・トゲ頭、死亡説浮上
ブロロロ
「葉隠、何処に行けばいい!」
ども、葉隠だべ。今、俺は大和田っちのバイクに乗っている。
「アイツ等を振り切ってくれれば、何処でもいいべ!」
アイツ等とは借金取りの事だべ。アイツ等はベンツに乗って俺達を追っている。
ガチャン
「…ん?何の音だべ?」
ほうほう、黒くて滑らかなボディに何処か危ない香りを匂わす物体。
「うん、銃だべ。
………大和田っち、スピード上げるんだべ!早く上げるんだべ!」
「ア゛ァン?」
「いいから、早くスピードを上げるん──」
バンッ!
「ギャァァアアア!?撃ってきたべ!銃刀法違反関係なく撃ってきたべ!!」
「ハッ!面白ぇじゃねぇか……!」
イヤァァァァアアア!こんな時に張り合わないでぇぇええ!
「葉隠!飛ばすから手ェ離すなよ!」
「離さない!一生離さないべ!死ぬまで離さないべ!」
……ピリリリ…ピリリリ…
「おう、なんだ?」
大和田っちの携帯が鳴り、大和田っちが電話にでた。
あれ?何か嫌な予感がするべ。
「…おう………っ!……おぉ、今ちょうど暇してたんだ」
暇?現在、絶賛カーチェイス中だというのに?
ヤバイ。なんか、ヤバイべ。凄い、嫌な予感がするべ。
「おう、今からバイク飛ばして行く。
……じゃあな、不二咲」
あ、もう終わったべ。
「よし、降りろ葉隠」
…時速180kmのバイクからどうやって降りろと言うんだべ?
「お、おお大和田っち、さっきは『手ェ離すなよ』とか言ってたべ!」
「いいか、葉隠。漢って言うものは
───過去を振り向かないのが大切なんだぜ?」
「今は振り返って!!いや、振り返るべきだべ!見るべ、ほら、おっかない人達が拳銃片手に車で追っかけてるべ!!」
「ポリ公だって似たようなもんだ、気にすんな」
「似てない!全然、似てないべ!」
警察はあんなに拳銃、振り回さないべ!
「ダァー!ウッセェな、元はと言えばテメェの責任だろうが!
いいから、サッサと降りろやゴラ!」
大和田っちはそう言いながら俺をゴミ捨て場に投げた。
「おうおう、兄ちゃん。やっとこさ、追いついたぜ」
ヤバイべ。
「安心しろ、身体は痛めつけねぇよ」
-だって、そんな事したら売れる臓器が傷ついちまうだろ?-
───俺はいつの間にか走り出していた。
「ギャァァアアア!?勘弁してくれだべ!」
どうするべ!あっ、アイツ等が乗っていたベンツに乗れば!
俺はそう考えた瞬間、すぐさまベンツに乗り込んだ。
「なっ!?馬鹿共が!どうして全員降りたんだ!」
へへっ、慌ててるべ。
「じゃあ、さよならだべ!」
このまま、アイツ等を引き離せば俺の勝ちだべ!
「ふん、此処からは誰も通さん」
ふと、そんな声が聞こえた。
「…おいおい、なんで、なんで此処に
──オーガがいるんだべ!?」
俺の車の直線上に霊長類ヒト科の最強に近いバケモノが現れた。
「いやはや、お嬢さん。ご協力有難うございます」
俺は借金取りに囲まれている。
えっ?あの後、どうなったか気になるんだべか?悪いが語る気になれねぇべ。
「へへっ、もう終わったべ」
諦めるべ。諦めるて内臓を売るべ。
「さて、コイツをどうしちまおうか?」
「あー、すいませんがちと、待ってくれます?」
その時、救世主が現れた。
「──加賀美っち?」
「何の用です、加賀美さん?」
「いや、ちょっとこのトゲ頭に渡したい物がありましてね。
ほら、受け取れ」
加賀美っちはそう言って、俺に分厚い茶封筒を渡した。
もしかして、これは……!
「流石に、内臓を売るのは可哀想だと思ってな」
加賀美っち…!アンタ、漢だべ。何処かのフランスパン野郎みたいななんちゃてとは違ぇべ!
「ほら、中身確認しとけよ。あぁ、後お前に言いたい事があるんだよ」
俺は溢れ出る涙を拭きながら封筒を開け、中の物を取り出す。
そこには──
「ドッキリ大成功!」
──と書かれた大量の紙が入ってた。
一ヶ月後。
「あれ?苗木、トゲ頭は今日も学校休んでんの?」
「朝、起こしに行ったんだけど外に出るのが恐いらしくてまだ引き篭もってるんだ」
「へぇー、そうか。なにか、あったのか?」
「さぁ?教えて貰おうとしたけどその事に関しては一切喋らなかったんだ」
「ふーん。そういや、狛枝の奴転校すんだって」
「へぇー」