人をお世話する快感って、知ってますか
稗田家
「うーっす…」
「こんにちは」
「えーっと…本日はお招いただき」
「良いんですよ。いつも通りで」
「ん、そう」
果て、俺が里の天皇みたいな感じの奴と何かしたことがあっただろうか。ないだろうな。一日生きるのに必死な俺だ。こんなガキに構ってられないね!…そう思っていたら部屋に着いたと言われた。なんの部屋だろうか?
「貴方の部屋です」
「俺の」
「はい」
「…どゆこと?」
「そゆことです」
「さいですか」
「では、何か御用があれば私か部屋の側にいる使用人に」
「あー、はい」
「それでは」
「…ほぼ拉致監禁じゃねーかと思った自分は正しかったな?」
「拉致監禁と捉えても問題ありませんよ。揉み消しますので」
「怖い怖い」
翌日
「結局寝れた…驚くほどに」
「朝ごはんの時間です」ガララッ
「朝ごはんすか」
「こちら…鳥、鳥、鳥でございます」
「見間違いかな。天狗、天狗、天狗に見えるんだけど」
「おや、化かされているようですね。博麗の巫女でもお呼びしましょうか?」
「巫女さんには合わせる顔がないからやめてね」
「それはよかった」
稗田さんは俺のことを知ってんのか。俺がW巫女をブチギレさせてその時就いていた仕事クビになったこと知ってんのか?ちなみに酒瓶で頭殴っただけ。角材で頭ぶっ叩かれたりしたけどね。うん。頭おかしいよあの巫女達
「で…食べ切ったけど」
「驚きですね」
「鳥なんだろ?」
「だって焼いてないですし」
「ちょっと待ってそれ先に言ってよ厠どこ!?」
「こちらです」
「ありがとう!」グッ
「…?なぜ閉めるんですか?」
「恥ずかしいから!!」
「閉める必要はありませんよ。昨日から貴方は私によって永遠に堕落させられていくんですよ?」
「それとこれは別問題!!」バタンッ
「いやん」
「…どういうことだってばよ…」
翌日
「散歩へ行くのだ」
「行かせませんよ」
「こんにゃろ」スッ
「私がずっと運動をしていないとでも?」ススッ
「と見せかけてこっち!」ササッ
「使用人」
「はっ」ガシッ
「あぐっ」
「…なんで外に出ようとしたんですか?」
「散歩だって言ってんだろ」
「女ですか?」
「巫女さんには見つからんように移動せにゃならんだろうね」
「今外では緑の巫女が布教していますが?」
「…だめか」
「はい。戻りましょう」
というわけで戻って来てしまった俺。どうしてもこの阿求という奴の家からは出られないらしい。出れなさすぎてどうすれば出られるのかではなく、どんな理由ならあいつを厠に入れなくて済むのかとか考えてる時点で俺もう堕落してるのでは?と最近謎の理論に辿り着きかけた。んなバカな。
三日後
「阿求」
「満足です」
「阿求さんかお前じゃダメなんかね」
「はい。楽に生活させてくれる人の名前くらい覚えておきましょう」
「教師みたいなこと言いやがる」
「さ、行きましょう」
「どこに」
「お風呂です」
「風呂くらいは自分で行けるわ!」
「…じゃあ厠に」
「行けるぞ。阿求さ…阿求。頼むから厠と風呂はやめてくれ」
「はぁー…わかりました。少しでも面倒になったら言ってくださいね?私が拭きますので」
「…」サッ
「なんでお尻を隠すんですか?」
「お前なんか怖いぞ」
「何を言うんですか。まるで私が変みたいな言い方して」
「そうは言ってないんだが」
「あら、そうでしたか?」
翌週
「阿求」
「なんですか?お風呂が面倒になりましたか?厠が面倒になりましたか?」
「違う。骨折した」
「は?」
「久しぶりに茶を自分で淹れてみたいな〜って思ったからさ、やかん持ったのよ」
「…」
「そしたらさ。ポロッと落として足にゴンって…水入ってるから折れた」
「そうですか」
さて何をどうやってこうなったかと言うとだな。今確認した限りだと医者は使用人の中にはいない。そして医者は腕のいい奴がいる。竹の中とはいえ道中は外だ。つまり久しぶりに見れるお空様ってわけだ!だから折ったわけだな。骨が折れるぜ…
「骨折の処置くらいは出来るので任せてください」
「…」
「どうしたんですか?当てが外れた顔しないでください」
「いやー、まさかお前が医者になるなんて」
「…もしかして、骨折したら外に出れると思いましたか?」
「んなわけ」
「確かに今の使用人には医者はいませんし、腕のいい医者を呼ぶには里の者へ配慮しなければならない…」
「だ、だから」
「いえ、あり得ませんね。さて…処置はできました。では!お風呂の入り方を指南しましょうか」
「は?入れるって」
「その足をお風呂に浸からせたら痛みが長引きますよ」
「…」
風呂
「まずは水に浸からないように入ってみてください」
「よっ…と…」
「…足を風呂桶の外へ」
「ほい」
「まあ上出来でしょう」
「めんどー…あ、いや」
「面倒でしたか?じゃあ今日から私がサポートしましょう!厠も面倒でしょうから、私がやりますよ!」
そのままいやー骨を折らせた甲斐がありましたとかほざき始めたので初めから掌の上だったと言うことらしい。が、ここから先はならんぞ。貴様は一つ、誤算をしている…その誤算により策士は策に溺れると言うことを知っておけ!
「厠はまだ片足が使えるから」
「じゃあ四肢取っちゃいましょうか」
「あーごめん厠もついて来てくれるとうれしーなー」
「四肢を取ったら治るも何もないですからね〜」
「阿求聞いてるのか?」
「さて…貴方の四肢は私が取りますよ」
阿求さん…誰かをとことん世話して快感を得る人。最初に天狗食わせたのは主人公を妖怪にするためで、転生した後も世話できるようにするため。ちなみに主人公がW巫女をぶん殴った時にときめきを感じたらしい。やべー奴だな阿求って
主人公…堕落した
的な、ね。