【デート・ア・ライブ】 デート・ア・ガンダム -武×士道×グラハム- 【機動戦士ガンダム00】   作:LN58

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第2話 第5の選択肢 Bpart

――――――空間震発生から数時間後、

 

士道「よし、転送には成功した」

 

士道「けど、ほんの数時間前まで 活気にあふれていた 見慣れた校舎やグラウンドが…………」

 

グラハム『この惨状を目の当たりにして 失敗するわけにはいかないな、少年』

 

士道「ああ……」

 

――――――

琴里「士道、あなた かなりラッキーよ」

 

琴里「CR-ユニット(戦術顕現装置搭載ユニット)は 元々 屋内での戦闘を目的としていないわ」

 

琴里「〈プリンセス〉が校舎に入ったおかげで、ASTもそう簡単に突入できなくなっているの」

――――――

 

士道「でも、本当に俺に 空間震を起こしている精霊を、その、デレさせるだなんてことが――――――」

 

――――――

琴里「士道にしかできないことよ」

 

琴里「この1週間、あなたは文句を言いながらも訓練から逃げようとしなかった」

 

琴里「助けたいんでしょう、精霊を」

――――――

 

士道「…………ああ」

 

士道「もう()()()()をさせたくない。させちゃいけない」

 

士道「それに、俺自身が彼女と会って話をしてみたいんだ」

 

士道「なあ、グラハム? 俺にならできると思うか?」

 

 

――――――互いに傷つけ合って何もかも滅ぼす破壊の道じゃなく、話をして デートをして 精霊に恋をさせる対話の道が。

 

 

グラハム『安心するといい、少年』

 

グラハム『私の時とはちがい、今回の対話は同じ人の姿形をしているだけ、まだやりようはあるはずさ』

 

グラハム『この場に立つのは きみと 及ばずながら“守護天使”などと御大層な肩書の私だけだが、』

 

グラハム『きみの妹君をはじめとして同じ思いと理想を胸に抱く〈フラクシナス〉のクルーがきみを導く』

 

士道「…………!」

 

グラハム『さて、5年前に私は私の戦争を始めることを宣言したが、』

 

グラハム『今度はきみが世界に変革をもたらす時が来たのだ!』

 

士道「ああ。やり方はちょっとアレだけど、俺が 世界を、みんなを、家族を 守ってみせる!」

 

士道「行くぞ、グラハム・エーカー! 俺の守護天使! 5年前のリベンジだ!」

 

――――――

琴里「頼んだわよ、士道。それに 兄貴……」

――――――

 

 

 

 

 

 

グラハム『――――――!』

 

士道「どうした、グラハム?」

 

グラハム『近いぞ、少年』

 

士道「……わかった」

 

グラハム『だが、5年前に感じ取った あの()()()()()の いずれでもないな……』

 

士道「あ」

 

 

プリンセス「………………!」ドッゴーーン!

 

 

士道「あ――――――」

 

グラハム『いや、これは当たらない』

 

士道「…………フゥ」

 

士道「待ってくれ! 俺は敵じゃない! とりあえず、落ち着いて――――――」

 

プリンセス「止まれ」スパン!

 

士道「うおっ!?」

 

グラハム『安心しろ、少年。〈プリンセス〉は初手で排除にかからなかった。これは『交渉の余地がある』ということだ』

 

士道「そうは言っても、剣を使わなくて これなのかよ……」

 

士道「これじゃ、空間震が無くても ASTが脅威の排除にかかるのも無理ないじゃないか……」アセタラー

 

プリンセス「お前は何者だ?」ジロッ

 

士道「俺は――――――」

 

――――――

琴里「待ちなさい、士道!」

 

琴里「今ので精霊の【精神状態】に変化があったわ。〈フラクシナス〉の解析用AIがこの状況でもっとも有効とされる選択肢を出すから待ちなさい!」

 

琴里「よし、選択肢の内容は――――――」

 


 

① 俺は五河士道。きみを救いに来た!

 

② 通りすがりの一般人です やめて 殺さないで

 

③ 人に名を訊ねる時は自分から名乗れ

 


――――――

 

士道「え、何これ?」

 

士道「こんなの、俺が訓練と称して1週間やらされたギャルゲーの選択肢と何も変わらないじゃないか!?」

 

グラハム『ふむ、大まかな戦術プランの枠組みと言ったところだろうな。戦術予報士がそれぞれのプランの有効性を検証する流れなのだろうが……』

 

士道「というか、②と③は状況から言ってありえない選択肢じゃないか! 本当にあてになる戦術予報なのか、これ!?」

 

士道「じゃあ、ここは①だ。普通に自己紹介して素直に目的を言えば――――――」

 

グラハム『いや、①は致命的な罠だぞ、少年!』

 

士道「え」

 

グラハム『もしASTに毎度のように襲われてきた精霊の立場だとするなら、『きみを救う』という言葉がいかに虚しい響きか――――――』

 

士道「!!!!」

 

グラハム『相手の要求通り『素直に名乗る』そこはいい。問題は『これまで人間に散々襲われてきたような精霊の前に何をしに来たか』だが――――――』

 

グラハム『ここは①に訂正を加えた④で行くべきだ』

 

士道「わかった。グラハムの言う通りにする」

 

――――――

琴里「総員選択!」

 

琴里「……なるほど、私と同意見ね」

 

令音「――――――いや、待て。待つんだ、シン!」

 

神無月「士道くん!?」

 

琴里「って、士道!? 『待ちなさい』って言ったじゃない!」

――――――

 

 

 

――――――俺は五河 士道! きみの存在に心奪われた男だ!

 

 

 

プリンセス「…………ふ、ふん!」ドッゴーーン!

 

士道「危なっ!」

 

士道「俺のことを覚えてないのか! 殺す気かぁ!」

 

グラハム『いや、今の攻撃は――――――』

 

――――――

琴里「何をやっているのよ、士道!? 私の言うことに従いなさいよ!?」

 

令音「いや、琴里。今ので【感情値】が大きく揺れ動いている。どうやら今のはクリティカルだったみたいだ」

 

琴里「なんですって? どう考えても理に適っているのは③のはずよ」

 

神無月「なるほど。聞いた限り ①の選択肢を基に、鼻に付く印象を削いで 強烈かつダイレクトに 素直な自分の興味関心をぶつけたわけですね」

 

神無月「そして、相手の意表を見事に衝いて会話の主導権を握れるように立ち回った会心の一撃だったわけですか。大胆にして繊細な采配でしたね」

 

琴里「でも、それじゃ選択肢の意味が――――――」

 

令音「どうやらシンは『〈フラクシナス〉のメンバーが選択肢を選ぶ』ということを知らなかったみたいだ」

 

令音「こればかりは 訓練には無かった要素だから しかたのないことだけれども」

 

琴里「あ…………」

――――――

 

プリンセス「お、おかしなことを言うやつだな。そんなことを言ったのはお前が初めてだぞ――――――」

 

プリンセス「ん? お前、前に一度会ったことがあるな?」

 

士道「ああ。今月の四月一○日、街中でだ」

 

プリンセス「おお 思い出したぞ」

 

プリンセス「何やらおかしなことを言っていたやつだ。そう言われるとさっきの発言も納得だな」

 

士道「ああ。あれから俺はずっと会いたいと思っていた」

 

士道「だから、俺と――――――」

 

 

プリンセス「――――――何のために?」ジロッ

 

 

士道「!」

 

プリンセス「いや、わかっている。そうやって私の心の隙を衝いて私を殺そうと言うのだな。見え透いた手を」

 

士道「いや、そんなんじゃない! 初めて会った時だって助けてやっただろう!」

 

プリンセス「私の前から失せろ。今日だけは見逃してやる。次は容赦しない」

 

士道「ま、待ってくれ!」

 

士道「くっ! どうすればいい、グラハム? なあ、グラハム?」

 

グラハム『いや、きみの思うがままに飛んでいけばいい。そして、彼女を見たこともない地平へと連れて行ってやってくれ』

 

士道「えええ!?」

 

 

グラハム『少年、私はきみの想いを聴きたいのだ。きみが四月一○日に抱いた想いの果てをな』

 

 

グラハム『きみがなぜそうまでしてそこに立っているのかを聴かせてくれないか』

 

士道「それってどういう――――――」

 

グラハム『きみはこれまで命令とは言え、自分の意志で 1週間 ギャルゲーをやり続けてきた――――――』

 

グラハム『そして、初回プレイ時は決して後悔のない選択肢を真剣に選び続けてきていたはずだ』

 

グラハム『――――――『それと同じことだ』と私は言いたい』

 

グラハム『これはきみが自分の意志で始めた戦争のはずではないか』

 

グラハム『このままエンディングまで他人の指示に従い続けて、きみがこの戦争で掴み取ろうとしてきたものを他者の手に掴ませて終わらせるつもりなのかね?』

 

グラハム『武力でもって相手を拒絶するのは実に容易い道だ。そうせざるを得ない状況もままある』

 

グラハム『だが、私が超えるべきだった“あの少年”は戦いの中でもわかりあおうと足掻き続けた』

 

グラハム『少年、きみはサムライになるのであろう? 空を奪われた私が失意の底で憧れた“武の極み”を『きみが代わりに果たす』という――――――』

 

士道「!」

 

士道「そうだ、そうだった! 俺は、俺は!」

 

士道「………………」

 

プリンセス「どうした? これ以上は待たないぞ――――――」

 

 

士道「なんで()()()()をするんだよ……」

 

 

プリンセス「?」

 

士道「俺の命なんて簡単に終わらせられるだけの力を持っているなら、どうして そんなに辛そうな表情をし続けているんだよ」

 

プリンセス「なんだと?」

 

士道「俺はずっと 誰にも見ることも聞くこともできなかった 俺だけのたった一人の秘密の友達の夢を受け継いで“サムライ”として強くあろうとしていた」

 

士道「なのに、俺の通っている学校なんて いとも簡単に吹き飛ばしてしまうような規格外の強さを持っているのに、どうしてそんなにも辛そうなんだ?」

 

士道「それだけの強さがあるなら、たくさんの人の命が救えるはずなのに!」

 

士道「みんなの命を助けて みんなから『ありがとう』を言われて みんなと笑顔になっていているのが普通なのに!」

 

士道「いったい誰がお前をそんなふうに変えたって言うんだ!?」

 

プリンセス「…………!」

 

プリンセス「し、白々しいことを! 私が会った人間はみな『私は死なねばならない』と言っていたぞ!」

 

士道「じゃあ、俺はどうなんだ! 四月一○日の日に最初にお前と出会った時に俺はそんなことを言ったか!」

 

プリンセス「!」

 

プリンセス「いや、言ってない……」

 

プリンセス「むしろ、あの時 私をメカメカ団から――――――」

 

プリンセス「………………」

 

士道「俺は嫌なんだ! そんなにも悲しそうな表情でいるのが誰であろうと!」

 

士道「俺は“みなしご”で 人間の中に囲まれていながら ずっと独りぼっちに思えていた頃があった」

 

 

士道「だから、俺と同じ“みなしご”だった頃の表情をしたきみの孤独を分けて欲しいんだ!」

 

 

プリンセス「!!」

 

グラハム『………………』

 

――――――

琴里「士道……」

 

令音「シン…………」

 

神無月「士道くん……」

――――――

 

士道「一緒に話そう! 一緒に遊ぼう! 一緒に食べよう!」

 

士道「たとえ世界の全てがお前に背を向けても俺だけは絶対にお前のために家のドアを開けておくから!」

 

士道「絶対にお前を独りになんかさせない!」

 

プリンセス「お、おい…………」

 

士道「だって、俺は――――――、」ポタポタ・・・

 

 

――――――きみの存在に心奪われた男だから。

 

 

プリンセス「!!!!」バキューーーーーーーーーーーーーーン!

 

士道「………………」ヒッグ

 

プリンセス「………………」ドクンドクン

 

士道「く、くそっ!」ダダッ

 

プリンセス「ま、待て! 待つのだ、シドー! シドーとやら!」パシッ

 

士道「え」グイッ

 

プリンセス「あ」パッ

 

――――――

神無月「おお! 精霊の方から士道くんの手を!」

 

神無月「ここで まさかの“泣き落とし”とはー! この展開は読めなかったー!」

 

琴里「この、うるさい! 今 茶々を入れる場面じゃないでしょう、神無月!」ゲシッ

 

神無月「ああ 司令! 司令!」ビクンビクン!

 

琴里「士道……、あなたはやっぱり…………」

 

令音「………………」

――――――

 

士道「………………」

 

プリンセス「………………」

 

プリンセス「その、さっき言ったことは本当か?」

 

士道「本当だ……」

 

プリンセス「本当の本当か?」

 

士道「本当の本当だ……」

 

プリンセス「本当の本当の本当か?」

 

士道「本当の本当の本当だ……」

 

士道「だったら、今から俺の家に来ないか。こんな寂れた場所じゃ夜は冷え込むし、俺はお前とたくさん話がしたいんだ」

 

士道「ごちそうだってする。シャワーだって使っていい。ふかふかの布団だって用意するし、それから――――――」

 

プリンセス「――――――!」スッ

 

士道「あ……」

 

グラハム『少年、今こそ足の動きを見てみるのだ』

 

士道「グラハム?」

 

プリンセス「………………」スタスタ・・・

 

士道「あ、足取りが軽い――――――」ホッ

 

プリンセス「ふ、ふん、誰がそんな言葉に騙されるか。バーカバーカ!」

 

プリンセス「だが、まあ、あれだ」

 

プリンセス「どんな腹があるかは知らんが、まともに会話をしようとする人間は初めてだからな」

 

プリンセス「この世界の情報を得るために利用してやる。うん、大事。情報、超大事」ウンウン

 

士道「あ、ありがとう……」

 

士道「やった――――――」ハハッ

 

士道「あ」

 

プリンセス「どうしたのだ?」

 

士道「そうだった。そう言えば きみが何て名前なのか 全然 聞いてなかった」

 

プリンセス「名か? そんなものはない」

 

士道「え、そうだったのか……」

 

グラハム『なに? どういうことだ? なぜ名を持たない? 精霊とはみな――――――』

 

プリンセス「だが、そうだな。いつまでも“きみ”だの“お前”とだけ言われるのも変だからな」

 

士道「じゃあ、何て呼ばれたいんだ?」

 

プリンセス「いや、シドーは私のことをどう呼びたい? せっかくだからな。私の名前をシドーがつけてくれ」

 

士道「あ、それなら――――――」

 

士道「あ……」チラッ

 

グラハム『きみの思うがままに想像の翼を羽ばたかせるといいさ』

 

士道「わかったよ。じゃあ、俺はこれからきみのことを――――――」

 

 

――――――一○日。トオカ。トーカー。

 

 

プリンセス「……“トオカ”?」

 

士道「そう、四月一○日に出会ったから“トオカ”で、漢字に直すと“十香”」

 

士道「でも、それだけじゃないんだ」

 

士道「英語で“Talker”と書いて“トオカ”――――――、つまり“話す人”って意味にもなるんだ」

 

プリンセス「…………“話す人”」

 

士道「どうだ? なるべく女の子っぽい響きで、俺たちの出会った記念とより良く変わっていく願いを込めてみたんだけど、十香?」

 

プリンセス「……そうか。これが私の名だ。素敵だろう、シドー?」

 

士道「ああ、十香。きみは十香だ」

 

 

十香/プリンセス「………………」

 

士道「………………」

 

 

士道「じゃあ、十香。もう こんなところにいないで 俺の家に――――――」パシッ

 

十香「!!」ビクッ

 

グラハム『少年! 今すぐに陰になる場所に退避だ!』

 

――――――

琴里「伏せなさい、士道!」

――――――

 

 

ババババババババ!

 

 

士道「!!?!」

 

十香「――――――!」スッ ――――――バリアーで容易く銃弾の雨を防ぐ!

 

十香「またメカメカ団か……」

 

士道「ASTが攻撃を仕掛けてきたのか!?」

 

十香「シドー、早く逃げろ……」

 

 

十香「私と一緒にいては同胞に撃たれることになるぞ……」

 

 

士道「――――――!」

 

グラハム『少年、ここからが正念場だぞ』

 

士道「わかってる。ここまで来たら もう退くわけにはいかない」

 

 

――――――また十香が()()()()()になったのを黙って見過ごせるものか!

 

 

十香「シドー?」

 

士道「俺は 十香の()()()()()を見て おとなしく帰るつもりはないからな!」ドカッ

 

十香「だが、シドー――――――」

 

士道「知ったことか! 止まない雨はないんだし、今日はここで雨宿りするのもいいかもしれないな!」

 

士道「実際、そうなんだろう?」

 

士道「あいつらは狭い場所だと戦えないから遠巻きに攻撃してくるってだけで、何の脅威にもなってないんだろう?」

 

士道「だったら、今日は俺といっぱい話そう。雨が上がるまで一緒にいよう。俺は十香と話がしたくてここにきたんだ」

 

士道「あんなの気にするな、十香」

 

十香「……そうだったな」フフッ

 

 

ババババババババ! ババババババババ! ババババババババ! ババババババババ・・・・・・・・・

 

 

 

――――――翌朝

 

士道「結局、俺は十香を家に連れ帰ることができなかった」

 

士道「俺が十香に『ASTは狭い場所で戦うのが苦手であること』を説明して、『広い空間を飛び回って戦火を拡大させない』ようにお願いすると、」

 

士道「十香はそれに納得してくれて 無闇にASTに反撃をして互いに敵意を強めないように 頭を使うことを約束してくれた」

 

士道「ASTとしては『精霊は非常に好戦的で近づくと命の保証がないほど危険』という認識であったらしく、」

 

士道「そのおかげで、学校に銃弾の雨が降り終わるまで 俺と十香は話を続けることができた」

 

グラハム『しかし、私にとってはバリアーに守られ続けるのは不快極まりないものだったがな』

 

グラハム『私は我慢弱く、落ち着きのない男なのさ』

 

グラハム『同じように、例の彼女――――――、ASTの隊員である鳶一 折紙も何度も突撃しようとして、その度に隊長に制止されていたな』

 

士道「ただ、さすがに何も食べずにずっとその場に居続けることはできず、」

 

士道「ASTが補給と監視に移った時、晩飯を食べに場所を変えることを提案したところで、十香と 一旦 別れることになった」

 

士道「そこで、俺は本来の〈ラタトスク〉の計画に則って――――――、」

 

 

――――――生まれて初めて女の子とのデートの約束を交わした。

 

 

士道「そうなんだよ。俺は初めて――――――」

 

士道「でもさ? そうやって、デートの約束をしたまではいいけど――――――、」

 

グラハム『何かね?』

 

 

士道「そもそも、精霊が現れると空間震になって 街中の機能がシャットダウンになって ASTも来るんだぞ!?」

 

 

士道「そんな中でどうやって精霊とのデートをしろって言うんだよ!?」

 

士道「俺の家に匿うことも考えたけど、〈ラタトスク〉で反応を追跡できている時点で『ASTも追跡できている』ってことだよな、それって!?」

 

士道「本当にどうするんだよ、精霊とのデートだなんて!?」

 

士道「はぁ…………」

 

グラハム『少年、考えていてもしかたがない』

 

グラハム『今はただ、精霊との対話を地道に続けていく他ない』

 

士道「それはわかってるけど、どっちかって言うと ASTを説得した方が早いような気がしてきた……」

 

士道「ASTがちょっかいを出すせいで 十香のように人間不信になっている精霊が出てくるんだから、もうちょっと考えて行動してくれよな……」

 

グラハム『しかし、いつ見ても空間震とは恐るべきものだな』

 

グラハム『十香一人でも同等の被害を出すことは可能だが、空間震に説得はできないからな』

 

士道「どこかに空間震を操って空間震を消してくれる正義の精霊がいてくれたらいいのに……」

 

グラハム『そうだな……』

 

士道「まあ、学校が全部無くなったわけじゃないようで、少しホッとしている自分がいるよ」

 

士道「なあ、グラハム?」

 

グラハム『何だ、少年?』

 

士道「結局、俺の選択は正しかったのかな?」

 

士道「今回は 偶然 話が噛み合ったけれど、他にも精霊がいるなら あんなやり方でやっていけるのかな?」

 

グラハム『さあな。そればかりは実際にやってみなければわからんよ』

 

 

グラハム『だが、きみが最初にやりたいと願った瞬間にこそ、対話のヒントが隠されているように思う』

 

 

士道「そうだよな。俺もそう思う、今なら」

 

士道「ああ。今回の経験を踏まえて“第5の選択肢”があるということを肝に銘じておくよ」

 

士道「じゃあ、ここにはもう用はないから、〈フラクシナス〉で転送――――――」

 

グラハム『む!』

 

 

タッタッタッタッタッタ・・・・・・

 

 

十香「シドー! シドー!」ギュッ!

 

士道「十香!?」カアアアア!

 

十香「シドー、私はずっと待っていたんだぞ。遅いぞ。バーカバーカ」

 

士道「わ、わるい! でも、空間震警報は鳴ってないぞ!?」

 

士道「まさか、ずっと ここに――――――」

 

グラハム『いや、それはない。一度は〈フラクシナス〉でも反応消失を確認している』

 

グラハム『とすると――――――』

 

十香「まったく、昨日 言ってくれた言葉は 全部 嘘だったのか?」

 

士道「そんなことはない! ただ連絡手段がないから十香がどこにいるのかわからなくて!」

 

十香「そうなのか? まあいい」

 

十香「さあ、シドー! 早くデェトだ!」

 

十香「デェト! デェトデェト! デェトデェトデェト!」

 

士道「わ、わかった! わかったから!」

 

士道「あ、ほら、十香。今からデートに行くからな。学校も休みだし」パシッ

 

十香「うむ。さっさとデェトとやらに連れていくがいい」フフン!

 

グラハム『待ちたまえ、少年。彼女が戦闘服のままでは周囲に驚かれてしまうぞ』

 

士道「あ、そうか。そうだった。すっかり忘れてた」

 

士道「すまない、十香。その格好のままだと敵だと思われるから、たとえば、そう、こんなふうな感じの服を着ておかないと――――――」スッ

 

十香「ん? この服ならいいのか? しかし、この女はあの――――――」ジー

 

十香「ふん」ビリビリ

 

士道「ああ 鳶一の制服写真が……」

 

十香「では、少しだけ待つといい」ピカァーーーン!

 

士道「おお!?」

 

十香「これでいいのか?」 ――――――来禅高校の制服に変身!

 

グラハム『なんと! 写真の服装を完全に自分好みにコーディネートしてその場で再現するとは! 汎用性が高すぎるぞ、天使(ガンダム)!』

 

士道「あ、ああ。よく似合っているよ、十香」

 

十香「そ、そうか。これでいいのか、よし」

 

十香「では、行くぞ、シドー! デェトに!」タッタッタッタッタ!

 

士道「おいおい! 俺より先に行ったら道がわからないんじゃないのか、十香?」

 

十香「おそいぞ、シドー! デェトだ! デェト!」タッタッタッタッタ!

 

士道「わかったから! これからお前にこの世界にいいところをたくさん教えてやるから! そう急ぐなって!」

 

グラハム『始まったな。今日は心ゆくまで精霊と踊り明かそうではないか、少年』

 

――――――

琴里「さてさて、次の空間震まで間が空くと思っていたけれど、これはこれで千載一遇のチャンスね」

 

令音「ようやく我々〈フラクシナス〉の本領発揮の段階までくることができたわけだからね」

 

神無月「腕が鳴りますね。今回は士道くんにとっても最初のデートということもあって盛り上げていきましょうか、司令」

 

琴里「ええ、そうよ! この時が来るのを5年間ずっと待っていたわけなんだから! ここで一気に巻き返すわよ!」

 

琴里「総員、〈プリンセス〉攻略のデートプランを 大至急 立案して実行に移しなさい!」

 

 

 

――――――さあ、私たちの戦争 <デート> を再開するわよ!

 

 

 

――――――

 

 




―――― 第5の選択肢 ――――

プリンセス「お前は何者だ?」ジロッ

士道「俺は――――――」

① 俺は五河士道。きみを救いに来た!

② 通りすがりの一般人です やめて 殺さないで

③ 人に名を訊ねる時は自分から名乗れ

④ 俺は五河 士道! きみの存在に心奪われた男だ! 

⑤ なんでそんな顔をするんだよ……

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