東方純愛小話   作:覚め

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紫様と盲目野郎の話
なんだがな
なんだかなー


第187話

人里

 

「どした紫」

 

「犬がいるわ」

 

「犬で止まんの!?」

 

目が見えないというのは面倒だ。が、さらに面倒なことと言えば…ここ幻想郷では障がい者は祟りだなんだと迫害される立ち位置にいることだろうか。犬が吠えるのもわからぬが故に犬を蹴飛ばしてしまったこと、2回。全部怒られたのは言うまでもないが。

 

「最近じゃ何も言われなくなったわね」

 

「紫のおかげだな〜」

 

「それはそれは、嬉しいわ」

 

「でも紫ってお偉いさんなんだろ?仕事とかは?」

 

「大丈夫よ。有能な部下が手伝ってくれてるから」

 

「ほへー」

 

「あの子達まで色恋に現を抜かしたら幻想郷は終わりよ」

 

「そうかそうか、じゃあ紫は」

 

「私は戻らないわよ。貴方との会話が楽しいんですもの」

 

「…そうですか」

 

「そうよ。まあ、貴方と幻想郷を二つとも同じくらい愛しているのだから…幻想郷の管理もやってるわ」

 

「やっていますか」

 

「そうよ。何?もしかして幻想郷消えたら悲しいな〜とか思ってた?」

 

「そんなんだから胡散臭いって言われるんだ」

 

「えっ」ガビーン

 

と言うわけで紫に釣られ連れられで散歩をして行く。紫は大層偉い妖怪であるはずなのに何故僕と散歩ができるのかと考えたことはあるが…まあ有能だからで片付くだろう。紫はそんなやつだから。胡散臭い奴だと言われているらしいが知らね。俺見えないもん。

 

「ただいま〜」

 

「おかえり」

 

「もー!もうちょっとくらいは乗っても良いんじゃないの!?」

 

「そう?」

 

「そうよ!断言できるもの!」

 

「そうだったか…おかえり〜」

 

「それよ!!」

 

「うるさいよ紫」

 

「…あっ」

 

「さて…おっと」

 

「大丈夫!?」

 

「転びそうになっちゃった…全く難儀だねぇ。こう言う時ばかりは外の世界が羨ましいよ」

 

「そうかしら」

 

「ばりあふりーって言って暮らしやすいんでしょ?羨ましいよ」

 

「じゃあ我が家も取り入れて」

 

「んー、いや良いよ。これはこれで楽しいから」

 

「楽しいんだ…」

 

「ここ…だ!」ドスンッ

 

「ハズレ」

 

「あらら」

 

「座布団の場所が知りたいなら言ってくれれば良いのに」

 

「いやーどーも。なかなかに覚えられなくて」

 

「覚えた方が良いわよ絶対」

 

「やっぱり?」

 

「1人で出歩いたりすることはないでしょうけど、家の中くらいは把握した方が良いのよ」

 

「家の中ね。了解」

 

嘘だ。八雲紫はいつ何時も何故か僕のそばを離れない。離れる時は重大な異変の時だけだと豪語しているくらいには離れない。家の中ですらくっ付くのだ。ぼーっとしていようと立とうとトイレへ行こうと何をしようと側にいる。正直言って安心感しかないのだがな。

 

「それじゃご飯ですよ」

 

「うっす」

 

「…」

 

「えーっと…これは…?」

 

「お肉。外の世界でしか見かけないお肉よ」

 

「ふーん?」

 

「何かおかしかった?」

 

「いや、これが外の世界の香りかって」

 

「なんでよ」

 

「どことなく紫の匂いが」

 

「わ、私が調理したからじゃない?」

 

「あー、そっか」パクッ

 

「そうよ。そんなに匂いキツイかしら…」スンスン

 

「嗅ぎ慣れてるからかな?」

 

「そう言う物なのね」

 

二時間後

 

「誰?」

 

「え、何?お客さん?」

 

「…こっち!」ガシッ

 

「ぁう!?」

 

スキマ内部

 

「ぅっ…」

 

「多少手荒になっちゃったけど許してくれると助かるわ」

 

「ぅん…で、誰だったの?」

 

「風見幽香だったわ」

 

「へー」

 

「私と同格の化け物ね」

 

「そうなんだ…でもなんで家に?」

 

「風見幽香には毎回勝ってるけど…今回はどんな手を使ってでも勝ちたいから貴方を狙いにきた、とかじゃないかしら」

 

「何それこわい」

 

風見幽香…なんて恐ろしい奴なんだ。家族を狙いに来るとはなんて奴…いや、待て。俺を殺したら紫ブチギレで殺しに来ると考えるのが自然じゃないのか?風見幽香とやらの様子が知りたい。だが目が見えないために顔を出しても手を出しても足を出してもわからない。

 

「避難先としては一時的な場所だから…どうしたものかしら」

 

「あれ、音しなくなった」

 

「…本当みたいね。引っ越し先も考えておかなきゃダメね〜」

 

「まじかー」

 

「まあ気長に考えましょう」

 

「うい」

 

「…それにしても良く此処から外の音についてわかったわね」

 

「え?だって、ここに」

 

「…まさか!」

 

「うわっ」ドサッ

 

「何もない」

 

「凡ミスね、八雲紫」ズォォォオ

 

「!?」

 

「な、何!?耳が痛いんだけど!?」

 

「くっ!」

 

人里

 

「わっ」ドサッ

 

「少しそこで待ってて!」

 

「あ、はい…なんだかよくわからんけど忙しいんだな?」

 

「そう!だから閉じるから!」スッ

 

「…そうだ、トイレに行こう。えーっと…こっち、かな?」

 

「そこ!」グサッ

 

「ぅえっ」

 

「風見幽香!!」

 

「痛…ぁ…」

 

「永遠亭に」

 

「無駄よ。彼は頭を刺されたのよ?生きてるわけがないわ」

 

「そんな…」

 

「紫…」

 

何かやらかしたのだろうか、なんか転がった。紫が騒いでる。騒いでるのか?どんどん小さくなって行く気が…する。するだけで、多分そうじゃない。多分。なんだかぼんやりしてきた。ぼんやりしてきた…のかな?ちょっと頭が…頭?頭なのか?

 

八雲邸

 

「紫様」

 

「…」

 

「全て揃えてあります」

 

「そう。ありがとう」

 

「ですが…その、失礼でしょうけど…本当にやるんですか?」

 

「やるわよ。私と彼の魂にある境界を取っ払うことに躊躇なんてないわ」

 

「そうですか」

 

「その分、貴女達には苦労をかけるでしょうけど、笑って許してくれる?」

 

「分かっております」

 

「そう。それじゃあ幽々子」

 

「連れてくるの大変だったんだから〜!」スッ

 

「ありがとう。後で何かあげるわよ」




八雲紫…大好き♡だから大好き♡
風見幽香…思ってたんと、違う。
主人公…死んだ後八雲紫と実質的に同化する。八雲紫はその分ステータスは下がるが愛が常にマックスなので実質プラス。
的な。
紫様こう言うことするでしょ絶対
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