東方純愛小話   作:覚め

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やる気がないというだけで動かない男に対し、距離を取らないタイプの小町がとった行動は━━


第149話

地獄

 

「…ひーふーみーっと。銭は頂いたぜ小町」

 

「死神に対して金を返せとは生意気言うねぇ本当」

 

「さて、また今日から耐久の時間だ」

 

「…あんたさ、それ楽しい?」

 

「楽しいかと言われて楽しいと言う奴に見えるか?」

 

「それもそうか。」

 

小町から金を返してもらったら後はこのまま次を待つだけだ。いや、待つだけだ、というのはおかしい言い方だな。何故なら、待つ間も無く小町は銭をくれと言うからだ。借りた銭は1.5倍と言うのだから、賭博でもしているんだろう。クビになるぞお前

 

「さて、私はそろそろ」

 

「ん?お前一人称あたいじゃなかったか?」

 

「何言ってんだ、私の方が多いよ。上司がアレだから」

 

「上司が、とは誰のことですか?」

 

「ひぃあっ!?」

 

「ほら見たことか。噂をすると寄るんだ。光に群がる蛾みたいなもんだろ」

 

「そう言う貴方は何もしていない様子…せっかく生きていると言うのに、ただ無気力で生きるのですか」

 

「うわっこいつめんどくさ。辞表を次々と叩きつけられていくか辞表届で叩かれてほしいわ。マジで」

 

「どんな状況ですかそれ」

 

「でさ、また銭を貸しておくれよ。今度は1.8倍だ!」

 

「…額は?」

 

「こんくらい」スッ

 

「…こんくらいあったら家を帰るぞお前」

 

「こんな量を借りるんですか!?1.8倍にして返すのですか!?頭おかしいんじゃ」

 

「良いですって、博打なら」

 

「博打?クビになりたいのですか?」

 

「…質屋行って二倍にすればこの五分の1が手に入るんだ、良いじゃないか」

 

「自分であれば値打ち物が分かる、と?」

 

「はい!」

 

「…どーでも良いけどさ、俺の寝る場所で喧嘩するのはやめてくれよ。結構気に入ってんだぞ」

 

「おや、ここが貴方の寝床ですか」

 

「おう」

 

「…さ、ささ!四季様は早くお仕事に戻りましょ〜ね〜」

 

「んなっ!サボっている貴女に言われたくはありません!!」

 

「嵐のような奴らだ…地上に死神よけの御守りとか売ってないかな」

 

次の日

 

「いやー、すまんな。昨日は迷惑かけた」

 

「いや、良い。錯覚使い」

 

「錯覚使い?お前何言って…もしかして胸か!?」

 

「ゆったりしたもん着てるから余計に、だな」

 

「はー、なんだい。それがどうしたって言うんだ。ほら、酒に付き合え!」

 

「さっさと金返せよ、収入源」

 

「私のこと収入源って言った?」

 

「おう」

 

「…泣きそう」

 

「勝手に泣いてろ。金返さん奴に情けはない」

 

全く、こんな奴が死神だから気が狂うんだ。あの世に行く時に渡る三途の川とか言う奴、アレを渡るには小町が仕事をしている、船頭…とか言う役職の人間が船を漕ぐ。払う銭の数だけ渡るのが早くなる。らしい、が。こいつとだけは嫌だ。永遠に近い時間渡らされそうだ。

 

「そんな酷いこと言うなよ〜、お前の生まれだって知ってんだぞ?」

 

「何言ってんだお前マジで」

 

「まあ、それはとにかくだ。私より身長が低いお前が私に何ができるのかな?」

 

「金を貸さない」

 

「かーっ!きつい!」

 

「はぁ…とにかく、何をしても良いが、その分の代償は」

 

「お前の三途の川、永遠にしてやる!!」

 

「嘘だろオイ」

 

「私はな!!お前が今想いを寄せてるやつよりもお前のこと知ってんだからな!!」

 

「いねえよ…あとすまんタバコくれ」

 

「こう言う場面でそんなこと言うか?…ほれ」

 

「助かる。吸わないと禁断症状で歩けなくなるんだよ」スパー

 

「どんな禁断症状なのかはあえて聞かないよ。死んだ後で聞くから」

 

「クソッちゃんと聞いてきやがるな」

 

「当たり前だろ。ま、今ので良いこと聞いたけど。つまりお前はタバコが無ければ動けないんだろ?」

 

「そう言うことになるな」

 

「じゃあ、告白するぞ」

 

…こいつ、本当に何を言ってるんだろうか。俺はタバコを吸い、吐き出し、吸い、吸い、咳き込む。そして小町の方を見る。とても演技には見えない。なんと言うか、少し前の俺と言うか、虚な目をしている。瞳孔ガン開きだ。その鎌で一体何を

 

「せいっ」ザンッ

 

「あぶね!」

 

「…なあ、私はさ。お前のことが大好きなんだ。三途の川を一緒に見て回りたい。でも、お前さんは死神ではない。生憎、死んだらそれっきりだ」

 

「今のうちに逃げるべきだな…返事は保留だよ!」

 

「!?」

 

2日後

 

「…俺の家、最高!全く、小町の奴め。俺をどうしようってんだか…。急に鎌で切り掛かってきて、一体何を…」

 

「なあ」

 

「っ!?」

 

「…返事を保留するのは分かる。でもな、私にも我慢の限界ってのがあるんだ」

 

「保留って…まだ2日しか」

 

「2日も経ってる。全く、乙女を蔑ろにして、自分の家で酒を飲みながら…なんて、優雅だねぇ」

 

「うるせー。俺は一応これでもお前に金貸してんだぞ」

 

「じゃあ、なんだ?私はな。好きな人に逃げられたら傷つく、ただの死神だ。なぁ、離れるなよ。距離を取るなよ」グッ

 

「ぁっ…!?」

 

「私が持ち上げたらお前は地面に着かないのか。かわいいな」

 

ざけんなクソが、何がかわいいなだ。こっちは首絞められてんだぞ。死ぬってのに、こいつは笑っていやがる。タップもダメ、言葉はできない、足もろくに使えない、その内力も抜けていく。死にたくはない、が。首が締まりすぎて何もできない。

 

「…そろそろかな?さあ、聞かせておくれよ。私に、お前の返事を…」パッ

 

「はぁ…っはぁ…!ぅあ…あ!」

 

「私はお前が大好きだ。お前は?」

 

「大好き…じゃないけど、好きだったかな」

 

「…そうか。あたいが何回もお前との距離を操って近くに行ったのは無駄だったのかい」

 

「ぁ…?」

 

「お前一人に、鎌を使っても、殴っても、殺しても、誰も何も言わない。何故って、私が死神だからさ。死神と戦って、死神を下したとしたら、どんなバチが当たるか」

 

「遠回しな脅しか…?」

 

「とりあえず、足は切り落とすぞ。隙をついて逃げそうだしな!」ザンッ

 

 

 

 




小町→こいつに逃げは通用しない。なぜなら操るから。
主人公→その後、車椅子生活。
的な。
クソ眠たいです。
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