【デート・ア・ライブ】 デート・ア・ガンダム -武×士道×グラハム- 【機動戦士ガンダム00】   作:LN58

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第1話 四月一◯日 Apart

――――――新年度:4月10日

 

士道「せいっ!」

 

士道「はっ!」

 

士道「てぇい!」

 

 

士道「…………フゥ」

 

 

士道「朝の素振り千回、終わり……」

 

士道「シャワーを浴びて、朝の支度っと――――――」

 

士道「あ、まぶしい…………」チカッ

 

 

――――――あれから5年か。

 

 

士道「今日から新年度。俺も来禅高校の2年生か。本当にあっという間だったな」

 

士道「こうして ここからの朝日を拝める日々も 気づいた時には終わりを迎えるんだろうな」

 

士道「なあ、正確にはあと4ヶ月だけど、俺は“現代のサムライ”を目指して今日もがんばっているからな」

 

 

――――――グラハム・エーカー。()()()()()()()使()

 

 

琴里「おにーちゃん、おはよう……」フワァ・・・

 

士道「おう、ちゃんと起きられたんだな、えらいぞ」

 

琴里「今日から学校だなんて……、学校なんて無くなっちゃえばいいのに……」ハア

 

士道「思っていても口にしない」

 

琴里「あ、しまった!」

 

士道「ど、どうした!?」

 

琴里「おにーちゃんに“おはようのキス”をしてもらってなかった!」

 

士道「ああ はいはい。いつものように手にしてやればいいんだろう」

 

士道「それよりも、ゲームで夜更かしなんて もうダメだからな」

 

琴里「えええええ!? そんなぁ!?」ガビーン!

 

士道「当たり前だろう。春休み中のぐうたら生活は今日で終わりにして、しっかりと勉強をするんだぞ」

 

琴里「おにーちゃんだって、夜更かししているくせに! ズルいのだ!」ブーブー!

 

士道「なら、俺の代わりに毎日の朝ごはんを作ってくれるんだったら、別にいいぞ」

 

琴里「うぅ…………」

 

士道「琴里、俺のかわいい妹よ。俺が来禅高校を卒業したら 家で一人っきりになるかもしれないのに、そんな調子で大丈夫なのか?」

 

琴里「無理! 耐えられないよ! おにーちゃん!」

 

士道「そ、即答かよ……」

 

士道「だったら、明日からでもおにーちゃんと朝ごはんを作ろう。な?」

 

 

琴里「おにーちゃんは私と一緒じゃなくなっても平気なの?」ウルウル・・・

 

 

琴里「おにーちゃん……」ウルウル・・・

 

士道「お、おい、琴里……」

 

士道「お、俺は………………」

 

 

琴里「あはははは! ほら、やっぱり! おにーちゃんの方が耐えられないじゃない!」

 

 

琴里「だから、おにーちゃんはずっとこの家にいるのだ! ずっと私と一緒!」

 

琴里「私ね、おにーちゃんのことが大好きだよ」

 

士道「く、くそ、琴里ぃ……」

 

士道「ああもう! なんでこんな子に育っちまったのかな?」

 

士道「ああ 俺のせいか! 海外勤務で両親が不在で 妹を預かっていた俺が甘やかしてきたばっかりに!」

 

 

 

――――――

「今日未明、天宮市で小規模の空間震の発生が観測されました――――――」

――――――

 

士道「またか。近いな」

 

琴里「だね」

 

士道「最近、特に多くないか? よりにもよって、なんで日本にばかり集中して――――――」

 

琴里「そうだねぇ」ペロッ

 

 

――――――ちょっと予定よりも早いかな?

 

 

士道「おい、こら!」ドン!

 

琴里「!!?!」ビクッ

 

士道「飯の前だぞ! またチュッパチャプス! 虫歯や糖尿病になるぞ!」

 

士道「今すぐに出せ! 口に入れたばかりだから まだ包み紙に戻しても問題ないだろう!」グイグイ!

 

琴里「――――――!」ブンブン!

 

士道「ったく。ニコチンが入っているわけでもないのに、なんでヘビースモーカーみたいになっているんだよ……」ハァ・・・

 

士道「ちゃんと朝飯も食べるんだぞ。この分だと食事制限を考えないとか?」

 

琴里「おう」

 

琴里「愛してるぞ、おにーちゃん♪」ウィンク!

 

 

 

コツコツコツ・・・・・・

 

琴里「デラックスキッズプレート♪」エヘヘヘ・・・

 

琴里「ファミレスでお昼~♪」

 

士道「ファミレスでそんなに浮かれるなよ。俺がいなくなったらファミレス三昧だろうに」

 

琴里「いいの。ありがとね、おにーちゃん」

 

琴里「それじゃ、おにーちゃん。今日は私もおにーちゃんも午前で終わりだから、学校が終わったらここで待ち合わせね」

 

士道「わかったよ」

 

琴里「絶対だぞ。絶対 約束だぞ」

 

琴里「お店がテロリストに占拠されても絶対だぞ」

 

士道「占拠されてちゃデラックスキッズプレートを誰が作るんだ?」

 

琴里「え~? その時は 超無敵のサムライのおにーちゃんがババっと倒すから 問題なし!」

 

士道「いくら俺でも銃相手には無理があるって。いったい俺を何だと思っているんだ?」

 

士道「いいから。気をつけて行くんだぞ」

 

琴里「絶対の絶対 約束だぞ!」

 

 

――――――空間震が起きても絶対だぞ!

 

 

士道「ああ。わかったから、早く行け」

 

士道「…………達者でな」ハハッ

 

殿町「おはよう、五河」

 

士道「おう、殿町か。おはよう」

 

殿町「新学期早々、元気そうで何よりだ」

 

士道「そう言えば、同じクラスなんだったっけ。またよろしくな」

 

殿町「ああ。この殿町 宏人、運命を感じるよ」

 

士道「――――――『運命』ねぇ」

 

殿町「おや、あまり琴線に触れなかったかな?」

 

士道「悪いけど、俺はそういう物言いは好きじゃないんだ」

 

殿町「そうだったな」

 

 

殿町「五河 士道、“現代のサムライ”を公言して憚らない 鋼のシスコン侍――――――」

 

 

殿町「剣を握らせれば剣道部の部員をバッタバッタと薙ぎ倒していく実力に加え、成績優秀で運動神経も抜群」

 

殿町「特に、運動能力に関しては得意の剣道よりも陸上競技の方が日本記録に迫るほどの逸材――――――」

 

士道「いやいや、俺がやっているのは剣道じゃなくて“剣術”。稽古に使うのは竹刀じゃなくて模造刀だし」

 

殿町「おまけに、両親は海外勤務のエリートで、顔の素材もかなりいいときている」

 

殿町「しかしながら、それだけの素材の良さを併せ持っていながら、」

 

殿町「俺が学校の生徒を対象にした『恋人にしたい男子ランキング』では第52位なのが驚くほどだ」

 

士道「そうなのか? まあ、俺は別にかまわないけど」

 

殿町「そこだよ、五河!」

 

士道「何が?」

 

殿町「五河はあまりにもストイックすぎるから女の子が寄り付かなくなっているのだよ」

 

士道「ああ そう」

 

殿町「そして、本人もそういったことにはまったく興味がないご様子」

 

殿町「一方で、1つ屋根の下で暮らす唯一の肉親である最愛の妹にだけは普段の様子からは想像できないほどの執着ぶりを見せつける!」

 

士道「そんなの、当たり前だろう? 赤の他人よりも家族の方を大事にして何が悪いんだ?」

 

殿町「それでついた仇名が“鉄の意思と鋼の強さを持ったシスコン侍”!」

 

士道「俺のことなんてどうでもいいだろう。それよりも、さっさと行くぞ、殿町」

 

殿町「ああ……、やはり 五河はいつもどおりで安心したよ」

 

 

 

ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー!

 

殿町「五河、五河もこれでカノジョを作ってみたらどうだ?」 ――――――【恋して マイ・リトル・シード】!

 

士道「ギャルゲーかよ」

 

殿町「ギャルゲーの何が悪い? 偏見を持つな! ギャルゲーには女性への接し方や取るべき行動の全てが詰まっている!」

 

殿町「まさに、“恋愛の教科書”だ――――――」

 

士道「……なあ、殿町?」ガシッ

 

殿町「ん、ん?」

 

士道「まさか、お前か? お前なのか?」ジロッ

 

殿町「な、何がだ、五河……?」ビクッ

 

 

士道「俺のかわいい妹が 対象年齢18歳以上のエロゲーに手を出していたのは お前の仕業なのか?」ゴゴゴゴゴ

 

 

士道「そうなのか?」ギロッ

 

殿町「お、落ち着きたまえ、五河! きみの妹とは何の関係もない!」アセアセ

 

士道「本当か? なら、どこで琴里があんなものに興味を持つように――――――」

 

 

――――――五河 士道。

 

 

折紙「………………」

 

士道「ん」

 

殿町「おや」

 

士道「俺の名前を呼んだのはきみか?」

 

 

折紙「()()()()()()()?」

 

 

士道「?」

 

士道「えと、すまない。俺、きみと何か約束をしていたっけか?」

 

折紙「………………」

 

士道「………………」

 

折紙「………………」スタスタスタ・・・

 

士道「……なあ、殿町。彼女について教えてくれ」

 

殿町「まさか、五河、“超天才”鳶一 折紙を知らないのか? 校内一の有名人を知らないとはな……」

 

殿町「成績は常に学年主席で、体育も完璧。おまけにあの美人だ。俺調べの『恋人にしたい女子ランキング』でもトップ3から落ちたことのない安定振りだぞ」

 

殿町「あ、いや、五河なら無理もないかもしれないが――――――」

 

士道「じゃあ、その鳶一 折紙は さっき 俺に何を――――――?」

 

殿町「さあ? でも、五河はその“超天才”に並ぶ有名人の“サムライ”なんだし、向こうの方が五河を意識している可能性は十分に有り得るぞ」

 

殿町「どうなんだ、五河? シスコン侍の五河から見て 彼女は?」

 

士道「まあ、綺麗だとは思うけど……」

 

殿町「おお!? これは意外な回答が返ってきたな!」

 

殿町「どうしたんだ? いよいよ、五河にも春が訪れるというのか?」

 

殿町「それで、どこに気を惹くところがあったのかな?」

 

 

士道「彼女、身体は細いけど意外と筋肉がついているよな」

 

 

殿町「う、ううん?」

 

士道「あの手首や足腰さ、俺と同じで武道か何かをやっている感じがする。スポーツ選手の肉付きじゃなくて、あれはまるで実戦向き――――――」

 

殿町「え」

 

士道「まあ、そんなような話を聞いたことはないか?」

 

殿町「あ、いや、俺もさすがにそこまでは聞いたことがない。なにせ、“謎多き天才美少女”ということで通っているのでな」

 

殿町「しかし、五河のおかげで彼女に関する情報が追加された。感謝するよ。一目で彼女の秘密を見破るとはさすがだ」

 

士道「………………」チラッ

 

折紙「………………」ジー

 

 

 

――――――正午

 

キンコンカンコーン!

 

殿町「五河、一緒に帰ろうか?」

 

士道「じゃあ、今日の昼飯はデニーズでデラックスキッズプレートだぞ、殿町」

 

殿町「ああ なるほど。そういうことならお邪魔するわけにもいかないな」

 

士道「悪いな。そういうことで」

 

殿町「わかっているさ。またな、五河――――――」

 

 

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

 

 

一同「!!?!」

 

士道「空間震警報!」

 

殿町「おいおい、せっかく午後からは自由だと言うのに――――――」

 

殿町「まあいい。俺はカノジョとシェルターの中でじっくりと語らうことにするさ」

 

折紙「――――――」スッ

 

士道「……鳶一?」

 

殿町「五河はどうする?」

 

士道「俺は購買にある非常食の搬入を手伝うよ。特に、今日は午前で終わりだったから、このままだと みんながひもじい思いをすることになる」

 

殿町「そうだったな」

 

殿町「たのむよ、“現代のサムライ”」

 

士道「ああ、まかせろ」

 

 

 

――――――空間震。原因不明の広域振動現象。

 

その名の通り、空間そのものが揺れ 辺りを根こそぎ破壊していく 理不尽な災害だ。

 

1億5千万人もの犠牲者を出した 30年前の大災害『ユーラシア大空災』の後、半年の間に世界各地で空間震は起こった。

 

それは人類の生存圏である地球上の全ての大陸や島々だけではなく、北極や海上においても、ありとあらゆる場所で発生した。

 

日本では、今 俺たちが住んでいる天宮市の辺りを一面焦土に変えた『南関東大空災』が知られている。

 

それから25年は何もなく、突如 5年前、再開発された この天宮市で再び発生したのを皮切りに、空間震は増加傾向にある。

 

それも、この日本を中心として――――――。

 

 

 

士道「――――――思えば、5年前か」

 

士道「(なあ、()()()()()()()使()。5年前のあの日から、あなたはどこへ行ってしまったんだ?)」

 

士道「(ずっとずっと一緒だったのに、もう5年も会えていない……)」

 

士道「(でも、俺はあなたがいたことを“なかったこと”にさせないために、俺はあなたが憧れたサムライの道を――――――)」

 

 

士道「これで全部ですか?」

 

教員「ああ。ありがとう、五河くん」

 

教員「五河くんも早くシェルターに!」

 

士道「いいえ、俺にはやることがありますので」

 

士道「先生、また明日!」ダダッ!

 

教員「え、まちたまえ! 五河くん!」

 

 

――――――空間震が起きても絶対だぞ!

 

 

タッタッタッタッタ!

 

 

士道「琴里!」

 

士道「琴里!」

 

士道「琴里!」

 

 

――――――5年前と同じで 何があっても お前だけは絶対に守り抜く!

 

 

士道「!!?!」

 

士道「あ…………」

 

士道「こ、これが空間震――――――」

 

士道「う、うわああああああああああああああ!?」

 

 

 

 

 

士道「あ、ああ…………」ヨロヨロ・・・

 

士道「あれが空間震ってやつだったのか……」

 

士道「!!」

 

士道「一瞬で街に大穴が――――――」

 

士道「もし1分でも早かったら、俺は――――――」ゾクッ

 

士道「でも、よかった。これなら琴里が巻き込まれることはなかったんだな……」ホッ

 

士道「?」

 

士道「いや、まてよ? さすがに身の危険を感じて避難ぐらいするはずなのに、未だに反応がデニーズの前だって――――――?」スッ

 

士道「そして、電話にも応じない――――――」prrr...

 

士道「そうか! デニーズの前で携帯電話を落としただけだったのか! なんだ、そうだったのか……」

 

士道「よかった……」

 

士道「帰ろう。いや、あの辺りのシェルターにいるはずの琴里を迎えに行こう」

 

士道「ん」

 

 

――――――そこで目にしたのは爆心地の中心で玉座に足をかける少女〈プリンセス〉の姿だった。

 

 

プリンセス「――――――」

 

士道「何だ、あれ? なんで空間震の爆心地に女の子が? というより、あれって玉座――――――?」

 

士道「おーい! そこで何をしているんだ? もしかして そこに落っこちたのか!? 待ってろ、今 助けを――――――」

 

プリンセス「――――――!」ブン!

 

士道「!!?!」

 

 

ドッゴオオオオオオオオオオオオオン!

 

 

士道「――――――なんだ、今の斬撃!? 一振りでビルが倒壊した、のか!?」アセタラー

 

プリンセス「――――――」ジャキ! ――――――一瞬でクレーターから目の前まで飛び込む!

 

士道「……なんて身のこなしだ」クッ

 

プリンセス「…………お前もか?」

 

 

――――――お前も、私を、殺しにきたのか?

 

 

士道「え」

 

プリンセス「お前も私を殺しに来たのだろう? ならば、早めに始末させてもらう」

 

士道「ハッ」

 

士道「ちょっとまってくれ。お前はもしかして誰かに命を狙われて逃げている途中で空間震に巻き込まれたのか? そうなんだろう?」

 

士道「だったら、今のうちに逃げよう!」

 

プリンセス「なに?」

 

士道「ほら! 今なら誰も見ていない! こんなところで俺を殺したところで追手に逃げた先を教えるようなものだぞ! だから!」パシッ

 

プリンセス「ハッ」

 

プリンセス「は、放せ! 私に触るな!」

 

士道「うっ!」 ――――――想像以上に振り払う力が強い!

 

士道「見ず知らずの俺のことが信用できないのはわかる! でも、そんな表情をしているお前を俺は見過ごせない!」

 

士道「とにかく、俺と一緒にシェルターに逃げ込もう! 大丈夫! 今はこんな時なんだし、みんな お前のことを助けてくれるはずだ!」

 

プリンセス「…………?」

 

プリンセス「……お前は私が怖くないのか?」

 

士道「わかんねえよ! 今でも街に大穴が空いたり、その剣の一振りでビルが倒壊したりだなんて、信じられない光景だよ!」

 

 

士道「でも、お前の()()()()はまぎれもなく“本物”だから、他に誰も居ないし、俺だけでも手を差し伸べることにした!」

 

 

士道「さあ、早く! こんなところにいつまでも居たら、追手に見つかるぞ!」

 

プリンセス「あ、ああ…………」

 

士道「ん」

 

士道「な、何だ――――――」

 

 

AST「精霊、今日こそは――――――!」

 

AST「総員攻撃開始!」

 

AST「了解!」 

 

 

士道「!!?!」

 

士道「み、ミサイルぅうううう!? うわああああああ!?」

 

プリンセス「――――――!」スッ

 

プリンセス「こんなものは無駄だと、なぜ学習しない?」 ――――――バリアーで飛来したミサイルを防ぐ!

 

 

チュドーーーーーーン!

 

 

士道「な、何だ、あいつら? 人が空を飛んで――――――」

 

プリンセス「――――――!」ビュン!

 

士道「――――――って、お前もなのか!?」

 

士道「うわっ、市街地で人間同士で空中戦かよ!? かたや剣1つで立ち回って、もう一方は集団でミサイルやらマシンガンで応戦って……」

 

士道「なんてこった! あんなやつらに追いかけ回されているのか!」

 

士道「それでいて、今日は空間震にまで巻き込まれたんだから、踏んだり蹴ったりだな!」

 

 

士道「()()()()()になるのも当然のことじゃないか……」

 

 

士道「くそっ! 何か彼女を逃がす手立てはないのか――――――」

 

士道「あ、そうだ!」

 

士道「聞こえるか! こっちだ! こっちに逃げ込め!」

 

 

プリンセス「――――――!」

 

プリンセス「はああああああああ!」ブン!

 

AST「くっ」

 

プリンセス「――――――」ビュン!

 

 

プリンセス「来てやったぞ」シュタ!

 

士道「よし!」

 

士道「いいか? きみは奥の方に行ってくれ! ビルの中を駆け回れば そう簡単には捕まらないはずだ」

 

プリンセス「お前はいったい何を――――――」

 

士道「いいから!」

 

 

AST「ビルの中に逃げ込んだ――――――」

 

AST「それで隠れたつもり!?」ビュウウウウウン!

 

 

AST「精霊! 今日こそ私が引導を――――――」コツコツコツ・・・・・・

 

士道「――――――!」パシッ

 

AST「!!?!」

 

士道「たあああああああああああ!」ブン! ――――――背負投!

 

AST「くはっ」ダン!

 

士道「観念しろ! 女の子一人を追いかけ回して何が狙いだ――――――」

 

AST「まさか、精霊に仲間が――――――」

 

士道「え」

 

AST「あ」

 

 

士道「――――――鳶一 折紙!?」

 

鳶一 折紙 / AST「…………五河 士道?」

 

 

士道「どういうことなんだよ、なんで鳶一が……」

 

折紙「なぜ ここに士道が…………」

 

士道「いや、そんなことは重要じゃない!」

 

士道「あの女の子はいったい何だ? それをミサイルやらレーザーブレードで追いかけ回すお前たちは悪の秘密結社か!?」

 

折紙「士道、あなたは誤解をしている」

 

士道「何が!? ちょっと変わっていたかもしれないけれど、女の子一人に一方的に攻撃を仕掛けておいて、何の誤解がある!?」

 

折紙「あなたにはあれが一方的に見えたの?」

 

士道「動くな!」

 

折紙「くっ!」

 

折紙「……なぜCR-ユニットの物理的急所を知っている?」

 

士道「――――――『シーアールユニット』? これが?」

 

士道「…………!」

 

士道「まさか、『エーエスティー』とかいう連中じゃないだろうな?」

 

折紙「……そこまでのことを知っていながら、なぜ精霊の味方をするの?」

 

士道「――――――『精霊』? あの子が?」

 

折紙「まさか、本当に何も知らずに――――――?」

 

折紙「士道、今すぐに手を引いて。今なら何もなかったことにできる。いつもの日常に戻れる」

 

士道「そうかもしれない」

 

 

――――――“鳶一 折紙”に出会ってなければな!

 

 

折紙「………………」

 

士道「………………」

 

 

折紙「士道、もう手を放しても大丈夫。精霊は消失した。もうこの場には私の敵はいない。だから、放して」

 

士道「……わかった」パッ

 

折紙「あなたは何も見なかった。私も何も見なかった。だから、今日あった出来事の全てを忘れて」スタスタスタ・・・

 

士道「………………」

 

士道「…………フゥ」

 

士道「あの女の子、無事に逃げることができたみたいだな。よかった……」

 

士道「いったい何だったんだろう? あの女の子といい、鳶一 折紙といい…………」

 

士道「――――――『精霊』? ――――――『エーエスティー』?」

 

士道「まったく、新学期始まって早々に空間震があって、それを目の前で目撃したと思ったら、変な女の子と変な同級生が真剣で殺し合う場面に立ち会って――――――」

 

士道「まあいいか。今はデニーズに急ごう。琴里の携帯電話を回収しなくちゃだからな」

 

士道「帰ったら説教だぞ、かわいい妹よ! あやうく空間震で死ぬところだったぞ、おにーちゃん!」

 

 

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