようになってから日々が過ぎたが――――――』
士道「昼飯の時間になる度に周囲の視線が痛いんだよなぁ……」
グラハム『何だったかな、あれは? たしか、人気ランキング第3位の才色兼備の才女と見目麗しい噂の転校生を新学期早々に手篭めにしたということで、』
グラハム『妹以外の女性には見向きもしない“シスコン侍”という評価だった硬派な少年が今、』
グラハム『堂々と二股をして周囲に見せつけている色男として いろんな意味で注目の的になっているのだったな』
士道「うぅううううううううう!」
士道「鳶一は 最初から俺に好意があったみたいで 訓練とは言え『付き合う』って言わせちゃった相手だし、」
士道「十香は 折紙を差し置いて俺の生まれて初めてのデート相手で 居候させて一つ屋根の下で暮らしている仲だし……」
士道「これじゃあ、二股しているように思われてもしかたないよな!?」
グラハム『否定しようにも、夜刀神 十香は 子犬のように常にきみにベッタリで きみへの並々ならぬ好意を隠さないわけだし、』
グラハム『鳶一 折紙に至っては、夜刀神 十香とは正反対に物静かではあるが、きみに対して強い興味があることを最初に周囲に示していた』
グラハム『明らかに世間一般でいうところの友人関係の範疇から食み出しているな』
グラハム『だが 一部では、“シスコン侍”としてのきみを 引き続き 応援している層もいるらしいぞ』
士道「まあいいよ、それは。わかってはいた。わかってはいたけどさ……」トホホ・・・
士道「十香が精霊でなくなって戦わなくてすむようになって平和になったのに、」
士道「相変わらず、鳶一は 今度は俺とのことで 十香と張り合うんだな……」
グラハム『…………武器を持ち出して殺し合うよりかは微笑ましい諍いに過ぎないが、』
グラハム『だが、愛を超越すれば それは憎しみとなる』
グラハム『きみと一緒にプレイしたギャルゲーじゃなくとも、反発が続いていけば 熱を帯びて暴走し始め、いつか 刀傷沙汰に発展しかねん』
士道「誠氏ね」ブツブツ
士道「俺はあんなふうには絶対にならないぞ……」ブツブツ
士道「痴情の縺れで人生を終わらせるだなんて、武士の恥だ……」ブツブツ
グラハム『この前の 新たな訓練としてセレクトされた ギャルゲー原作アニメの鑑賞会で見たアレが完全にトラウマになっているな……』
グラハム『ある意味において、女性経験が浅い我々にとって、非常に有意義な教訓になったとは思うが……』
グラハム『しかし、こんな毎日を続けていたら、いつかとは言わずに近いうちに破綻してしまうな……』
グラハム『どう折り合いをつけていくのかを早々に見定めていかなくてはならないな、少年よ……』
殿町「やあ、五河! カノジョにコーディネートを頼まれたんだが、」
殿町「ナースと、巫女と、メイド服――――――、お前が選んでくれないか?」
士道「じゃあ、昼飯時だから割烹着が似合うやつで」
殿町「なんだって! それはつまりは『西のメイド服』に対する『東の割烹着』ってことかい!?」
殿町「そして、和洋折衷の“割烹着のメイドさん”でカノジョをコーディネートしろと?」
殿町「さすがは五河だ! 新しいカノジョの魅力がこれでまた見られそうだ!」
士道「……お前は変わらないな、殿町」ハハッ
グラハム『いつもの変わらない悪友との一時が時として心の癒やしとなるか』
士道「いつまでも続くわけじゃないからさ、今の日常も」
グラハム『そうだな』
折紙「………………」ジー
十香「シドー! シドー! もう開けてもよいか? もう待ちきれないぞ!」
士道「いいよ。今日はお前の大好きな――――――」
ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!
一同「!!?!」
士道「空間震警報!」
グラハム『夜刀神 十香の霊力封印 以来、久し振りの空間震だな』
士道「ああ」
十香「な、何なのだ、これは?」
折紙「………………」スッ
折紙「夜刀神 十香、士道を連れてシェルターに避難して」
十香「……『避難』?」
士道「………………!」
折紙「それじゃ、士道」スタスタスタ・・・
士道「……気をつけてな、鳶一」
グラハム『どうやら、彼女もまた 新たな関係性を模索しているようだな』
士道「たのむ、何も来ないでくれ……」
グラハム『残念だが、少年、先程〈フラクシナス〉から――――――』
士道「くそっ!」
士道「わかったよ!」
グラハム『そうか』
十香「シドー、さっきから みんな どうしたのだ? 何をそんなに慌てて――――――」
士道「十香! よく聞いてくれ!」
十香「シドー?」
――――――空中戦艦〈フラクシナス〉
琴里「来たわね。ちょうど 空間震が発生したところよ」
士道「十香の時と同じように爆心地に女の子――――――」
士道「あ、あの子は!?」
琴里「今回はだいぶ小規模ね」
神無月「僥倖と言いたいところですが、〈ハーミット〉ならばこんなものでしょう」
グラハム『名前は“ヤドカリ”なのに 見た目は“ウサギ”だな、少年』
士道「こんな外見の子も精霊なのか?」
琴里「気性のおとなしいタイプとして認識されているわ」
士道「おい、琴里! 一昨日の夕方、神社で見たぞ、この子!」
琴里「なんですって!?」
神無月「当該時刻に 主だった霊波数値の乱れは 認められません」
琴里「十香のケースと同じか」
士道「くそ! 空間震が起こる前に俺がなんとかできればよかったのに!」
グラハム『悔やんでも しかたあるまい。それよりも、問題はここからだぞ、少年』
神無月「あ、士道くん。ASTが到着しました。攻撃開始です」
士道「…………鳶一」
士道「琴里! なんとか止めさせられないのか!」
琴里「姿形はASTには関係ないわ。情けを求めるなら無駄よ」
琴里「彼女たちにとって、“精霊”とは それだけで駆除対象の害獣なんだから」
士道「…………!」
士道「琴里! 俺はあの子を救いたい! 今すぐに俺を送り込んでくれ!」
琴里「それでこそ、私のおにーちゃんよ!」
琴里「総員! 第一種攻略態勢の準備!」
――――――さあ、私たちの戦争〈デート〉を始めましょう。
グラハム『よもや、こうしてすぐにめぐりあうことになろうとはな、少年』
グラハム『乙女座の私にはセンチメンタリズムな運命を感じられずにはいられない』
士道「………………」
グラハム『少年……』
士道「わかってる。こんなのは俺のワガママだ」ギリッ
士道「成り行きとはいえ、鳶一と付き合っていることになっていながら、俺は十香とデートをしてデレさせて同棲までしているんだ」
士道「今更、人格者を名乗るつもりはないけど、あんな子も俺たちの関係の中に組み込んでいくことになるのかよ……」
士道「おかしいな、想像以上に心がしんどい気がする……」
士道「こんなの、“現代のサムライ”を目指しているだけの普通の高校生の俺じゃなくて、」
士道「摘み食いし放題で全員を養っていくだけの財力を持つ御曹司とかがやればいいのに…………」
士道「何なんだよ? なんでなんだよ? なんで俺に精霊をデレさせてキスすることで精霊の力を封印する力なんかが…………」
グラハム『少年。それでも、見捨てるよりは ずっとマシな選択肢を選んでいる――――――、そうではないか?』
士道「ああ。十香がそうだったように、きっと あの子も普通の女の子にちがいないんだよ」
士道「精霊であることが重荷になるのなら、せめて その力を封印して ASTに狙われることも 空間震で街をメチャクチャにするようなこともなくしたい……」
グラハム『ならば、たとえ世界から疎まれようとも、その罰が下されるまで戦い続けよう、少年!』
グラハム『世界がきみの行いを否定しようとも、私 グラハム・エーカーは常にきみと共にあることを誓おう!』
グラハム『――――――これで私ときみは共犯者というわけだ』
士道「ありがとう、グラハム。俺の守護天使」ハハッ
士道「それに、ああいう おとなしい子が本気になった時『ギャルゲーだと意外とヤバイ』って 相場が決まっているもんな」
グラハム『そうだな。『触らぬ神に祟りなし』というやつだな』
琴里「………………」