僕には年の離れた姉がいる。家族の居なかった僕をここまで育ててくれた。本当に感謝しかない……今の自分があるのは姉が居たからだと断言できる。姉はお世辞にも常識人とは呼べなかったけど僕にとっては唯一、大切な人物と言っても良かった。
だけどここ最近あんまり連絡を取り合っていない。姉の方からは多く連絡が来るんだけど……最近は少し面倒になって僕の方は連絡をしていない。だって一週間に一度は手紙が来るんだ。もっと少なくして二か月に一度とかで良いと僕は思っているんだけどな。
そして今、僕はその姉からの手紙に目を通している。
ヘルマンへ
私はこれから壁外調査に行ってきます!!今から楽しみで夜もまともに寝れないよ。今度こそ巨人が捕獲できるように頑張るよ!
ヘルマンの方はどうだい?あまり手紙をよこさないからそっちの現状が分からないから今度は絶対に返事ちょうだいね!
姉としてはヘルマンに恋人の一人でも出来ると嬉しいんだけど。この残酷な世界で大切な人間というのは悲しみをよぶこともあるけど幸せをよぶこともある。私はヘルマンに出会えて幸せになれた。君はもう少し人を受け入れてみると良いよ。
別に恋人にこだわる気はないけどヘルマンに一人でも多く信頼できる人が出来る事を姉として願ってるよ。
今度の休みには久しぶりに会おうね
姉より
本当に姉さんは全くと言って良いほど変貌がないな。『恋人』『友達』、僕にはもっとも縁遠い言葉だ。姉さんも僕の性格は知っているはずだけどな。それでも僕に信頼できる人を増やせとは難しいことを言ってくれるね。信頼は得るのは難しいけど信頼を壊すのは簡単。
それに信頼するような仲は友達以上になってしまうのではないか。それは僕のもっとうに反するのではないか。いくら姉さんの頼みであったとしても僕は自分の信念を曲げる気は毛頭ない。姉さんには悪いけどね。
今週は珍しく僕としては……色々な人と話したと思う。クリスタ、アニ、アルミンかな…いや、ミカサとも話したことがあったな。振り返ってみると四人の人物と一対一で話すなんて歴代稀に見るほど多い。
少しずつ僕も人と話そうとしているのだろうか。訓練兵になった当初は誰とも話さないのが僕だった。
僕が少しずつ変わり始めているのかもしれない。それが他人から見ると良い変化なのだろうか、悪い変化なのだろうか。自分ではあんまり気付いてないけど……他人から見るとすぐに分かるほどの変化なのかもしれない。
これから一体、僕はどのように変化していくのだろうか。全然、想像できないけど………少しだけこれからが楽しみだな。
次の話に登場して欲しいのは?
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ミカサ
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アニ
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クリスタ(ヒストリア)
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エレン
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ジャン
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ライナー
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リヴァイ
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ハンジ