東方純愛小話   作:覚め

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パルスィさんです。
いやー、うん。
なんて言いますかね。
一年くらい前の自分が怖い


第146話

地底

 

「やっほ」

 

「あら、久しぶりね」

 

「久しぶりって言ったってそんな…だってねぇ」

 

「3年も間が空けば久しぶりよ」

 

「…そう?」

 

「ええ。時間感覚が悠長で妬ましいわ」

 

「他人の粗探し得意そうで何より」

 

さて、この嫉妬の女神様ことパルスィさんだが。勇儀さんと出会うたびにたまには会えよと言われる。言われる原因は分からないが、とにかく会っている。さっき言われたように3年空くこともある。一番長くて8年だったかな

 

「まったく、本当に妬ましいわ」

 

「そんな妬ましいことではないだろうに。飯食う?」

 

「そうね…お団子もらおうかしら」

 

「団子ね。団子…ほれ」ポンッ

 

「お団子…これおはぎじゃない?」

 

「同じだ」モグ

 

「おはぎとお団子を一緒にするだなんて、妬ましい。そんな感じに生きたいものね」

 

「お前生きてるのか?」

 

「馬鹿にしてるの?妬ましい」

 

「これ俺貶されてるのかな…貶されてるんだったら悲し」

 

「悲しいの?感情が豊かで妬ま」

 

「お前そこまで妬ましく思ったらかなり終わってるからな。頭撫でてやろうか?」

 

「ストレスで妬んでるって思ってるの?そんな考えができる頭が妬ましいわ」

 

「…やっぱダメだ、帰る」

 

「は?」

 

やっぱり俺は無理だ!こんな、こんな妬みの女王と会話するなんて、鬱陶しい上に妬ましいとか言われるのクッソ嫌な俺には無理だ!!畜生、何が会えよだ勇儀さん!無理だ、俺は帰る!とか思いつつ全力で走り、家に着いた。疲れた…

 

「ただいま…」

 

「あら、遅かったわね。妬ましい」

 

「なんでお前いるんだよ???」

 

「先に帰ったからね。そんなことも考えられないのかしら。ね」

 

「そうじゃなくて、なんでお前俺の家知ってんのかって」

 

「嫉妬の力よ。全く妬ましい」

 

「ついに何に嫉妬してんのか分からなくなってきたぞ。さては勇儀さんに聞いたか?」

 

「私があんな奴の力を借りるわけないでしょ」

 

「それもそうか」

 

「…ところで、ご飯食べないの?」

 

「いや、食うわけ」

 

「食べないの。そう。じゃあ」ガシッ

 

「ほへー、汁作ってたのか。尾行してきたわけじゃ」ビジァッ

 

「どうせ、私みたいな奴が作ったご飯なんて食べないんでしょうね。単純で妬ましい」

 

「変な誤解をするな…不法侵入者の作る飯なんか食うわけねえだろ」

 

「…あら、私の家はここよ?」

 

「は?」

 

「私をその気にさせたのは貴方だもの。妬ましいわ」

 

何言ってんだこの女。うん、何言ってんだこの女。さて、落ち着け。地底にもマナー、モラルはある。常識もある。俺はそのマナーとモラルと常識は心得てるはずだ。つまり、この状況は非常識で、マナーもクソもなくて、モラルなんてカケラも無さそうな、そんな感じの、アレなんだな。うん。

 

「あ、あのな。パルスィ。俺には訳が」

 

「それに、地底でも貴重な印鑑を机の上に置いておくなんて、用心のない。そんな用心のなさで生きてこれて、妬ましいわ」グッ

 

「ちょ、それ俺の印鑑」

 

「そう、貴方の印鑑。でももう要らないわ」

 

「何言ってんだお前…パルスィ、それはな、一応契約結ぶ時とかに使うんで、結構大事なんだよ。だから」

 

「大事なのよね。だから先に変えておいたのよ。特注品…私に作らせるなんて、妬ましいわね」

 

「…はぁ?特注品?お前、そんな貢ぐタイプの女だったか?」

 

「何言ってるの。水橋の印鑑を見つけて、貴方のために作って貰ったのよ。そんなこともわからないなんて、妬ましい」

 

「いや、だから本当に何言ってんだよ…」

 

「貴方の姓は今日から水橋。全く。妬ましいわね」

 

「ってことはそれって」

 

「良い?私たちは今日から夫婦。妬ましいわ」

 

「いや、でも俺さ。気になってる女は一応」

 

「…私と結婚できるのに、もう浮気するの?妬ましいわね」ゲシッ

 

「いだっ!」

 

「力でさえ、私より下なのに。何?何が不満なの?言ってみなさいよ」ガシッ

 

待てよ、なんで俺こうなってんだよ。くそが、どうなってんだよ。俺も妖怪だけど、痛覚はあるし、痛みは感じるし、体は脆いんだ。だから地底でずーっとレジ打ちやってんのに。ずっと逃げてきたんだぞ。今回も逃げなきゃどうなるか

 

「逃げないで。こんな状況でも逃げようだなんて、妬ましいわ」ゴギッ

 

「いづっ!」

 

「でしょうね。地底で一番脆いって言っても過言ではないくらい弱いもの」

 

「骨、骨が…っ」

 

「骨なんかよりも私の質問に答えなさい。まったく、私以外に意識を向けるだなんて妬ましい」

 

「妬ましいの限度超えてるだろうが、そう言うところだよ、何でもかんでも妬んでくるのが」

 

「それを直すのは無理ね。そうなるとその女をどうにかしなきゃダメねぇ…」

 

「は、待て、それは、ちょっと」

 

「嫌よねぇ。巻き込みで迷惑をかけるのは嫌よねぇ。それじゃあどうするべきかしら?」

 

「…わかった、俺はお前と夫婦だ。苗字も水橋だ、これで」

 

「私に妥協案を出させるなんて妬ましい。まぁ、私にとっては妥協案じゃないから良いのだけれど」

 

なんだよ、なんだよこいつ。クソが、力さえあれば良いって訳じゃないんだぞ。おい。妖怪だからって、そんな便利なものじゃないんだよ。次会った時勇儀さんに何か言ってやる。突っかかってやる。会わなきゃ良かったこんな奴。

 

「あ、そうね。これを忘れてたわね」ガチャンッ

 

「え?」

 

「足を拘束させなきゃ、逃げちゃうものね」

 

「お前、嘘だろ、仕事は」

 

「今日から無しね。それじゃあ、勇儀のところに挨拶行きましょうか」

 

 

 

 




水橋パルスィ…ツンデレのツンがでかいタイプ。
水橋さん…妬ましい。
勇儀さん…恋のキューピット(無自覚)
的な。
うん。すごい変な方向に行った気がする。でも僕こう言うの好き!!
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