【デート・ア・ライブ】 デート・ア・ガンダム -武×士道×グラハム- 【機動戦士ガンダム00】 作:LN58
士道「せいっ!」
士道「はっ!」
士道「てぇい!」
士道「…………フゥ」
士道「朝の素振り千回、終わり……」
士道「シャワーを浴びて、朝の支度っと――――――」
士道「あ、まぶしい…………」チカッ
グラハム『おはよう、少年。今日も精が出ているな』
士道「ああ。朝の空気はいつだって最高に美味いぜ」
グラハム『ショールームのような一室でする朝の素振り千回も手慣れたものだな』
士道「まあな。出入りは真正面しかできないから、頑丈な鉄の扉の裏の網戸とガラス戸を使うしかないんだ」
士道「知ってるかもしれないけれど、この柔剣道場は5年前だったかの俺の誕生日プレゼントに養親が建ててくれた場所なんだ」
士道「利用者は俺ぐらいしかいないから、奥の柔道場がいつも寂しいことになっているけど」
グラハム『さすがは世界最高の
士道「考えてみると、『5年前に誕生日プレゼントとして建てた』ってことは 『最初から俺を精霊との対話に備えて育てよう』ってことになってたんだろうな」
グラハム『………………』
士道「まあ、一人で使う分にはだだっ広いだけだから、いろいろなことに利用されるホールとして活用してきたけどな」
士道「しっかし、これから霊力封印してきた精霊が増えるから、その住まいを与えることにはなるけど、」
士道「まさか、俺の家の隣に建てられた柔剣道場が そのまま精霊マンションの一部になるだなんてな」
士道「いやぁ、
グラハム『道理で、最近 この柔剣道場の周りが少しずつ空き地になっていたわけだ』
グラハム『マンションの物件としての名前は『グラズヘイムマンション』。霊力暴走時のことを考慮し 頑丈に造られているそうだ』
士道「けど、精霊ってのは『この高層マンションがいっぱいになるぐらいいる』ってのか?」
士道「いくら 阿修羅すら凌駕する存在になる決心をしたからって、マンションの住人全てを攻略していく展開ってのは あんまり想像したくないんだけどなぁ……」
グラハム『それはわからない。少なくとも、〈ラタトスク〉が保有するデータでは精霊は10体にもならないぐらいだったのは確かだ』
グラハム『どちらかと言うと、夜刀神 十香のように 力加減がまだ不慣れな元精霊による器物破損に備えて 予備の部屋を大量に用意したように思えるがな』
士道「ああ なるほど……。霊力封印の状態でも、軽く壁に穴を空けるぐらいだもんなぁ……」
ドッゴーン!
士道「早速きたか……」
グラハム『少年、エマージェンシーだ』
士道「わかったわかった」
――――――俺がしっかりと面倒を見てやるからな、みんな!
――――――自宅
士道「ごめんな、四糸乃。十香みたいに外に連れ出せなくってさ」
士道「俺が学校に行っている間にお使いを頼もうかと思ったけど、常に女の子一人の状態はかなり危ないからさ」
士道「ずっと家に居て 退屈してないか?」
四糸乃「ううん、士道さん。そんなことありません」
よしのん「うんうん。いつも士道くんの家でのんびりテレビドラマを見ているしね」
四糸乃「それに宿題もあります」
士道「――――――『宿題』? 初耳だな」
四糸乃「琴里さんからの宿題」
よしのん「これから生きていく上で必要なものってことで、いろんな課題が届くんだよ」
四糸乃「今日はこれが宿題です」
士道「これ、一般教養の問題集か。俺も小学生の時に解きまくったよ。おかげで、大人顔負けの学力を早いうちから養うことができたもんだ」
四糸乃「あ、あの…………」
士道「どうした?」
よしのん「ほらほら、四糸乃! 頑張らないと!」
グラハム『少年』
士道「ああ。どうしたんだよ、四糸乃?」ニコッ
四糸乃「あ、あの、士道さん」
士道「うん」
四糸乃「今日は宿題を手伝ってもらえないでしょうか?」
士道「いいぞ」
四糸乃「あ、ありがとうございます!」
士道「そういうことなら遠慮なく俺を頼ってくれよ」
四糸乃「で、でも、士道さんはいつもいつも頑張っていて、その…………」
士道「ならさ、ここでの苦労を取り戻せるぐらいに四糸乃が大きく育ってくれよ」
四糸乃「え」
よしのん「おお! 士道くんったら、大胆!」
士道「何を言っているんだよ、よしのん。そんなんじゃないって」
士道「教育っていうのは投資だからな。根気強く粘り強く続けていって、始めてから間を置いて成果が得られるものだから」
士道「俺は四糸乃がみんなに『大丈夫』って言ってあげられる未来を信じているから、」
士道「大きくなった時にそれが実現する――――――その手助けができれば 最高に嬉しいよ」
四糸乃「し、士道さん……」
よしのん「言うね言うねぇ! さっすが士道くん!」ヒューヒュー!
士道「それに、よくわからないことに人は怯えるわけだから、四糸乃の人見知りもまずは知識の世界から解決していけたらいいな」
士道「そしたら、俺やみんなと一緒に街にでかけていくこともできるようになるからさ」
士道「これも四糸乃にとって大事な一歩だから、俺が手を貸さないわけにはいかないな」
士道「ほら、外の世界は怖いものや怖いこともいっぱいあるけれど、楽しいことも嬉しいこともいっぱいあるんだぞ」
士道「十香はそれを先に知った」
士道「俺は待ってるからな、四糸乃」
四糸乃「士道さん……」
よしのん「でもでもぉ!」ニヤニヤ
四糸乃「よしのん……?」
士道「?」
よしのん「四糸乃にとって外の世界って士道くんのことなんだから、」
よしのん「士道くんと一緒の時間がこれから増えていくなら、別に宿題を頑張らなくてもいいよね!」
よしのん「だって、士道くんは四糸乃のことが好き過ぎて、自分がやっていたことも放り投げてでも絶対に来ちゃうんだし!」
士道「なんだと、よしのん……?」ピクッ
四糸乃「よ、よしのん!」アワワワ!
四糸乃「し、士道さん! よ、よしのんを許してください――――――」
士道「よしのんは賢いな」
四糸乃「え」
よしのん「えっへん!」
士道「じゃあ、俺がどれだけ四糸乃の幸せを願っているかもわかっているよな?」
よしのん「もちろんだよ、士道くん」
四糸乃「は、はぅ…………」
よしのん「でも、四糸乃だって、士道くんがどれだけ無理をしてきているのか、わからなくても知ってはいるんだよ?」
よしのん「だからさ、士道くん」
よしのん「何もかもが嫌になったら、たまには 全部 忘れて、四糸乃と遊ぼうよ。そうすれば、また元気になれるよ」
士道「!!!!」
よしのん「さあさあ、今から士道くんは四糸乃の家庭教師の先生だよ! わからないことがあったら何でも先生に訊こうね」
四糸乃「う、うん」
四糸乃「よろしくおねがいします……」
士道「あ、ああ……、こちらこそ……」
グラハム『少年は今こう思っている』
グラハム『精霊は存在した時から孤独であることが宿命――――――』
グラハム『だと言うのに、なぜここまでの言葉が出てくるというのだろう?』
グラハム『少年の中に 今までの女性経験の中で味わったことのない 感情が芽生えていた』
グラハム『俗に言えば、バブみを感じてオギャりたくなる衝動に 一瞬 駆られていた』
グラハム『もちろん、少年と常に一緒の享年34歳の未来人の幽霊である私も、その在り方に尊さを感じていた』
グラハム『仮にもし出会う順番が違っていたのなら――――――、最初に少年が出会った精霊が〈ハーミット〉であったとするなら、』
グラハム『少年の特殊災害指定生命体“精霊”に対する感情は今とはもっとちがったものになっていたかもしれない』
グラハム『もっとも、最初の戦争〈デート〉相手にするのにはちがった意味で難易度が高い精霊であるのはたしかだ』
グラハム『そういう意味では、〈デート・ア・ライブ〉が始動してからを数えて“第2の精霊”として攻略できたことがベストな結果に繋がったと言える』
――――――つまり、〈ハーミット〉四糸乃とよしのんとの出会いもまた、戦争〈デート・ア・ライブ〉を始めたばかりの少年にとっては福音のようなものであったのだ。
――――――精霊マンション1階:柔剣道場
士道「お点前、どうぞ」
折紙「お点前、頂戴いたします」
グラハム『今日この日、少年と鳶一 折紙は柔剣道場で“茶の湯”を嗜んでいた』
グラハム『少年が亭主となって風情のない柔剣道場の中に瀟洒な茶の席を拵え、鳶一 折紙もまた客人として謹んで手前を頂戴していた』
グラハム『私は少年が武者修行をしていた5年間、ずっと眠りに就いていたので、これが正しい作法なのかはまるでわからないが、』
グラハム『二人共、和装を身に纏い、物静かに淀みなく茶の席を和やかに楽しむ姿と完成された作法に醸し出された美を見出すことができる』
グラハム『少年が 中学時代 我武者羅に“現代のサムライ”足ろうとして戦国時代のサムライたちの教養を習得しようとしていたことは皆も知るところだろう』
グラハム『少年はすでに茶の湯の師匠から極意も教わっており、『将来的には二十代での免許皆伝も夢じゃない』と言われているほどである』
グラハム『しかし、同時に『茶の湯の極意を生活の中に表現できていない点では まだまだ人間としての修養が足りていない』とも言われており、』
グラハム『焦らず じっくり 根気よく 日常生活の傍ら 稽古と実践を続けていくことを繰り返し言われていたのであった。”守破離”というやつらしい』
グラハム『古武術の師匠や伝統芸能の師匠からも同じことを言われている』
グラハム『どうやら、その道の大家と呼ばれるような達人たちの少年への人物評はみな同じということらしい』
グラハム『かくいう私も、少年は急ぎすぎるところがあるのはわかっていたので、達人たちと同じ見解であったことに密かに舞い上がってもいたものだ』
グラハム『また、そんな一流の文化人たちの許に弟子入りを認められる少年の根性と度胸は達人たちのお眼鏡にかなうものがあったことを証明してもいるのだった』
士道「おしまいください」
折紙「おしまいさせていただきます」
グラハム『そして、少年が今日の茶はどこの銘茶でどのように素晴らしいのか、柔剣道場に拵えた茶の席の飾りにはどういった意味や由来があるのかなど、』
グラハム『様々な話題を提供しながら、大変美味である茶菓子を頬張って、客人が茶を飲み干すと、』
グラハム『茶の席は舞台芸術のように厳かに幕を下ろした』
グラハム『少年が言うには、茶の席で大事なものは“おもてなしの心”だと言う』
グラハム『要するに、『客人をこの場に喚んで互いに良い気分で和やかに帰らせる』というのが茶の席の基本だという』
グラハム『居酒屋で上司や職場の愚痴を吐き出して酒気帯びで夜道を一人帰るのとはわけが違う』
グラハム『現代日本の価値観で言えば、キャバクラやホストクラブと似たようなものであると言えるだろう』
グラハム『しかし、キャバクラやホストクラブで体験できない“茶の湯”で体現されているものを普段の生活の中に実践していくことこそが修養の証であり、』
グラハム『茶は剣に通ずる――――――、血生臭い時代を生き抜いてきた戦国武将たちの奥義と言えるだろう』
グラハム『それを思うと、鳶一 折紙もまた、“茶の湯”に嗜みがあることが一目でわかるほど見事な作法であり、』
グラハム『我々がよく知る鳶一 折紙の姿からは想像もできないほどの気品と貞淑さを醸し出していたのだが、』
グラハム『少年と比べると“茶の湯”の奥義というものを掴み取れていない印象がある』
グラハム『…………何というのであろうな?』
グラハム『少年は“茶の湯”の伝統と歴史に敬意を払い、“茶の湯”を心の底から愛していることが所作から伝わるが、』
グラハム『やはり、鳶一 折紙からは『自分が好きになった人の趣味に合わせているだけ』のような印象がなぜかしてくるのだ』
グラハム『無論、これは“茶の湯”に関してまったく無知の素人の意見でしかないが、』
グラハム『曲がりなりにも少年と共に“武士道”を学び直してきた身だ。心眼は以前よりも研ぎ澄まされていると私自身は思ってはいるが……』
士道「はい、これで堅苦しいのは終わり」
士道「今日は楽しんでもらえたかな?」
折紙「すごくよかった」
士道「そいつはよかった」
士道「こいつは“現代のサムライ”を目指して武者修行していく中で覚えたものだけど、」
士道「こうやって一緒に“茶の湯”をやれる相手がいないもんだから、内心 作法に間違いがないか不安でもあったんだ」
折紙「そういうことなら、今度は私が士道のために茶を点てる」
士道「そうか。そいつは楽しみだな」
折紙「――――――夜刀神 十香にできないことなら、尚更」フフッ
グラハム『少年、毒を盛られるなよ?』
士道「え」
士道「あ」アセタラー
折紙「?」
士道「あ、いや、今回みたいに互いに気持ちいい気分で終われるようなやつで頼みたいな……」
折紙「もちろん、キモチイイ気分で終われるようにする」
士道「そ、そうか? なら、いいんだけど……」
グラハム『どこか そのままの意味に聞こえてしまうな……』
折紙「――――――」ペロリッ
折紙「ところで、士道」
折紙「ここは柔剣道場の畳の上」
士道「え? まあ、そうだけど、ご覧の通り、柔道場の部分は畳であることを活かしたイベントホールBになっているけど?」
折紙「つまり、畳の上、すなわち寝技をかける場所」
士道「ん」
折紙「食後の運動も兼ねて、今から私と護身術の訓練を行うべき」シュル・・・
士道「んん?」
折紙「さあ、士道。私に寝技をかけて」ドタッ
士道「んんん!?」
グラハム『そういうと、鳶一 折紙は少年の目の前で和装を解いて肌を露出させて、畳の上にわざとらしく寝転ぶのであった』
士道「いやいやいや! 何をやっているんだ、折紙ぃいいい!?」
折紙「士道と寝技の訓練」
士道「ふざけてないで、服を着なさい!」
折紙「なら、士道が着せて」
士道「は」
折紙「着替えはバッグの中に入っているから」
士道「いや、そうじゃなくて――――――」
士道「ハッ」
士道「お、折紙!? お前、まさか、穿いてないのか!?」カアアアアア!
折紙「そうした方が着崩れしない。これが正しい着付けの仕方」
士道「そんなわけあるか! 昔の人は肌襦袢や布おむつを着ていたっての! 今だと和装下着なんて便利なものもあるぞ!」
士道「こ、これは家元さんが言っていたことだけど、下の方にはパンティライナーっていうのを入れておくといいらしいぞ……」コホン
折紙「じゃあ、今から私とパンティライナーを買いに行こう、士道」
士道「か、勘弁してくれぇ!」
グラハム『何を言っても辱めを受けてしまいそうだな、少年よ』
士道「こんなの、どうすればいいんだよ!?」
士道「そうだ! 三十六計 逃げるに如かず――――――、」チラッ
士道「悪いな、折紙。ちょっと 俺、トイレに――――――」バッ
グラハム『少年! 鳶一 折紙から目を離すな!』
士道「!!」ビクッ
折紙「士道」ムギュッ
士道「うわっ」ドサッ
折紙「士道」スリスリ
折紙「士道」クンクン
折紙「士道」ウットリ
士道「し、しまったぁ……」ドクンドクン! ――――――開けた和装からの生の感触が背中からゾクゾク伝わってくる!
グラハム『少年、私の助けが必要か?』
士道「……もういいです。下手に動くよりもこのままジッとしていた方が安全な気がした」トホホ・・・
グラハム『そうか』フフッ
士道「おーい、折紙……」
折紙|スゥーーー・・・・
グラハム『どうやら そのまま夢心地に入ったようだな』
士道「俺の背中がそんなに寝心地が良かったのか?」ハハッ
士道「折紙、お前は『俺と一緒にいることができれば、もう何でもいい』って感じなんだな……」
グラハム『柔肌を晒すとは破廉恥ではあるが、その姿、まさに眠り姫だな』
士道「でも、人々の平穏な暮らしを守るために、特殊災害指定生命体“精霊”と人知れず命懸けで戦ってきていることなんだし、」
士道「これで少しは労れたかな?」
グラハム『だが、無理につきあう必要もないのではないか?』
グラハム『利害の不一致を理由に今の関係を解消してもいいぐらいだぞ?』
士道「いや、俺が救いたいのは精霊だけじゃないんだ」
士道「この戦争に関係してくる人たち全員を救いたいんだ。精霊もASTも秘密結社も一般人も関係ない」
士道「精霊とデートしてデレさせる〈デート・ア・ライブ〉は手段の一つでしかない」
グラハム『だから、時にはASTに精霊を処理させることも厭わないつもりなのだな』
士道「精霊の側にも言い分はあるけど、ASTの側にも言い分はあるからな」
グラハム『最初はASTによる攻撃は空間震による現界を早める要因ということで、ASTのやり方を否定していたように思うが?』
士道「基本的にはそうだ。それは今も変わらない」
士道「でも、有事に際しての備えは絶対に必要だ」
士道「俺は俺のやり方を貫いて、俺が対話に失敗した時に備えて、選択肢は少しでも多く残されていた方がいいはずだ」
グラハム『そのとおりだな。まったくもって』
グラハム『その心が24世紀に訪れた地球外生命体との初の宇宙戦争を真の勝利に導いたのだ』
士道「そりゃあ、だって、300年後の未来がそうなるってことをグラハムが教えてくれたから」
士道「俺を変えてくれたのは、グラハム・エーカー。俺の守護天使だ」
グラハム『そうであったな』フッ
折紙|スゥーーー・・・・
士道「……ところで、俺はいつまでこの状態なんだろうな?」
グラハム『このままでは既成事実を創ることになるであろう』
士道「たしかに、『俺と寝た』と言えるような状況ではあるよな……」
グラハム『むしろ、何もかもが計算尽くの状況とすら言える』
グラハム『衣装を開けさせて肌を密着させた状況に持ち込まれた時点で既成事実は回避できないものとなった』
グラハム『このままの状態を維持すれば、文字通り『少年と寝た』ことになり、』
グラハム『何とか引き離して放置したところで、『少年に犯された』と在りもしないことを捏造されかねん』
グラハム『かと言って、このまま何も飲まず食わずで柔剣道場に居続けるのも夕飯の支度を控えている少年には耐えられない状況であるし、』
グラハム『すぐ隣とは言え、自宅に駆け込む時に鳶一 折紙の柔肌が世間の目に晒される可能性もある』
グラハム『そして、服を着せるにしても、穿いていないのだから、柔肌以上のものを目に焼き付けることを覚悟しなければならない』
士道「そ、そんな状況になっていたのかよ!? “詰み”じゃないか!? え、ここ、俺の柔剣道場だよね!?」
グラハム『ならば、ここは奥の手を使う他あるまい』
士道「それって、どんなだ? それで何とかなるんだよな!?」
グラハム『まあ、見ていたまえ』
グラハム『哀しいが、これも軍人として当然の性だ』
ブウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!
士道「あ、これは――――――」
折紙「!!」ガバッ
折紙「士道、今日はこの辺で」ダダッ
士道「屏風があるから、その裏で着替えてくれ。亭主の面子を潰すようなことを客人はしないでくれよ」
折紙「ええ」
士道「また茶を楽しもうな。洋式のアフタヌーンティーでもいいぜ」
折紙「その時を待っていて」
折紙「それじゃ、士道。また明日」
士道「ああ。また明日――――――」
タッタッタッタッタ・・・
士道「悪いな、折紙……」
士道「あれ、もちろん、嘘の出動命令だよな?」
グラハム『どういったものが採用されているかは訪問した時に把握していたからな』
グラハム『それに、元ASTの隊長も〈フラクシナス〉にはいる』
士道「けど、相手の手の内がわかっているにしても、奥の手を使わされるぐらい どうしようもなかったな、俺……」
グラハム『だが、それぐらいの緊張感と刺激のある競争相手がいるからこそ、〈デート・ア・ライブ〉の遂行に より一層 磨きがかかるというもの』
――――――つまり、少年と鳶一 折紙はつきあっていることになっている間柄だが、互いの信念をぶつけあう競争相手という本気の間柄でもあったというわけだ。