【デート・ア・ライブ】 デート・ア・ガンダム -武×士道×グラハム- 【機動戦士ガンダム00】   作:LN58

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第9話 世界の光明 Bpart

――――――

神無月「士道くん、ここまでよくやってくれました……」

 

神無月「ですが、これまでです……」

 

神無月「士道くんたちの回収を急いでください!」

 

神無月「!」

 

神無月「モニターが――――――」

 

令音「強力な通信障害だね」

 

神無月「なんですって!? それでは――――――」

 

令音「ああ。位置情報が掴めない。これでは回収が不可能だ」

 

神無月「…………司令! 不甲斐ない私を徹底的にオシオキしてください!」ギリリ・・・

 

令音「いや、待て! 何だ、あれは――――――」

 

神無月「…………?」

――――――

 

グラハム「おお この感じ! 手がある! 足がある! これできみを抱きしめることができるなぁ!」 ――――――守護天使現界!

 

グラハム「会いたかった、会いたかったぞ、私の天使〈ガンダム〉!」

 

狂三(真)「な、何ですの、あなたは!? いったいどこから出てきましたの!?」

 

士道「ぐ、グラハム!?」

 

十香「おお! グラハムではないか! 助けに来てくれたのか!」

 

グラハム「……こうして顔を合わせるのは、実に5年ぶりであるな、少年」

 

グラハム「待ちかねたか、少年?」

 

士道「グラハム! グラハム! グラハム!!」ポタポタ・・・

 

グラハム「皆まで言うな。きみの心の叫びは痛いほどに伝わっている」

 

グラハム「ここまできみの手となり足となれなかった不明を堕天使に一矢報いることで詫びるとしよう」

 

グラハム「夜刀神 十香。少年を頼むぞ」

 

十香「まかせろ!」

 

十香「しかし、グラハム――――――」

 

グラハム「私にまかせておけ」ピカーーーン!

 

 

――――――あえて言わせてもらおう! 今日の私は〈グラハムガンダム〉であると!

 

 

狂三(真)「!?!!」

 

十香「おお!」

 

士道「〈グラハムガンダム〉……」

 

グラハム「行くぞ! 〈ナイトメア〉時崎 狂三!」 ――――――外見は完全に〈ガンダムエクシアリペアIV〉!

 

狂三(真)「いったい何なんですの、あなたは!? 最新型のCR-ユニット? いや、精霊…でもないみたいですけど!」

 

狂三(真)「お行きなさい、わたくしたち!」

 

グラハム「ふん!」ブン!

 

分身体「うっ」「あうっ」「きゃっ」スパーン!

 

狂三(真)「!」

 

狂三(真)「……どうやら、少しはやるようですわね」アセタラー

 

グラハム「お褒めに預かり光栄だ」

 

グラハム「しかし、きみも察するに天使(ガンダム)の介入によって歪んだ存在!」

 

グラハム「ならばこそ、私の手でその歪みを破壊する!」

 

狂三(真)「やれるものなら、やってみてごらんなさいまし!」

 

狂三(真)「ここまできて、舞台のアンコールなんて認めませんわ!」

 

 

――――――では、とくとご覧に入れよう、我が〈グラハムガンダム〉の妙技を!

 

 

分身体「きゃあ」「あうっ」「やられましたの……」スパーン!

 

グラハム「さて、きみが精霊であったとしても、きみの戦闘能力はその中でも低い部類に入るのは疑いようがない」

 

グラハム「策もなしに向かってくるのであれば、群れを成しても為す術がないな」

 

狂三(真)「お、おかしいですわ、こんなの……」

 

狂三(真)「いえ、グラハムさん、あなたがとても強いことはよくわかりましたわ」

 

狂三(真)「はっきり言って、今まで相手にしてきた精霊の中でも5本の指に入りますわ」

 

狂三(真)「けど! たしかに、見た目通りの全身の装甲で防御力が高いにしても、弾丸そのものは命中しているはずですわ!」

 

 

狂三(真)「それなのに、どうして〈刻々帝(ザフキエル)〉が 一切 通じないんですの!?」アセダラダラ

 

 

狂三(真)「――――――【一の弾(アレフ)】で加速状態のわたくしたちを余裕で返り討ち」

 

狂三(真)「それどころか、【二の弾(ベート)】で遅くすることも【七の弾(ザイン)】で止めることもできない――――――」

 

狂三(真)「極めつけは、【一〇の弾(ユッド)】からの情報が 一切 入ってこない――――――」

 

狂三(真)「いったいあなたは何者だと言うんですの!?」

 

グラハム「ならば、もう一度 言わせてもらおう」

 

 

――――――グラハム・エーカーであると!

 

 

十香「なぜだ、グラハム!?」

 

十香「なぜ たくさんいる狂三たちの手首だけ切り落としているのだ!?」

 

十香「私でもわかるぞ。こういう時は頭数を減らすべきなんだ」

 

士道「いや、ここでは ああするのが正解なんだ、十香」

 

十香「あ、シドー! もう大丈夫なのか?」

 

士道「ああ。泣くのは死んだ後でも生き延びた後でもできるから」

 

士道「だから、今は勝つことに集中する! それが託された者の務めだ!」

 

十香「…………強いな、シドーは」

 

士道「狂三の天使〈刻々帝(ザフキエル)〉は時計盤とその長針と短針に相当する大小の銃2つで構成されていて、」

 

士道「狂三は十香とちがってパワーを放出するみたいなことができない完全な武器依存型の精霊なんだ」

 

士道「だから、手首を斬り落とされたら、銃は使えないし、精霊の腕力に頼った貫手もできないから、相手をどうこうすることができなくなるんだ」

 

十香「な、なるほど。それで戦えなくなるのなら、手首だけを狙った方が効率がいいのか――――――」

 

十香「いや、どう考えても まとめて斬り捨てた方が楽ではないか、シドーよ?」

 

士道「そこだよ、十香」

 

十香「?」

 

士道「手首を斬り落とされただけで殺されたわけじゃないから、死体を回収して予備戦力を空いた空間に逐次投入する循環が生まれない」

 

士道「というより、貴重な『時間』を使って召喚した分身体を出てきた端から戦闘不能にさせられる悪循環ができあがっていた不利を悟って、」

 

士道「結果として、手首を斬り落とされて何もできなくなった分身体の扱いに完全に本物の時崎 狂三は困り果てているわけだ」

 

十香「????」

 

士道「要するに、遊兵――――――その場にいるだけの役に立たない戦闘員で場を満たして数的優位を無意味なものに変えつつあるんだ」

 

士道「実際、両手の銃が使えなくなってまとわりつこうとした分身体なんて十香もグラハムも軽く吹き飛ばしているだろう?」

 

士道「だから、両手首を斬り落とされて戦闘力を失った狂三の分身体たちは何もすることができずに立ち尽くしているんだ」

 

十香「説明を聞いてもさっぱりわからんが、要は『これで本物の時崎 狂三に迫ることができる』ということだな、シドー!」

 

士道「そう!」

 

士道「そして、時間を操る強力な天使〈刻々帝(ザフキエル)〉の致命的な弱点。それは――――――」

 

 

狂三(真)「お優しい士道さんのために力を振るうあなたも、この〈わたくし〉の命は奪おうとせずに 手首だけを刎ねようとするわけですのね!」

 

狂三(真)「ですが、この〈わたくし〉は簡単にはやらせませんし、その努力も今ここで全て無駄にして差し上げますわ!」

 

狂三(真)「おいでなさい! 〈刻々帝(ザフキエル)〉!」

 

グラハム「勝機!」

 

グラハム「――――――【トランザム】!」

 

狂三(真)「――――――は、速いっ!?」

 

 

グラハム「必殺! 【GNタチ】! 一文字斬りぃいいいいいい!」ブン!

 

 

狂三(真)「っつう!」スパッ

 

狂三(真)「――――――惜しかったですわね! この通り、わたくしはまだ銃を握れましてよ!」ジャキ!

 

グラハム「甘いぞ、天使(ガンダム)! 我が太刀筋に狂いなし!」

 

狂三(真)「なっ!?」

 

グラハム「斬り捨て御免ええええええええええええええええん!」グググ!

 

狂三(真)「まさか、そんな!? わたくしの〈刻々帝(ザフキエル)〉が――――――!?」ズバーーン!

 

狂三(真)「ハッ」

 

狂三(真)「もしや、手首だけに狙いをしぼっていた本当の狙いは――――――」

 

グラハム「今更 気づいたところでもう遅い。きみの両翼はすでにもがれた。もう飛び立つことはできん」

 

 

士道「天使の能力を使うには巨大な時計盤である天使〈刻々帝(ザフキエル)〉を必ず展開しなくてはならないということだ!」

 

 

狂三(真)「よ、よくも! よくも! わたくしの〈刻々帝(ザフキエル)〉を――――――!」

 

グラハム「時計盤の左下部分を切り落とすことができたな。これで厄介な 動きを止める【七の弾(ザイン)】と分身体を創る【八の弾(ヘット)】は使えまい。それと【六の弾(ヴァヴ)】もか」

 

狂三(真)「…………!」アセタラー

 

グラハム「すると、きみは【四の弾(ダレット)】で時計盤の修復を図ろうとするだろう」

 

グラハム「であれば、きみは再び時計盤〈刻々帝(ザフキエル)〉を展開せざるを得ない」

 

グラハム「そして、きみは分身体を使って全力で時間稼ぎに走るであろう」

 

グラハム「しかし、銃を握ることができない非力なきみの群れでは1秒と保つまい」

 

グラハム「では、〈ナイトメア〉時崎 狂三? きみの手足となれる影はあと何人かね? 先程 きみは【八の弾(ヘット)】を使おうとしていたようだが?」

 

狂三(真)「………………っ!」

 

士道「狂三! ここはもう退け!」

 

士道「分身体のストックが尽きかけているのはわかっている!」

 

狂三(真)「くっ」

 

狂三(真)「そこまでお見通しでしたか!」

 

狂三(真)「けど、士道さん! わたくしはあなたに敗けたわけではありませんわ!」

 

士道「ああ そうだとも。ここまでみんなが戦い抜いてくれたからこそだ。俺にできることは対話だけだ」

 

 

――――――だからこそ、お前は自分自身が捨てた“過去”に敗けたんだんだ!

 

 

士道「俺にとっての“最高の精霊”時崎 狂三が教えてくれたことが勝利の鍵だった!」

 

グラハム「――――――過去の自分の再現体を生み出すのが【八の弾(ヘット)】であることがな」

 

グラハム「そして、天使を使えるのは本体のみ。分身体が使うとしたら その影に本物のきみがいるということもな」

 

狂三(真)「そうですの…………」

 

狂三(真)「なら、しかたありませんわねぇ!」スッ

 

 

ブオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!

 

 

十香「空間震警報だとぉ!?」

 

狂三(真)「さすがのグラハムさんも精霊のようでいて精霊ではないようですから、これには対処できませんわよね!」

 

グラハム「…………悟られていたか!」

 

士道「狂三! 力の無駄遣いをやめろ! まったくもって無意味だぞ!」

 

グラハム「もはや、一刻の猶予はない! 少年、許せ――――――」

 

グラハム「!!??」ドクン!

 

グラハム「忌々しい! ここで時間切れとは! いや、今の霊力の流れは――――――」

 

狂三(真)「今度こそ、人がたくさん死んでしまいますわね!」キヒヒ! アーハッハハハ!

 

士道「狂三ぃ!」

 

十香「し、シドー!」

 

グラハム「少年! 感じた憶えのある巨大な存在がここに――――――」

 

士道「え」

 

 

シーーーーーーーーン!

 

 

狂三(真)「……どういうことですの?」

 

士道「空間震警報が鳴り止んだ? 狂三が止めたわけじゃない? 何が起きたんだ?」

 

グラハム「すまない、少年……」スゥーーーー ――――――現界解除!

 

十香「グラハムが消えた!?」

 

グラハム『時間切れのようだ……』

 

士道「――――――十香! 剣を構え!」

 

十香「わかった!」ジャキ!

 

グラハム『それでいい』

 

グラハム『しかし――――――』

 

士道「!!」

 

狂三(真)「ハッ」

 

狂三(真)「今度は誰ですの!?」

 

 

琴里「知らなかった? 空間震はね、発生と同時に同規模の揺らぎをぶつけると相殺できるのよ!」

 

 

十香「あれは――――――」

 

グラハム『琴里……』

 

士道「!!!!」

 

琴里「少しの間 返してもらうわよ、士道」

 

 

――――――焦がせ! 〈灼爛殲鬼(カマエル)〉!

 

 

十香「シドー! あれは琴里なんだよな!?」

 

士道「琴里……」ギリッ

 

十香「し、シドー……?」

 

士道「〈フラクシナス〉司令だとか、精霊とデートしてデレさせろとか、今日は急用だとか何とか言って――――――、」

 

 

士道「お前はそこでいったい何をやっているんだあああああ、琴里ぃ!?」

 

 

折紙「し、士道……?」

 

折紙「ハッ」

 

折紙「あ、あれは――――――」

 

琴里「士道、グラハムも待たせたわね」フフッ

 

 

 

――――――さあ、私たちの戦争〈デート〉を始めましょう!

 

 

 

グラハム『この先のことを詳しく語る必要はあるまい。――――――『概ね【アニメ版】と同じような流れであった』と言っておこう』メメタァ

 

グラハム『結論から言えば、“最悪の精霊”時崎 狂三との戦争は三者激しい痛み分けという結果に終わった』

 

グラハム『ASTは〈ナイトメア〉時崎 狂三 一人に 投入戦力の全てが戦闘不能に追い込まれ、』

 

グラハム『天宮市で展開する実働部隊が活動を再開するのには時間を要することとなった――――――』

 

グラハム『〈ラタトスク〉としても、空間震を抑止する目的を達成する手段として精霊とデートしてデレさせることができず、作戦は完全に失敗』

 

グラハム『そして、〈フラクシナス〉司令:五河 琴里が5年ぶりに精霊化したことで、間を置かずに次なる困難に少年は直面することとなる――――――』

 

グラハム『最悪の精霊〈ナイトメア〉もまた、想定を超えた激しい抵抗を受けて分身体を数多く消耗し、』

 

グラハム『とどめに、精霊化して暴走した五河 琴里によって天使ともども大打撃を受けることなり、再び潜伏して力を蓄えることを余儀なくされたことだろう』

 

グラハム『時崎 狂三の分身体を除けば、この戦争による死傷者が一切無かったのが不幸中の幸いであったか』

 

グラハム『そんなわけで、それぞれにとって ほとんどマイナスでしかなかった 不毛な戦争であったと言えるだろう』

 

 

グラハム『しかし、少年にとって“最高の精霊”時崎 狂三との出会いは決して“なかったこと”にはならない』

 

 

グラハム『そして、客観的に考えて生かしておく方が世界にとって害悪とすら言える“最悪の精霊”時崎 狂三を暴走した五河 琴里から守り抜いた――――――』

 

グラハム『全員がそれぞれ追い詰められた極限の状態にあって、なお 精霊との対話のために 窮地の時崎 狂三を助け出したことに、』

 

グラハム『冷酷非情な〈ナイトメア〉もついに心動かされたのか、琴里が湧き上がる破壊衝動に苦しめられている隙に【一の弾(アレフ)】を撃って全力で離脱する際に、』

 

グラハム『時崎 狂三は少年に口づけをして去っていったのだった……』

 

グラハム『霊力封印には至らなかったものの、あの“最悪の精霊”が自分からそうしたことに大きな前進を感じた』

 

グラハム『それは、少年に対する純粋な好意が“最悪の精霊”時崎 狂三の中に芽生えた結果なのか、』

 

グラハム『それとも、“正義の味方”を目指していた“最高の精霊”時崎 狂三の意識が乗り移ったのか――――――、』

 

グラハム『それは私にはわからないことだが、〈ナイトメア〉時崎 狂三を攻略する上での大きな足掛かりを得ることができたと言えよう』

 

グラハム『故に、不毛な戦争ではあっても、決して無意味な戦争ではなかったのである』

 

グラハム『そう。そして、いつかは――――――』

 

 

――――――かつて“正義の味方”に憧れていた一人の少女の切なる祈りは天へと届く日が来ることであろう。

 

 




●第3の精霊:時崎 狂三のスペックデータ
名前:時崎 狂三
識別名:〈ナイトメア〉
総合危険度:S
空間震規模:C
霊装   :C
天使   :S
STR(攻撃力)  :109
CON(耐久力)  :080
SPI(霊力)  :220
AGI(敏捷性)  :103
INT(知力)  :201
Total(総合値)   :713
霊装   :神威霊装・三番〈エロヒム〉
天使   :刻々帝〈ザフキエル〉
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