東方純愛小話   作:覚め

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射命丸文です。
death


第176話

妖怪の山

 

「…」

 

「いやー、ギリギリでしたね!貴方がまさか巫女二人に追いかけられ、蓬莱人に追われるなんて」

 

新聞の記事にでもなる、そう思ってるのだろうか。俺はここに連れて来られただけなのに。巫女には愛だなんだと追いかけられた。妹紅には一緒になろうと迫られた。永林先生には貴方と一緒にいたいと言われた。告白のオンパレードだが、捕まれば阿鼻叫喚。地獄の方がマシだろう。

 

「文」

 

「なんです?惚れましたか?」

 

「お前が幻想郷に入ってから最初に会ったやつでよかった」

 

「あやや、そうでしたか。そう言われますと、やはり照れますね」

 

「なぁ、助けてもらって悪いんだが」

 

「出しませんよ」

 

「は?」

 

「いやー、こんな面白いネタが転がってるとは思いませんでしたよ!」

 

「腐っても妖怪だな」

 

「独占欲もあるんですから。当たり前です」

 

「当たり前か」

 

「ところで」

 

「ん?」

 

「貴方、聞いておきたいことがありまして」

 

「…何?」

 

「最近、慧音と言う教師に怒られたようですね?」

 

「ああもうそりゃコッテリとな。油が乗ってても仕方はない」

 

「そうでしたか」

 

ここでふと気がつく。射命丸のメモ帳が変わっている。使い尽くしたのだろうか?珍しい。珍しいことは珍しいのだが、いつもの質素な紙ではなく、派手な紙なのは疲れて見間違えているのだろうか。取材の邪魔にしかならないと思うんだが

 

「では、当分ここで暮らしていただきますので!よろしくお願いしますね!」

 

「…え?」

 

「この家では私がルールです!やっておけと言ったものはやってくださいね?」

 

数日後

 

「あやや、綻びが出て来ましたねぇ」

 

「お前、そりゃこれは無理だろ」

 

「そんなことを言うんですか?」

 

「あ、いやそう言うわけじゃないんだけど」

 

「それじゃあどう言うわけですか?これは私が毎日やっていることの半分以下です」

 

「…すごいな、射命丸は」

 

「どんどん褒めてもらってもいいんですよ?」

 

「それよりも、とりあえず続きを」

 

「ああ、そうでしたね。では、先ずは」ゲシィッ

 

「あぐっ」

 

「初回だからこれだけで許してあげますよ。言っても解らなければ体に聞かせるのが一番なんです」

 

「痛い…」

 

「痛くないと意味がありませんから。それでは続きをやりましょうか」

 

「文…?」

 

「次やったらどうしましょうか?」

 

というわけでまたやらかしたわけだが。ちなみにやらかしたのは、外出だ。初めに破ったルールは布団の敷き忘れだ。意外と小さいことだと思う奴もいるだろう。しかしこれで蹴りが一発だった。軽く脳震盪起こすレベルの。でも、起きないように本人の変な能力で調整してるらしい。

 

「ぁ、あ…」

 

「どうしたんですか?お外へ出たかったんですか?でもダメですね。ルールですから」

 

「すま、すまんかった、射命丸」

 

「じゃあ、こうですね」バゴッ

 

「ぉゔっ」

 

「…まだ終わりじゃないですからね?」

 

「ご、めん…」

 

「謝って済むものではありません。次からは耳よりも直接体に覚えさせて行きましょうか。すると、耳は要りませんね」ブチッ

 

「ぁっ」

 

「大声が出せませんか。そうでしょうね。大声を出される前に声帯の一部を取っておいたんですよ」

 

「なんで」

 

「貴方がいうことを聞かないからですよね」

 

「文…」

 

「フフ、安心してください。貴方のことは大好きですから。貴方が死んでも、私の中で生きますよ。貴方の魂さえあれば良いんです。だから」パシィンッ

 

「っ」

 

「こんな風に、頬の皮が取れそうなくらい叩いても、私は全く苦しくありませんから!」

 

「痛い、やめっ」

 

「やめて!ですか?悪いのは誰ですか?貴方ですよね!」ゲシッ

 

明日は晴れだろうか。晴れだったら、縁側に寝転んで、寝たいなー。多分こんなに殴られたら、もう明日はまともに働けそうにないし。そしたらこれよりもっとキツいのが…あー、ダメだ。想像しただけで無理だ。でもここから出たら巫女に不死身にと追いかけられるし

 

「でも大丈夫です。貴方のような方でも私は好きですから」

 

「好きならこんなことしないと」

 

「さっき言いましたよね。貴方の体なんて、私の体に貴方の魂が来れば用無しだって!」バチンッ

 

「いづっぁ…!」

 

「苦しむことしか出来ませんねぇ。全く。これに懲りたら明日からちゃんとするんですよ!」

 

翌日

 

「…今度はストライキですか」

 

「文、聞いてくれ」

 

「何を今更。朝から縁側でゴロゴロと…言い訳があると言うのですか?」

 

「昨日殴られすぎて仕事が」

 

「それは貴方の責任でしょう。全く、今日も体に聞かせなきゃいけないんですか?」

 

「あ、ちょっと待って、今からやる、やるから」

 

「だ・か・ら」

 

「っ!」

 

「遅いんですよ!やるのが!」ガゴッ

 

「いづ…」

 

「本当に何も出来ない愚図ですね。そんな貴方が大好きですけど。えぇ」

 

「痛いから、ちょっと」

 

「やめてくれ?弱くしてくれ?どっちですか?勿論、どちらもやりませんが。次は…知ってます?骨って、折れたら強くなって復活するらしいですよ」ボギッ

 

「〜っ…!?」

 

「大声出せないから悶えて転がるしかないですよね」

 

そう言いながら俺の手を取った。文はまるで俺の指一本一本を触れただけで壊れるような物の扱いをし、その触り方で全てを触った後、その手の指全部を握り潰された。足の骨折、指の骨折。永遠亭に行けない。多分、終わりが近いかな。

 

「全く…これだからグズは」

 

「文」

 

「なんですか?」

 

「どうして俺、ここにいるんだ?」

 

「んー?そりゃあ、私が貴方を愛してるからですよ」

 

「じゃあ、なんで俺はそいつにての骨を」

 

「そうしないと聞かない貴方が悪いでしょう?」




射命丸…大好きですけど?
主人公…追われ始めて、逃げた先が刑務所。そんな気分です。

的な。
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