偽・さよなら糸色亡月王先生   作:ポロロッカ星人

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今回は短めです。
感想でマリアの出番が近いとの声もありましたが、すみませんまだです。






目を覚ますと、未だ小節さんの……否、あびるの部屋だった。

ふだんから怪我ばかりしているせいか、変に痛みに慣れていたあびるは、初めてでもかなり乱れていた。

理性を無くした動きのせいで、一部の傷口から血が滲んでしまっていたが、あびる自身は気にした素振りもなく、代わりに私が加減に気をつけなければならなかった。

痛みも、生きているからこそ。

破瓜の痛みも、体の傷の痛みも、あびると彼女の内に眠る魂にとっては生を実感する悦びでしかなく、なんら躊躇うことなく動き続けていた。

今は、眠ってこそいないものの、穏やかな様子で目を閉じ、ベッドに座る私にしなだれかかっていた。

彼女の左目には、赤木杏が宿っている。

その影響で、行為の最中は小節あびると赤木杏の人格が混じりあっていたのか、私の事を「先生」と呼んだり「望君」と呼んだりバラバラで、小節あびるとしては知り得る筈のない、小森霧や常月まといとの情事の内容まで知っている素振りだった。

しかし、何度か抱いた霧やまといにはその様な事はなかった筈だが、この違いはなんなのか。

確かめねばなるまい。

知っているとすれば兄の命か、新井先生か。

 

「先生……?」

 

考えていると、あびるが小さく呟いた。

落ち着いた今は、しっかりとあびるの人格が確立されている。

あの時の支離滅裂な言動を、本人は覚えていないようだった。

 

「どうしました、あびる」

「私、たぶん、けっこう面倒臭い女だけど……本当にいいの?」

「婚約者になることが不安なんですね」

「うん」

「心配せずとも良いですよ」

「……うん」

 

頭をぽんぽんとあやすようにしてやると、幼子がむずがるように、私の胸に顔を擦り付けてきた。

 

「先生……?」

「……どうしました?」

「明日の放課後、買いにいこうね」

「……そうですね」

 

私を見上げながら、彼女は自身の首を指でなぞって主張していた。

何を買ってほしいのかは、すぐに解った。

この部屋の姿見を見ると、そこに映っているのは生まれたままの姿で寄り添う男女。

彼女の首には、私の首と同じ絞首跡がくっきりと残っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日、火曜日の朝。

学校にて再び教室内が騒がしくなった。

あびるが登校してきた際に、また怪我が増えていただけでなく、首に残る絞首跡を隠そうともせず、本人に至っては「まだ入ってる気がする」と処女を喪った事を隠そうともせずに公言し、ひょこひょこと不器用に歩いていた。

そして、あの教室内では無表情だった小節あびるが潤んだ瞳で私を見ては、静かに微笑んでいる。

誰がどう見てもそういう関係と解るだろう。

男子生徒の一人である臼井君は、その様子を見て血涙を流しながら「この淫行教師!」と私を大声で罵倒してきた。

もしかしたら、彼はあびるに惚れていたのかもしれない。

先にペットになったまといが、あびるに対抗してか教壇の下に隠れて授業中の私から離れようとせず、隙あらば私の股間を刺激しようとするので本当にやめてほしい。

今は授業中である。

視線があえば、まといはにこりと妖艶に微笑んだあと、親指と人差し指で作った丸の中に舌をれろれろと出し入れして見せる。

教壇の影で誰にも見えていないからって、そういうことは止めなさい、とおでこを指で弾いた。

すると彼女は、私の指を捕まえて舐めしゃぶろうとしてきた。

もう一度言うが、今は授業中である。

 

「先生のお手つきがまた増えましたね」

 

と微笑んでいるのは、風浦可符香の格好をした霧であった。

何気に毛布を羽織っていない状態での、セーラー服姿の霧を見るのは初めてだった。

髪の長さが肩口になるように、余った分は邪魔にならぬように結わえていた。

普段は長い髪に隠されている白い首筋が、こうして露出しているのは新鮮だった。

陽に当たらないせいか、周囲の生徒達よりも色白なのが顕著だ。

首輪はしておらず、うっすらと白い肌に絞首跡が残っているが、誰もその事を指摘しない。

その瞳には慈愛が満ちていた。私に対しても、あびるに対しても。

 

「もう、死のうなんて思いませんか?」

「えぇ、今は」

 

生きなければならない。

私はまだ、君の全てを愛せていない。

きっと、まだまだいるはずなのだ。

 

「うふふ」

 

何故、彼女は風浦可符香なのか?

名前の後ろのP.Nとは何か?

何故、複数の少女で入れ替わるのか?

答えを急げば消えてしまいそうで、私は彼女自身へは問い掛けられなかった。

今はただ、夢幻であろうとそこにいる。

私の生徒としてここにいるということは、これも彼女の願いの一つなのだろうか?

それとも、形は違えど、共に学校に通いたかったのだろうか?

きっと生きていたならば、中学を卒業して、同じ高校に通って、共に青春を謳歌していたに違いないのだ。

私も、貴女とそういう事を夢見ていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

授業の終わった放課後。

特に業務も無かったために、そのまま学校を出ることにした。

あびると首輪を買いに行く約束をしていた私は、その前に一度、霧とあびると、同じペットとしての顔合わせをしようと考えた。

しかし、結局霧は朝から風浦さんのままで、私以外は誰も小森霧だと認識できていないようであったため、今回は諦めた。

命兄さんに確認もできていないうちに、無闇に薮蛇になる行為を避けたのだった。

 

「今まであまり話したことなかったよね?」

「よろしく」

 

まといは先日、霧とも話し合った結果で新しくペットが増えるだろうと予見していたこともあり、あびるが新しく私の婚約者(ペット)となることに反対はしなかった。

ただ、ペット内序列を競うかのように、二人の間に見えない火花が散っているような気配がある。

さすがに他の学生の目の多い学校内では大人しくしていたが、校門から出てからは左にまといが、右にあびるがぴったりと寄り添ってきた。

 

「先生」

 

普段は後ろをついて歩くまといが、今日はあびるに対抗してか、大和撫子を気取るのは止めているようだ……教壇の下でセックスアピールしてくるのは大和撫子とは到底言えないので、朝からそうだったともいえる。

私の左手と指を絡ませ、腕を絡ませ、俗にいう恋人繋ぎをした状態で、更に離すまいと念を入れたのかは知らないが、何処からか取り出した手錠を互いの手首にかけてしまった。

 

「先生」

 

あびるも、自分もペットであると主張するかのようにまといに対抗してか、同様に左手の指を絡ませ、腕を絡ませてきた。

手錠の代わりに、彼女の怪我を包んでいた包帯をほどき、二人の手首をそれで固定してしまう。

 

「両手に華……ですか」

 

華は華でも、絡み付く蔦を持った薔薇のような華なのだろう。

扱いを間違えば、棘で傷ついてしまう。

しかし、これはお互い様の話で、彼女達からすれば私こそが蔦で絡んでしまう薔薇なのかもしれない。

そして達の悪いことに、互いに相手になら傷つけられても構わないと、半ば本気で思っている。

 

「……見られてますねぇ」

 

そして現在進行形で、ご町内の皆様にじろじろと見られているわけで。

私の社会的立場とか、そういった物は二人の存在によりガリガリと傷つけられていた。

前世なら通報されているだろう。

現に、通報はされずとも警戒でもされているのか、先程から複数の人間が跡をつけてきている気がするのだ。

以前の私なら絶望していただろう状況だったが、ここ数日でふっきれたのか、あまり気持ちが沈むことはなかった。

実際、まだ関係を持ったのは3人。おそらくはもっといるはず。

彼女の全てを愛すのであれば、後々人数は増えるに違いないのだ。

 

「ここですよ」

 

三人がたどり着いたのは一件のアクセサリーショップ。私はこういった店に詳しくは無かったのだが、さすがは女子なだけあって、まといとあびるは知っているようだった。

なんでも、婚約首輪を専門に扱っている店で、様々なデザインのものが多いらしい。

霧とまといの首輪は私が用意したものではなく、彼女達が自分で用意したものだったので、せっかくなら二人の分も一緒に買おうと思う。

入ってしまえば、それまでの街中の好奇の視線は無くなった。

私達以外にも、ペット同伴の男性が一組おり、客層からして不思議でもないからだろう。

店内には様々なデザインの首輪が展示されていた。

マネキンも全てが首輪を装着している。

シンプルなものからチョーカーのようにスリムな物、逆にごてごてと装飾がなされた物。

話の通りに、首輪がメインの商材なのだろうが、中には首輪というより、両手とセットでギロチンのように拘束する拘束具まであった。

他にもボールギャグや、竹製の口枷、鞭に蝋燭といったSMプレイにそのまま使えそうな物まで陳列している。

穴に入れたり震えたりするような大人の玩具こそ無いが、どう見てもアダルトグッズの店である。

店の入り口に18禁のマークとかは無かったが良いのだろうか?

 

「ただのコスプレグッズだから全年齢です」

 

店員の女性に聞いてみると、営業スマイルでそう答えられた。

 

「ふふ、糸色さん。こちらに越してきてまだ日も浅いのに、もう二人もペットを作られたんですね」

「……すみません。三人です」

「あらあら。女子はみんな格好いい先生との恋を一度は夢見るものですし、羨ましいです」

 

まさか初めて入った店で知人が働いているとは、少し照れ臭い。

 

「……先生、こちらの店員さんとお知り合いなんですか?」

「ええ、こちら私の家のお隣さんなんですよ」

「隣の尾吐菜梨です」

 

まだ数回、会った時に挨拶した程度の仲であるが、礼儀正しい女性である。

日本人好みのタヌキ顔の美人さんで、スタイルも良い。長めの髪を巫女のような垂髪にしており、清楚な印象を受ける。

近くの短大に通う学生と言っていたので、この店でアルバイトをしているのだろう。

せっかくなので、首輪を選ぶ際の助言を戴いた。

 

「そうですねぇ、一人一人の好きなデザインを選ぶのもいいですが、どうしても同じものでない限り、値段や質の差は出てきます。複数のペットを平等に愛せる方なら、あえて全員同じデザインにするのがいいかもしれません」

 

成る程、一理ある。

人の好みはバラバラで、そこで優劣をつけるのは避けたいところだ。

ならば、一目で私のペットだと解るようにデザインを統一する方が理にかなってもいる。

 

「解りました。その方向で考えましょう」

「今ならこちらの首輪を10個セットで一割引にしますよ? 引いた分でもう一個買えてしまいますね」

 

薦められたのは、深紅の落ち着いた色合いの物で、金具の造りもしっかりとしていて、一目で良い品と解る。手に取ってみれば見た目に反して軽く、裏の生地も肌触りが良いし、縫合のほつれもない。

今、霧とまといが着けている物よりも、確かに良い品な分、値段も相応にお高めである。

 

「取り敢えず今いる人数の分で……」

「「セットで」」

「…………」

 

私の言葉に被せるようにして、左右の二人が割り込んだ。

先程までの火花散るような関係はどこへやら、知らぬ間に息の合ったことをする。

 

「おそらくは3つでは足りません」

「うん。それに次きたときに同じデザインがあるとは限らないし。先生なら10人はきっといくよ」

 

私自身が、まだ他にも娶るべき女性が現れるだろうと考えているだけに、反論できない。

 

「……解りました。あの、カードって使えます?」

「お買い上げありがとうございます」

 

あぁ、一気に懐が寂しくなってしまった。

本当であれば預金残高を確認したかったが、こういう時に見栄を切ることを求められるのが、男の辛いところである。

実家には頼るまいと思ってはいるが、想像の中の両親と妹が、イヤらしい笑みを浮かべて手招きしていることに軽く絶望した。

 

「ありがとうございましたー」

 

尾吐さんに見送られ、店を後にした。

手錠と包帯は、荷物が持ちづらいために外してもらい、さっそく新しい首輪をつけた二人と帰路を歩いているのだが、二人共に上機嫌である。

あびるなどは鼻歌でも歌っているようだ。

みっくるんるんとは、何か子供向けのアニメの曲だろうか?……子供っぽいところもあるのだな。

 

「先生、少し疲れませんか?」

「そうですね、どこかでお茶でもしていきましょうか……」

「あっ、じゃあ私、先生と行ってみたい所があるの」

「あら、私もよ」

「行きたい場所があるなら、そこに行ってみましょうか。私はこの辺に詳しくはないのですが、場所は解りますか?」

「うん大丈夫。入ったことないけど場所は解る」

 

おそらくは私の事を気遣ってくれたまといの言葉に、あびるが何処かを思い付いたらしい。

二人共、その場所でいいとの事から案内は任せてしまった。

高校生には敷居の高い、純喫茶とかだろうか?

 

「……ここは」

「お城です」

「ええ、お城ね」

「いえ、まだ日も沈まぬ内からは……」

「先生……?」

「女の子は、一度はお姫様に憧れるんですよ?」

 

周囲の雑居ビルとは外観を逸した西洋風の城を模倣した建物。

入り口は、幕で隠されて内部が見えないようになっている。

正面には外観の雰囲気度外視した、安っぽいネオン灯で♡HOTELと書かれていた。

ぐいぐいと疲れを感じさせない力で手を引かれ、幕をくぐると、ガラスの開き扉があった。

そこには、二人の風浦可符香に……否、二人の赤木杏に手を引かれる私が映っていた。

気がつけば、私は抵抗をやめ、むしろ積極的に二人の首を締め上げていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二時間ほど休憩した。

体を休めるための休憩場所を求めていたはずなのに、逆に疲労が増しているのはこれいかに。

私の腰の疲労と引き換えに、二人の肌は艶めき、女として満足させられたのが解る。

首輪で隠している下には、先程ついたばかりの絞首痕が残っていた。

既に日は沈み、19時となっていた。

二人共私の家に泊まりたいと主張したものの、霧にもできれば今晩中に首輪を渡してやりたい。

そう伝えると、納得してくれた。

二人をそれぞれの家に送り届けて、夜の学校に戻る。既に20時となっていた。

新校舎の方ではすでに職員室くらいにしか灯りがついておらず、間もなくそれも消えるだろう。

反対に、旧校舎の一室では明々と光が灯されているのが解る。

霧が寝床としている空き教室だ。

他の人の気配もないからか、向かっている途中の足音でも聞こえたのだろう。

扉にたどり着く前に、霧が廊下に顔を出した。

 

「あっ、せんせー♡」

「こんばんは」

 

既に風浦さんを演じるのをやめて、本人に戻っていた霧は、私の顔を見るや目を輝かせ、そのすぐ後には思い出したかのように頬を膨れてみせた。

 

「もう、今日はお昼も来ないし、来てくれないのかと思った」

「心配させたみたいですね、すみません」

「……うぅん。いいよ、今来てくれたし」

 

昼間、風浦さんとなっていた霧とも会話をしていたのだが、霧としてはその記憶はなく、あくまでも今日は私が彼女に会いに来る約束をすっぽかしたという事になっているらしい。

風浦可符香になっていた意識はなく、その間はこの空き教室で一人、自習をしていた記憶に置き変わっているようだ。

私は、小節あびるが新しくペットになってからの話をした。

どういう娘なのか。まといとの顔合わせ。

霧にも会わせようと連れてきたが会えなかったことや、その後に首輪を買いに行ったこと。

ホテルのことは言わなくても匂いでバレた。

 

「二人だけいいな。私もデートしてみたい」

 

ひきこもりだから無理だけど───とどこか寂しそうな霧に、私は何をしてやれるだろうか?

彼女は校舎から出られない。

昼間は他の生徒達が怖いのか、トイレ以外は自分の教室にひきこもっている。

しかし、この夜間であれば他の人間はいない。

 

「いや、校舎から出なければいいのか」

「せんせー?」

「霧、良ければ私とデートしてみましょうか」

 

ほんの、お遊び程度のものではあるが。

夜の誰もいなくなった校舎を、二人占めといこう。

 

「うん、うん!」

 

せっかくなので、毛布の下の服をジャージからセーラー服に着替えた霧と、旧校舎内を散策した。

ただでさえ、灯りのない夜の校舎というのは気味悪く映り、ちょっとした胆試しのようでもある。

 

「じゃあ出席とります。小森霧さん」

「はい」

 

普段はしていない出席確認とかをしてみたり。

 

「見て、相合傘」

「あぁ、落書きの定番ですよね」

 

黒板に落書きしたり。

 

「先生はピアノ弾ける?」

「私、猫踏んじゃったしかできませんね」

 

音楽室に忍び込んで、ピアノを出鱈目に弾いてみたり。

 

「本がいっぱい」

「でも暗くて読めませんね」

「……せーんせ♡」

「おや?」

 

図書室で、抜き取った本の隙間から、本棚越しに見つめあってみたり。

 

「ぐーりーこ!」

「むぅ、今度こそ」

「先生じゃんけん弱いねー……あっ、スカートの中覗いたでしょ。先生のエッチ」

 

階段でジャンケンして遊んだり。

 

普段からひきこもりをしている霧には、どれも新鮮で楽しんでくれているらしく、月光に照らされた彼女の笑みはとても美しかった。

彼女もこのように笑ってくれていたのだろうか?

どれも、赤木杏が生きていたならば、私がしてみたいとかつて思っていたものだった。

得るはずの無かった青春を、私は今体験しているのかもしれなかった。

 

「……先生、泣いてるの?」

「えっ、あれ?……これは、その……」

 

いつの間にか、無意識に涙が流れていた。

止めようとしても、後から溢れてくる。

 

「はは、何なんでしょうね……涙が……」

「大丈夫だよ、私はここにいるから」

「……はい」

「うん。何も悲しまなくていいんだよ」

 

私よりもずっと小柄な霧は、それでも包み込むようにして、ぎゅっと私を抱き締めてくれた。

 

「何処にも行かないから。私は、先生のものだから、安心していいよ」

「……はい」

「ずっと、ずっと、ず~っと……先生と一緒だよ」

 

彼女は、何故私が泣いているのかを深く聞いてくることはなく、ただずっと、私の涙が止まるまでの間を聖母のような表情で慈しみ、抱き締めてくれたのだった。

 

「……泣いてる先生も可愛くていいね」

「もう、茶化さないでくださいよ」

「うふふ」

 

暫くして、涙が止まってからも霧は私に寄り添ってくれた。

冗談を言って笑いあう。

そしてどちらともなく無言になり、手を繋いだまま、窓の外に見える月を眺めていた。

こういう穏やかな時間も良いものである。

 

「……」

「……」

「ねぇ、せんせー?」

「どうしました?」

 

霧は、甘えていると私を呼ぶ声が伸びる。

意図してやっているのか、自然とそうなったのかは解らない。

ただ、彼女も今のこの空気を心地よく思ってくれている事はわかった。

 

「ふふ、呼んでみただけー」

 

結局、私達は夕飯を食べるのも忘れて、日付が変わるまで、手を繋いだままでいるのだった。

 

 




風浦可符香
CV小森霧


絶望少女(ではないけど)紹介
尾吐菜梨───望の家のお隣さん。大学生。
望に手作りカレーをお裾分けしたり、望も生徒達よりも年齢が近く美人な事もあり満更でもない描写がある。48系胡散臭いアイドルグループの一人で人気トップなど、後から要素も追加された。
正体は風浦可符香の変装した姿で、カレーにも一服盛られていたりする疑惑あり。
しかし、風浦可符香が演じられた存在である以上、更にそのキャラが演じているということは、彼女もP.N人格の一人なのか、もしくは描写もないしクラスメートでもないが、彼女も本当は絶望少女の一人だったのか、謎多きキャラである。
少なくとも、アイドルをして大勢のファンが彼女を認識していた以上は、風浦可符香のように複数の人間が演じていたのではなく、確固とした個人がいるはずである。
この作品では男が少ないため、女性アイドル業はもうからないので、普通にアルバイトをしている。

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