え?音信不通?
大丈夫大丈夫、実質音信不通だから。
吉弔八千慧さんです。組長に愛されるとか大変だな…
地上
「さて、今日も1日頑張るぞい!」
「あ、失礼」
「…誰?」
誰だ、こいつ。落ち着け。誰だこいつ。いや、落ち着くんだ。誰だこいつは放っておくんだ。今日は農作物を育てるんだ。そうだ、そうと決まれば鍬を持ってさぁ畑に行こう。んでこいつ誰。慧音先生に言っとくか。
「ああ、お仕事ですか?」
「…」
「無視ですか。まあぶっちゃけ正しいですけど…後のことを考えなければ」
「?」
「無口キャラですか?さっき喋ってましたよね」
「…」
「答えませんか…失礼、そういえば自己紹介がまだでしたね。私は吉弔八千慧、畜生界にある組の組長です。まあ、不意打ちしか脳のない集団と言われたらそれまでな組ですがね…」
「組長って」
「おや、答えてくださいましたか。ええ。組長ですとも。まあ、畜生界と言ってもわからないでしょうが…告げ口しないでくださいよ。私は構いませんが、弾幕ごっこなどする気にはなれませんし」
「え…組長って…まっ誰ぁ」ガヂッ
「舌の根も乾かぬうちに大声を出さないでください。ここに来るのも苦労したんですから…良いですか。貴方を殺すか殺さないかは私次第ですよ。意味がわからない人ではありませんよね。それでは」
「ぁ…何の用が」
「貴方を畜生界へ連れて行くんですよ」
「それってつまり」
「まあ、二度と戻れないことを覚悟してくださいね。持っていきたいものはありますか?」
なんだよこいつ…いや、それよりも前に、俺のこと知ってんのか?なんだよこいつ、怖えよ。なんとかして逃げねえと。いくら強くても鍬をブッ刺せば怯むだろ、多分。そうと決まれば鍬を手に持つんだ。覚悟を決めろ、俺。
「っ!」バギッ
「…言いましたよね」
「えっ」
「こんなので怯むと思いますか?まあ、これは言ってない私が悪いかもしれませんね。妖怪なんて言ってませんし」
「え、あ…」
「逆らう気力をなくしても良いんですがね。それでは貴方本人の良さと言うものが消えてしまうかもしれません…だから脅してたんですよ」
「クソッ、どうすりゃ、畜生っ」
「そう暴れないでください…私の組に案内しますよ。私の婿に来てもらいますから…」
「来んな、来ないでくれ、ちょっ」
「さあ、来てもらいますよ。貴方を背負って歩きたいのですが、生憎私の背中はそう言うのに適さないので…ね」ガシッ
「痛っだ!」
「っすみません!力が強すぎましたかね?…でもわかりましたよね。これで」
何がわかりましただよねだ…手握られただけで息切れ起こしてんだぞこっちは。緊張のせいかもしれないけどさ。畜生界とか、組長だとか、組だとか言われてもわからんし、なんで俺がそう言うのに遭うんだよ。おかしいだろ
鬼傑組
「ちなみにですが、この組では人間霊のことなどただの道具としか思っています。生身の人間が来たところで違いはありませんし、人間霊はヒエラルキーで言えば一番下です。私のそばを離れるといつ死ぬことになるかわかりませんよ?」
「脅しですか…」
「脅しではありません。忠告です。死にたいのでしたら構いませんが…あんな感じになりますね」
「?」
霊長園
「うわっ何この埴輪っだぁっ!?」
「従え!」バシィッ
鬼傑組
「…ね?」
「あの家には」
「帰しませんよ。ええ。帰れませんとも。もし帰ろうとしたら…二度と自由はないと肝に銘じてくださいね」
「そんな、なんでこんな急に」
「貴方が魅力的すぎるのがいけませんね。まあ…他にあるとすれば、他に取られるのが嫌なんですよ。敵対組織に取られる、人間に取られる…それならばいっそ私の側に置いて看取ろうと」
「…えー…なんでそんな…」
「私は嫉妬深いと言うわけです。四大組織の内の一つには入りますが、統率のない組もありますから。それに殺されたら残った三つの組で根絶やしにするくらいには嫉妬深いですよ」
「それは弔い合戦ですね…」
と言うわけで、俺はもう帰れず。帰ろうとしたらヒエラルキー最下位が歩くなんて襲われても良い的な解釈で死ぬ。人間霊がいる場所に逃げ込めても奴隷。他の組織に行ったら餌か奴隷。今のここが一番安全な場所と。
「…さて、愛し合いましょうか」
「っえ?」
「え?じゃありませんよ。私の婿として迎えたんですから。さあ、早く。それともここでするのは恥ずかしいですか?」
「そう言うのじゃなくて、えっと、その」
「…まさかとは思いますが…私と愛し合うのが嫌、と言うことですか?」
「こ、こう言うのには少し、段階を踏む的な…」
「ああ、そんなのに憧れていたんですか。まあ、どうでも良いですね」ガシッ
「えっ」
「良いですか。畜生界は弱肉強食。貴方のようななんの力もない人間が、愛されているからと希望を言っても通らないんですよ。私は貴方の我儘を二回ほど我慢してますから」
「やめてください、ほんと、お願いしますから」
「お願いします…ですか。残念でしたね。地上では通じるのかもしれませんが、畜生界ではお願いなど詐欺師の言葉です。騙されるわけがないでしょう」
「嘘じゃありません、本当です。信じてください」
どうしてこうなってんだ。くそっ。壁に押し付けられてどうすりゃ良いんだ。蹴りを入れるか?いや、無理か。蹴ったらこのまま手首を潰されかねん。いや、潰すのではなく折るのかもしれん。今度こそ殺されるかもしれん、怖い。無理だ
「貴方なら信じますよ。正直者なのはいつも見てましたから」
「えっ」
「さて…舌を噛みちぎっても良いですが、何しろ人間に対する治療法など誰も心得ていません」
「あ…だったら」
「ですが、こう貴方に詰め寄るたびに何か言われては気の持ちようがありません。そうですねぇ。私を恐れて忠誠を誓っても良いですし、恐怖と悦びの入り混じった頭で求められても良いですしね…思い浮かぶだけでもう気持ちが昂りますねぇ」
「そんな」
「ああ、もう喋らなくて良いですよ。喋らせる余裕がなくなるのでね」
吉弔八千慧…愛とやべーが混じり合う人
主人公…この後逆らう気力がかなり減った
他の組長…最近鬼傑組の組長が身を固めたと聞いて血の気が引いた