東方純愛小話   作:覚め

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今回はかなり純度の高い純愛だと思います。
いや、あの、タイトル詐欺とは言いませんよ。
今までのが純愛か、って問われると自信がないんですよ。どっちかって言うと、病みが入ってたじゃないですか。
まあ、純度80%くらいの咲夜さんです。はい。


第127話

紅魔館

 

「…何でこんなでかい館に等間隔で花瓶を置くのかね」

 

「あら、悪いかしら?」

 

「悪い。なんなら主人のために命を投げ出す奴が1人いて、そいつが実質チートなのも悪い」

 

「チート…?美鈴のこと?」

 

「…いや、なんでもないわ」

 

「?そう…」

 

…組織というのは主人のために命を投げ出す奴が3人入れば完成する的なことを聞いたことがある。いやしかし。そもそもメイド長と俺ってなんか関係あるのか?俺って執事だろ?多分。雑用とか、そんなんだろ?…どうして俺がメイド長の指示聞くんだ?

 

「…まあいいか。また妖精に攫われる形で人里行くかー」

 

「それならこの本とこの花を…鈴菜庵に持って行ってくれる?」

 

「断ったら?」

 

「私が貴方を苦しめることになるわ」

 

「行ってきます…」

 

「あ、その花は貴方からのプレゼントにしてくれる?」

 

「…いや、嘘はいかんでしょ」

 

「虫の予防になるとでも伝えておけば良いわ」

 

「なんすか虫の予防って…」

 

「ほら、良いからさっさと行って」

 

「へいへい」

 

…そうわけで今大妖精達に両手を掴まれて移動しているわけだが。まあどうやったらこうなるのー?って話だが、早い話運賃として飴玉をあげている。まさにガキ。まさに扱いのいいタクシー。めーりんさんと遊んでいる時にしかできないが、楽ではある。

 

人里

 

「ありがとなー」

 

「…メロンか…」

 

「チルノちゃんメロン嫌いなの?」

 

「嫌い…」

 

「…いちごをくれてやろう」

 

「やったー!」

 

「好みの差が激しいなお前…」

 

鈴菜庵

 

「へーい」

 

「うわっ…びっくりしたぁ」

 

「おー、小鈴。どしたー、なんかあったのか?」

 

「いや、何も…というより、なんで貴方がその本を?」

 

「ん?ああ、これか…まあ同じか。ほれ、この本の返却と…」

 

「?」

 

「この花は…咲夜さんからのプレゼントだ」

 

「ロべリア…」

 

「お、なんか知ってんのか?やはり本の虫だな。館にいる奴とほとんど変わらん」

 

「うぇ!?ほ、本の虫!?女の子を虫扱いとは、なかなかに…」

 

「冗談だ。椅子は…」

 

「ああ、こちらです」

 

「おう…っと」

 

「で、最近はどうでした?」

 

「いやー、実は寝かける時に視線を感じてな」

 

「こわっ」

 

「一応怖くてさ、咲夜さんに話したんだなーこれが」

 

「結果は?」

 

「なーんかよくわからんけど、『それはそのままでいいのよ』とか言うんだわ」

 

「…え、それってもしかして事故物件って奴じゃ」

 

「そう思うだろ!?でもな、前博麗の巫女がなんかの用事で来てたから土下座して金積んで頼んだわけよ」

 

「お酒も積んだんですね」

 

よくわかったな小鈴。やはりあれか、博麗の巫女の酒好きは有名なのか?いや、それはいいとして。しっかしまぁ、なんと言うか。あの博麗の巫女が金積まれて驚いてたのにはこっちがビビったよ。なんか、『異変解決してもこんなに出ないわよ…』とか。え、可哀想

 

「ま、結果はわからんまま。心当たりもなし、博麗の巫女も分からず、もはやどうしようもないって所なんだよな、今」

 

「…そういえばこの花って咲夜さんからでしたっけ」

 

「そうだぞ」

 

「あー、ダメだこれ…」

 

「?」

 

紅魔館

 

「…何奴!!」ガバッ

 

「いや、え…休日は何しようと私の勝手でしょ…?」

 

「あ、うん。そうでした…」

 

「全く…こっちはわざわざ心配して来てんのに」ジー

 

「…なんか怖いんですけど」

 

「そう?」

 

翌日

 

「…起きた…」

 

「ごめんなさい状況がよく理解できないんだけど」

 

「いや、前博麗の巫女に頼んだ案件、全く解決しなくて」

 

「…だからって普通主人の隣で寝る!?」

 

「ああ、失礼」

 

「いや、ん????…あ、あれね。うん、状況はわかった。どーせ怖かったとかそんなんでしょ」

 

「いやーそれで済めばよかったんですけどねー」

 

「え?」

 

気付きませんでしたよー、視線が一瞬の理由。と言う始め方で喋り出す。まるで探偵の気分だ。昨日、咲夜さんにジーッと見られてた時に気が付いたんですよ。気がついてしまった、ですかね。ええ。一瞬感じる視線と、ジーッと見られていた時に感じた視線。同じものだったんですよ。そう言ってみた。

 

「お前、それは…んー…なんでもない」

 

「これって咲夜さんが見てたってことですよねー」

 

「…そういえば…これ言うべきかな…」

 

「どうしたんでございますかレミリアお嬢様」

 

「いや、んー…後ろ見て?その方が早いから」

 

「後ろ?後ろには白を基調としたメイド服を着た…」

 

「…私に覗き趣味があると?」

 

「い、いやぁ…!んー…えーと…」

 

「咲夜!私関係ないから!」ビュンッ

 

「逃げた!?」

 

「…さて、どう言うことかしら?」

 

「ひっ」

 

その時、俺は戦慄した。逃げろと思った。結局逃げれたんだが、紅魔館から出たすぐ後にめーりんさんにどうしました?って聞かれたんだ。馬鹿正直に答えるのもアレだろってことで、人里に忘れ物と言って走って人里へ行ったんだ。そんで、鈴菜庵に行ったんだな。これが。

 

鈴菜庵

 

「はぁっはぁっ…!ゲホッ!」

 

「うぇっ!?ど、どーしました!?」

 

「み、水くれ、水!」

 

「み、水ですか!?え、えーと…はい!」スッ

 

「おう!グッ…ぷはー!生き返った!」

 

「…何があったんですか?」

 

「いや、アレね。昨日か一昨日言った視線、咲夜さんかも知れん」

 

「…あー、んー…今更、ですか…」

 

「え!?小鈴はもう気づいてたの!?」

 

「だって、だって!咲夜さんと出会うたびに貴方の話が出てくるんだもの!羨ましいぞちくしょー!」ドスッ

 

「はうっ!…み、鳩尾に入った…!!」

 

「うぇ!?」

 

それから俺はまた急いで戻った。やべ、謝らねえと給料とか全部パーだ。と思ったからである。

 

紅魔館

 

「た、ただいま…!」

 

「こっちに来なさい」ガシッ

 

「足!?足を掴むの!?」

 

「…鈴菜庵に行っていたでしょう?」

 

「え!?悪いの!?」

 

咲夜さんの部屋!

 

「いや、謝りますって。流石にね、私自身反省しない馬鹿じゃないんですよ」

 

「?良いけど、別に」

 

「え?」

 

「私の本音を話す機会が出来たんだもの」

 

「ほ、本音…?」

 

「…だって、誤解されたくないでしょ?」

 

「覗きが誤解ってだけじゃ」

 

「覗きは事実よ?」

 

「いや、言って!?」

 

「言わなかったじゃない。のぞきがあるんですけどってことしか聞かれなかったし…」

 

「天然サイコパスめ!」

 

「…どっちでも良いけど、出来るなら天然の方が嬉しいわね。まあ…」ギュッ

 

「え、何?なんで俺抱きしめられた?」

 

「好きな人にマイナスのイメージは与えられたくないでしょ?」

 

「なーに言ってんだお前」

 

「そのまんまの意味よ?貴方が好き。でも、それを言い出す機会がなかった」

 

「じゃーなんで覗きまで」

 

「?好きな人の私生活って見たくなるものでしょ?」

 

「ごめんなー、わかんないなー」

 

「じゃあ、わからせるしかないわね」

 

そう言われた夜。俺はマジな意味で死ぬかと思った。なんか、外の世界にいる犯罪集団みたいな感じの、小指から切り落としていくをやられた。告白にOKを出すまで切られると。危うく仕事がなくなるところだったわ。なんてなー!…普通爪からでしょ、流石に…

 

「貴方が全く承諾しないから、右手の指と左手の親指がなくなっちゃったわね」

 

「」

 

「…気絶してる…」

 

 

 

 




咲夜さん…好きだ!付き合おう!
主人公…上司(16歳)(イカれた価値観)…変な奴
ロベリア…敵意
つまり咲夜さんは小鈴のとこへ宣戦布告させに行った感じですね!はい!

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