東方純愛小話   作:覚め

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名前のないキャラクターってほとんど二次設定で生きてるらしいんですよね。
きつそ…美鈴さんです。


第125話

 

紅魔館

 

「…いや、なんで僕が門番やるんすか」

 

「仕方ないじゃないですか。門番なんてほとんど顔パスですし」

 

「お寿司じゃないんだよ。え、何?人手足りないんですか!?」

 

「足りてなかったら門番に人置きませんよ」

 

あ、それもそうか。と納得してみるが…いや、待て。そうじゃないんだよね。違うんだ。なんで俺ここにいるのって聞いてるんだな。うん。人手が足り過ぎたのかな。妖精で事足りるのかな。俺募集で来た人間だからかな。

 

「それに紅魔館で働いて1年近く保つの珍しいですし」

 

「珍しいんですか。そういや何人か逃げ出してたけど」

 

「うるさいですよ」

 

「話振ったのはこっちだけどさっきの話にしたの美鈴さんですからね」

 

「…誰か来ます」

 

「え、嘘。ちょ、逃げたいっつか逃げる!」

 

「そうした方がよろしいかと。どーせ吸血鬼討伐隊とか言う変な連中ですから」

 

「なにそれ!?ちょ、門開けて!?」

 

「上から放りますので、我慢してくださいね」ガシッ

 

「割としっかりした鷲掴みなのね」

 

「行きますよ…」

 

「いや、もう少し心の準備ってのが」

 

「ていっ」ブンッ

 

「ぉおわぁっ!?」ゴンッ

 

「あっ!?」

 

「いでっ!」

 

「あ、あらら…?」

 

もう人里は吸血鬼討伐隊とか組むな。俺の身体が崩れ落ちる。さて、どうしたものか。どうしようと奮起すれば良いのか。ここにいては何か言われる気がする…でも、門の前は敵だらけらしいし…隅っこで小さくなればなにも言われないかな…

 

数分後

 

「…わーすごい全部死体ですかこれ」

 

「正確に言うと血です」

 

「血ですか。いや、普通に死体ですよね」

 

「お嬢様方に届ける血です。まあ鮮度は良い方です」

 

「良い方なんて言い方でいいんだ。え、良いの?」

 

「じゃあ貴方が生きる輸血パックになります?」

 

「勘弁」

 

「良いんですよ?そしたら私は同僚が長生きするんで嬉しいです」

 

「???」

 

「吸血鬼になってくれれば」

 

「吸血鬼になるつもりはない」

 

「妖怪にも?」

 

「いや、うん、もちろん」

 

「…そうですか」

 

「え、何今の。俺なんかやばいことした?」

 

「ま、どーせこんな答えだろうとは思ってはいましたよ」

 

「ええ…?」

 

「さて、私はこの山持って行くのでここに居てくださいね」

 

「あ、はい」

 

「…よっと」オイショ

 

「オイショで持てる量じゃないと思う」

 

「まあまあ」

 

「まあまあじゃ済まんぞ。やっぱ怪力って」

 

「これでも女ですから」

 

女でも、妖怪ですから…と言いかけたが閉まっておこう。口に出したらどうなることやら。そう思いながら仕事は数日続いた。いや、外に立ちっぱなしがダメなんだよな。門番ってもう少しシフト交代制とかできないもんかね。

 

「…」

 

「どうしたんですか。寝たように静かになって」

 

「いや、良い具合だなって」

 

「…え、何が?」

 

「なんでもないです」

 

「あ、そうそう。僕、そろそろ館の中に戻るそうで」

 

「え?」

 

「…いや、なんですか。なんで驚いて」

 

「希望したんですか?」

 

「まあ、立ちっぱなしがキツかったので」

 

「…椅子置けば良いのでは?」

 

「そう言う話じゃないんですよね…」

 

数日後 紅魔館内部

 

「…僕明日から館の中ってマジですか」

 

「お嬢様に聞いてみたら…『その日が一番良い効果を発揮する』とか言うんですもの」

 

「うっわすんごい占い臭い」

 

「美鈴にも伝えておきなさいよ」

 

紅魔館門

 

「ですって」

 

「…」

 

「え、なんでこっち見てるんです?そんな睨む感じで」

 

「ていっ」ゲシッ

 

「んんっ!?」

 

「もう少しかな…」

 

「え、何するんですか。急に組み手とか言わないでくださいよ?いや、蹴る姿勢取らないでください」

 

「同僚じゃやっぱり満足できませんね」ブンッ

 

「腕!?」スカッ

 

「んー、どうしようもなく好きなんですよ。でも、下手に進めると関係が崩れそうだったもので」

 

「そこで心の葛藤を告白せんで良い!」

 

いや、いつものようにボケーっとしてる感じで空見てたと思ってたんだけど。こっち見てたし蹴ってきたし。しかも心の迷いも言われたし。何これ。どーすんのこれ。てかお嬢あの野郎このこと知ってただろ!畜生だ畜生!罠に掛かったと言うのか!?

 

「良いじゃないですか。別にもうその迷いも消えるんですから」

 

「ちょ、ちょーっと何言ってるか」

 

「要するに…」スルスル

 

「いや、どこにそんなドデカイ棒持ってたんですか。身長ぐらいありますよねそれ」

 

「喋れなくして、私に絶対服従させて仕舞えば。恋は成就するんです」

 

「しないですよ?」

 

「ふんっ!」ブンッ

 

「いあっ!?」ゴガッ

 

「…さて。歯が2本抜けてしまいましたね…ここら辺かな?」

 

「ちょ、何して」

 

「拾ってるんですよ。好きな人の体の一部って考えるとすごいゾクゾクして」

 

「こんなキチガイと同僚やってたとか、え、待って。じゃあ最近物が無くなる感じがしてたのは」

 

「それは知らないですね」ブンッ

 

「!?」ガンッ

 

「…お、ようやく気絶しましたか。ようやくと言っても3回くらいしか当ててないですけど」

 

「こんにゃろ!」ゲシッ

 

「おお、起きてましたか。じゃあ両腕両足、へし折りますね」ガシッ

 

「え?」バギッ

 

その後、僕はあの時気絶したふりをしていればよかったと思うくらいクソ痛い思いをしました。なんか、関節を逆方向にやるのかな、とか思ってたのに脛の部分で折るし。なんかもう、痛過ぎて逆に冷静になってきた。いやでも

 

「ふんっ」バギッ

 

「アッ」

 

「…普通骨って折れたら気絶するくらい痛いはずなんですけどね…」

 

紅魔館内部

 

「…え、美鈴、それ…」

 

「?ああ、逃げようとしてたので捕まえました」

 

「え、逃げようとしたの?」

 

「身が持たないとかなんとか言ってましたよ」

 

「ん…」

 

「そ、そう。それじゃ」

 

「はい」

 

「いだ…ってうおっ」

 

「…門番、続けますか?」

 

「いや、それよりもお姫様抱っこなところに」

 

「んもうワガママですね」ゴギッ

 

「んがぁっ!?」

 

「…答えてください。続けますか?」

 

「つ、続け…ます…」

 

「よろしい♪じゃあ、治ったら自分の口で言ってくださいよ。僕はやっぱり門番が良いですって。良いですか?」

 

「いや、でも」

 

「は?」ガシッ

 

「…なんでも、ないです…」

 

「そうですよね」

 

…やっぱり、思ったんです。妖怪なんかと仲良くするんじゃなかったって。

 

「痛い…」

 

「よくよく考えたらまともな医療キットがないですね。吸血鬼になってもらいましょうか」

 

「ぅえ!?ちょ」

 

「次は拳骨折りますね」

 

「…ご、ごめんなさい…」

 

「それでいいんです」ゾクゾク

 

 

 

 

 

 




妖怪って絶対欲深いし何でもかんでも手に入れようとすると思ってるんです。
だから人里に妖怪が度々出現したりしなかったりするんですよ。んで、欲しい物を傷つけてでも手に入れた時には快感を得ると思うんですよね。多分。
…これってただただ強くて欲深いだけの女ってことになりますよね。美鈴さん。
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