東方純愛小話   作:覚め

191 / 201
お仕事とかないですよ。当たり前だのクラッカー


慧音先生の一日

人里

 

「せんせ〜!」

 

「おうどうした」

 

「どうしたって、朝郵便受け見たらここで待っているから遊びに行こうとかって」

 

「あ、すまん。やはり起こしに行った方が良いか」

 

「天然男垂らしなんですねぇ」

 

そう言うわけではないのだが…と言われて少し疑問になったがまあ良いだろう。おそらく慧音先生はこう言うのをそんな気無しにやる人なんだろう。俺はそんな慧音先生といい雰囲気になったけど振られたやつの話を聞くのが好きなんだ。よく知ってる。

 

「さあどこに行きましょう?」

 

「うーむ…今日は満月だからな。夜まで遊ぼう」

 

「ぜってーそういうところですって」

 

「さっきから何を言っているんだ…」

 

「さあ行きましょう!」

 

「おう」

 

「あー…満月ってことは祭りがあるんですか?」

 

「そうだなぁ…うん、そうだ」

 

「なんですかその返事」

 

「私も今思い出したからな」

 

「そっすか」

 

「まあな」

 

「たい焼きでも食べましょう」

 

「毎回それだな」

 

「やはり男垂らし。俺は慧音先生と来たのは初めてのはずなんだが」

 

「むっ」

 

しまった、と言った感じの顔をしている。やはり男たらしだったか。天然だったのかは知らないが…まあ多分、慧音先生デートスポットで皆が自然と選んでしまうんだろう。恐らく寺子屋の野外学習でいつもたい焼きを食べていたとか…あり得そう。

 

「まあまあ!良いだろう別に!鯛焼きはちょっと久しぶりだから」

 

「見苦しいですよ先生」

 

「うぐっ」

 

「たい焼き二つ。中身あんこね」

 

「あ、待て、私はカスタード派だ」

 

「…らしいわ。あんことカスタードひとつずつ」

 

「ここも私がリードしなければダメか…」

 

「?」

 

「お代はこれくらいか?ここは私が奢ってやろう」

 

「ええ!?」

 

「なに、私が無理やり来させたんだ。奢るくらいは良いさ」

 

「そうでしたね」

 

「随分あっさりと引き下がるな」

 

「なんか粘っても無駄な気がして」

 

「そう言うところだけは妙に覚えているんだな」

 

「さて食べましょうや」

 

「あ、待て。どっちがカスタードだ?」

 

「…こっち?」

 

「そっちか」

 

「次どこ行きます?」

 

「そうだなぁ…ん!?これあんこじゃないか!」

 

「ええ!?…あ、本当だ!」

 

「私が言った後に食べて確認しないでくれるか?」

 

「あ、ごめんなさい」

 

「はぁ…まあ、互いに一口だ。交換で我慢しよう。」

 

「ありがとうございまーす」

 

なんだか一口だけで妙に嬉しそうに見えるぞ。そんなにあんこが嫌いだったのだろうか。それともあんことカスタードの落差に喜んでいるのだろうか。まあ何はともあれ笑顔で可愛いとは思うが…全てにおいてよくわからん。カスタードよりあんこだろう。

 

昼間

 

「たい焼き一つで食い繋いでしまったな」

 

「意外と減らないもんですね〜」

 

「わたしは少し空いてきたんだが」

 

「じゃあ団子でも食べます?」

 

「そうだな。そうしよう」

 

「…三色」

 

「みたらし」

 

「五平餅」

 

「!?」

 

「ある?あるって、慧音先生」

 

「またこれか…」

 

「?」

 

「とにかく、五平餅なんかあったか?」

 

「通い詰めて作ってもらった」

 

「最初はなかったんだが…」

 

「そうだっけ?」

 

「まあ良いか。じゃあみたらしと五平餅を…」

 

「一つ」

 

「一つずつ」

 

「お代は…」

 

「これだな」チャリン

 

「速い」

 

「まあ、覚えているからな」

 

「覚えてる?」

 

「ずっと同じ組み合わせだったしな」

 

「…?」

 

「さあ、五平餅はこれだな」

 

「おっしゃー!」

 

数分後

 

「かなりお腹いっぱい」

 

「五平餅を食べるからだ」

 

「…慧音先生」

 

「ん?」

 

「もうそろそろ祭りですよね」

 

「まあな」

 

「じゃあ行きましょう!」

 

「今から行って丁度祭りの時間になるくらいか」

 

「え、今そんな時間ですか?」

 

「いや、色々あるから」

 

慧音先生の予言通り色々あった。道中慧音先生が妙に興味を向けた『恋仲専用物品』と言うものにかなり時間がかかった。祭りの日には大体こんなものが並ぶらしい。満月の度にやっているので2ヶ月に一度くらいの頻度でこの人はこれを見ているのだろうか。ちと疑問

 

「夜になっちまいましたね…」

 

「まあなぁ。夜になっても屋台のおかげで明るいし」

 

「あかるーい!」

 

「…フフッ」

 

「どうしました?」

 

「いや、なんでもない。さて、祭りを楽しもうか」

 

「りんご飴だ…一つ」

 

「いや、私も欲しいから二つだ」

 

「お代は」

 

「これくらいだな」チャリン

 

「速いって」

 

「まあ、な」

 

「あ、仮面!」

 

「お面、な」

 

「これ一つ」

 

「じゃあ私はこっちを」

 

「おー、似合う?」

 

「似合っているぞ」

 

「じゃ、ちょっとりんご飴とお面持って待ってて」

 

「ん?ああ」

 

少し離れた屋台

 

「…確かここら辺に使い捨てカメラが…」

 

「お呼びですね!?」

 

「使い捨てカメラひとつ」

 

「どうぞ!」

 

「っしゃあ!」チャリン

 

仮面の屋台

 

「慧音先生」

 

「ん?」パシャッ

 

「いえーい」

 

「はぁ…私も、浴衣を着てくればよかったよ」

 

「みんな浴衣ですもんねー」

 

「途中で帰ってでも着るべきだったか」

 

「現像するにはやっぱり手間がかかりますねこれ」

 

「そうだろうな…なぁ、あっちに行かないか?」

 

そう言われて慧音先生が示した方向にあったのはちょっと高い場所だった。鐘があるので多分有事の際に登って鳴らすためのものだろう。あそこから屋台を見下ろすのだろうか。そう思いつつ一緒に歩いて行った。今すぐ写真に撮れたはずの慧音先生を現像したいつもりではいるんだが

 

「さ…今日は楽しかったな」

 

「ここから見下ろすなんてね〜」

 

「それじゃあ…」チラッ

 

「?」

 

「私は君のことが好きだ。どうか付き合って欲しい」

 

「えっ…好きって、恋愛的な…?」

 

「そうだ。その…こう言うのは確認されると恥ずかしいんだが…」

 

「…ごめんなさい。慧音先生」

 

「やっぱりか」

 

「友達の関係でいたいと言いますか」

 

「今回もダメだったか」

 

「…今回も?」

 

「…少し、こっちに来てくれ」

 

「え、はい」

 

「良い子だ。次の祭りまでにはもう少し進展してみせるさ」

 

2ヶ月後

 

「んー…ん?」

 

「お、ようやく起きたか」

 

「え?え?」

 

「いや、朝郵便受けに手紙を出すのも良いとは思ったんだが…やはり急に誘うのなら迎えに行くのが道理だろう?」

 

「あー、今日何かありましたっけ。浴衣姿で」

 

「祭りがあっただろう?」

 

「あ、そうでしたね。それじゃあ…先ずはたい焼きでも食べましょうか」




主人公…記憶が消されてるけど慧音先生に風邪を引いていただろうと言われて納得している。言われた記憶も消されているから何回でも通じる。
慧音先生…失敗したら記憶を消してリスタート。2ヶ月間で距離を縮めて祭りの日に告白を繰り返している。ちなみにたい焼きとりんご飴は間接キス目当て、お面は主人公の顔の匂いとかを嗅ぐ為に自分のも買った。言い訳にする為に。
使い捨てカメラを売ってる屋台…先月から出現。慧音先生はそんなことを知らなかった為に次回から浴衣で起こしに行っている。
的な。
実質ループ状態で急に出てくる使い捨てカメラ君ほんと可哀想。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。