フランちゃんなら、紅魔館を潰して新しい自分と想い人だけの世界を作りそう。
主人公の名前は兀々です。コツコツです。なんやお前、それならもうコツコツで良いじゃんと思った方。
僕もそう想います
紅魔館
「妹様…何故こんなことを?」
「なんでって…兀々が言ったからでしょ」
「なんて言いましたか…。」
「だめだね、最近兀々も老けてるんじゃない?言ったじゃん」
貴女はお嬢様を超えられる。私が言いました。確かに私が言いました。妹様はお嬢様の全てを越えることができる。しかし、なんとも。私がこうなった理由を説明出来るかと言われれば出来ない。原因は私だろう。何十年も前の話、忘れているのですが。
「妹様」
「妹様じゃない」
「では、なんと」
「…フランドール。フランドールって呼んで」
「わかりました」
「お姉様…いや、レミリアからすれば。私が急に紅魔館を壊したことになるのかしら?」
「そうなりますね」
「そう、そうよね。私、レミリアなんか超えちゃった。兀々と2人で」
「私は足手まといだと思ったんですがね」
「これからどうしよっか」
「これから…先ずは老後でも楽しみますかね」
「そう?老後よりも私はお家が欲しいかな」
「大勝負の後は休みましょう。次の大勝負に備えて」
「じゃあ今日はどこで寝るの?」
まさか、壊れた紅魔館でと答えるわけにもいかない。門番の姿は腕しかなく、いつまでも老けなかった完全で瀟洒な従者は服だけ。かつての主人は胸に剣が刺さったまま。大図書館は本を読まずに寝て、司書は右半分だけが生前の形をしている。とても眠れるような場所ではない。
「少なくとも、野宿は嫌ですね」
「兀々はもうお年寄りだもんねー」
「まあ、大図書館は比較的マシです。今日一日くらいはここで良いでしょう」
「えー?つまんなーい」
「ここの知識を全て得てしまったフランドール…」
「様はなくて良いよ」
「失礼。フランドールには、つまらない場所でしょうね。私は読めないので読む楽しみさえ感じれませんが」
「可哀想だね」
「魔法で家を作れる、そんなことが…」
「ないよ。できるのは壊れた館を原材料に別の形に作り直すことくらい」
「そうですか…博麗の巫女が来ないことを祈りつつ、眠るくらいですかな」
「変わんないじゃん!」
「やはり家を作ってからやるべきでしたな」
「歳取って、露骨にやんなくなったけど。要は『私の方が正しい』って言いたいんでしょ?」
「お察しの通りで」
「…ま、それでいいんだけど。仕方ないから図書館で我慢する」
「それがよろしいかと」
全く、困った。そもそも紅魔館の大図書館には定期的に泥棒が入る。その泥棒をなんとかしなければいけない。今日、寝るとき。巫女が来ないなんてことはあり得ずとも、その泥棒が入ってくるかはわからない。噂によれば魔法を使える人間から魔女に成ったらしい。なんとも変なやつだ。
「ね、今日はどうやって寝ようか?」
「フランドールもかなり大きくなりましたからね…今までの棺桶では長さが足りません」
「あ、そっか」
「ですので、十六夜が使っていた布団でどうでしょうか。私の分は私の分であるので」
「んー、嫌だ!兀々と添い寝するもんね!」
「そうですか。では布団を置く場所を探しましょうか」
「パチュリー達が目一杯抵抗するからこうなったんだもん。反省してるかなー?」
「反省はあの世でしてもらいましょう。残った者が歴史を記すように、全ての事は残った者が終わらせるのです」
「ふーん?」
「今考えましたがね」
「兀々って、そういうの多いよね。頭の回転が速いの?」
「それっぽいのが得意なだけですよ。では…っ」
「私がやる。兀々は休んどいて。もう若くないんでしょ?」
「まだ若い、と言いたいのですが」
「言う気力がないならそれは若くないの。それじゃあ、寝よっか!」
翌日。紅魔館が崩壊して、1日。泥棒は来なかった。どうやら神様は味方してくれているらしい。保管庫から茶葉を取り出して、茶でも作ろうか。最近は起きるのが早い。フランドールの言うように若くはない。さて、これからどうしたものか。
「魔法で大きくなって。寝る間も惜しんで。早起きな私よりも早く寝るなんて。寝不足では知識の色が褪せますよ」
「んぅ…じゃあ、新しいお家作ろっか!」
「そんなに大きくなくて良いですよ。掃除が大変ですから」
「わかってる」
「かなり高度な魔法だと思っていたんですが」
「結構難易度高いよ。たまに来てた金髪の…霧雨って人も、ここまではまだだと思う」
「ふむ…噂をするのはやめておけば良かったですかね。来ましたよ」
「えー?今作ってるのにー。兀々と私の愛の巣を〜」
「話せばわかる相手であって欲しいですね」
「やいお前ら!何やって…」
「フランドール。知らないとは言わせませんよ」
「兀々のことは知らないかもだけどね!」
「は?フラン?じゃあ、レミリア達は」
「消した」
「消した?パチュリーも?咲夜も!?」
「だって、あいつらレミリアの一部なんだもん。レミリアを越えるためにはそれくらいは」
「何やってんだよ!?」
そう言って、フランドールを襲う。だが悲しいかな。泥棒の攻撃は届かない。かなり頑丈な結界があるらしい。泥棒には世代交代だなんだと言って帰ってはもらった。思い出せば、私がフランドールの従者として、世話係として入ったのも異変で慌てていたときだったと思う。思い出してみるか。
「今日から世話係になりました」
「あー、そう」
「教養という言葉には無縁ですが、よろしくお願いします」
「…今なんて言った?」
初めはこう。だったと思う。世話係になってはじめての会話。だったと思う。もはや記憶力すら怪しい。その理由は簡単。今の目の前にある景色と過去の妹様が全く違うからだ。また図書館で本でも読み漁りましたか。寝なければ知識の毒ですよ。そう言いたくても、知識の源はない。
「ねえ」
「なんでしょう」
「いつまでも一緒にいるって言ったよね」
「言いましたよ」
「私のお世話係だからって」
「はい」
「それならさ」
「…」
「私を残して死んだりしないよね?」
「元メイド長の姿を見て恐ろしくなりましたか?」
「そんなんじゃない。それに」
「心配はなさらずに。私が唯一覚えれた魔法に、道連れの魔法があります。私とフランドールは寿命も何もかも全て一緒。死ぬ時は同じです」
「それなら安心だね。出来たよ!私と兀々の家!」
「これはありがたい」
フランドールは恐らくお世話係になってから数年経った後の私が言ったことを全て覚えているだろう。証拠に、貴女ならレミリアを超えれると言ったことを覚えている。自分の発言に後悔はしていない。紅魔館の誰が死のうが関係ない。
「ねぇ。私大きくなったよ。レミリアも超えたよ。兀々もさ」
「またですか」
「私との関係がもっと色濃いものにしたいって、思わない?」
「フフ…レミリア、美鈴、十六夜、小悪魔、パチュリーの5人を壊すほどの勇気があっても、私との関係は怖いと?」
「そう、そうだよね!じゃあ、いつまでも居るよね」
「ええ。言ったことに嘘はつきません」
兀々…最初はやべー奴だった。一応段々とヤバさを別の方向に変えていった。
フランドール…ただただ兀々大好き。兀々に言われたらそれが事実。事実にならなかったら自分の努力不足。
的な。
フランドールはかわいいね。