東方純愛小話   作:覚め

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そもそもの話、妖怪と人間が交わることなんてないんですよ。
人と猿が交わることは…ありそうですけど。アリスさんです


第180話

人里

 

「ヤッホーアリスさん」

 

「今日もこれお願いできる?」

 

「合点」

 

さて、私が何をしているのか言ってやろう。アリスさんがたまにやらかすので、その尻拭い。女性の尻拭いと言うとなんだか卑猥だな…いや、アリスさん魔法使いだったな。魔女だったか?まあ良い。妖怪に雄雌無いと思う。多分無い。

 

「人形劇の終わりはいつもキス〜」

 

「終わり方のバリエーション増やそうとした時もあったわよ」

 

「でも子供にウケが悪い〜、理由は大人向けだから」

 

「最後にマジトーンになるのやめてもらえる?」

 

「傷付きます?」

 

「傷だらけよ。それにしても、人間なのになんで私より裁縫が上手なのかしら」

 

「私の才能ですね。嫉妬してもらっても構いませんよ?」

 

「嫉妬ついでにロボトミー手術しとくわね」グイッ

 

「いたたた、何そのヘロパピー手術って」

 

「ロボトミー。感情失くすんじゃなかったかしら…」

 

「嫌だよ、何その狂気に満ちた物は…」

 

「とにかく。人形劇には間に合わせてくれる?」

 

「お任せあれ」

 

「任せたわ」

 

任された。とは言うが、実際もう終わっている。喋りながらでも縫うことはできる。出来ないと言う人はいるが、それが才能の差ということだ。山に住む奴と同じ景色が見たけりゃ土台積め。ツン、と人形を突く。押し出したという方が正しいと言えるくらいの力で。しかし倒れない。魔法の力らしい。

 

「魔法の力が掛かった人形ね。お前もシャンハーイとかって鳴くのか?」

 

「…」

 

「喋らんか。人形が喋り始めたら…次は何が喋るんでしょーか」

 

「…」

 

「この顰めっ面が。笑わせてやる。ほれほれ」ヌイヌイ

 

「…」ニコッ

 

「アリスさんにどうやって説明すれば良いんだこれ…」

 

数分後

 

「取りに来たわよ」

 

「笑顔にしちゃいました」

 

「…依頼以外のことする癖に、腕が良いから許されるのよねぇ」

 

「ということは」

 

「別に良いわよ」

 

「っしゃぁっ!」

 

「自立する人形にはならないか…」

 

「人形も可愛がれば霊が宿るらしいんですがね」

 

「付喪神のこと?」

 

数日後

 

「んー」

 

「何と睨めっこしてるの?」

 

「お見合いの写真」

 

「け、結婚するの!?」

 

「いや、親がやれってうるさいから」

 

「友人止まりが多そうだしねぇ」

 

「今まで関わってきた奴ら全員友人だよ」

 

「…随分と薄情ね」

 

「自分に薄情じゃないお人形さんでも作りなさいな」

 

そういや黒魔術って奴には、人をなんかにぶち込んだり死体を操ったりする魔法があるそうな。人の魂を抜き取って何かに入れる。そんなことが可能なのだろうか…いや、こんな幻想郷じゃ当たり前か。むしろ疑ってごめんなさい。許してね!

 

「…人の人格を写し出す機械?」

 

「なんそれ」

 

「天狗の新聞よ。そんな技術、あって良いのかしら」

 

「この世のどこぞには人間を一から作る奴もいるぞ」

 

「…クローン?」

 

「それだ」

 

「おかしな人種もいるのね」

 

「シャンハーイ」

 

「シャンハイもそうだと言っています」

 

「バカジャネーノ」

 

「シャンハイは」

 

「貴方如きに私の言葉が分かるはずがない、と言っています」

 

「ぬぅっ」

 

「堪忍しなさい」

 

「全く仕方ない」

 

「…しっかし、私達って他から見たらどんな関係になるのかしら?」

 

「友人かな」

 

「そうかしら」

 

「さあ?知りたければ噂話を集める人形でも作んなさいな」

 

「…人形任せね」

 

「お人形が大好きだしな!シャンハイ、この中でどれが好みだ?」

 

「えっ」

 

「コレ」

 

「お前趣味悪いな」

 

「!?!?」

 

数日後

 

「で、お見合いは破談」

 

「なんだ、嬉しそうにして」

 

「悲しんであげてるのよ」

 

「じゃあ鼻歌をやめなさい」

 

「いやよ。気分的に盛り上げようとしてるのに」

 

…人形劇で気分的に、ね。子供と一緒に童謡歌ってる奴とは思えん言葉だな。体を左右に揺らしつつ、だーるーまーとか言ってそうなことやりやがって。とは思えど友人。その友人から家に誘われたのは割と悪い気はしないというのが本音だ。

 

アリス邸

 

「お邪魔しまーす」

 

「いらっしゃい。どんな魔術も禁術に至るまで用意している」

 

「のはやめてね」

 

「…中々わかってるじゃない」

 

「お気に召されたようで。で、俺はなんで誘われたの?」

 

「それは…私の人形についてね」

 

「人形を自立させるのが夢〜とか言ってたか」

 

「そう。だから色々なことに手を出したの」

 

「たとえば?」ツンツン

 

「黒魔術。とは言っても今まで上手く行った試しはないのよ」

 

「はー、黒魔術ね。嫌な趣味してる」

 

「でも、黒魔術なんて呼ばれている中でも禁術なんてのがあるのよ」

 

「ほー」

 

「人と動物を同化させたりするような黒魔術の禁術。知りたくなって調べてみたの。そしたら…」ガシッ

 

「っ!?」

 

「人を殺して、その人の魂を何かに移すんですって!」ググッ

 

「がっ…ぁっ…!?」

 

「一説では、この魔術を生み出した本人の周りにある家具は、全て本人が惚れた人間の魂が入ってるとか!」

 

「っ!ぁ…!」

 

苦しい、と言うにはかなり落ち着けている。自分は今から殺される…と言うことだろう。まあ、助けを呼ねる場所でもない。アリスさんの手を掴んで精一杯。じゃあどうする?撫でるか?頭がぼやける。いかん、ぼやけてはダメだ。ぼやけては…

 

「苦しい?私に助けて欲しい?でも残念。友達なんて薄い絆は、こう言う時には破綻するのよ」

 

「ぁっ」ゴキッ

 

数ヶ月後 博麗神社

 

「…アリスサン」

 

「アリス、お前をいつもさん付けで呼んでる人形はなんなんだ?弾幕ごっこにも出さないし…」

 

「作るのに一番手間暇掛けた人形だもの、大事にするのは当然よ」

 

「トモダチ」

 

「アリスの次には友達だ、人でも入ってるんじゃ「そんなわけないじゃない」…」

 

「そんなことしたら、八雲紫に何言われるかって」

 

「ま、まあ、それもそうだな!」




主人公…お友達。これからもよろしくね!(人形にぶち込まれる)
アリス…友達のままで終わるなら、死後の世界にも行かさずに、私の人形にする
的な。
アリスさん便利ですね。
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