【デート・ア・ライブ】 デート・ア・ガンダム -武×士道×グラハム- 【機動戦士ガンダム00】   作:LN58

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第1話 四月一◯日 Bpart

――――――空間震発生から1時間後、

 

士道「ああもう 空間震のせいで大穴を迂回しなくちゃならなくなったから、意外と時間が掛かったぞ……」

 

士道「でも、空間震でシェルターにみんなが避難していて『誰もいない中を駆け回る』っていうのも なかなかない経験になったなぁ……」

 

士道「えと、今も反応はここに――――――」ピッ

 

士道「?」

 

士道「おかしいな? デニーズなんてここしかないんだし、落としたのなら すぐに見つかりそうな気もするけど――――――」キョロキョロ・・・

 

士道「あ、そうだ。電話を鳴らせばすぐにわかるんじゃ――――――」prrr...

 

士道「……マナーモードか」ハア

 

士道「どこだぁ? 琴里のやつ、変な場所で俺を待っていたのか? どこなんだぁ?」キョロキョロ

 

 

村雨 令音「少しいいかな?」

 

 

士道「え」

 

士道「あ、こんにちは。シェルターから出てきた人ですか? すみません、こんなところで怪しい動きをして」

 

士道「俺、妹がシェルターに逃げ込む際に落とした携帯電話を探していて――――――」

 

士道「あれ?」キョロキョロ

 

士道「ここ、どこだ?」

 

令音「ここは〈フラクシナス〉の中だ」

 

令音「私は ここで解析官をやっている 村雨 令音だ」

 

士道「――――――〈フラクシナス〉?」

 

令音「ああ」

 

士道「あ、それより、俺の妹を知りませんか?」

 

士道「名前は五河 琴里で、ツインテールで 白いリボンをした かわいい中学生なんです。近くのシェルターに避難しているはずなんですけど」

 

令音「落ち着きたまえ。彼女なら大丈夫だ」

 

士道「そうでしたか。だったら、携帯電話のことは惜しいですけど、まずは妹の迎えに行こうかと思います」

 

士道「どこのシェルターです? あ、それとも フラク…なんとかがそのシェルターなんですか? シェルターに名前なんてついてたっけ?」

 

令音「ああ そう解釈したのか」

 

令音「それなら、ここもシェルターと言えばそうだろうね」

 

令音「気になることはいろいろあるだろうが、私はどうも説明下手でね」

 

令音「詳しい話は司令に訊くといい」

 

士道「…………『司令』? 各シェルター毎の責任者か、それを統括している人のことか?」

 

 

コツコツコツ・・・・・・

 

令音「連れてきたよ」

 

士道「あ、あなたは――――――」

 

神無月「ご苦労さまです」

 

 

神無月「そして、お久しぶりですね、士道くん。憶えてますか、神無月 恭平です。あれから鍛錬を毎日欠かさずやっているようですね。見違えましたね」

 

 

士道「忘れるはずがないじゃないですか、神無月さん!」

 

士道「そうだ、神無月さん!」

 

士道「俺、神無月さんが言っていた『エーエスティー』とかいう悪の秘密結社から『精霊』って呼ばれている女の子を助け出したんですけど、」

 

士道「何か知っているんですか? 知っているんだったら――――――」

 

神無月「おっと、士道くん。それについては司令から説明がありますので」

 

士道「え、元自衛隊の神無月さんが司令じゃないんですか?」

 

神無月「では、こちらに注目です、士道くん!」

 

士道「あ」

 

 

琴里「歓迎するわ。ようこそ、〈ラタトスク〉へ」ペロッ

 

 

士道「こ、琴里!?」

 

琴里「どう、士道? 少しは驚いて――――――」

 

士道「あ、こら! またチュッパチャプスを! 糖尿病になるから 1日1本って決まりを 早速 破ったな!?」

 

琴里「はあ!?」

 

琴里「ちょっと!? 今の私を見て 最初の感想がそれなの、士道!?」

 

士道「あ、そうだ! お前、携帯電話をデニーズに落として行っただろう!」

 

士道「おかげで、空間震警報が鳴っている中を出歩く羽目になって 危うく空間震に巻き込まれて死ぬところだったぞ、おにーちゃん!!」

 

琴里「ちょっと、神無月! あなた、士道に鍛錬以外に何の教育を施したのよ!?」

 

神無月「いえ、司令……」

 

神無月「元々 士道くんは『空気を読まない』というか、“現代のサムライ”を目指しているだけあって『多少のことでは動じない』と言いますか――――――」

 

士道「ちょっと、神無月さん! 子供に甘いものばかり与えちゃ健康や発育に悪いっていうのは知ってますよね!?」

 

神無月「士道くん、今だけは抑えて 抑えて……」

 

琴里「ああもう! 本題に入れないから、士道は黙って私の話を聞いていればいいのよ!」

 

士道「……とりあえず、わかった。まずは話を聞こう」

 

士道「でも、チュッパチャプスの件のことは後で追及させてもらうからな」

 

琴里「わ、わかったわよ、もう……」

 

琴里「まったく、そういうところ、本当に“兄貴”に似てきたわね……」フフッ

 

 

――――――そして、

 

士道「………………」

 

琴里「どう、これで今日起きた出来事について理解できた?」

 

士道「ああ。だいたいわかった」

 

琴里「そう、さすがはサムライね。物分りがよくて助かるわ」

 

士道「あの女の子がこの世界に現れる余波で空間震を引き起こす『精霊(特殊災害指定生命体)』だから、陸上自衛隊の対精霊部隊『AST(アンチ・スピリット・チーム)』が対処に現れていた――――――」

 

士道「神無月さんはそのASTの元エースで、隊長を務めていた方だったんですね」

 

神無月「はい。私としても当初は空間震を引き起こす精霊を武力でもって殲滅することが一番だと考えていたのですが、」

 

神無月「士道くんが目の当たりにしたように、戦闘力の高い精霊には歯が立たないのが現状です」

 

神無月「しかし、士道くんはそうとは知らずに精霊と積極的にコンタクトをとり、AST以外の人間を知らない精霊に別の感情を与えることに成功しました」

 

神無月「そこに我々〈ラタトスク〉は人類生存の可能性を見出したというわけです」

 

士道「それなら、精霊と対話して友好関係を築く交渉人は 別に俺じゃなくてもいいんじゃないんですか?」

 

士道「それより、俺にはいきなり武力でもって殲滅するだなんてことを人類がしてきたことが信じられない――――――」

 

士道「だって、自衛隊なら専守防衛がモットーで 極力 武力行使に打って出ないもんじゃないんですか?」

 

士道「戦争は外交の失敗だって聞いたことがあります」

 

士道「それに、あれだけの戦力差を見せつけられておきながら、なんで戦おうとするんです?」

 

神無月「その点なのですが、精霊は彼女たちの意思に関わらず空間震を起こしてしまう存在なのが第一でして、」

 

神無月「特殊災害指定生命体として()()()()()()()のような存在と定義されていることが挙げられます」

 

琴里「要するに、交渉不可能な存在だと最初から決めつけているのよ、ずっと」

 

士道「ふざけるなよ! 同じ人間の姿をして 同じ人間の言語で喋って 同じ人間の感情を持っているんだぞ! なんで人間の英知で解決しようとしないんだよ!?」

 

 

 

士道「そんなんで これから300年後の未来で地球外生命体とファーストコンタクトした時にどうするつもりなんだ!?」

 

 

 

令音「――――――『300年後』?」

 

琴里「…………士道」

 

士道「あ」

 

士道「すみません」

 

士道「でも、俺はたしかに空間震を起こす怪物と言われている精霊と言葉を交わすことができました!」

 

士道「なら、空間震が精霊たちの意思で制御できないものなら 一緒にその悩みを共有して解決の道を進むべきだと俺は思います!」

 

琴里「よく言ったわ、士道」

 

琴里「その言葉に嘘偽りはないのよね?」

 

士道「ああ。今日はちょっとした偶然から空間震が起きている間の裏側を知ることになったけど、」

 

士道「もし俺の友人がこのことを知ったら、きっとこう言うでしょうね」

 

 

――――――乙女座の私にはセンチメンタリズムな運命を感じずにはいらない。

 

 

グラハム『かな?』

 

士道「いや、ちがうから、そういう冗談は後にしてくれ、グラハム――――――」

 

士道「え」

 

士道「えええええええ!?」

 

グラハム『どうしたのかね、少年?』

 

士道「グラハム? グラハムなのか? 幻聴か? いや、でも――――――」

 

グラハム『どうした? 私は常にきみの側にいると約束したはずだぞ?』

 

士道「グラハム! 今までずっとどこへ行っていたんだよ!?」

 

 

士道「――――――」ワイワイ、ガヤガヤ、ワーワー!

 

 

神無月「これはいったいどうしたというのですか、士道くん?」

 

神無月「突然 何を一人で言い出して――――――」

 

令音「彼には私たちには聞こえないものが聞こえているのか?」

 

令音「まさか、本来の計画には存在しなかった例の――――――」

 

琴里「うっさい! みんな! 今は静かにして!」

 

神無月「し、司令?」

 

令音「みんな、今は静かに」

 

琴里「……5年振りね。良かったわね、おにーちゃん」

 

琴里「そして、ありがとう」

 

 

――――――約束通り、この時に目覚めてくれたのね、兄貴。

 

 

 

――――――翌日

 

折紙「もう一度 言う」

 

折紙「昨日、あなたは私を見た」

 

士道「ああ」

 

折紙「誰にも口外しないで。私のこと以外も、昨日見たことの全ては忘れた方がいい」

 

士道「……あの女の子のことか?」

 

折紙「そう」

 

士道「………………」

 

折紙「………………」

 

士道「1つだけ訊かせてくれ、鳶一」

 

折紙「何?」

 

士道「鳶一、あの女の子はお前が命を賭して斃さなくちゃならない相手なのか?」

 

折紙「そう。あれは精霊。私が斃さなければならないもの」

 

士道「どうしてだ? 俺には降りかかる火の粉を払っているだけにしか見えなかった。あれじゃ、迂闊に手を出した方が被害が大きくなる一方だ」

 

士道「なあ、もし誤解から争っているのだとしたら――――――」

 

折紙「……私の両親は、5年前、精霊のせいで、死んだ」

 

士道「………………!」

 

士道「それでも、だ」

 

――――――それでも、『戦うだけが道じゃない』と俺は思うんだ!

 

 




万人に一人の天才と称される”現代の魔術師”鳶一 折紙の往く武力による殲滅の道に対して、
過去と未来の才知を凝縮して蘇った“現代のサムライ”五河 士道が選ぶ対話による共存の道ははたして交わるのか?
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