【デート・ア・ライブ】 デート・ア・ガンダム -武×士道×グラハム- 【機動戦士ガンダム00】 作:LN58
●実は原作よりもメンタルがもろい“現代のサムライ”五河 士道 -変革の始まり-
というより、状況に翻弄されっぱなしで次から次へと起こる急展開に反応が追いつかないのが原作の五河 士道であり、
ジャングルジムから足を滑らせて落っこちた四糸乃を受け止めた拍子に唇が重なってしまったことに言葉が何も出てこなかった――――――。
そもそも、ASTに包囲されている中で停電した商業施設の暗がりの中でデートしている状態なので、
来禅高校の地下シェルターに避難しているはずの夜刀神 十香が乱入してくる超展開には本当に声が出なくなっていた――――――。
一方、今作では、守護天使の導きもあって第一印象を最大限まで良くすることに成功していたのだが、
なまじ、冷静に状況を把握して将来を見据えて選択をすることができる知性があるせいで、
元々〈デート・ア・ライブ〉が抱えている将来的な問題によって早々に行き詰まるだろうことを理解してしまっている。
そのせいで、一人の精霊を攻略するのならば“現代のサムライ”としての知性や能力で原作よりもはるかに手際良く進むのだが、
逆に“現代のサムライ”としての倫理観や貞操観念などに抵触すると、途端に攻略に行き詰まってしまう。匙を投げてしまうのだ。
というより、精霊との戦争〈デート・ア・ライブ〉に対して理解はしても納得はできないまま身を投じているため、頭は冴えても どうにも士気が低いのだ。
だから、頼りがいがあるように見えて、どこか投げやりだし、すぐにあきらめてしまうようなメンタリティとなっている。
また、それ以前の日々で培われた“現代のサムライ”としての自信が回復しきっておらず、
自分がデレさせて霊力封印した精霊との日常やつきあいにもまだ自信がもてない状態でもあるため、
〈プリンセス〉夜刀神 十香の怒りをただただ受け容れる他なく、
いろいろと違いすぎた精霊との戦争〈デート・ア・ライブ〉の日々に耐えきれずに涙ぐむことになってしまった。
裏返せば、〈プリンセス〉夜刀神 十香との戦争〈デート〉は理解や納得を超えた自分や相手の中の“本物”に突き動かされた結果であり、
精霊を相手に命を張りに行くだけの動機や使命感が確立されないことには精霊に勝利する奇跡の再現ができない。
世界を空間震から救う大義名分はあっても、自分の青春を見ず知らずの精霊相手に費やす覚悟はその都度しなければならないのだ。
――――――よく考えてみてもらいたい。
将来設計もたしかな高校生が 突然 不特定多数の特殊災害指定生命体“精霊”を相手にデートしてデレさせることを強要され、
命懸けで霊力封印のキスができたら、それで全てが終わりと言うわけではなかったのだ――――――。
それで全てが終わっていたら、どれだけ気が楽であっただろうか。
しかし、現実には霊力封印した元精霊とは霊力逆流の危険性による封印解除もあって一緒に居続けなければならないのだ。
そして、精霊は一人ではない――――――、『空間震から人々を守る』などという中途半端な大義名分が少年の逃げ道を塞ぐ。
――――――俺が想像していた未来はいったいどこへ行ってしまったのだろう?
『できなくて元々』なんかではない――――――、
同世代の少年少女よりもはるかに能力があるが故に事態の深刻さを正しく理解して、
その重みに真っ先に押し潰されそうになっているのが、今作の“現代のサムライ”五河 士道である。
〈プリンセス〉夜刀神 十香との出会いを皮切りに毎日100%以上の能力を出し切ることを強制される日々の中で少年は変革を余儀なくされるのであった。