【デート・ア・ライブ】 デート・ア・ガンダム -武×士道×グラハム- 【機動戦士ガンダム00】 作:LN58
――――――潜伏現場:商業施設ビル内部
士道「あの子とどんなふうに接するべきか、結局 決まらなかったな……」
グラハム『安心したまえ。その場合の対処と調整を行うのが司令塔である〈フラクシナス〉の役割だ』
士道「明らかに見えてる地雷の選択肢を提示してくるような超高性能AIをどう信じろと――――――」
グラハム『少年、近いぞ。ビル内部に逃げ込んだ〈ハーミット〉が 突如として現れた こちらの存在を感知したようだ』
士道「これが俺たちの最高の優位性だよな。ある程度なら精霊の存在を先に感知できるんだからさ。今はそれが物凄く心強い」
グラハム『きみにそう言ってもらえるのなら、死んだ甲斐があったというものだ』
士道「それが本場のアメリカンジョークってやつ?」ハハハ・・・
士道「………………」
士道「あ」
――――――きみも四糸乃をイジメるために来たのかな?
四糸乃「………………」
士道「やあ」
よしのん「あれ~? 思ったよりも驚かなかったな~?」
グラハム『当然だ。私は心眼を鍛えている。停電した室内を私は俯瞰して見ることができている』
グラハム『擬態でもされない限りは その緑色のウサギスーツはよく目立つぞ、
グラハム『そして、異次元の存在である精霊と言えども、私のような幽霊の存在を見ることはできないことが これで完全に証明されたな』
四糸乃「………………」シュタ
よしのん「おや~? 誰かと思えば、ラッキースケベのおにいさんじゃな~い!」
――――――
琴里「士道、選択肢よ」
琴里「今度はちゃんと〈フラクシナス〉で吟味された選択肢を言うのよ。わかった?」
琴里「総員選択!」
①「ああ、久しぶり。元気だったかい?」 → 素直に挨拶する
②「ラッキースケベってなんだ、ラッキースケベって!」→ 軽快なツッコミを入れる
③「ふっ、知らないね。私は通りすがりの風来坊さ」→ ハードボイルドに決める
令音「む、同数か」
琴里「なるほど、綺麗に割れたわね」
琴里「それなら、士道。ここは③を――――――」
――――――
グラハム『――――――少年、④だ』
士道「ああ」
士道「俺は五河 士道。きみと話がしたくて ここに来た。きみの名前は?」
よしのん「お~う、ミステイク。よしのん としたことが 自己紹介を忘れるなんて」
よしのん「よしのんの名前はよしのん。かわいいっしょ、かわいいっしょ」
士道「そうなんだ。ヨシノザクラみたいで春の雰囲気が似合う感じがしていいね。そのウサギの外見にもマッチしている気がする」
よしのん「おお~! 話せるね~、おにいさん! なかなか目の付け所がちがいますなぁ!」
士道「それで、たしか きみの方は“よしの”でいいんだよね? どんなふうに書くの?」
四糸乃「………………」コクコク
士道「なるほど、“四糸乃”か。かわいい名前だね」
四糸乃「………………!」カアア!
よしのん「おお! 士道くんったらもう! 四糸乃にそんなことを言っちゃって! よっ、この色男!」
士道「……これでよかったんだよな、俺の守護天使?」
グラハム『ああ。間近に接しているからこそ わかったのだが、どうやら その精霊は本体とパペットで
グラハム『言うなれば、きみと私の今に相応する状態になっている精霊だと言えるだろう』
グラハム『あのパペットはきみが今している私との通信機と同じ役割を果たしているのだ』
士道「なるほど。でも、そんな精霊であっても『俺の守護天使とは会話できない』、と」
グラハム『そう、私ときみは この世界を救う もっともイレギュラーな存在というわけだ』
士道「ここからどうすれば?」
グラハム『ふむ。パペットの方が本心や願望を代弁しているのだとすれば、〈ハーミット〉の精神年齢は外見相応だということがわかるな』
グラハム『なら、それは我々の得意分野ではないか。5年前の日々を思い出せ』
士道「ああ なるほど。それなら俺でもいけるかも」
士道「そうだ。そういう関係でいくなら何の問題もない!」
――――――よし、四糸乃。俺と一緒に遊んでいかないか?
――――――
琴里「まったく、こちらからの指示を尽く無視してくれちゃって……」
琴里「あとで覚えておきなさいよ、士道」
神無月「しかし、ここまでの経過は非常に順調です」
神無月「2体目となる精霊〈ハーミット〉を相手に もはや慣れた様子で 着実に【好感度】を稼いでいますね、士道くん」
神無月「もしや、士道くんはああいった子が好みだったりするんですかね?」
令音「いや、それはない。シンは霊力が封印された直後の十香の裸体の方に興奮していた」
令音「それと比べると、今のシンは 平常心を保ったまま 〈ハーミット〉の【好感度】を的確に稼いでいることになる」
令音「もしかすると、身近な誰かを参考にして接しているのかもしれないね」チラッ
琴里「え」
神無月「ああ なるほど。グラハム氏の観察から 士道くんは司令の幼い頃を参考に――――――」
琴里「だ、黙りなさい!」ゲシッ
神無月「あ、ありがとうございます……」グハッ
琴里「そ、そんなわけないじゃない!」アセアセ!
琴里「それじゃ、まるで私がチョロい女に思われているみたいじゃない!」カアアアア!
――――――
よしのん「わっはははは!」
四糸乃「――――――」フリフリ・・・
よしのん「どうよ、士道くん? かっこいい? よしのん、かっこいい?」
士道「ジャングルジムで仁王立ちか。度胸があるんだな。俺でも 結構 怖いと思うのに」
士道「かっこいいよ、よしのん!」
よしのん「うんうん! 士道くん、ありがとう!」
グラハム『そうだ、少年。できる限り 本体である“四糸乃”の方に意識を向けるべきだが、分身である“よしのん”の方もしっかりと褒めるのだぞ』
士道「わかってるって。俺をはじめとして二重人格者みたいなのには慣れているからさ」
士道「鳶一といい、十香といい、琴里といい、どうして俺の周りの女の子には
グラハム『――――――『女性は化粧をすることで化ける』とも言うし、いろいろと複雑なものなのさ』
グラハム『それに、『女性は恋をすることで大胆になる』とも聞くし、『女やもめに花が咲く』とも聞く』
グラハム『逆に、『男性は恋をすることで臆病になる』と言うし、『男やもめに蛆がわく』そうだ』
グラハム『――――――『女性は生まれながらに強かな面を常に隠し持っている』というわけなのだろう』
士道「まったく、こういう時に一番に頼りになるのは やっぱり常識人ってことだよな」
士道「〈フラクシナス〉のギャルゲー思考に染まりきったAIの出す選択肢はどうにも当てにならないし」
グラハム『いや、ああいった非常識な選択肢の存在はかえって自分を冷静にさせるものになりうるから非常に重要な参考意見だぞ』
士道「それでも、『参考意見』なんだろう?」
グラハム『まあな。現場のことは現場で判断した方が的確であることも多々あることだからな』
グラハム『何にせよ、すでに〈ハーミット〉の【好感度】は7割を超えている』
グラハム『そろそろ、落とし所を考えなければならないな』
士道「そうだよな……」
士道「十香の先例を考えるに――――――、」
士道「精霊の強大な霊力が封印されたおかげか、十香の大食いもだいぶ抑えられていたし、普通に生活させる分には問題ないことはわかった」
士道「けど、それは十香が霊力を封印されるのを納得してくれているから現在が成り立っているだけで、」
士道「もし 俺が四糸乃の霊力を封印して よしのんがいなくなったとしたら、俺は四糸乃の大切な友達を奪うことになる……」
士道「それに、霊力を封印して普通の女の子になった後の衣食住も与えないと、か……」
士道「さすがに四糸乃ぐらいなら まだ俺の家に入れられるけど、それ以上の精霊と一緒に暮らすにはいろいろと限界があるぞ――――――」
グラハム『近々 精霊たちの衣食住のために〈ラタトスク〉が経営する精霊マンションなるものが建築されるそうだ』
グラハム『建築そのものはASTが精霊との交戦の痕跡を消すために
グラハム『ただ、十香の場合は見た目はきみと同じぐらいの歳の乙女であっても、精神年齢は四糸乃とそう変わらないだろう』
グラハム『よって、十香と四糸乃には保護者の存在が必要不可欠となるわけだ』
士道「俺、来年で来禅高校を卒業するんだけどな……」
グラハム『問題なんてものは これから先 いくらでも湧いて出るのだから、今は目の前のことに集中するといい』
グラハム『それに、十香や四糸乃のように保護者が不必要なほどに自立した精霊が現れたとしたら、』
グラハム『それはそれで、狡猾な知恵を身に着けて人間社会に溶け込んでいることも十分に考えられるのだからな』
士道「そう考えると、まだまだ御しやすい方なのかな。人聞きが悪いかもしれないけれど」
四糸乃「………………!」グラッ
グラハム『少年!』
士道「わかってる!」ダダッ!
四糸乃「あ」
士道「おっと、危ないぞ、おてんば娘」ガシッ ――――――お姫様抱っこ!
四糸乃「………………」ジー
よしのん「………………」
士道「あれ? どうしたんだ、四糸乃? よしのんも何とか言ったらどうなんだ?」
士道「ど、どうしたんだよ? そんなに見つめて、俺の顔に何か――――――」
四糸乃「――――――」チュッ
士道「あ? ああ? よ、四糸乃、いったい何を……」カアアア!
四糸乃「………………」ドキドキ
グラハム『なんと! これは不覚であった! 彼女もまた一人前のレディであったか!』
グラハム『しかし、身持ちが堅いな、
グラハム『あくまでも少年と対話していたのは“よしのん”の方であって、それで霊力の封印にまでは至らなかったようだな』
グラハム『少年、ここは一気に踏み込んで“ひと夏の恋”として実らせるのも一興ではないか?』
よしのん「ああ ごめんごめん、士道くん。不注意だったよ~」
士道「なあ、四糸乃? さっきのは? え?」ドクンドクン
グラハム『……少年、動揺しているのか?』
グラハム『無理もないか。キスという行為自体に相当な覚悟が必要だと言うのに、相手の方から不意にされたのでは 少年の童心には――――――』
グラハム『!?』
グラハム『この感覚は!? なぜ ここに きみが――――――』
士道「ん、どうした?」
――――――
琴里「士道、緊急事態よ!」
――――――
士道「え」
士道「あ」
士道「……十香」
十香「…………士道、今 何をしていた?」ゴゴゴゴゴ
士道「な、何って……」
士道「あ……」
士道「そ、それは…………」ドクンドクン
十香「あれだけ心配させておいて、女とイチャコラしているとは何事か!」ドオオオオオオオオン!
士道「なっ、霊力が封印されているんじゃなかったのか!? こいつはヤバイって!」
グラハム『いや、元の霊力がみなぎりつつある。少年が施した甘く情熱的な霊力の封印が解けかかっているのだ』
士道「え、じゃあ、またキスをしないといけないのか? あ、その前にまたデレさせないとダメなのか?」
――――――
琴里「あっちゃー……、だいぶ【精神状態】が不安定になっているわね」
琴里「精霊の力が逆流しちゃっているわよ」
琴里「でも、完全に封印が破られたわけじゃないから、機嫌を良くすれば精霊の力はまた封印されるわ」
琴里「とにかく、今はこの場をなんとか切り抜けるのよ!」
琴里「さもなければ、悲劇は永遠に繰り返されるわ!」
――――――
士道「そんな無責任な!?」
グラハム『少年。“霊力消滅”ではなく、“霊力封印”であった時点で、こういった事態は想定されていた』
士道「ちょっとまってくれよ! 十香の時でさえ命を懸けたのに ずっとそのリスクを抱え込んで積み上げていかないとならないのか?」
士道「ああ そうだった! 常識的に考えてそうだよな!」
士道「十香ですらこんな反応をしてくるのに、これ以上 家に女の子を連れ込むだなんて不可能な話だよな!?」
士道「そんな!? だとしたら、どうしたらいいんだ!?」ガクッ
士道「どうしたら…………」orz
士道「どうしたら………………」グニャアアア
――――――
琴里「士道! 士道! 応答して!」
琴里「今すぐに十香の【機嫌】を直さないと、霊力封印が完全に解けてしまうわ!」
琴里「そうなったら、この前の作戦の成功も全てが水の泡になるのよ!」
琴里「士道!」
――――――
グラハム『少年! 少年! きみが現実逃避してしまったら、誰が孤独な彼女たちを救ってあげられるのだ!?』
士道「そんなことを言ったって、このまま裏切りに裏切りを重ねて得られた安息なんて砂上の楼閣だろうに!」
士道「俺はただ“精霊”であるだけで世界から排除される運命を背負わされた彼女たちを助けたいだけなのに、」
士道「俺の方が彼女たちに背を向けてどうするんだよ……」
グラハム『やむを得ない』
グラハム『ならば、ここはきみに代わって私が彼女たちの誤解を解いてみせよう』
グラハム『少年、今すぐに腕の通信機のダイヤルを回すのだ!』
グラハム『少年! 少年!』
――――――〈
四糸乃「………………!」
士道「四糸乃!?」
グラハム『――――――〈ハーミット〉の天使! なんと荒々しくも巨象のように雄々しい雪兎か!』
氷結傀儡「――――――!」
グラハム『少年!』
士道「――――――危ない、十香!」ガバッ!
十香「くっ」
バリィイイイイイイイイイイイイン!
折紙「あれは〈ハーミット〉!? このまま消失するまで潜伏していると思っていたけど、出てきたのなら この機を逃すわけにはいかない!」ジャキ!
折紙「攻撃命令、確認!」ズバババババ!
四糸乃「きゃあああああああ!」
折紙「精霊、今度こそ――――――」
氷結傀儡「――――――!」プシュウウウウウウウ!
折紙「くっ!」
折紙「…………!」
折紙「――――――消失」
折紙「結局、また指をくわえて見ているだけだった……」
折紙「ん?」
折紙「これは――――――」ヒョイ
グラハム『――――――〈ハーミット〉の気配がなくなった。消失したか』
グラハム『……フラれたな』
士道「怪我はないか、十香?」
十香「いいから、早く離れんか」
士道「十香……」
十香「触るな」ドン!
士道「………………あ」ジワッ
十香「あ」
士道「……ごめんな、十香」ポタポタ・・・
士道「うわあああああああああああああああああああああああああああああああ!」ダダダダダ!
十香「シドー!?」
十香「あ、待ってくれ! シドー! シドー!」
グラハム『…………まさに修羅場だな』
――――――
琴里「――――――今回の敗因は?」
令音「きっかけは あの場に夜刀神 十香が現れたことではあったけれど、」
令音「何人もの女の子と付き合うことにシンが納得しきれなかったことが根本的な原因となったようだ」
神無月「人の心は たとえ それが現状でのベストだと理解しても、それに納得しきれるかまでは別ですからね」
神無月「そうなると、我々の方で士道くんが精霊と次々とデートしてデレさせるための新たなバックアップ体制も必要となりますね」
神無月「有り体に言えば、士道くんには 精霊を見つけ次第 全力でデレさせて その霊力を封印するのに専念してもらう――――――」
神無月「そのために、我々の方で霊力封印をした後の精霊たちの関係調整を積極的に図らないことには安心できないでしょう」
令音「そうだね。これはシンに十香の管理の全てを一任した私のミスだ」
令音「霊力封印によって
琴里「……そう。なら、そうしてちょうだい」
琴里「…………おにーちゃん」
琴里「…………ごめん」
――――――