東方純愛小話   作:覚め

171 / 201
慧音先生〜!
<は〜い!


慧音先生と夜道で寝る男

ここは人里。変な妖怪もうろうろできる人里。で、俺が何をしたいか。聞きたいだろう?と子供たちに聞くと、『先生からあんまり関わるなって言われた〜』と返された。バカめ、俺がその気になれば八雲紫にしつこく泣きついて…死ぬな。うん。

 

「っつーわけで!慧音先生!変な言い掛かりつけるのやめてもらえませんかね?」

 

「だめだ。現に変な奴だろう」

 

「半妖のあんたに言われたくないんですよこっちは」

 

「変な所をコンプレックスにもせずほっつき歩いてる馬鹿に半妖を貶す資格はない」

 

「…俺だって人ですよ」

 

「私も半分は人だ。」

 

「傷つくんですよ」

 

「妖怪だろうが傷つくぞ。八雲紫に年老いたと言ってみろ。キレてくる」

 

「ありゃ、随分とお年を気にしていらっしゃる」

 

「本人に言ったら怒られそうだな」

 

「いやはや、最初の頃から随分とはっちゃけてたと思ってたんですがね」

 

「いーや、はっちゃけるどころか失敗しまくりだな。お前は」

 

「なんですと?」

 

「理由が知りたいか?」

 

「ええ知りたいですとも」

 

「簡単だ。理由はない」

 

「は?」

 

「仕方ないだろう」

 

理由無しに俺は子供たちに避けられるんです?と、ふと思い返す。そういやいつも子供たちと一緒にいた親御さんたちも見かけない。俺もそんな歳を取るのが早い、などと言うわけでもない。絶対若いし、絶対人間なので子供の顔が変わってたら気付くはずだ。

 

「…もしかして先生、親御さんたちにも言いました?」

 

「当たり前だ。何をするのかわかったものじゃないからな」

 

「そりゃね、そりゃあ、夜道で寝てたのは悪いと思いますよ?」

 

「それ以前の問題だ。お前、そもそも人里の外で妖怪に乗っていただろう。妹紅から聞いた時はもう呆れて何を言うべきかと迷ったくらいだ」

 

「ああ、妹紅さんから聞きました」

 

「とにかく。今後そんなことをするような体力はもうないだろうし、そんなことは一生できないだろうから。静かに待っていろ」

 

「人生の終わりですかね?」

 

「お前がまた動けるようになるまでだ!」

 

「…そりゃ、腕がない状態で言われたら悲しいってもんですよ」

 

「うるさい!」

 

「しょーがないじゃないですか。なんで片腕切られて血が出ないんです?」

 

「永遠亭の医者がやってくれた」

 

「と言うかそもそも、慧音先生はなんで俺の腕を切ったんです?」

 

「お前がどこかへ行って、妖怪に餌食にならない、とは限らないからな」

 

そう言われて言葉が詰まる。詰まると言っても出てくるのだが。何故足が、とか。そこまで来るともう他に何故か聞くところはない。少なくとも、この切れた状態で上手いこと止血をした永遠亭とやらは凄くて良いところだ、くらいは分かった。最も、それしか分からないけどね。

 

「慧音先生」

 

「なんだ?」

 

「せめて飯は食えるようにしておいてくださいよ。地面に這いつくばらないと」

 

「何言ってるんだ。片手があるだろ。片足も。それで食べれないのか?」

 

「残された方が利き手ではないんでね」

 

「文句が多いな全く。私がいないと何も出来ないのか?…まあ、それも良いが」

 

「はーあ、妹紅さんとか何やってるかなー」

 

「さあな。最近は私も見てないしなぁ。お前が見当たらないからって出ないわけではないし」

 

「俺ここに来てから何日でしたっけ」

 

「…まだ日は浅いな。2日とかだろ」

 

「いやぁ手足が片方ずつないのにまともに喋れるってかなりすごいことだと思いません?」

 

「知るか。はい、あーん」

 

「あー…ちょっと、早く入れてくださいよ」

 

「…おらっ」ズブッ

 

「んごぁばぁっ!?」コポッ

 

最悪だ。なんつー最悪な気分だ。死にかけのラジオみたいに掠れ途切れの声を出しつつ慧音先生に反抗する。そしたら、『これもお前の魅力だから』と抜かし、何を満足したのか知らずにどこかへ行った。俺の魅力は…そうだな。類い稀な永遠亭の医者の実績になるのかな?

 

「はーあ。全く面倒なことに」

 

「なったなぁ。か?お前も結構好かれてるんだな」

 

「誰にですか?」

 

「子供たちにだ。外に出て買い出しをしている時に、子供達がまた理由を言ってくれとな」

 

「お子さんは知りたがりなんですよ先生。ちなみに僕も精神は子供なので知りたがりなんですよ。例えば、どうして俺がここに来たのかとか」

 

「んー?そりゃ…なんだろうな」

 

「えー?」

 

「庇護欲を突かれた…とかだな」

 

「庇護欲かぁ。それだけですか?」

 

「…嘘だ。庇護欲を突かれたのと、同時に独占欲も出たな」

 

「ほら見なさいよ〜。そうと分かればさあ直ぐに振り返って命蓮寺へゴーですよ」

 

「嫌だ。私がここを離れたら誰が授業をすると言うんだ」

 

「里の中でも暇を持て余した人がいるでしょ」

 

「いかんせんそう言う奴らは授業を嫌っていなかったがな。何故か教える側は嫌だと言い出す」

 

「首切って妖怪の餌にしたら良いじゃないですか。ほら、先生半妖ですし」

 

そういうと頭突きを喰らった。なんとか避けようとして肩に頭突きを喰らい、地面に叩きつけられ、当たりどころが悪すぎて肩が外れた。なんでや。はめようとするが、そもそも片手ないので不可能だと言うことに気がつくのはもはや愚者でも2秒もかからないだろう。

 

「いった…ぁ…!」

 

「もしかしたら、だがな。私に食われるとでも思っているのか?安心しろ。食いはしないさ」

 

「食いはしないなんでよく言えた物ですねぇ先生」

 

「まあ、私は半分人だしな」

 

「もう半分が満足しないでしょうよ」

 

「もう半分かぁ?それはもうお前がここに居るだけで満足だよ」

 

「はぁ…そうですか」




慧音先生…半分人だけど半分妖怪。だから人より欲が強い。仕方ないよね。スタイル
主人公…俺すげえ!片腕片足ないのに平然としていられる!すげえ!!(本当はむっちゃ声震えてる。本人は無自覚)スタンス
的な。
ちなみに切られたのは永遠亭の医者です。
慧音先生はやってません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。