この人なんか怖くね?
こいつ、ワシより頭おかしくねー?
人里
「青娥、どうした?」
「また匿って欲しくて…ね?」
「んー…まあ良いけどさ」
「あら、対価が欲しいのかしら?」
いらないときっぱり答え、家に入れる。いると言えば変なことになるのは考えずともわかる。お相手は邪仙で有名な青娥さん。尚、本人は気にしていない。自覚はしているが、のらりくらりとしていてなんだか。里で何をしたか知らんが…
「で、青娥」
「何?」
「今度は何やらかして来た?」
「そーねぇ…厄介払い」
「それであんなに来るかよ」
「来たのだから知らないわ」
「あーあ。これじゃ匿ってる俺がいつ死ぬかわからんな」
「あら、死ぬの?」
「青娥が全力で土下座して罪償ったら長生きするよ」
「それは難しいわね」
「だろ。俺は短命だ」
「かわいそうに」
「こんにゃろ」スカッ
「ふふふ。こんな動きの遅い貴方なら、確かに短命かもね」
「うるさーい」
「それじゃあ、そろそろ撒いたでしょうし…行ってくるわね♪」
「おう、そうか」
「…行ってらっしゃいのキスは?」
「夫婦じゃないんだから。あるわけが」
「そ。残念」
「…おい待て俺のハンコ持ってどこ行く」
なんとかハンコを取り返した俺は、なんとか青娥に2回叩かれるだけで済んだのであった。あれでも仙人。叩かれると痛いのだ。熊の方が優しいとは思う。でも、その熊も大して優しくはないのが問題だけどな。はーははは!笑ってる場合じゃねえ。俺もどっかから出ないと
「どっ」
「おう」
「…慧音先生?」
「そうだが?」
「何か御用で?」
「お前があの有名な邪仙を匿っていると噂を聞いてな」
「いやいやいや」
「まあ現に証拠もあるわけだが?」
「わお」
「まあ、なんだ。事情聴取をしようと思ってな」
「うわ、かなり居るね」
「ああ。被害者を連れて来たわけだ。お前は共犯者だからな」
「…逃げ」
「させん」ガシッ
「いだっ!ぁー…調理場の火消しといて」
「全く。で、青娥の隠れ場所がここだとして。奴の」
「知るかい!少なくとも俺は知らん!」
「…あくまでもシラを切ると」
「知らないんだから仕方な」
「それで納得すると思ってるのか。寺子屋でそんな教育をした覚えはないんだがなぁ…」
「人の家に無理やり入る人から教育について言われるとは、こりゃどんな皮肉ですか?」
「緊迫した場面に私登場!!」
「お、青娥」
「さて」ガシッ
「うおっ」
「私の場所を取ってもらっちゃ困るわ」スッ
なんだかよくわからんが、気がつけばどこかもわからぬ場所に来た。陽気な音楽があると思えば、そうでもなかったり。記憶にありそうな場所ではあるが、そうでもなかったり。なんだかよくわからない。何をしているんだろうか。俺はなんでこんなところに青娥といるのか。
「ここは床下。お互いにしー、ですよ」
「…」
「でも見方によれば私が貴方を押し倒してるように見えますわ」クスクス
「そう」
「まあ、貴方じゃ私を押し倒すのは無理でしょうけどね」
「青娥」
「?」
「ありがとうな〜」
「何故?」
「いやー、あのままあそこにいたら里追い出されて妖怪に喰われてたよ」
「あら、そうなの?」
「そう。追放令が出て俺死んでたよ本当」
「それじゃあ出してた方がお得ね」
「え?」
「じゃあね〜♪」
「ま、まっ」
「うわ出て来た」
「さて、今どこに隠れたのか教えてもらうぞ」
「ぁ…終わった…」
「まあ、言おうが言わなかろうが…里は出て行ってもらうからな」
「疑わしきは罰せずって」
「言わないな。それじゃあ」
「え、先生」
「まー、里の外にどうせ出すんだから。多少傷があってもわかりはしないだろうなー」
「ちょっ…嘘でしょ、ねえ先生、待ってくださいよ。待って、先生」
そこからは酷い物でした…体験者は語る。俺は文字通り集団の力という物を思い知った。結果、外に出る頃には体がなんだか曲がってはいけない方向に曲がってる関節があったり、新しい関節ができてたりする。悲しいなぁ。折角家を手に入れたというのに。
「これでどうやって生きていこうかね」
「私のお家にご案内しましょう!」
「おーまじか!」
「勿論。今まで匿ってもらっていたんですから」
「でも」
「?」
「もう急に人前に出したり…しないよな?」
「勿論よ。こっちの方が姿消しても何も言われないから。それじゃあ」
「わかった」
青娥宅
「なんかでかいな」
「いらしゃーい」
「顔色悪いぞお前」
「そんな心配をするなら、追われてる時の私に対しても同じこと言って欲しかったのに」
「言い方が違うだけだろ多分」
「そう受け取っておきますわね」
「…せ〜が〜」
「なぁに?」
「こいつ食べて」
「駄目。それくらいは分別できるようになりましょう!」
「うーぁ〜」
「で、俺はいつ人里に戻れるのかな」
「さあ?あの半妖半人が、貴方が死ぬ前に死ぬなんてことはありえないし」
「永遠亭のお陰で今や治せない病気はないしな」
「そうねぇ」
というわけでここに永住が決まった俺だが。俺が何をしたというのか、何故かトイレとか風呂以外は青娥が一緒なことがある。たまに出かけたりするが、その時でさえあの変な顔色悪い奴がいるのだ。しかし今日は誰もいない。不思議には思うが面倒なのでやーめた!
「いねーかー?」
「うぎょぎょ」
「あ〜…魚だけか」
「ぎょっ」
「…んぎょぎょっ」
「ぎょっ」
人里
「お姉さん誰待ってるの?」
「そうねぇ…具体的には言えないわね」
「え〜?何々?犯罪者とか?」
「まあそんなところ」
「そんな奴待つよりさ、俺と一緒に」グサッ
「…貴方みたいな馬鹿を待ってたの。変装したくらいで警戒も何もしない馬鹿を」
「がっ…」
「私のせいで彼に迷惑をかけてしまったのは失敗だったわね。まあ、結果としては良いけど」
青娥…彼大好き♡♡♡彼と一緒にいる理由作りまくる!え、彼死にかけたの?誰だそいつ殺しに行くぞ
主人公…死にかけた原因と命拾った原因が同じなのでちょっと頭の中こんがらがってる
的な。
芳香は死体処理係