東方純愛小話   作:覚め

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純狐さーん!
と、言いたいのですが。
今回はこう言いましょう。
純狐ママー!


第167話

さあ、俺は一体どうなっているか。右を見れば赤ん坊専用のベッドを大きくした感じの物が見える。これでも、大人と言えるくらいには体はでかいはずだが。左を見ると、おむつがある。外の世界には大人用のおむつがあると聞く。それだろうか?ただ、下を見れば自分の母だと言い張るイカれた女がいる。なるほど、俺は養子で、お前が生みの親か。そう思ったが、違う。遺伝のいの字すらない。

 

「あの、ここは」

 

「あら、目が覚めたのね。安心して。お母さんはもう離れないから」

 

「お母さん?」

 

「そうよ。もしかして、分からなかったの?でも、そうね。仕方ないわね。長い間離れてたから」

 

「でも、見ればわかると思うけど俺は赤ちゃんじゃ」

 

「お母さんから離れるの?」

 

「いや、そうじゃなくて。もう自立してるから、い、良いんじゃない?お世話は、さ」

 

「良くないわ。お母さんの愛情を注がれずに生きている大人はどこかが歪んでいるもの。我が子をそんな大人に出来ないのよ」

 

この女はさも当然のように、私は生き別れた貴方の母親ですと言わんばかりの顔で言う。いや、言わんばかりではない。実際にそうだと思い込んでいるのではなかろうか。親の愛情ならもう間に合っているんだがなぁ。そう思っていたら服を脱がされた。ん?と思い女を見る。手には布がある。女のそばにはお湯が。俺は風呂も入れない大きい赤ん坊だと言うのか。

 

「まあ、こんなに汚して」

 

「別に汚れてるわけじゃないと思うんだが」

 

「強がりを言うのね。嬉しいわ」クスクス

 

「あ、そうだ」

 

「どうしたの?」

 

「あんた」

 

「お母さん。あんたじゃなくて、お母さん」

 

「…お母さん」

 

「何かしら?」

 

「名前は?」

 

「名前?なんで?」

 

「んー…お母さんと呼ぶには少し恥ずかしい年齢だから」

 

「ダメね。それじゃあそろそろお眠りの時間だから」パチッ

 

「わー、暗い」

 

「フフ…読み聞かせてあげるわね」

 

「えっ」

 

「少し待っててね。探してくるから」

 

「あ、はい。行ってらっしゃい…」

 

 翌日

 

「…ん?」

 

「お話を聞く前に寝ちゃったわね。眠るのが大好きなの?」

 

「ぐっすり眠れる環境にいたとは言えませんからねぇ」

 

「まあ、それは大変。そんな環境にはお仕置きしなきゃ、ね?」

 

「しなくて良いよ」

 

「…なんで?」

 

「そこが潰れると俺の生まれ育った場所が消えるから」

 

「…思い入れがあるのね」

 

いや、思い入れというよりもですね。お仕置きしようと思ってた時の目が結構怖くてね。俺はお仕置きの対象外だって言うのはわかるけど、そうでもないのに怖くなっちゃったよ。母の威厳というものが本当にあって、それがアレなら。世間の父が尻に引かれてるのは当然ではなかろうか。

 

「じゃあ、お母さんと遊ぼっか」

 

「はいはい」

 

「大人ぶりたい年頃なのね」

 

「なんだか恥ずかしくなってくるからやめて」

 

「フフッ」

 

「…あ、けん玉」

 

「出来るの?」

 

「過去に出来た覚えはそんなにないけど…ほいっと」カチッ

 

「…放して!」

 

「え?」ボンッ

 

「あ、危なかったわ…ごめんね、あんなけん玉置いて」

 

「い、いやー…普通けん玉って爆発するっけな〜?」

 

「お母さん、やってた頃に面白くないからって爆発する仕掛けにしちゃったの」

 

「!?」

 

 翌日 人里

 

「…あ、慧音先生」

 

「ん、お前か」

 

「最近どうも厄介なことになりまして」

 

「そうか。良ければ相談に乗ろうか?」

 

「…ダメだ、姿が重なる」

 

「?」

 

「いやぁ、女性との関係についてですし、お話しするのは恥ずかしくて」

 

「…もしかしてだが、後ろにいる人か?」

 

「後ろ?」

 

「ねえ、その人は誰?説明してくれるかしら」

 

「んなっ…慧音先生。寺子屋で先生やってる人」

 

「お世話になったのね。これは、無礼を」

 

「いえいえ、良いんですよ」

 

と、言った感じで二人とも世間話を続けている。続けないで。恩師と怨師みたいな感じにならないで。まあ、お母さんは本当に何をしたいのか分からないからどうしようもないけど。急に拉致ってお母さんですよって、その美貌が無ければすぐに泣いて逃げ出す人が多いだろう。部屋の隅に置かれてる変な灰がそれを物語っていた。なんでも、俺に化けてた悪い人たちらしい。人間を粉にしてんのかお母さん。

 

 純狐宅

 

「今日はいい日ね。貴方の恩師にも会えたんだもの」

 

「そこでだ母さん」

 

「何?」

 

「俺もそろそろ暮らしてた家に」

 

「…」ピタッ

 

「戻りたいなーって…母さん?」

 

「戻る?何を言っているの。貴方のお家はここ。そうね。でも出歩きたいわよね。行き来したい時は私を呼んでね。約束よ?」

 

「…指切りげんまん」

 

「嘘ついたら針千本飲ます、指切った!」

 

「母さんなら針千本やりかねんのよな」

 

「うふふ、聞かなかったことにしてあげる。今日のお夕飯は何がいい?カレー?炒飯?シチュー?」

 

「今日はおにぎりの気分」

 

「そう、そうなのね。じゃあ、10分くらいで出来るから待っててね」

 

「あい待ってる」

 

そう言ってお母さんは台所へと向かった。ちなみにだが、この家?は外の世界にある間取りに酷似している。と言っても一度だけ見たくらいだが。お母さんが台所にいても子供を見れるようにと。全く変な設計者もいたものだ。右に目をやる。そこには母さんが!?…なんてな。左に目をやる。そこには母さん。

 

「!?」ビクッッッ

 

「驚かなくてもいいじゃない。ね、今日はさ。お母さんと一緒に寝ない?」

 

「い、いいけど」

 

「本当?じゃあ、お願いね」

 

「ところでさ」

 

「何?」

 

「灰の数、多くないですか?」

 

「…ああ。今日、あなたを苦しめてた場所に行ったのよ。そしたらなんだか大声出してきて。怖くなってぶちっと」

 

「…そう」




純狐…私はお母さん。あなたは私の息子。(旦那じゃないのはあくまでも原作で旦那に恨みを抱いてるから。旦那にしたら殺されるぞ)
主人公…変なお母さんもいたもんだ。
的な。
もうこれ恋愛か?
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